葛西さんの巧みな話術題名にある「連理(れんり)」とは、一本の木の枝が他の木の枝について、同じ木のように木目が同じになるほど通じあっていることで、夫婦・男女の間の深い契りをたとえて言います。
信濃屋の14歳の「お半」は信濃屋の娘で、隣の帯屋の主人「長右衛門」は25歳も離れていますが、思わぬ出来事で契りを結びます。ところが、長右衛門は武家屋敷から預かった刀をすり替えられて進退窮まり、更にお半の懐妊を知って、遂にお半と桂川で心中してしまいます。「柵」は「しがらみ」と読み、川の流れを堰き止めるものですが、転じて、じゃまをするものの意味があります。二人は、連理のように絡み合い、じゃまを受けて因果の果てに桂川で心中してしまうのです。