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2014年09月24日(水)

外郎売りの口上大会

「外郎(ういろう)」は、小田原市で500年の歴史を誇る老舗薬屋です。「ういろう」の名が世に広まったのは、歌舞伎十八番「外郎売(ういろううり)」でしょう。享保年間、歌舞伎役者二代目市川団十郎が病のため舞台に立てなかったとき、ういろうを服したところ全快しました。そこで、団十郎は外郎売の舞台を上演したのだそうです。
■外郎売の口上■

歌舞伎「外郎売」の長い台詞は有名です。「ぶぐばぐぶぐばぐ三ぶぐばく」の台詞は、誰でも聞いたことがあるでしょう。とても長く言いにくい言葉を早口言葉で一気に話さねばならないので、アナウンサーは必ずこの台詞を訓練するそうです。
ういろう太鼓ういろう太鼓
■外郎売の口上大会■
8月23日、小田原市民会館で第11回『外郎売の口上大会』が開催されました。通の速さでも言うことが難しい外郎売の口上ですが、口上研究会の皆さんが、日頃の訓練の成果を大会で披露しました。
幕開けは、「外郎太鼓」の勇壮な演奏で、太鼓の重い音がお腹に響きました。外郎売の口上では、さすがに皆さんの口上は滑らかでとても速かったです。聞いていて、口上はリズムなのだと気付きました。手振りをしながら口上すると、台詞が滑らかになるようです。また、団十郎が小田原のういろう家まで旅する劇と曽我物語の劇も上演されました。特別ゲストは絵本作家の飯野和好さんで、三度笠の旅姿で登場しました。「ねぎぼうずのあさたろう」の講談風の朗読は、会場の笑いを大いに誘っていました。
子どもたちの外郎口上勉強中子どもたちの外郎口上勉強中
■伝統をつなぐ■
「歌って笑って口上勉強中」は子供たちによる寸劇です。子どもたちが見事に口上したのには、驚きました。「外郎売の口上研究会」では、子どもたちも歌舞伎の世界を楽しみながら、伝統をつないでいるように感じました。
(深野 彰 記)

 
出演者勢揃いのフィナーレ出演者勢揃いのフィナーレ

2014/09/24 10:09 | 歴史

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