小田原市

所信表明・施政方針

平成21年度施政方針(平成21年2月18日)

1 はじめに
 私が昨年5月に市長に就任して9か月が経とうとしております。この間、議員各位並びに市民の皆様には、多大なる御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。市長就任以来、直接現場を訪ねたり、多くの方々とのコミュニケーションを重ねたりする中で、本市の抱える課題を改めて直視し、その重大さと深刻さ、そして緊急性について痛感しているところです。
 特に、地域医療体制の整備、行財政改革、地域コミュニティ及び小田原駅・小田原城周辺のまちづくりについては、それぞれ検討委員会を組織し、現在検討作業を進めており、近々報告書が提出される運びとなっております。
 これらの作業は、個々の懸案事項の解決の方向性をできるだけ早期に導き出すとともに、本市の将来像を新たに策定する総合計画の中で描く上で、非常に重要なものであります。提出される報告書については重く受け止め、速やかに市としての方向性をお示しするとともに、個別具体の検討に入ってまいりたいと考えております。

2 社会情勢に関する認識
 昨年を振り返りますと、世界経済は未曾有の金融危機に襲われ、欧米の株式市場の暴落は他の国にも波及いたしました。連鎖的に拡大する事態の悪化を受けて、アメリカ政府は金融市場の安定に向けた公的資金の投入など、緊急経済対策に本腰を入れて取り組んでおり、100年に一度と評されるほどの世界経済の悪化を好転させることができるかどうか、新たに就任した第44代アメリカ大統領バラク・オバマ氏に期待が寄せられるところであります。
 オバマ大統領は、選挙戦を通じて「チェンジ」を訴え続け、その主張は各層に浸透するとともに、若い世代を動かした結果として激しい大統領選に勝利した訳ですが、多くの有権者がオバマ大統領にアメリカの将来を託したといえます。
 我が国に目を移しますと、世界経済の低迷や円高により輸出が鈍り、国内景気の長期低迷が更に続くものと予想されております。日本経済は外需に依存した形で成長し、現在の経済活動を持続していることから、海外の経済状況の悪化が国内経済に直接影響する構造となっておりますが、今後は、景気の下支えとなる個人消費の拡大、更には国内に基盤を置いた経済振興に軸足を据えた政策展開がより重要になってくるものと思います。
 しかし、私たちは、年金や医療、介護保険など、社会保障を中心とした将来への大きな不安を抱えており、地域経済の活性化を目指すだけでは解決できない多くの課題に直面しております。
 実際、地方では、住民生活に密接に関わる基礎的サービスを安定的に提供する上で大きな転換期を迎えております。人口減少や少子高齢化、財政難、医師や介護の担い手不足など、地方の厳しい状況は一朝一夕に解決できるものではありません。
 そのような中、地方の財政破綻を防ぐため、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が平成19年6月に成立し、自治体の財政の健全度を診断する4つの指標の公表が義務付けられました。今後は、自治体が財政状況を徹底公開した上で、市民の皆様と行政とが一緒になってまちづくりの議論を深めるべき時代に来ているのです。
 私は、昨年の6月定例会の冒頭での所信表明演説におきまして、「市民の皆様が誇りと安心と希望を持って暮らし続けることのできる地域へと生まれ変わるため、命を賭して臨む覚悟である」と申し述べさせていただきました。
 地方は、今、自らの力で改革に向けた険しい道を辿らねばなりません。しかし、その先には、「完全自治体」「地方政府」としての新たな地方自治体の姿があると、私は信じており、持続可能な地域経営を実現するため、20万市民の舵取り役を全力で果たしてまいります。

3 市政運営にあたっての基本姿勢
 現下の危機や問題は、決して一過性のものではなく、これまでの社会や経済の仕組みの歪みと限界が複雑に絡み合い、様々な現象として露呈した姿であると認識しております。その結果、経済全体が縮減し、自治体も大幅な減収を避けられない状況にあります。ともすれば社会全体が縮小志向に陥りかねません。
 しかし、私は、この機をむしろ本質的な改革のときと捉え、真に持続可能な地域社会の姿を地域の現場から創り出すチャンスに転ずるべきであると考えております。企業も、市民も、実体的及び心理的な冷え込みが避け難くなった今こそ、地域が持てる全ての資源を総動員するために、また、その中でも特に重要な役割を担う市民一人ひとりが有する潜在的な力を最大限に発現させるために、あらゆる工夫と努力を傾けなくてはなりません。
 荒廃した土地とそこに住む人々の心を興し、数々の地域再生を成し遂げた二宮尊徳翁は「徳は無尽蔵にある」と説いております。徳とはそれぞれが潜在的に持っている長所や可能性であり、人にも、自然にも、この世のあらゆるものには、徳が無限に備わっております。そして、その徳は、人々の心に希望の灯をともすことで引き出すことができるのです。
 私たちの命を支えてくれる豊かな自然の恵みの有り難さを誰もが知り、郷土愛に満ちた市民自らが、身近な環境を守り育てている。日々の暮らしは、自立した地域コミュニティによってしっかりと支えられ、市民は心豊かに暮らし、子どもたちは健やかに育っている。優れたものづくりの技術や心がしっかりと地域に根差し、地域の産業として育まれている。このような営みが繰り返されることによって、あらゆる地域資源の価値は最大限に高められ、やがて小田原という地域の魅力となり、他の地域からも多くの人々を引き付け、それを受け入れる人や地域との間で新たな交流が生まれてゆくのです。
 私は、「新しい小田原」への指針として、第一に「いのちを大切にする小田原へ」、第二に「希望と活力あふれる小田原を」、第三に「市民が主役の小田原に」の3つを挙げさせていただいております。これらの実現には、何よりもまちづくりの主役である市民の皆様の御協力が不可欠であり、そのためには、市民の皆様へのより一層の情報提供と、政策立案段階での市民参画を大きく進めてゆくことが必要です。
 社会の成熟化、複雑化、情報化などに伴い、人々の価値観は多様化し、市民ニーズも量的拡大と合わせて質的にも大きく変化してきております。そして、社会保障制度への不安に起因する社会的セーフティネットの充実への期待はいよいよ高まっており、地方自治体に求められる守備範囲がますます拡がっていく傾向にあります。
 一方で、地域や団体等の中で熱心に活動し、まちづくりの主体として地域に貢献していただいている方々が大変多く存在していることは、小田原の誇りであり、誠に心強く感じております。
 私は、この「市民力」を高めるとともに、市民の皆様が郷土を愛し、郷土のために力を発揮する風土を創ることが、活力あふれる小田原を生み出す上で大変重要なことであると考えております。

4 平成21年度の重点方針
 平成21年度は、冒頭申し上げた本市の重要懸案事項に係る4つの課題別検討委員会からの報告を踏まえ、課題解決に向けた具体的なアクションに繋げてまいります。特に、お城通り地区再開発、市民ホール、小田原地下街という、目下直面する大型課題については、解決方針を決定し、その具体化のプロセスに入ってまいります。
 市民の「いのち」を守るための最重要分野である医療・福祉・教育については、予算を重点的に配分し、取り組みを強化してまいります。
 また、市民生活や地域経済の中に「希望」が生まれ育つよう、交流人口の大幅拡大に向けた短期・中長期の具体策と、地域資源を総動員しての地域経済再興のための新たなステージを創るべく、地域振興事業案の検討に着手いたします。
 そして、平成21年度は、全面的な市民参画の下、新たな総合計画の策定作業が本格化してまいります。平成23年4月からのスタートに向けて新たな市民参画手法を取り入れながら、「新しい小田原」の姿を描く作業となりますが、計画策定のプロセスから実施に至るまで、一貫して“改革”を意識していかなくてはなりません。社会全体に閉塞感が漂う中、市民の皆様と行政とが将来像を共有し、共に知恵を出し、汗をかきながらまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 そして、将来に大きな禍根を残さないよう、今まさに勇気を持って、思い切った改革を進め、本市の持続的発展に向けた市政運営に全身全霊で取り組んでまいります。主な施策については、所信表明で示した8つの分野に沿って説明させていただきたいと存じます。

5 分野別基本方針
(1)市民の力を活かす市政
 「市民の力を活かす市政」については、「新しい小田原」すなわち「持続可能な市民自治のまち」の土台作りを本格的に開始いたします。
 そこで、市民との本格的な協働を視野に入れた市政運営の仕組みづくりや、今後本格的に取り組んでいく事業の芽出しなど、すぐには実を結ばなくとも、新しい小田原の将来を見据えた重要な取り組みを順次進めてまいります。
 まず、平成23年度からスタートする新総合計画の策定であります。この新総合計画は、これから私たちが目指す「新しい小田原」の設計図であり、工程表ともいうべきものとなります。平成21年度は地域別の枠組みである自治会連合会を単位とした「まちづくり検討委員会」と、政策分野別の枠組みである「おだわらTRYフォーラム(分野別市民会議)」を立ち上げ、全面的な市民参画の下、新総合計画の策定作業を進めてまいります。また、本市としても企画部を中心に全庁体制を整え、職員の積極的な参画の下、英知を結集して策定作業に当たってまいりたいと考えております。
 また、本市における今後の自治体運営の基本となる理念や原則を定める自治基本条例については、市民による検討組織を立ち上げ、平成22年度中に制定すべく取り組んでまいります。
 このほかにも、十分な議論を経る必要がある課題、または早期の実現や解決が求められる課題については、市民と行政との協働による検討組織を立ち上げ、課題解決に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
 さらに、「徳を活かす市政運営」の一環として、小田原が有する優れた人材や事業活動などを広く市民の皆様に知っていただくための広報活動にも取り組んでまいります。


(2)まちづくり
 「まちづくり」については、小田原駅・小田原城周辺のまちづくりに係る課題の早期解決を前提として取り組みを進めてまいります。
 当懸案に関する課題別検討委員会において、新たな市民ホール予定地を含む三の丸地区、お城通り地区再開発事業用地、小田原地下街施設の利活用について議論を進めていただいているところであり、検討委員会からの報告内容を踏まえ、課題解決あるいは事業化に向けた方針をできるだけ早期に定め、一刻も早く具体的なまちづくりのプロセスに入れるよう努力してまいります。
 さらに、小田原駅・小田原城周辺のまちづくりに係る方針決定を踏まえ、小田原市中心市街地活性化協議会と協力しながら、中心市街地活性化のための基本的な事項を定める「新中心市街地活性化基本計画」の策定作業を進めるとともに、民間主体の「まちづくり会社」の立ち上げなどを支援してまいります。
 また、自然、歴史、文化、産業など、小田原の地域資源を活用したウォーキングコースの情報を広く発信し、交流人口を拡大する取り組みとしても重要な「ウォーキングタウン小田原」としてのまちづくりを推進いたします。
 そして、本市のまちづくりの理念である新総合計画の策定に合わせ、土地利用や都市施設整備のあり方、地域別の整備方針などを明らかにした都市計画マスタープランの改正作業に着手いたします。
 景観形成については、小田原大井線沿道地区や穴部国府津線沿道地区などを新たに景観計画重点区域に位置付けるとともに、小田原市屋外広告物条例を市全域へ拡大し、良好な景観形成に努めてまいります。さらに、地域に相応しい街づくりを進めるため、市民主体のルールづくりについて積極的に支援してまいります。

(3)地域経済
 「地域経済」については、小田原独自の豊富な地域資源を活かした、交流人口の大幅な拡大と小田原経済の基盤強化、更には新たな振興枠組みの創出を目指して取り組んでまいります。
 短期的な取り組みとして、小田原固有の自然環境や歴史・文化遺産など、既存の地域資源の掘り起こしと磨き込み、ネットワーク化を図り、小田原の魅力の再構築とその情報発信に努めてまいります。具体的には、「小田原どん」に象徴されるような地域活力の創造のための事業、グリーンツーリズム事業の展開による都市農業の推進、荒廃みかん園を活用した滞在型市民農園づくりなどを進めるとともに、小田原映画祭や小田原城ミュージックストリートなど、既に地域に根付いている事業については、その魅力向上と再構築に取り組んでまいります。
 また、中長期的な取り組みとしては、地域資源の潜在力に立脚した小田原ならではの地域振興策の検討及び推進を様々な角度から進めてまいります。具体的には、小田原漁港の観光資源としての活用、有機農業の推進による小田原の農産物のブランドイメージづくり、優れた小田原物産のブランド化、古くから受け継がれてきた“ものづくり”文化の再構築、優れた職住環境を活かした高技術や高付加価値の企業誘致、小田原城跡を核とした歴史遺産の更なる魅力化、そして新たに生まれ変わる中心市街地の街並み整備などに向けた取り組みを開始いたします。
 また、悪化の一途を辿る地域経済状況に即応し、中小企業経営安定化のための融資制度の創設など、緊急経済対策に取り組んでまいります。

(4)医療と福祉
 「医療と福祉」については、市民の皆様の「いのち」を守るための直接的な施策としてしっかりと取り組んでまいります。
 まず、市立病院においては、地域医療機関との役割分担を進め、連携業務をより一層強化するため、紹介患者の方々に対する医療提供や医療機器の共同利用等を通じて地域のかかりつけ医を支援する「地域医療支援病院」の承認を受けることができるよう、体制を整えてまいります。
 また、県西地域として懸案であった救命救急センターについては、医師や看護師などの医療スタッフを確保し、早期に開設いたします。
 さらに、4つの課題別検討委員会の1つ、地域医療体制の整備に係る懇談会からの報告を受け、市民や医療機関の皆様の御理解と御協力の下、市民の皆様が安心して日々の生活を送ることができる地域医療体制の再構築に向け、取り組みを進めてまいります。
 高齢者福祉に関しては、介護従事者の人材不足や離職が深刻化しているため、新たにホームヘルパーの資格を取得し、かつ市内の介護サービス事業所に就労された方に対し研修受講料の一部を助成するなど、民間事業者との連携の下、介護サービス人材の養成及び確保に対する支援を行ってまいります。また、市内5箇所の地域包括支援センターの機能を強化し、相談体制の充実を図ってまいります。
 障害者福祉に関しては、障害者の様々な活動の場となっていただいている障害者地域作業所及び地域活動支援センターの施設運営に対する支援策として、当該施設に対する補助金を拡充してまいります。
 そして、従来の制度的な枠を越え、高齢者、障害のある方、子育て中の方など、何らかの支援を必要とする方々を地域でしっかり支え合う「ケアタウン」の仕組みづくりについて、市民を含めた検討組織を立ち上げ、検討を開始してまいります。

(5)暮らしと防災・防犯
 「暮らしと防災・防犯」については、市民の皆様の安全・安心な暮らしを確保するための基盤を整えるため、減災及び早期復旧への取り組みを総点検するとともに、身近な地域コミュニティ単位での防災活動や、関係機関等との日常的な協力関係を構築することで、実効性を重視した地域防災体制の強化を図ってまいります。
 そして、災害時における市民生活への影響を最小限に抑えるため、重要なライフラインとしての上下水道への対策に着手いたします。上水道については、漏水や破損事故を未然に防止するため、軌道横断箇所の管路の内面調査や、基幹管路の調査点検を行うとともに、老朽化した管の更新や耐震化工事を計画的に進めてまいります。下水道についても、主要な幹線管渠の地震対策を進めるとともに、管の老朽化について調査を進め、改築や長寿命化対策に取り組んでまいります。
 また、二級河川である酒匂川等の防災拠点として酒匂川防災ステーションの建設に着手いたします。
 ごみ処理については、「持続可能な市民自治のまち」の視点から、市民との協働により、ごみ処理の広域化を推進してまいります。また、可燃ごみの総重量の半分近くを占める生ごみについては、市民を交えた検討作業を開始し、ごみの減量化に向けて取り組んでまいります。
 また、交通の安全確保や救急・消防活動の円滑な遂行に向け、市内に多数存在している狭あいな生活道路の拡幅を順次進めてまいります。

(6)教育と文化
 「教育と文化」については、小田原の未来の担い手となる人材を育成するため、郷土を愛する心を育み、新しい小田原の主体としての規範が身に付くよう、しっかりとした教育の仕組みづくりを進めてまいります。
 教育現場に対しては、未来を担う人材育成への投資となる取り組みを強化してまいります。まず、小学校低学年における基本的な生活習慣や基礎学力の定着を図るため、現在、小学校1年生を対象に行っている少人数学級編制を小学校2年生まで拡大するとともに、スタディ・サポート・スタッフ事業の拡充を図ります。
 さらに、地域のボランティアが学校を支援する取り組みを発展させ、学校・家庭・地域が一体となり、地域ぐるみで子どもを支える「学校支援地域本部事業」を推進してまいります。
 一方で、子どもたちを地域総ぐるみで見守り育てていく「スクールコミュニティ」の構想づくりとその具体化に向けた検討を地域で活動する様々な団体の皆様と共に進めてまいります。
 また、地域資源を活用した小田原独自の教育プログラムを推進するため、中学生を対象とした地場産業の職業体験を行い、子どもたちの勤労観・職業観の形成を図るとともに、高校や大学と連携した公開講座を開催するなど、児童・生徒の自然科学に対する探究心を育成してまいります。
 学校施設については、耐震補強工事が平成21年度をもって全て完了するとともに、トイレや空調等の施設整備を順次進め、安全・安心、かつ快適な教育環境を整えてまいります。
 そして、小田原が誇る様々な市民主体の文化・芸術活動を支援し、その裾野の拡大とネットワーク化を進めることで、今後、新たに建設される市民ホールでのソフト事業の充実を図るとともに、その主体となる文化・芸術創造活動の担い手を育成してまいります。具体的には、引き続き、市民が主体となって行われる市民劇場などを支援するほか、文化・芸術事業の企画運営に携わる人材を育成するための講座や、市民と行政との協働による交流イベントなどを開催いたします。

(7)自然環境
 「自然環境」については、私たちの生存を支える基盤であり、地域の魅力の源でもある小田原の豊かな自然をしっかりと守り育ててまいります。
 まず、市街地を流れる川、住宅街にある休耕農地、鎮守の森や里山、蛍の舞う水辺など、市民生活に身近な自然環境を市民自らの手によって守り育てる仕組みと、市民自らの活動を発展・普及させるための支援策について、市民主体の検討組織を立ち上げて検討を進めてまいります。
 また、昨年12月に久野地域が県内で初めて神奈川県の条例に基づく「里地里山保全等地域」に指定されましたので、生活の身近にあり、かつ小田原の魅力を象徴する空間としての保全と活用を市民の皆様と共に進めてまいります。
 そして、地球温暖化の抑制や生態系の保全など、森林の多面的機能を高めるための取り組みとして、地域水源林の整備を推進するとともに、水源の森林づくり事業を全国植樹祭のプレイベントとしても位置付け、人と自然が共存する森を育む全市的な取り組みとして引き続き推進してまいります。
 また、家庭から排出される生ごみを堆肥化して地域農業に活用し、収穫された農産物を地域で消費する地域内循環システムの実現に向け、市民や農業関係者等を交えた検討を開始いたします。
 「小田原こどもの森公園わんぱくらんど」については、子どもたちが自然と触れ合う創造性豊かな環境として整備を進めてまいりましたが、この長きにわたる整備事業も平成21年度をもって完成する運びとなりました。したがって、平成21年度は、整備工事と合わせて、平成22年4月の全面開園に向けた準備作業を進めてまいります。

(8)行財政改革
 「行財政改革」については、市民と職員が互いに手を携えて「新しい小田原」を創るための市役所の実現に向けて抜本的な改革を進めてまいります。
 まず、本市の主要な事業について、本格的に事業仕分けを実施することで、行財政のスリム化・効率化を徹底して推進いたします。また、庁内の体制づくりについては、職員自身の自発性や専門性、能力特性に応じた適材適所を進めることにより、職員個人と組織全体のパフォーマンスの向上に努めてまいります。
 なお、4つの課題別検討委員会の1つである行財政改革検討委員会を継続し、健全で持続可能な行財政運営を行うための具体的な方策について、更に掘り下げた検討を進めてまいります。
 また、地域コミュニティ検討委員会についても継続して検討作業を進め、今後の地域運営の重要な枠組みとなる「地域運営協議会」の仕組みや「職員の地域担当制」のあり方などについて制度設計を進めてまいります。
 さらに、本市の重要懸案事項への取り組みにおいて、施策展開の方向性を決定する際の一助とするため、まちづくりの各分野における有識者や専門家の方々を行政戦略アドバイザーとして登録し、意見を求める仕組みを構築いたします。

6 むすび
 以上が平成21年度の市政運営方針及び重点的に取り組む施策であります。
 私は、小田原が有する地域資源を最大限に活用することが必要だということを申し上げてまいりましたが、小田原の地域資源をより際立たせ、その活用範囲を広げていくためには、県西地域の市町との連携を様々な分野でより一層深め、圏域の一体性を強化することが必要だと考えております。
 また、消防や地域医療、ごみ処理など、身近な生活レベルでの喫緊の諸課題の解決が求められており、合併の議論の枠組みと並行して広域的な視点から研究を進め、可能なところから実施に取り組んでまいります。
 また、今年は酒匂川治水400周年を迎えることから、平成21年度は酒匂川流域圏のネットワークを活かした記念イベントを開催いたします。また、S.K.Y.広域圏については、10回目の節目となるS.K.Y.圏サミットが本市を会場として開催されるのを機といたしまして、富士箱根伊豆の連携・交流はもとより、県西地域における更なる連携・交流の強化に努めてまいります。
 そして、神奈川県西部2市8町の合併については、県西地域合併検討会委員会の下部組織である任意合併協議会研究会において、合併の最終的な方向性の判断を行う上で必要な検討を進め、平成21年度末までに県西地域の合併の方向性を明らかにしたいと考えております。

 平成21年度は、より厳しい社会経済環境に置かれることは間違いないものと覚悟しております。しかし、この激変の時代、先の見えない時代にあっても、私たちは立ち止まるわけにはまいりません。この先、私たちの生活をどのようにして守っていくのか、そして、私たちが50年、100年先の小田原に何を残すべきなのか、市民の皆様、議員の皆様、そして職員が問題意識を共有し、共に考え、一丸となって解決に当たり、小田原市として高い問題解決能力を身に付けなければなりません。
 幸い、小田原には、悠久のときの流れを刻む自然環境、その中で培われてきた歴史・文化、地域経済を支え続けてきた地場産業、そして何よりも市民という、「新しい小田原」を創り出すために必要な資源は豊富に存在しています。その貴重な資源をもう一度一つひとつ丁寧に取り出し、丹念に磨き上げ、光を当てていく。そのような営みが必ずや小田原の未来を拓くものと確信しております。
 私も、この小田原の無尽の蔵を掘り起こし、あらゆる力を結集させ、新しい地域社会、「新しい小田原」の実現に向けあらゆる努力を弛むことなく積み重ねてまいる所存であります。

 以上をもちまして、平成21年度の施政方針とさせていただきます。議員各位を始め、市民の皆様の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

  平成21年2月18日
                   小田原市長  加 藤 憲 一

最終更新日:2012年02月16日

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