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2017年05月01日(月)

「五代祭り」を前に、歴史作家・伊東潤さんに聞いてみました!

今回、第53回となる『小田原北條五代祭り』。

5月3日の武者行列には、特別出演として四代氏政公役に俳優の高嶋政伸さんが出演される事が話題になっていますね。

また、リニューアルオープンから1年を迎える小田原城天守閣も依然として盛況で、イベントや連休期間中は大勢の来場者が見込まれているようです。

あとは、天候が良いことを祈るばかりです。

 

そんな小田原市観光最大のイベントを前に、北条五代観光推進協議会の大河ドラマ化実現などでも尽力なさっている歴史作家の伊東潤さんに、お話を聞いてみました。

伊東潤さんは、北条氏照の生涯を描いた『戦国関東血風録』でデビューし、2007年『武田家滅亡』(角川書店)でメジャー・デビュー後、多くの賞を受賞なさっています。


―今回も先駈け隊で市長らと歩かれますね。「五代祭り」で小田原の街を歩かれるのは何回目ですか?何か思い出に残っている事はありますか?

歴史作家の伊東潤さん歴史作家の伊東潤さん

伊東潤(以下、伊東):子供の頃、牧伸二さんが殿様役をやっていたのを見に行った覚えがあります。あの頃は早雲役とかじゃなくて、単に殿様だった。その後、2005年に、普通に応募して先頭を歩く旗持ち役で出してもらいました。次は2010年に家族で見に行き、昨年になります。かれこれ4~5回ですね。

―初めて参加した頃と、イベントの雰囲気の変化を感じますか?

 

伊東:お客さんが異常に増えましたね。昔よりも人垣の密度が濃いです。

 

―「五代祭り」で何かやってみたい役、もしくは作って欲しい役はありますか?

 

伊東:役付きは、もういいかなと(笑)。やりたい人が多くいるので、譲った方がいいでしょう。5~10年ぐらい前までは、五代祭りで誰かの役をやりたかったですね。

―「五代祭り」を機に小田原に初めて来る伊東潤ファンの方へ、小田原城跡や周辺で「ここは見ておけ!」というお勧め場所、伊東さん個人のお気に入りスポットがあったら教えて下さい。

小峯御鐘台大堀切小峯御鐘台大堀切

伊東:私が言うまでもないことですが、小峯御鐘台大堀切は必見ですね。

また、小田原駅近くの氏政と氏照の墓の横のホテルに泊まることを推奨します。北条氏のことをよく書いてきた僕だから出てきてくれたのかもしれませんけどね。何も起こらなかったらごめんなさい(苦笑)。

 

―『城をひとつ』(新潮社)刊行に際して、大河ドラマ『真田丸』で北条氏政を演じられた高嶋政伸さんとの対談がありました。高嶋さんの印象はどうでしたか?今回、お祭りでまたご一緒される訳ですが、対談の折には小田原城や五代祭りに関する話題も出ましたか?

 

伊東:とてもまじめな方でした。役作りに懸ける情熱が半端じゃないですね。どうして、あそこまで突き詰めて考えられるのか、役者さんの神秘性を感じました。

たまたま高嶋氏に会う前の週に小田原で市長とお会いし、「高嶋政伸氏を呼びましょう」と提案しました。「ぜひ」という話になり、高嶋氏にお会いした折に勧めたら、「それなら」という形でご快諾いただきました。

 

―今後、北条氏に関する小説作品、本、記事など予定されているものはありますか?また、課題として調べてみたい方面はありますか?

 

伊東:まずPHP新書で『北条氏康』を11月に出します。これは共著になります。また故火坂雅志氏が途中まで書いていた『北条五代』(季刊『小説トリッパー』朝日新聞出版)の後を引き継いで書くことになりました。こちらも共著という形になります。とにかく今は、自分の原作でなくてもいいので、北条大河ドラマの実現に向けて努力していきます。小田原のあるお年寄りから、「自分が生きているうちに実現してほしい」と言われたことがあり、「そうか。お年寄りにとっては切実な願いなのだ」と気づきました。それ以来、「いつか実現するだろう」から、時間との戦いなんだという意識に変わりました。

 

―ありがとうございました。

伊東さんの高嶋さんとの対談は、こちらの新潮社サイトで見ることができます。

http://www.shinchosha.co.jp/book/331853/

 

伊東先生は今月初めにも小田原城銅門で講演会をされたばかりですが、今回の質問にも親切丁寧にお答えいただきました。改めて御礼申し上げます。

(そうこ記)

2017/05/01 13:19 | 歴史

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