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2016年06月21日(火)

あじさいの季節の旅

小田原城東堀の花菖蒲とあじさい小田原城東堀の花菖蒲とあじさい
 梅雨に入って、うっとおしい季節となりました。でも、天気予報の解説で、梅雨前線に沿て低気圧が通ると東側は雨、西側は晴れになると知りました。梅雨だからと云って毎日雨が降っているわけではないのです。雨の次の日は晴れ間が見えるそうですから、そういう時は、前日の雨でしっとりと濡れたあじさいの花を見に出掛けるのもよいでしょう。
 
 この週末に、あちらこちらのあじさいを見に出掛けました。その小さな旅のレポートです。


小田原城のあじさい花菖蒲まつり

 土曜日は明け方には雨が残っていましたが、日中は雨が上がりました。小田原城の「あじさい花菖蒲まつり」に出掛けました。まつりは、6月4日(土)から19日(日)まで開催されています。5月1日に改修が終わって再開城した小田原城は、連日多くの観光客が訪れています。休日の小田原城内は人が溢れて、前に進めないほどの賑わいとなっています。皆さんは、小田原城を見学した後、天守閣下の東堀に降りていき、花菖蒲園を観賞しています。花菖蒲園の天守閣側の崖にたくさんのあじさいが植えられて、花菖蒲の背景となっています。花菖蒲は盛りが過ぎていましたが、アジサイは満開を迎えて、この日もたくさんの観光客があじさいを楽しんでいました。
 
開成町のあじさいまつり開成町のあじさいまつり
開成町のあじさいまつり
  
 翌日曜日は、とても良い天気で快晴の下、開成町のあじさいまつりに出掛けました。6月4日(土)から12日(日)まで、まつりの最終日でした。こちらも大変な人出で、昨年よりも来場者が増えているように感じました。晴天下に色鮮やかなあじさいが咲き誇って、みなさんはあじさいをバックに盛んにシャッターを押していました。子どもたちは田んぼの中のオタマジャクシに歓声を挙げていました。丹沢山地の山並みを背景に、蛙の鳴き声を耳にしながら自然の中であじさいを楽しむのもよいものです。



 
箱根登山線あじさい号箱根登山線あじさい号
箱根登山のあじさい電車
 
 3日目は、箱根登山鉄道のあじさい号に乗って、あじさい電車の旅に出掛けました。
 平日の朝でしたので、車内は比較的空いていました。登山電車の特等席は、最後尾の車掌室の真後ろの席です。優先席の場合もありますが、一般席のときは、その席がもっとも登山電車の旅を楽しめることでしょう。
 
 箱根登山電車は、世界で2番目というほどの急こう配を登っていきます。そのまま登れない場所では、スイッチバックという方式で、前後を入れ替えて進みます。この運転手さんと車掌さんが前後に交代する場面は、どこでもある光景ではないでしょう。鉄道ファンでなくとも、興味津々となることは請け合いです。

 箱根登山電車では、沿線の名所や見どころを社内放送で案内してくれます。早川の鉄橋を通過するときや、その通過した鉄橋を上から見下ろすポイントなど、電車に乗るだけでも、大人でも大いに楽しめるのです。

 スイッチバックですから、車掌室の真後ろの席も、途中から運転席の真後ろに変わります。運転席の後ろから見る沿線の風景は、また格別です。あじさい電車の名の通り、線路の両側にはあじさいがたくさん植えられています。車窓をあじさいの枝や葉が叩いていく電車など他にはないでしょう。これも単線だからこその光景です。あじさいは、まだちょっと早いようで、6月下旬から7月上旬が見頃となりそうです。
 
 塔ノ沢駅の錢荒井弁天、彫刻の森美術館など車窓からも、沿線にある施設を垣間見ることができます。
 
強羅公園のアジサイ展

 箱根登山電車の終点は強羅駅です。そこから早雲山に向けてケーブルカーが出発します。早雲山から大涌谷までのロープウエーは運行していませんが、芦ノ湖側からのロープウエーは大涌谷駅舎から外へは出られませんが、再開しています。

 私は、強羅駅から強羅公園まで坂を上って歩いていきました。強羅公園内では、「あじさい展」が開催されていました。最近あじさいは、色とりどりで花弁の形もさまざまな新しい園芸種が開発されているようです。展示会場内にも、これまでのあじさいのイメージからは想像もつかない華麗でゴージャスな花が並んでいました。花名も「ダンスパーティ」や「シュガーホワイト」など楽しいネーミングです。ゴージャスな西洋あじさいの一方で、日本原産種で小振りで可憐な山あじさいも魅力的です。80種類ものあじさいが展示されている会場では、即売コーナーも設けられています。

 強羅公園内には、三井の大番頭であった益田鈍翁などゆかりの「白雲洞茶苑」という茶室があります。茶席である「対字斎」は、正面に大文字山が見え、緑濃い山肌に「大」の字が見えます。座敷に坐して大の字に対することから、「対字斎」と原三景が名付けたそうです。

 通りかかったアメリカ人観光客をお誘いして、一緒に抹茶をいただきました。国際的な箱根ならではの、小さな国際交流も旅の思い出になりました。(深野 彰 記)


 

2016/06/21 16:59 | 季節

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