小田原市競輪事業検討委員会
小田原競輪の将来のあり方を検討するために平成19年8月に設置された「小田原市競輪事業検討委員会」(委員長:島和俊 東海大学政治経済学部教授)から、次のとおり報告書が提出されました。
報告書の概要
競輪業界全体の現状
- 趣味やレジャーの多様化、ファン層の高齢化などの影響により、売上が減少している。
- (財)日本自転車振興会への交付金や公営企業金融公庫への納付金など、競輪施行者の裁量の効かない法定経費の負担が大きく、経営に影響を及ぼしている。
- 直近では、平成13年度に西宮、甲子園、門司の3競輪場が廃止、平成18年度に東京都市収益事業組合が競輪事業から撤退しており、現在、競輪場は47場、施行者は49団体となっている。
小田原競輪の現状
- 経営状況等は次のとおりとなっている。
・来場者数:233,504人(平成18年度) ← ピーク時 1,249,198人(昭和48年度)
・車券売上金額:16,291,421千円(平成18年度) ← ピーク時 55,126,705千円(平成3年度)
・一般会計繰出金:230,000千円(平成18年度) ← ピーク時 4,800,000千円(平成3年度) - 従業員の雇用や、来場者・従業員・委託業者等の消費による一定の経済効果が存在する。
- 施設が老朽化している一方、都市計画上の規制により大規模な改修等は難しい。
- 来場者の往来や交通量の増加などにより、地域住民に少なからず負担を与えている。
小田原競輪の将来のあり方
メリットとデメリットを踏まえた基本的な考え方
~小田原競輪の主なメリット~
- 一般会計へ繰出金が出せている状態であり、市財政に、ひいては市民生活に寄与している。
- 雇用や消費などによる一定の経済効果が存在する。
- 来場者の大部分を占める男性高齢者の余暇の場所、交流の場所となっている。
~小田原競輪の主なデメリット~
- 来場者の往来や交通量の増加などにより、交通安全や環境美化などの面で少なからず地域住民に負担を与えている。
- 競輪場は小田原城址公園や学校施設のある地域に立地しており、小田原のイメージの低下に繋がる可能性がある。
⇒市民生活に寄与する事業の財源となる繰出金が得られている状況も考慮すれば、廃止する積極的な理由はなく、基本的には存続させる。
存続にあたっての条件
- 競輪事業そのものは、地方財政の健全化を図ることを目的としている。
- 赤字の状態で、一般会計からの補填、つまり税金の投入により経営を維持することは、市民の理解が得られない。
⇒赤字、もしくは赤字になることが予測される場合には廃止を検討すべきである。
検討委員会における結論
以上のことを踏まえ、「基本的には存続させるが、赤字、もしくは赤字が予測される状況となった場合には廃止を検討する」という条件付きで存続させるものとして結論付ける。
特に取り組むべき事項
繰出金による市の財政への貢献を確保しながら、市民の共感と信頼を得て競輪事業を展開するために、経営の合理化、競輪の活性化(集客方策の充実)、地域との共生、市民生活への貢献に、これまで以上に取り組む必要がある。
※将来、何らかの理由で廃止する場合には、他の廃止事例の損害賠償請求訴訟等も参考にしながら、廃止にあたって必要となる経費に留意する。
この情報に関するお問い合わせ先
企画部:企画政策課
電話番号:0465-33-1253