小田原市

市長室

平成30年(2018年)新年のごあいさつ

 明けましておめでとうございます。
 皆様と共に新春を迎えることができましたことを、大変うれしく思います。

 昨年は、第5次小田原市総合計画「おだわらTRYプラン」後期基本計画の6年間がスタートした年でした。前期で積み上げてきた様々な課題解決の歩みに加え、「持続可能な地域社会モデルの実現」を目標に据え、9つの重点テーマに基づき、まちづくり・人づくりの更なる推進が始まりました。

 そのような中で、生活保護における不適切な行為が問題となり、「生活保護を巡る深い社会的な分断が問題の根源にある」とのご指摘をいただきました。「いのちを大切にする小田原」が市政の原点であると再確認するとともに、生活保護制度の適正な運用はもとより、利用者へ寄り添った支援や配慮を明確に意識し、誰もが歓びも苦労も分かち合いながら安心して暮らせるまちを目指さなければならないと決意を新たにしました。

 社会的な分断については、国内においても顕在化しています。少子高齢化の現状にどのように対処していくのか、今、そして将来の暮らしの不安をどのように解消していくのか、世代や経済格差の枠を越えた解決策が求められています。10月の衆議院選挙では、消費税と社会保障の在り方が争点の一つとなり、現在は、幼児教育の無償化をはじめ全世代型の社会保障の具現化に向けた議論が展開されています。こうした状況を見極めつつ、地方から、現場から、取組を進めていかなければなりません。

 一方、欧米諸国における不安定な政情や東アジアにおける軍事的緊張の高まりなど、世界情勢は混迷の様相を呈しています。世界各地で人々が奪い合い、傷つけ合い、憎しみ合う「分断の時代」。こうした状況にあって、ただただ憂慮の念を抱くだけではなく、私たちが暮らす小田原で何ができるのかを、市民の皆様と共に考え、行動していかなければなりません。私自身、8月に長崎で開催された「平和祈念式典」や「平和首長会議」に参加し、多くの方々の、そして長きに亘る平和への思いを心に深く刻みました。また、中国の安陽市や韓国の済州市、そしてドイツのオスナブルック市と、文化・スポーツ・エネルギーなどの各分野における交流を深める機会に恵まれた年でもありました。世界の恒久平和実現には、様々な違いを乗り越え、お互いを認め、信じ合い、助け合う関係性を育てていくべきと考えます。

 本市の地域活性化の取組に目を向けますと、街なかでは、都市の顔が暮らしに息づきはじめています。小田原地下街「ハルネ小田原」は、市民の皆様や観光客の皆様に親しまれながら経営も右肩上がりで推移し、オープンから3周年を迎えました。お城通り地区再開発事業では、駐車場施設ゾーンの「おだわら市民交流センターUMECO」が2周年を迎え、市民活動の拠点として定着しています。

 現在、埋蔵文化財調査を行っている広域交流ゾーンも、事業施行者として万葉倶楽部株式会社が施設整備に取り掛かっていただけることになりました。市民ホールは、早期実現に向けて、整備事業公募型プロポーザルを実施し、優先交渉権者が鹿島建設・環境デザイン研究所共同企業体に決定しました。2021年秋のオープンに向けて着実に整備を遂行してまいります。この他にも、城山陸上競技場がリニューアルオープンしたほか、小田原漁港西側の交流促進施設も建設が始まるなど、各整備事業は着実に進展しています。

 一昨年の5月にリニューアルした小田原城天守閣では、昨年7月に入館者100万人を達成することができました。小田原城の持つ観光資源としての潜在能力に改めて気づかされるとともに、さらなる有効活用策の検討や周辺への回遊性の向上を図っていきます。

 また、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた取組の拡充や、世界的に活躍している現代美術作家の杉本博司氏による江之浦測候所がオープンしたことなども併せて、小田原を世界に向けて発信してまいりたいと考えています。

 持続可能な地域社会を支えるうえで何より重要な地域での活動については、市内各地域におけるこれまでの数年間の歩みを踏まえた「地域コミュニティ組織基本指針」を昨年秋に策定しました。目指す姿を市民の皆様と行政が共有し、協働によるまちづくりをより一層、前へと進めていきます。再生可能エネルギーや環境保全活動での更なるチャレンジ、活発な市民活動の育成と協働の推進など、幾つもの分野で官民連携による取組も進んでいます。

 また、一昨年からの「小田原市・南足柄市『中心市のあり方』に関する任意協議会」の結論から、私は南足柄市との合併は望ましいとの見解を明確にし、市民アンケートでも多くの皆様の賛意をいただきました。南足柄市の「合併を見送る」との判断は極めて残念ですが、中核市移行や広域連携についても検討を加え、県西地域の中心市としての権能強化を目指してまいります。

 この5月には、市長就任後10年という節目を迎えます。これまで市民の皆様と共に多くの種をまき、育んできた取組は、様々な分野で開花し、実を結んできました。

 私にとって原点となる「報徳」の訓え。まちづくりや人々の暮らしに今も息づくこの訓えを次世代につなげるかのように、映画「地上の星-二宮金次郎伝」の製作が、皆様の熱意によって動き出しています。

 老朽化により撤去も検討された白山中学校のプラネタリウムは、地域の方の存続への熱意から、多数の有志や寄付を得て復活を遂げました。かまぼこ通りでは風情ある通りを後世にと、商店主や地域住民の皆様と鉄道会社が連携し、外壁を地場木材で仕上げた「魚がし山車」の小屋が整備されました。住吉橋の架け替え工事では、文化財としての橋そのものとともに、先人たちの思いや、築き上げてきた伝統的木工技術も次世代へ継承されていきます。

 こうした取組が、まさに時を越えて未来につながる「かけ橋」となって受け継がれていく。混迷の時代だからこそ、市政の原点に立ち返り、人々との出会いやつながりを大切に育みながら、一つ一つの取組を丹念に進め、将来都市像「市民の力で未来を拓く希望のまち」をより一層具現化してまいります。

 本年も、明るく健やかで、稔(みの)り多き一年となりますよう、皆様のご多幸をお祈りします。
 

 平成30年元旦

小田原市長  加藤 憲一

小田原市役所
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