体験講座「人形浄瑠璃」のポスター小田原市では、古典芸能の上演やワークショップの企画に力を入れています。昨年度、今年度は「松竹大歌舞伎」を招いて上演しました。また、子どもたち向けの能楽ワークショップも毎年開催しています。更に、小学校のアウトリーチ事業としても、「狂言」などの古典芸能を招いて紹介しています。「平成28年度小田原市文化創造活動担い手育成事業」の一環として12月20日に開催されたのは、伝統芸能体験講座「人形浄瑠璃」です。いわゆる「文楽」と呼ばれる人形芝居です。「文楽」は、明治時代に大阪にあって人形浄瑠璃を上演していた「文楽座」の名に拠っていますが、人形浄瑠璃の代名詞となりました。今回の講座は、古典芸能に接する機会が少ない子どもたちに、プロの人形遣いによる本物の人形劇を観てもらおうとする試みです。そして、ただ観るだけでなく、舞台上で人形遣いを自ら体験する機会も設けられている体験講座となっています。小田原市民会館小ホールで上演された人形浄瑠璃をレポートします。
文楽人形遣い「吉田幸助」さんインタビュー
公演に先立って、文楽人形遣いの吉田幸助さんにインタビューする機会を設けていただきました。出演者控え室で出演前に幸助さんにお話を伺いました。
人形浄瑠璃は世襲される家元制度ではなく、師匠に入門した弟子が襲名して技を伝えていくそうで、世襲が一般的な能や歌舞伎の世界とは異なります。ただ、幸助さんは祖父と父親が人形遣いで、子どもの頃から人形に接していました。幸助さんのように親子で継いでいく例は、文楽では希なのだそうです。