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2014年11月18日(火)

小田原の街でこんな美術展〜第2回友彩会透明水彩作品展〜

おだわら女性プラザ「CHAT 茶っと」 は、女性や女性団体の活動や交流また社会参画をすすめる栄町にある施設。このプラザでは、グループや個人の活動発表、勉強会、打合せ、待ち合せ、ひとやすみ、おしゃべり、読書、授乳・オムツ換えなど、無料で自由に利用できる(小田原市ウェブサイトから要約)。 友彩会は、この「CHAT 茶っと」で活動する水彩画愛好のグループ。
■額縁が演出する風景■
「額縁は作品を活かすのにきわめて大切」と、おだわら女性プラザCHATチャットで開かれていた「友彩会水彩画作品展」で、ある画材店のご主人から伺った。薄いタッチの絵には明るいフレームで全体にふんわりした感じが出る。濃いしっかりした絵には暗い額縁が陰影を引き立てる。秋の紅葉には金色のフレームが華やかさを添える。そんなお話を聞きながら、あらためて作品を鑑賞した。なるほど、小林寿子さんの「ヒマラヤ杉」は、落ち着いた緑色系フレームで気持ちがやわらぐ。おなじく小林さんの錦秋の「昇仙峡」は金のフレームも風景の一部か。秋たけなわの渓谷美。神保マリ子さんの「新たまねぎ」は金色の縁が施された深緑のフレーム。ねぎの緑と枠の色とが調和しつつ、新鮮なたまねぎの白さに金のアクセントが生きている。林の中の小径を歩く二人連れを描く飯田忠明さんの「木漏れ日の中」。木地のフレームが自然の清々しさを演出する。作品とフレームの両方に眼と心を凝らして鑑賞してみよう。
指導の大谷英昭さんの「仙娥滝」と「上高地の夏」は、明暗の対比するフレームになっている。涼々とした滝と夏の深い緑陰がそれぞれの額縁で強調されている。ふだんは、なんとなく見ている絵も額縁を含めて観ているものだとあらためて気づかされる。展示作品は透明水彩22点。
また、12月2日(火)から14日(日)まで「CHAT茶っと文化祭作品展」も開催される。
 
第2回友彩会透明水彩作品展
会期 (終了)10月25日(土)-31日(金)
会場 おだわら女性プラザCHATチャット 小田原市栄町1-14-41
連絡先 おだわら女性プラザ 0465-22-3719
■余談■
建築専門用語では、額縁とは窓や出入口と壁の間に取り付ける見切材だという。額縁は、かつて西欧で窓を切り取る部材から発展したものとは画廊のご主人のお話。最近では、窓が額縁になるというコンセプトの「モダン」な建築も多い。筆者も絵(水彩)を習っていてグループ展などで飾ることがある。額縁と作品との色のあいの釣り合いを気にはするが、なにせ額縁は高価だ。ふだんの作品展では仮枠やデッサン枠でも、ちょっと大きいもの描いて入れようとすると1万円はゆうにかかる。水彩だからマットでなんとか凌いで(といってもマットを切ってもらっても数千円!)、ありあわせのフレームに無理に突っ込むことが多い。額の色に合わせて絵の色を選ぶなどという本末転倒もしたことがある。小品だと100円ショップの額縁も重宝しているが、サイズが小さいのと定型なので限界がある。もし油絵を家に飾ることになると気が遠くなる。公共施設や病院に無造作に大作が飾ってあるが、絵よりも作品と額縁でいったいいくらになるかと心配するのは貧乏人の証か。
(ゆきぐま)

2014/11/18 09:20 | 美術

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