レポーターブログバナー
2014年11月13日(木)

残したい小田原の伝統の食文化~これぞ小田原の味、ウズワの塩焼き。塩鮭より旨い。

先日、小田原の某スーパーに買出しに行った。タイムサービス中で、なんと平ソーダが2切、200円が半額の表示。即3パックを購入。数年来作りたいと思っていた材料がやっと手に入った。しかも三枚におろし済みの状態です。
塩の塩梅は目での記憶と舌をたよりに、挑戦してみました。
約30年振りの再現の試みです。以下手順を写真で紹介します。
翌日まで冷蔵庫で寝かし、流水で30分塩出しをし、表裏とも15分づつ弱火でじっくり焼き上げ、熱々のうちに身をほぐし、さっそく試食してみました。
まずは、炊き立てのごはんにウズワのみの超シンプルな食べ方。
うん、うん!これ、この味だ!。ちょっと塩出し時間が短いかな。まあいいか。塩加減と身の締り具合、きしきしという噛み応え。50年前も感じたこの食感。当時も思ったが、鮭よりもうまいがほぼ再現でき、感動の一瞬でした。米との相性は抜群。日本人に生まれてよかったと感じた瞬間でもありました。冷蔵庫もなかった時代、しかもさばよりもさらに足が早いと言われる宗田カツオ。塩蔵や干物技術など小田原の先人たちの生活から生まれた保存の知恵とそれで可能になった食文化の一つであろう。今後は以前に取り組んだ燻製づくりを利用して、燻煙をかけたウズワにも挑戦してみますか。夢は広がります。
①荒塩を十分すぎるほどまぶす。①荒塩を十分すぎるほどまぶす。
②翌日の塩の状態②翌日の塩の状態
③流水で30分ほど塩出し③流水で30分ほど塩出し
④皮側から焼く④皮側から焼く
⑤身側を焼く⑤身側を焼く
⑥熱いうちに身をほぐす。⑥熱いうちに身をほぐす。
血合い、背、腹、表面と部位の違いでそれぞれの味が楽しめます。
⑦盛り付け。⑦盛り付け。
炊き立ての白いごはん。ゆかりめし。ほぐした塩ウズワ。高菜漬け(お奨めは当然小田原産の梅干か小梅です。撮影時に切らしており、悪しからず。)茶漬けも最高!
■ソーダガツオ釣りの思い出。
・早川~山王にかけての浜の目の前に広がる相模湾。その沖の相模灘は古来より豊富な海の幸を提供してくれた日本でも有数の漁場です。
・その恵みのお陰で、小田原には地引網漁、ブリの定置網漁が盛んでした。築地の市場でも小田原産の魚介類は高級品として取引されていました。
・そのため伝統産業である蒲鉾はじめ、各種の練り物、鰹節、いか・かつおの塩辛、干物加工など豊かな海の幸に関連の老舗のお店が現在でもたくさん存在します。
・夏の真っ盛り、牛の角を削りだし、そこに釣り針を仕込んで製作された疑似針。通称「ツノ」(今でいうルアー釣りのメタルジグです)を使ったソーダガツオ釣りが懐かしく思い出されます。
・リールには5号の道糸を150m以上巻き、その先には20号のジェット天秤を結び、さらにその先に3号のハリス2mを取り、そこに「ツノ」を結んだものが標準の仕掛けです。
・波打ち際から数十mから百mの沖合いを見張ります。いわしなどの小魚を追って猛スピードで移動するソーダカツヲの群れが移動してくると、海面が盛り上がり、波立ちます(ナブラといいます)。その進行する先頭よりも10m~20m先を狙って「ツノ」をキャスティング(投入)します。着水と同時に一気にリールを巻き上げます。群れを全力で追いかけながらキャスチング、巻上げを繰り返します。運良く「ツノ」をいわしとまちがえて食らいつけばヒットです。
・群れの動きを追って波打ち際を右に左に全力疾走しますので、かなりハードな釣りです。
たぶん今では息切れして追いつけないでしょう。移動してくるのを待っての迎撃しかできないと思います。
・私も数匹は釣り上げた経験がありますが、ガツンという衝撃で合わせを入れ、針掛かりを確実にします。すごい衝撃でぐいぐい引き込まれます。右へ左へと動きまわります。ドラッグ (リールのブレーキ)を調整してハリス切れしないようにやり取りをします。2~3分やり取りを繰り返し、魚が弱ってきた頃に一気に巻き上げ、波打ち際で波に巻かれてばらさないように慎重に巻き上げて、砂浜に引き上げます。
・砂浜でバタバタと暴れまわるソーダの魚体は虹色をしてほんとうにきれいです。2分ほどで静かになりますが、同時にあの鮮やかだった虹色は嘘のように消え、黒ずんだ銀色の魚体に急変していきます。痛みやすいソーダ。貴重な一本、すぐにクーラーボックスに入れ保存します。
(18.3mmの折鶴  記)

2014/11/13 16:16 | なりわい

ページトップ