市長の日記

市長の日記

2018年10月05日(金)

全史協甲府大会

  全国史跡整備市町村協議会(略称:全史協)の第53回大会が甲府市で開催され、理事市として3日・4日の2日間にわたり参加しました。
  3日は、甲府富士屋ホテルを会場に大会、記念講演、情報交換会。全国から集まった役員市町村の首長さんや文化財担当職員らと旧交を温めつつ、3年後に京都移転を控え組織改編を行なったばかりの文化庁職員の皆さん方とも意見交換、有意義な交流となりました。
  会場となった甲府市は来年が開府500年ということで、市を挙げて様々な取り組みが進められており、人口規模はさほど小田原と変わらないものの、県庁所在地でもあり都市基盤整備が着実に進んでいるとの印象を受けました。防災協定を結んでいる甲府市の樋口市長とは、歴史的な経緯も含め今後も連携を深めていくことを確認させて頂きました。

  4日は、3コースに分かれてのエクスカーションが行われ、私は北杜市・南アルプス市のコースに参加。午前中は、縄文期以降の豊富な出土品などを収蔵している「北杜市考古資料館」、鎌倉~室町期の城跡である「史跡谷戸城跡」、縄文期の住居跡など最近整備が行われた「史跡梅之木遺跡」を見学。八ヶ岳南麓に広がり眼前に南アルプスを望むこの辺りの広大な高原には、縄文期の遺跡が多数存在しており、今も別荘地や定住希望者の多い土地。日照時間の長さ、多数の沢や湧水、豊かな森、周囲の山々の眺望など、太古の昔からヒトが住みたいと思える土地だったのかもしれません。
  午後は、南アルプス市へ。南アルプスの山域から流れ下って来る釜無川の支流域は、国内でも屈指の水害多発地帯であり、信玄の時代から治水に大変な苦労が重ねられた土地。旧芦安村を流れ下っている御勅使(みだい)川はその代表格で、様々な治水技術の粋が土木遺産級の史跡として遺されています。本格的コンクリートの砂防堰堤としては国内で最初に築かれた巨大な「芦安堰堤」、御勅使川が扇状地に注ぐ流れを制御するための堤防であった「石積出(いしつみだし)」、流域住民の死活に係わる農業用水を水害から守るための「桝形堤防」を見学。この地の先人たちの大変な刻苦の象徴でもある実に貴重な遺跡群であり、とても見応えがありました。

  感銘を受けたのは、こうした郷土の貴重な文化財を、単に保存・記録しているだけでなく、地域の未来を担う子どもたちにとっての生きた教材として、しっかりと学ぶ取り組みがされていることです。実際、この日に石積出の説明をしてくれたのは、地元の小学校6年生の児童の皆さん。20人ほどの児童たちが役割分担し、暴れ川であった御勅使川の歴史、石積出の役割、みんなで守り受け継いでいくことの大切さなどを、石積出の前で演じてくれました。過去の全史協大会のエクスカーションには何度か参加しましたが、このように史跡を生きた教材としている事例、しかもその説明を子どもたちがしてくれた例は初めてであり、素晴らしいと思いました。他の史跡のご案内においても、南アルプス市の文化財課職員の皆さんの工夫や意欲は際立っており、たいへん刺激を受けた次第です。
  小田原市では、博物館構想をすでに取りまとめ、特定の博物館施設に集約するのではなく、市域全体を博物館に見立て繋いでいく「フィールドミュージアム」構想を目指しています。南アルプス市ではまさにそれを実践されており、今後大いに学ばせて頂こうと思います。

2018/10/05 15:01 | 未分類


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