小田原市

梅のつぼみがふくらむ頃

小田原邸園物語

「谷崎くん、久しぶりだね。小田原にいるって聞いたけど何してるの?」
 
大学を卒業してから2年後のある日、偶然再会した透と桜子。
 
清閑亭、小田原文学館、松永記念館の三つの邸園(邸宅+庭園)を舞台に、透と桜子の二人の日常が交差する様子が、二人のメールのやりとりを通して紡がれます。
小田原の魅力を発信する新しいかたちの物語。
ぜひご一読ください。
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2016年03月08日(火)

3月8日 12:42

桜子さん

この前、JR大磯駅のホームで電車待ってたんだけど。
隣のベンチに学生らしい女性が座ってて、
間もなく着いた電車からそのカレシらしきのが降りてきて、
カノジョに向かって第一声、
「遠いなー、」
だって。
あぁやっぱ東京からは遠いよなー、と改めて思った。

僕がいる清閑亭は築110年の別荘で、
その頃小田原には本当にたくさんの政財界人の別荘が建ち並んでたんだけど。
つまりその「遠さ」が、彼らにとっては良かったんだと思うんだ。

みんな東京でバリバリに仕事してる人たちでしょ、
そういう東京のしがらみや喧騒を離れ、あっちのことを忘れられる場所としての小田原、
そのちょうどいい距離だったんじゃないかな。

海があって山もあって、程よく仕事も忘れる距離感。
そんな所でフツーに働いて暮らしてるのって……どうなんだ? とも思うけど、
今のところ、
僕はこのまちで暮らしていこうと思っています。

4月は花見で、街もお城も賑やかになるけど、
あまり人には知られていないとっておきの場所があるんだ。
君と見たい桜があるんだ。

また連絡します。



―END―

2016/03/08 12:42 | 梅のつぼみがふくらむ頃

2016年03月04日(金)

3月4日 18:43

谷崎くん

荒木くんから、メールでだけど、谷崎くんに怒られた、出張から帰ったら会って話そうって連絡がきたよ。

全部知ってて、そっとしておいてくれたんだね。ありがとう。

この間はとりとめのない話で終わっちゃったけど、小田原からの帰りの電車でぽつりぽつりと思ったことを書くね。

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2016/03/04 18:43 | 梅のつぼみがふくらむ頃

2016年03月03日(木)

3月3日 14:12

谷崎へ

久しぶりに、おまえに怒られた。
なんか懐かしい感じ。

いま出張中でしばらく戻れないんだ。
帰ったら桜子に会って、話をするよ。

お前、人の世話ばっかり焼いて、自分はいいの?
もっと、自分の気持ちに正直になれば?

荒木
 

2016/03/03 14:12 | 梅のつぼみがふくらむ頃

2016年03月02日(水)

3月2日 19:54

桜子さん

日曜日は、久しぶりに会えて嬉しかった。

小田原の空気は相変わらずのんびりしてるでしょ。少しは気分転換になったでしょうか?

清閑亭から見える海は、季節と天気と時間で、様々な色に映ります。
あるいは、その人の心の色を映すとも言われてるみたいだけど、
今日の桜子さんにはどんな色に見えたでしょう。

静かで透きとおる青だったら、僕は嬉しいです。

また会える日を願いつつ。

2016/03/02 19:54 | 梅のつぼみがふくらむ頃

2016年02月29日(月)

2月26日(金)17:27

桜子さん

松永記念館の梅はそろそろ終わりかもしれないけど、
小田原の陽射しはあたたかく、
春のちいさな緑が迎えてくれるはずです。

27日は清閑亭でもテレビの生中継があったりで、
僕はちょっと抜けられないけど、
雛飾りですっかりはなやぐ清閑亭にも、ぜひお立ち寄りください。

2016/02/29 08:36 | 梅のつぼみがふくらむ頃

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