レポーターブログバナー
2018年08月24日(金)

ボニージャックス&ベイビー・ブー「小田原童謡大使」委嘱式とミニライブ

 デビュー60周年になる早稲田大学グリークラブ出身の老舗コーラスグループのボニージャックスと、その宝とも言える約5,000曲分のコーラス譜を託されたベイビー・ブーが、童謡100年の節目のこの年に北原白秋ゆかりの小田原の「小田原童謡大使」に任命されました。その委嘱式とミニライブが2018年6月29日に、小田原市生涯学習センターけやきで行われました。まず委嘱式が行われ加藤市長から委嘱状が手渡されました。 
 その後のミニライブでは、「待ちぼうけ」「からたちの花」「ちんちん千鳥」そして「この道」が演奏され、会場一杯の聴衆からのアンコールを受け「遥かな友に」が歌われました。この「遥かな友に」は、「ボニージャックス」の早稲田グリークラブ時代の指揮者でボニージャックスの名付け親でもあり、且つ全員4人の媒酌人も務めた磯部俶の曲で、合唱界ばかりでなく広く歌い継がれている曲です。
 会場には、メディアや市長、副市長はじめとして多くの方がミニライブに来場されました。
 さて、今年は雑誌「赤い鳥」で“童謡”という言葉が使われてから100年の節目になる年です。そして今から100年前に北原白秋は小田原に移り住みました。滞在した8年余りの間に「赤い鳥」の創刊を契機に生涯で詩作した1,200を超える童謡詩の半数以上を小田原で創作しています。この縁を活かし世代を超えて歌い継がれる“童謡”の魅力を小田原から発信し、「童謡のまち」としての小田原をアピールするべく、今回ボニージャックスとベイビー・ブーが「小田原童謡大使」に任命されました。今年の12月24日には、クリスマスコンサート(小田原お堀端コンベンションホール)で童謡を聞かせてくれます。
 白秋の童謡の中で「からたちの花」は、関東大震災の翌年、大正13年5月に小田原を散策している中で生まれたと白秋は書いています。“童謡”は震災で荒んだ人々の心に灯をともし、人々を励まし優しい心を呼び戻す力となったと信じます。その後も戦争、誰の記憶にも新しい3.11、そして最近では西日本を中心とした豪雨と様々な辛い状況の中で“童謡”は、今こそその素朴な力を必要とされていると感じます。
 また、今回最後に歌われた「この道」をタイトルにした映画「この道」が、佐々部清監督、主演大森南朋とEXILE のAKIRAで来年1月に封切られるなど、全国でも童謡100年を記念して様々なイベントが企画されています。
西海子通りの桜並木西海子通りの桜並木
 小田原・武家屋敷周辺・南町界隈は、神奈川のまちなみ100選に選ばれ、そこに西海子(さいかち)通りがあります。桜の季節には桜のトンネルとして青空に映える美しい通りです。
小田原文学館小田原文学館
 ここに小田原文学館・白秋童謡館があります。
白秋童謡館白秋童謡館
 小田原駅西口を起点とし、この白秋童謡館に至る4㎞は白秋がよく歩いた道として白秋童謡の散歩道と命名されています。
居神神社居神神社
 この他にも、白秋が市内に住んでいた折に、近くの市内板橋口の居神神社の祭りばやしの練習を聞きながら「里ごころ」の作詞を行ったと、白秋研究家の竹村忠孝先生(関東学院大学等講師)は述べられております。確かに冒頭で“笛や太鼓に さそわれて 山の祭りに 来て見たが”とあり、その情景が思い起こされるようです。
 小田原と童謡のつながりは白秋を基にして発展し、平成12年11月に市制60周年を記念して「全国童謡フェスティバル白秋in小田原」が開催され、その中の「創作童謡詩コンクール」の中学生以下の最優秀作品に小学校1年生の山森さつきさんの詩「ねずみがかじる」が選ばれました。この詩に、小田原在住で小田原城下町大使を拝命していた石井歓氏(桐朋学園大学初代作曲科主任教授、第5代全日本合唱連盟理事長など歴任。父は舞踏家石井漠)が作曲しました。(石井歓氏愛用のピアノは、市に寄贈され、若い演奏家を育てる「かもめコンサート」に活用されています。)この「全国童謡フェスティバル白秋in小田原」とその中の「創作童謡詩コンクール」は、平成15年、平成18年と開催され、「白秋ゆかりの小田原」と共に「童謡のまち小田原」を全国にアピールしました。
 また、「ゆりかごのうた」は平成28年10月より小田原市の防災無線のチャイムとして流されております。
小田原童謡大使と市長小田原童謡大使と市長
 これからも「童謡のまち小田原」をアピールしていただくために、ボニージャックス、ベイビー・ブーに「小田原童謡大使」としてご活躍いただけることを願います。
※ボニージャックス
 昭和33年にデビューした男性4人組のコーラスグループ。レパートリーは世界各国の民謡・ジャズ・その時代のポピュラーナンバーと幅広く、5,000 曲以上のコーラス譜を保持。その中でも童謡・唱歌・抒情・民謡では、とりわけ高い評価を受けており、『ボニージャックストーン』と称される明快なハーモニーが、聴き手の心にどこか懐しい風をはこびこむ。平成30年に結成60周年を迎え、全国各地でのコンサートやディナーショーを中心に精力的に活動中である。
※ベイビー・ブー
 平成14年にデビューした男性5人組のコーラスグループ。これまでにNHK「歌謡コンサート」やBS-TBS「由紀さおり素敵な音楽館」などに出演。また、ボニージャックスと9人のコーラスユニットの結成や由紀さおりのコンサートにバックコーラスとして参加している。白秋童謡のレパートリーは「あめふり」、「あわて床屋」、「からたちの花」、「この道」など数多い。

2018/08/24 10:03 | 音楽

ページトップ