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2015年07月21日(火)

城下町に響くハーモ二―~第38回つれづれコンサート~

■つれづれなるまゝに■
 “つれづれなるまゝに日暮らし硯に向ひて心に移り行くよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば怪しうこそもの狂ほしけれ”、だれもが知っている徒然草の序文だ。6月の日曜日、生涯学習センターけやきで開かれていた「つれづれコンサート」を覗いた。いつもは、なんであれ音楽には寄り付かないが、たまたま機会があって観客席に座った。
■みんなが協力する舞台づくり■
始まりは、女性ばかりの「小田原レディースフルートアンサンブル」で「となりのトトロ」。フルートがきらきら光る華やかな舞台だ。つづいて蛍田の三線グループ「あかばなシーサーず」の沖縄民謡。「バイバイ沖縄」で締めくくった。3番目の30人を超える「とよかわコーラス」の「おおシャンゼリゼ」と「天城越え」では、まったく違う世界を歌いあげる。「オカリーナ輪音」の「黄色いさくらんぼ」では、大小さまざまなオカリナを駆使して和音の妙をみせる。「ハーモ二ーメイツ小田原」は、これがハーモニカと思うような大きなハーモニカも登場して「アメージング・グレイス」。出演グループの入れ替わりのときには、ほかの出演メンバーが譜面台を揃えたり、マイクや音響を調整する。設えはスタッフ任せのプロの演奏会とは違った舞台だ。小学生の出演者も一緒に手伝う。こういう「舞台」をみていると心あたたまる。
■大合唱お猿のかごやで締めくくり■ 
「歌声合唱団」の「憧れのハワイ航路」は懐かしい昭和の歌。続いて「アルコイリスギターアンサンブル」。「アルコイリス」は調べたら、なるほど虹のことらしい。演目の「クシコスポスト」も「郵便馬車」とか。音楽は難しい。「スタジオジブリメドレー」を披露した「シルバーノイズ」はフルート演奏グループ。ノイズもシルバーに輝くことがある。「下中コーラス」の「酒よ」は男性メンバーの表情が印象的だった。手品の演出も妙。「ハーモニカJM」は「月の砂漠」で童謡の世界を演奏。南足柄からの参加「クレッシェンド」は、「つれづれコンサートのファンファーレ」で始まり、「山北ジュニアコーラス」との共演で「あの素晴らしい愛をもう一度」を。猫の耳をつけた6人の「山北ジュニアコーラス」は、お揃いのストライプがよく似合う。100万回を生きたねこより「のらねこフィーバー」を、尻尾をふりふり歌う。フィナーレは、客席と舞台の全員で「みかんの花咲く丘」と「お猿のかごや」の大合唱で締めくくり。なお、来年2016年の「つれづれコンサート」は、5月22日(日)南足柄市文化会館で開催とのこと。
■自分たちで創る草の根の文化■
小田原市とその周辺で活動する音楽を愛好する12グループ全48曲のつれづれコンサート。今年で第38回目となる。「つれづれなるままに」とは「暇でなにもすることないので」という意味だが、このコンサートは出演者みんなが溌剌としている。舞台の上で歌ったり演奏したりしているときばかりでなく、コンサートに向けての練習や準備にも暇どころでなかったと想像する。すべて自分の費用と労力と知恵と意思で実行する。他の誰のためでもなく、自らのために。これが草の根の文化の魅力であり意義でもある。
(記 ゆきぐま)
第38回つれづれコンサート
□日時 2015年6月21日(日) 13:20開演 (終了)
□会場 生涯学習センターけやき ホール
□主催 つれづれコンサート実行委員会 問合せ0465-83-9239青木
□後援 小田原市教育委員会 南足柄市教育委員会 山北町教育委員会
 

2015/07/21 13:06 | 音楽

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