伊東:私が言うまでもないことですが、小峯御鐘台大堀切は必見ですね。
また、小田原駅近くの氏政と氏照の墓の横のホテルに泊まることを推奨します。北条氏のことをよく書いてきた僕だから出てきてくれたのかもしれませんけどね。何も起こらなかったらごめんなさい(苦笑)。
―『城をひとつ』(新潮社)刊行に際して、大河ドラマ『真田丸』で北条氏政を演じられた高嶋政伸さんとの対談がありました。高嶋さんの印象はどうでしたか?今回、お祭りでまたご一緒される訳ですが、対談の折には小田原城や五代祭りに関する話題も出ましたか?
伊東:とてもまじめな方でした。役作りに懸ける情熱が半端じゃないですね。どうして、あそこまで突き詰めて考えられるのか、役者さんの神秘性を感じました。
たまたま高嶋氏に会う前の週に小田原で市長とお会いし、「高嶋政伸氏を呼びましょう」と提案しました。「ぜひ」という話になり、高嶋氏にお会いした折に勧めたら、「それなら」という形でご快諾いただきました。
―今後、北条氏に関する小説作品、本、記事など予定されているものはありますか?また、課題として調べてみたい方面はありますか?
伊東:まずPHP新書で『北条氏康』を11月に出します。これは共著になります。また故火坂雅志氏が途中まで書いていた『北条五代』(季刊『小説トリッパー』朝日新聞出版)の後を引き継いで書くことになりました。こちらも共著という形になります。とにかく今は、自分の原作でなくてもいいので、北条大河ドラマの実現に向けて努力していきます。小田原のあるお年寄りから、「自分が生きているうちに実現してほしい」と言われたことがあり、「そうか。お年寄りにとっては切実な願いなのだ」と気づきました。それ以来、「いつか実現するだろう」から、時間との戦いなんだという意識に変わりました。
―ありがとうございました。