指導者養成研修事業「おだわら自然楽校」平成27年度の活動実績

「おだわら自然楽校(がっこう)Odawara Outfitters Training School(※) 」は、子どもたちの健やかな成長と強く生き抜く力を育むため、体験活動をサポートする指導者を養成する目的で平成22年度からスタートし、これまで延べ800人を超えるかたが受講しました。
質の高い研修を目指すため各分野で活躍している講師を招き、知識や技術を学び、また習得した知識・技術を学校や地域の体験学習において指導者として力を発揮し、さらには受講生が小学生を対象とした体験学習を企画・運営するなどの活動を展開しています。
ここでは「おだわら自然楽校」の平成27年度の活動実績をご紹介します。
(※)Odawara Outfitters Training School(通称:OOTS(オッツ))
「outfitter」(アウトフィッター)とは、自然との関わりを楽しむ人のこと。NPO法人国際自然大学校では、アウトフィッターを「自然や人とのかかわりの中で、人生を前向きに生き続けている人のこと」と定義しています。
「おだわら自然楽校」は、ふるさと小田原をフィールドに、自然や人とのかかわりの中で人生を前向きに生き続け、子どもたちが健やかに、そして力強く成長していくことを願い、それを未来ある子どもたちへと紡ぐ指導者を養成していきたいという思いを込めて、「おだわら自然楽校」を「Odawara Outfitters Training School(OOTS)」と表記しています。
平成27年度実施 研修プログラム
開催日 | 研修タイトル | 場所 |
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5月24日(日) | ゲームdeグループビルド | PAA21ロープスコース |
6月20日(土) | 体験学習のススメ | 旧片浦中学校 |
9月26日(土) | 磯遊び中級編 | 三ツ石海岸、真鶴町立遠藤貝類博物館 |
2月6日(土) | ファイヤーマスターを目指そう | 小田原市役所 |
開催日 | 研修タイトル | 場所 |
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10月24日(土) | キャンプクッキング講座 | 旧片浦中学校 |
11月28日(土) | 深まる秋の野山を満喫しよう!! | 箱根町浅間山 |
12月12日(土) | ネイチャーゲーム講座 | 神奈川県立足柄ふれあいの村 |
基礎編第1回「ゲームdeグループビルド」
おだわら自然楽校第1回目の研修は「仲間づくり」には必要不可欠な「ゲームdeグループビルド」です。今回も宮里麻美さんをはじめとした足柄グリーンサービスの皆さんをファシリテーターとしてお迎えし、南足柄市にある足柄グリーンサービスのプロジェクトアドベンチャー専用のロープスコースを使用し、実際にアクティビティを体験しながら、仲間づくりを進めていく内容でした。
地上にあるプログラムから高さ10メートル越えの場所で行うプログラムなど、様々な課題をみんなで話し合い、アイデアを出し、それをまとめてクリアしていきました。
基礎編第2回「体験学習のススメ」
楽しい体験学習が集中する夏は天候の急変やそれに伴う事故が多い季節でもあります。基礎編第2回は、Outdoor Life Style Produceの小清水哲郎さんを講師にお迎えし、体験学習中の天候変化におけるリスクを考え、雷雨から安全に回避する行動やその場で出来る雨プログラムを参加者が体験しながら学びました。
午前中はパワーポイントとワールドカフェ形式で他市町村で発生した体験学習中の事故について講師から説明を聞き、なぜ起きてしまったのか、どうして防げなかったのかを参加者で考え、意見を出し合いました。
午後からは実際に外に出て、落雷から身を守るためには、どのような場所に避難するのが適切なのかなどを実体験しました。
また、限られた物品で出来る雨プログラムの紹介や2チームに分かれ、互いに与えられた物品で考えたプログラムを他のチームに体験してもらいました。
基礎編第3回「磯遊び中級編」
基礎編第3回は、特定非営利活動法人Discover Blueの水井涼太さんをお迎えし、真鶴町立遠藤貝類博物館と三ツ石海岸で磯遊びの研修を行ないました。
磯観察を始める前に、コケの多い岩場など滑りやすい場での注意点や、相模湾の海岸で見られる生物と、毒を持った生物に刺されてしまった時の症状と対処法を学びました。
磯観察では、1メートル四方にどれだけの生物が生息しているか観察する「コドラート調査」の実践や、範囲を決めずに多くの種類を見つけ出す研修を行ない、1種類ずつ講師に解説していただきました。
午後は深海魚などの多種多様な生物が生息できる相模湾の特徴や、顕微鏡を使ってのプランクトン観察について座学形式で学びました。
基礎編第4回「ファイヤーマスターを目指そう」
基礎編最後の研修は県立青少年センター指導者育成課の中川賢彦さんに講師を務めていただき、火起こしキットの作成とキャンプファイヤーの進行方法を学びました。
午前中は小田原の間伐材を利用して、火起こしキットを作成しました。電動カンナや電動ノコギリ、手動ドリルを使いながら、火きり板と押え棒、芯棒を参加者同士協力しながら製作しました。
午後からは実際にキャンプファイヤーで使用する薪を使い、薪組の基礎を実際に薪組を行いながら学びました。点火の方法もトーチ棒から点火する方法やワイヤーを使って火の玉を落とす方法など様々な手段を学びました。
薪組の後は、それぞれの役割に分かれ、エールマスターや歌の先読み、火の神を呼ぶ寸劇などを実践しました。
特別編第1回「キャンプクッキング講座」
より実践的なことを学ぶ特別編の第1回目は、講師にOutdoor Life Style Produceの小清水哲郎さんをお招きし、災害時に役立つ調理メニューや普段のキャンプで調理する料理から更に1歩踏み込んだメニューを紹介、実践しました。
まずは調理に入る前に、割り箸1膳とマッチ1本を渡し、火を起こす体験を実施しました。割り箸を小さく割る人やミニキャンプファイヤーを作る人など様々ですが、最終的に着火できた方法は、ベテラン参加者が実践した割り箸の先端を石で潰す方法でした。
その後は災害時にも応用できる料理として、紙コップにアルミホイルを巻いて炊き上げるご飯や鍋と紙コップで作る蒸しパン、プリンなどを調理しました。
また、ダッチオーブンを利用してキャベツを丸ごと入れて作るスープや丸鳥をアルミホイルで包んで火の中に入れて焼き上げる料理など普段のキャンプで作るメニューにさらに1品追加できるようなメニューを作りました。
参加者は応用メニューとして、アルミホイルで作るホットケーキや焼きリンゴなどにも自主的に挑戦していました。
特別編第2回「深まる秋の野山を満喫しよう」
特別編第2回は「山歩き」と「自然観察」、そのどちらもいいとこ取りしたスペシャルコラボ企画。自然界の案内人プロナチュラリストの佐々木洋さんと、山歩きのスペシャリスト木風舎の橋谷晃さんの両名を講師として迎えた研修です。今年で3回目を迎えたこの研修では、宮ノ下駅から箱根にある浅間山(せんげんやま)を登り、箱根湯本に下山する登山コースを使い、秋深まる山をフィールドに登山と自然観察プログラムの研修を行いました。落ち葉や木の実、山に生息する昆虫、小動物の巣や食べ残し、登山中の歩き方のポイントや下山中の滑りにくい歩き方など、テレビや雑誌で活躍するお二人の軽快でノンストップなトークで解説していただき、参加者の笑顔が絶えない素晴らしい研修となりました。
特別編第3回「ネイチャーゲーム講座」
特別編最後となる第3回研修は、おだわら自然楽校受講生の瀬戸正功さんを講師にお迎えし、足柄ふれあいの村でネイチャーゲームのプログラムを体験しました。
まずはネイチャーゲームとはどのようなものなのか室内で学び、その後は野外で動物カードや自然にちなんだ自己紹介カードを使ったプログラムを体験しました。アイテムを使うだけでなく、目隠しをして音だけを頼りに活動するプログラム、手の感触だけで木や葉の表面を確認するプログラムなど、視覚・聴覚・触覚を活用して自然を感じるアクティビティを体験しました。
また、どんぐりを利用してリスなどの小動物が木の実を隠し、回収できなかった実が芽を出し、森林が保たれることを体験を通して学びました。
指導者の活動実績
「おだわら自然楽校」で学んだ指導者たちは、ひとりでも多くの子どもたちに感動や体験が得られる機会をより多く提供するため、小学校が実施する体験学習や地域で実施する体験学習に出向き、小学校や地域の体験学習活動をサポートしています。
5月 | 桜井小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 富士見小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 |
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6月 | 矢作小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 酒匂小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 町田小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 芦子小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 |
7月 | 富水小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 下中小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 下曽我小学校(5年生)宿泊体験学習への支援 早川小学校(4・5年生)宿泊体験学習への支援 |
8月 | 「あれこれ体験in片浦(1)」の企画・運営(5・6年生対象) 「あれこれ体験in片浦(2)」の企画・運営(5・6年生対象) |
10月 | 市内教員部会への支援 |
11月 | 千代小学校アウトドアクラブへの支援① 桜井小学校アウトドアクラブへの支援 |
12月 | 千代小学校アウトドアクラブへの支援② |
3月 | 「あれこれチャレンジin片浦」の企画・運営(4・5・6年生対象) |
「『おだわら自然楽校』の実践報告」が、「紀要」冊子に掲載されました。

国立青少年教育振興機構青少年教育研究センターが発行する「紀要第2号」に、小田原市の取組みとして「『おだわら自然楽校』の実践報告」が掲載されました。
小田原市における青少年の健全育成の柱である「指導者養成研修事業」「指導者派遣事業」「地域・世代を超えた体験学習事業」の3事業について、平成22年度にスタートしてから3年間の取り組みの詳細が掲載されています。
下記のリンクからご覧いただけます。
平成28年度受講生募集~子どもたちはみなさんの力を必要としています~
「おだわら自然楽校」では平成28年度の受講生を募集します。4月15日の広報小田原、市ホームページで第1回研修のお知らせをいたします。体験学習に興味のある方は、青少年課までお問い合わせください。詳細をご案内いたします。
この情報に関するお問い合わせ先
子ども青少年部:青少年課 育成係
電話番号:0465-33-1723
FAX番号:0465-33-1723