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広報おだわら 第974号

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広報おだわら 第974号

平成20年11月1日 発行

#01:「特集」相模湾、小田原の海に生きる〜あらゆる生命を育んできた母なる海〜
#02:市議会9月定例会 〜補正予算や条例議案、決算の認定などを審議〜
#03:平成20年度9月補正予算の概要
#04:市の平成19年度決算に基づく健全化判断比率と資金不足比率は、いずれも「健全段階」でした。
#05:おだわらインフォメーション Odawara Infromation
#06:キラリ☆ 若人!
#07:Series シリーズ 生誕160年、益田鈍翁の記憶〜Do You Know 鈍翁?4〜
#08:学校海自慢! 前羽アクアミュージアム
#09:おだわら海通信 イセエビ、ごっそり!海の幸


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まちづくり情報誌 広報 小田原
11/1─11/30
https://conv.bingocms.tech
平成20年11月1日発行 No.974
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========目次========
#01:「特集」相模湾、小田原の海に生きる〜あらゆる生命を育んできた母なる海〜
#02:市議会9月定例会 〜補正予算や条例議案、決算の認定などを審議〜
#03:平成20年度9月補正予算の概要
#04:市の平成19年度決算に基づく健全化判断比率と資金不足比率は、いずれも「健全段階」でした。
#05:おだわらインフォメーション Odawara Infromation
#06:キラリ☆ 若人!
#07:Series シリーズ 生誕160年、益田鈍翁の記憶〜Do You Know 鈍翁?4〜
#08:学校海自慢! 前羽アクアミュージアム
#09:おだわら海通信 イセエビ、ごっそり!海の幸
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「特集」相模湾、小田原の海に生きる
東海道五十三次 小田原宿
松原続く海岸線
漁師が手繰る地引き網
白帆がなびく大漁船
旅人たちは、伸びやかな小田原の海で癒された。

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#01:「特集」相模湾、小田原の海に生きる〜あらゆる生命を育んできた母なる海〜
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故郷から望む相模湾。三浦半島の南端・城ヶ島と真鶴岬を結ぶキラキラ輝く海域では、さまざまなドラマが繰り広げられてきた。平家打倒の旗を揚げ伊豆に挙兵した源頼朝は、相模湾が迫る石橋山(小田原市)の断崖での死闘も及ばず惨敗した。何とか生き延びた頼朝は、土肥郷真名鶴崎(真鶴町)から小舟に揺られて安房(千葉県)へ脱出しながら、平家打倒の再戦を波しぶきに誓った。北条氏綱は、カツオ釣りを見に乗り込んだ小舟の中に、カツオが飛び込んできたことを勝利への吉兆と大いに喜び、武州(東京・埼玉)を治める合戦に勝利した。アメリカ海軍提督ペリーは、荒れ狂う相模湾上の黒船デッキから小田原を眺め、意を決して浦賀へ入港し、日本に開国を迫った。歴史の巨星たちは、黒潮躍るこの海を望み、何を思ったのか。昭和20〜30年代には、小田原沖を中心とした相模湾西部の定置網業は、数十万ものブリの漁獲があり、隆盛を極めた。まさに、日本一のブリ漁場。毎日のように大漁旗がなびき、多くの者が巨万の富を得た。一方、昨年の台風9号による西湘バイパスの崩壊、今年7月の燃油高騰による全国一斉休漁によりクローズアップされた、漁業関係者の苦悩などは記憶に新しい。環境・災害・温暖化など小田原近海を巡る世界で、何かが起こりつつある。海の移り変わり、海からの叫び。私たちの身近にあることに目を背けてはならない。「人類の故郷である海と今を生きる私たちとの調和」それはまさに喫緊の課題である。私たちに何ができるのか。いや、何をしなければならないのか。小田原の海を実直に生き抜く人、神秘のロマンを解き明かし伝える人、そして未来を見据え勝ち抜く術を追求する人。小田原の海とともに生き続ける人々がいるからこそ、私たちはさまざまな幸を受け、恩恵を与えられていることを忘れてはならない。山から川へ、川から海へ。私たちの環境への配慮が海を守るのだ。近すぎて見えなかった海の大切さを、もう一度、見詰め直そう。

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「特集」相模湾、小田原の海に生きる1 俺たちは定置網にかける!!
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我が故郷、小田原の海。相模湾随一の漁場といわれるこの地に、人生を捧げる男たちがいる。市漁業協同組合・石垣誠漁労長とその仲間。先人から受け継いだ心意気と技で、深い歴史を刻む大海原へ挑み続ける。定置網とともに、小田原の海を生き抜く"今"を追った。

小田原の海へ、我、思う
石垣誠、35歳。漁労長として仲間を率い、定置網を駆使して魚を取る。海業へのきっかけ、仲間との触れ合い、そして未来へ思うこととは。

挑戦、開拓〜出会い、気づいた〜
「生涯、海を見詰め続けていこう」高校卒業後、3年間のサラリーマン生活を経て、和食(いけす料理)の板前になった。小田原の海から集められたさまざまな魚を捌き、人々にふるまう毎日を送った。やがて、新たな方向性が見え始めた。大海で縦横無尽に泳ぐ魚を"現場"で見詰める漁師。「この手で取りたい」。何一つ、迷いはなかった。料理人から定置網を操る職人へ、23歳で転身した。漁業に携わり5年ほど過ぎたころ、海外の魚事情に興味を持ち、地中海に面した温暖な地へ足を運んだ。イタリア南部のシチリア島。「言葉、習慣、文化…異国でのさまざまな発見とともに、魚の扱いなどたくさんのことを学んだ」。半年にわたる経験は貴重なものだった。

決断、奮闘〜覚悟を決め、立ち向かった〜
日本へ戻り、再び小田原の海で船に乗った。「本物の漁師になるために、ひたすら、海と向き合う日々だった」そして、そのひたむきで真摯な姿は、彼を漁労長という随一の海職人へと押し上げた。33歳、決意の時。「海とかかわりながら生き続けるなら、ここ小田原の海しかない。先輩から受け継いだ確かな心と技を、しっかりと仲間に示していこう」揺らぐことのない確固たる思いを、誰もが認めた。定置網漁の先頭に立ち、時には静寂を、時には荒れる海を、突き進んだ。「海はその日、その日で違う"顔"を見せる。優しさを与えてくれるとき、とてつもない試練を突きつけてくるときもある。無心、平常心で向かい合わなければならない」大漁もあれば、不漁の時もある。決して、一筋縄ではいかない厳しい闘い。それを終えるまで、小田原の海と誠心誠意、"時"を共にした。

分析、思い〜うなずき、願った〜
「風向き、うねり具合、潮の流れ。これらを自分が見極める」仲間の安全にかかわる責任重大なことであると、落ち着いた物腰で語った。「フジツボやカラスガイ、漁具にびっしりと付着する生物の量は、日本一かもしれない。それを放水などで数時間かけて取り除く作業は、地味だが、とても大切。こうした生物の繁殖力が高くなっている。温暖化と関連しているのかもしれない」。苦労する胸の内も明かした。そして、「滅菌冷却装置など小田原の漁獲技術は数年前と比べて、格段に進歩した。取った魚の衛生面に細心の注意を払う=魚の鮮度を保つ、これが最も重要なこと」達観した口調で締めくくった。漁労長にとって、海とは?そう問うと、「…(苦笑)」特に言葉を選ばなかった。きっと、"人生そのもの"ということなのだろう。市民への思いを聞くと、素直な答えが返ってきた。「とにかく、地元の皆さんには、どこの海にも劣らない"地の魚"をたくさん食べてほしい。そのためにこれからもずっと、この海を見詰め続けていく」家族、仲間、さまざまな思いを胸に今夜もまた、相模湾、小田原の海に生きる。

"ひねもす"
厳格な男の世界を仕切ると、そっとひとみを閉じ、肩の力を抜く。我が家で、最愛の家族と過ごす、そのときである。「妻は自分の一番の理解者。息子は、かけがえのない宝物」生粋の海男も、船上とはかけ離れた、穏やかな表情を浮かべた。「オン(仕事)とオフ(プライべート)の切り替え、自分にとっては、それが最も大事なこと」一家の主が、身も心も十分に英気を養える場所。そんなオアシスがあるからこそ、荒波を物ともしない強者へ変身できるのである。

大漁丸と18人の男たち、いざ、小田原の海へ!!
漁労長を支え、苦楽を共にする仲間。彼らもまた、この海にかけている。大漁丸に乗り込み、大海原へ挑む"その時"とは。

心一つに
9月某日、時計の針が午前1時半を回ったころ。薄明かりが照らす小田原漁港へ男たちがやってきた。「おはようございます!」共にあいさつを交わし、彼らの 1日が始まった。ひっそりと静まりかえる辺り一面とは対照的な、活気漲る姿。着替えも早々に、いつもどおりの作業を黙々とこなした。すべての出船準備を終えた午前2時過ぎ、第一大漁丸、1号共栄丸が発進!いよいよ、出港の時。全長22メートルの2隻の"大漁丸"は18人の男たちを乗せ、水しぶきとともに小田原沖へと繰り出した。

颯爽と
天候は晴れ、肌身に心地のよい海風。深海に波影が漂う中を、石垣漁労長ら操縦のもと、突き進んだ。目的地までは、およそ5キロ。暗闇が、壮大な世界を演出した。男たちはそれぞれに各装置の再確認を終えると、芳しい潮の香りに包まれながら"その時"を待った。幾多の経験からくる面持ちで静観する者。落ち着いた眼差しで海上を見詰める者。百戦錬磨の風格で存在感を放つ者もいた。10〜70代の志高き仲間たち。大仕事を目前に控え、夜空の星に見守られながら、静かに気持ちを引き締めた。

緊張から怒濤へ
"その時"がやってきた。船のエンジン音が下がると、それぞれの持ち場につき、網締めの準備に取りかかった。徐々に空気が張り詰めた。そして、追い込み開始。みるみるうちに帯びる熱気。男たちの勢いとともに、海底に眠る定置網がゆっくりと動き出した。しばらくすると、無数の魚が海面に。イナダ、カマス、イサキ、ホウボウ、シロウマ、ウスバハギ…それは、漁業の現場でしか目にすることのできない、まさに"別世界"の光景だった。鮮やかな色合いで勢いよく飛び跳ねるそれらが、今朝の大漁を物語った。

作られたもの
男たちは解放感に浸り、笑みがはじけた。帰港すると、鮮度を保つため、冷水に漬けたり、体長ごとに分類したり、とにかく"速さ"が勝負であると一様に語った。やがて、魚は市場へ。競り人らの威勢のいい掛け声とともに、買受人らの手に渡った。時を同じくして、男たちは明日の準備へと取りかかった。私たちの元へおいしい魚が運び込まれる過程で生まれた"形なきもの"それは、大いなる力、比類なき技、強く深く刻み込まれた絆である。

定置網漁とは
・定置網が張り立ててある場所に、魚の群れがやってくる
・魚は垣網(障害物)を見付け、これを避けるために沖へ向かう
・垣網沿いに泳いできた魚は、定置網本体の運動場へ入る
・魚は逃げ道を探して運動場の中を泳ぎ回る
・やがて、魚は登網から箱網へ向かう
・箱網に魚がたまる

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「特集」相模湾、小田原の海に生きる2 小田原・海物語
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定置網にかける男たちの心意気、海と闘うそのさまは、一瞬一瞬が真剣勝負。それほどまでに、相模湾に引き込まれるものとは何なのか。私たちの知らない何かがあるはず。小田原の海とともに生きる我らが知るべきものとは。相模湾の力と恵みを探る。

四つの強みが相模湾を語る
近すぎて見えない相模湾の魅力。私たちにとって、そこにあることが当たり前になっている。ここでは、県水産技術センター相模湾試験場の石戸谷博範さんにお話を伺った。石戸谷さんから出た興味深いキーワード、「水深」「水の層」「黒潮」そして「伊豆諸島」これらは何を表しているのだろう。

県水産技術センター相模湾試験場専門研究員
石戸谷 博範さん

すり鉢のような海底
相模湾は、世界的にも珍しい深い湾なんですよ。大抵の湾、例えば周辺の東京湾を見てみましょう。東京湾は沖に幾ら行っても水深が100メートルに達しません。約60メートルくらいですかね。言い換えると、平坦な海底が続いているということです。それでは、相模湾はどうでしょう。100メートル間隔の等深線が沿岸から細かく引かれていて、岸からほんのわずかしか離れていないのに、急に深くなっているようすが分かります。
 驚くことに、早川から沖に10分も行けば、そこはもう水深500メートル!まさに、すり鉢のような"海底の谷"があるのです。

二千年のロマン
そして、海が極めて深いために、海の中に水の層があるんです。まず、海面から250メートル前後までは、赤道付近を起源とする「黒潮系沖合水(暖流)」、おおむね250〜1,000メートルには、オホーツク海などを起源とする「親潮系中層水(寒流)」、そして1,000メートル以深には、大西洋の南北両極を起源とする「深層普通水」。これほどの層を成している湾は、ほかではあまり見られません。しかも「深層普通水」は、高緯度の海域からインド洋を経て太平洋に入ってくるという、まさに二千年の歳月をかけて循環していると考えられています。わが海の底に漂う二千年前の海水…ロマンを感じずにはいられませんね。

恵みを運ぶ潮流
特に、250メートルの厚みで湾内に流れてくる黒潮は、相模湾に多くの恵みをもたらします。南方から多種多様な生物を運んできてくれるのです。といっても、黒潮の中に生物が喜ぶ栄養が多く含まれているからではないんですよ。黒潮本流は、温かさと勢いを持って赤道から流れてきます。そして、その勢いで、本流の内側に生息する生物を巻き込みながら進みます。まるでベルトコンベヤーのようにね。だから、生物がたくさん生息する潮流となるわけなんですよ。その恵み多き黒潮本流は、勢いがありますから、海上に何もないとそのまま通り過ぎてしまいます。しかし幸いなことに、相模湾の沖合にはその流れを分散してくれる伊豆諸島があります。黒潮本流は、伊豆諸島にぶつかり、分岐流となって相模湾に流れ込んでくるのです。

自然が生み出した世界
深いからゆえに水の層ができ、そこには生物を取り込みながら流れる黒潮がある。そして、伊豆諸島があることで生物を運ぶ黒潮が、湾内に流れてくる。これは、人工的なものではなく、すべて自然の摂理。まさに、相模湾の豊かさは自然の財産なんですね。「水深」「水の層」「黒潮」「伊豆諸島」。相模湾を語るのに不可欠な四つの言葉。この四つの強みがあるからこそ、相模湾は潜在力があるといえるのです。

もう一つの強み、しかし…
もう一つ忘れてはならないのが二大河川、相模川と酒匂川。これらの河川水が持つ"質"と"量"からも、影響を受けているんですよ。それは、生物のえさとなるプランクトンをたくさん含んでいる質のよさと、水量の勢いが引き起こす河口付近での攪拌作用(※)。地元の酒匂川は、昔から豊かな水量と微生物を含んだ栄養たっぷりの河川水を、相模湾に運び入れてくれました。しかし、その力が衰えているのも事実。酒匂川の豊富な水量を、飲料水や工業用水などとして蓄えるために、三保ダムと飯泉取水堰がありますよね。取水堰では、年間約3割が取水され、相模湾に流れるのは約7割。取水されることで、水の勢いがなくなります。勢いがなくなることで、河川水が本来持つ攪拌能力が小さくなり、微生物などが行き渡らなくなります。もちろん、海中に海藻類が生い茂る藻場を作って、小魚などが住みやすい環境を整え、海中に一つの生態系ができるような魚礁作りなどの対策は講じていますがね。
※攪拌作用…勢いよく流れてきた河川水が底の海水とよく混じり合い、栄養豊かな河口域の海ができること。

明るい未来をはぐくむ海
昭和30年ころに、1年で漁獲されたブリは60万匹。今でこそ、年間700匹と少なくなりましたが、マイワシやアジなど、私たちの食卓を彩る魚の多くは、この相模湾で育っています。自然現象が幾つも重なり合ってでき上がった恵み。それを惜しみなく与えてくれる相模湾。そして、その恩恵を知らずに受けている私たち。相模湾のことを深く知れば知るほど、恵みへの感謝がより一層強くなるのは言うまでもありません。このありがたい幸せを、何十年、何百年にもわたって守り続けたい。明るい未来をはぐくんでくれる海だからね。

小田原・海物語 相模湾は 魚の宝庫
日本で最初に魚類の学術研究が始まった相模湾。明治時代から行われているので、ほかの海と比べると魚のデータが豊富だ。その種類も多様で、平成18年の調査では、なんと45目249科1,517種! 南の海からさまざまな生物を運んでくる黒潮の恵みを強く受けている。さあ、相模湾の住人たちをのぞいてみよう。

入り江と藻場の魚
アミメハギ カワハギに似ているっていわれるけど、体ははるかに小さくて、茶色の網目模様が特徴なんだよ。
キヌバリ 相模湾とか太平洋岸にいる僕らは、体の黒い帯が6本なんだけど、日本海側の仲間は7本あるんだ。
タツノオトシゴ 雄の腹部にある袋に雌が卵を産みつけて、そこから子どもを産むの。
ヒメハゼ 背びれにきれいな模様があるでしょ。これを見せて雌に求愛するんだ!
マタナゴ 子どもを直接産む卵胎生の魚として有名なの。よく似ているウミタナゴは主に日本海側にいるよ。

砂浜域の魚
アラメガレイ 名前に"カレイ"ってついてるけど、目が体の左側にあってヒラメ科の魚なの。
ササウシノシタ ムニエルにするシタビラメは目が体の左側にあるんだけど、僕は右側にあるんだよ。
ダイナンウミヘビ 名前に"ヘビ"ってついてるけど、れっきとした魚の仲間なんだぞ。
ニベ 特殊な筋肉と浮き袋を使って、「グーグー」って音を出せるんだ。
ボンボリカエルアンコウ 頭の先に「釣り竿」を持ってるんだ。得意技は、その先についている偽のえさで魚をおびき寄せて食べること!

岩礁性の海岸の魚
アカオビコテグリ 標準和名は持っているんだけど、まだ学名が決まっていない新種なの。
イソカサゴ 背びれのとげに毒を持ってて、刺されると痛いぞー!
キンセンイシモチ 雄の僕らは、卵を口にくわえてふ化するまで守るんだよ。子どもは宝だからね。
サクラダイ 初めは雌として大きくなるんだけど、その後、性転換して雄になっちゃうんだ(写真は雄)。
シュンカンハゼ 岩のすき間や下に隠れているから、僕たちに会う機会は少ないかな。

深海の魚
サガミハダカ うろこがはがれやすくて、裸のように見えるから、この名前なんだ。
ホテイエソ 下あごから伸びるひげの先端に、発光器を持っているんだぞ!
ミツクリザメ 標準和名は日本動物学の父「箕作佳吉」にちなんでつけられたんだ。英名はゴブリン・シャークっていうんだよ。
ムツエラエイ エイは通常5対のえらがあるんだけど、僕の特徴は6対あること。体は寒天のように柔らかいんだ。
ラブカ 「生きた化石」っていわれているんだ。古生代に栄えたサメ類に似てるからなんだって。

南の海からこんにちは
毎年、夏から秋にかけて繁殖が行われる南方の海から、たくさんの卵や稚魚が黒潮によって運ばれてくる相模湾。しかし、これらのほとんどが成魚まで成長することなく、水温の低下する冬には姿を消してしまうのだ。
カンムリベラ 成長に伴って体の色彩を大きく変えられるの。大きくなると似ても似つかない姿になるのよ。
コンゴウフグ 成長すると頭と体の後ろに大きなとげが角のように出てくるんだ。
ツバメウオ 葉っぱみたいでしょ。だから危険なときには水面で横になって、波間に揺られる枯れ葉のふりをするんだよ!

県立生命の星・地球博物館専門研究員
瀬能 宏さん
まだまだ未知の世界!
相模湾は、大きく四つの環境に分けられ、それぞれ見られる魚は異なります。最も多くの魚種が見られる湾西側の岩礁性の海岸、小田原から鎌倉にかけての単調で広大な砂浜域、湾東側の入り江と海底に広がる藻場、そして湾央部の「相模トラフ」と呼ばれる水深1,300〜1,500メートルの平坦な深海底です。岸からほんのわずかの距離に深海があるのは、世界的にもあまり例がなく、「生きた化石」と呼ばれる魚や学術的に貴重な魚も、ここの住人なんですよ。近年のスキューバダイビングの普及で、これまで見逃していた場所から新しく発見される魚も後を絶ちません。相模湾は、奥が深く、ある意味"ミステリアス"ですね!

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小田原・海物語 みんな大好き! おだわらの海
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母なる海は私たちに恵みを与え、多くのことを教えてくれる。だから、私たちは海を愛し、守り続ける。海は私たちにとって、かけがえのない存在だから。

足柄小学校 栄養士 桑原美加さん
「今日はおいしかったよ」「残さず食べたよ」と子どもたちの声と笑顔は励みになります。食の事件、産地の偽装など暗い話題が多い今だからこそ、"地産地消"にこだわってます。まだまだ、苦手な子が多い魚料理。「おいしく調理!」気合が入ります。

西海子子ども会の皆さん
大好きな海のそばで暮らす私たち。つらいとき、悲しいとき、いつもいやされたり、励まされたり。本当に感謝しています。だから、きれいに掃除して、ちゃんと"恩返し"しなきゃって思うんですよね。さあ、今日もみんなで海岸清掃へ、出発♪

市漁業協同組合女性部の皆さん
"海の男"を影で支えている奥さんたちが集まって、楽しくワイワイと魚食の普及に取り組んでいます。イサキがたくさん取れると、みんなでさばいてさつま揚げに。手作業だし100パーセント、イサキだからおいしいよ。何といっても小田原の魚は格別だからね!

三の丸小学校 岩田竜平さん(6年)・海斗さん(3年)兄弟
家のすぐ前が海で、毎日見てるから、小田原の海がきれいになったらいいな。そんなことを思って調べました。3週間もかかったけど、金賞が取れてとってもうれしいです。ピ〜ス!(第50回 市統計グラフコンクール 金賞受賞)

ワカメ漁 佐々木隆浩さん、原清さん、小崎忠衛さん
小田原のワカメは絶品だよ。ほかのと比べても軟らかいし、味がいい。希少価値も高いんだ。メカブも歯ごたえがあっておいしいんだよ。だって、俺たちが愛情込めて作ってるからね。ミネラル豊富で体にはいいし、みんな、たくさん食べてよ。

水産海浜課 内藤千春さん
小田原といえば相模湾、魚など海のイメージですよね。小田原漁港には厳しい状況の中でも、毎日仕事を頑張っているたくさんの漁業関係者がいます。その皆さんが主役でいられるように、これからもサポートしていきたいと思います。

高橋ゆみさんご家族
市民公募の広報バンク「えぶりぃ」に登録した私も含め、わが家は魚大好きファミリーです!今夜のおかずは子どもたちの大好物、アジフライに主人が取ってきたイカ料理。「小田原の魚はどれもおいしいね」って、おなかいっぱい食べてくれるんですよ。家族の笑顔は私の元気の源です。

刺し網漁 朝倉義勝さん、和田博行さん、伊与田工さん、
魚の通る場所に網を仕掛け、絡ませて取るのが刺し網漁です。「ここだ」って思った場所が大当たりだと気持ちも最高!高級魚のイセエビ・タイ・ヒラメも取れるんだよ!海をきれいに・自然を大切に・海の宝物を守ろう。

(株)小田原魚市場 競り人 下村亮太さん
売っていると季節の移り変わりが分かるほど、地に揚がる魚は豊富。いつ来ても満足できます。自分がつけた値段で買ってもらえたときは気持ちいいし、サイコーですよ。皆さん、「気張って買ってよー!」

潜り漁 松本一樹さん、小崎啓太郎さん
アワビやサザエを"素潜り"で取ってるんだ。深さ10メートルくらいのところを1〜2分は潜ってるから、肺活量はすごいよ!しかも、アワビは頭がいいからね、人を見ると逃げるんだ。取るか逃げられるか、アワビとの競争さ!もちろん、味は保証するよ。

加藤憲一 小田原市長
"海からの恩恵"
小田原を小田原たらしめている重要な要素は幾つかありますが、そのうちの一つは、間違いなく「海」の存在です。巽(南東)に開けた足柄平野の豊穣を支える、太平洋からの穏やかで温暖な風。様々な表情を見せ古より人々を癒してきた海岸線。日本でも三指に入る好漁場といわれた相模湾からの豊富な海の幸。それら「海からの贈り物」にまつわる様々な「なりわい」によって賑わい栄えた、小田原の町々。少し小高いところに行けば誰でも手に入れることのできる、真っ青な海原のある風景…。海がもたらしてくれる恩恵は量り知れないものがあります。私自身の記憶を紐解いても、様々な「海との交わり」が幾つも浮かんできます。小田原愛児園に通っていたころから、頻繁に「御幸の浜」へ遊びに行きました。小学生から中学生にかけては、自転車で浜に乗り着け、海水浴に没頭したものです。あの頃は砂浜が本当に広かった。高校時代、友と語り、海に石を投げる…青春の舞台でもありました。これらは、小田原市民の皆さんなら多かれ少なかれ原風景として持っておられることでしょう。その後、縁あって魚市場での早朝の仲買の仕事に携わった後、江之浦で操業する定置網漁船の漁を、1年間ほど手伝わせて頂く機会に恵まれました。岸からわずか100メートルほどの沖ですが、毎朝「潮」が変わります。伊豆方面へ向かう潮は「サキシオ」、鎌倉方面は「カシマ」と、名前も違います。毎朝の潮を感じながら、海は生き物であること、溜まっているのではなく流れているものなのだと実感したものです。そして、水揚げされたばかりの魚たちの美しさも。風の強い日、自宅のある城山付近から海を見やると、海があたかも対岸の見えない大河のように見え、小田原の町はそこに浮かぶ小さな島のように感じることがあります。地球という大きな物体を覆い、繋いでいる海。その優しくも量り知れないエネルギーを、私たち小田原市民は、意識するしないに係わらず、間違いなく恩恵として授かっています。海岸線の侵食、砂浜の縮小、海洋の汚染など、海を巡る状況は楽観的ではないですが、海と人との様々な係わりが大切に育まれ、その豊かさを享受できる、そんな小田原であり続けたいものです。

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「特集」相模湾、小田原の海に生きる3 21世紀を勝ち抜く
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小田原漁業、キーワードは「復活」小田原は人類が息づいた時代から、海のまちだった。先人は知っていたのだろう。相模湾には魚がいる。人は魚を求め、暮らし、なりわい、まちを作ってきた。いつの時代も変わらずそうだった。しかし、今、小田原漁業を取り巻く環境は劇的に変化している。魚が取れなくなった。いや、魚がいない海になった。岐路を迎えた小田原漁業。今、キーワードは「復活」。漁業関係者に、その思いを聞いた。

みんなの海…だから作る そして、育てる
今や「作り、育てる=卵から孵すことから繁殖させる環境作りまで」は小田原漁業の常識となっている。 ヒラメやマダイの稚魚の放流は約20年、人工魚礁の整備は約50年も前から続いている。当時は「こんなことに費用をかけるなんて…」と効果に疑問を投げかける関係者も多かったという。市漁協では3万匹のヒラメの稚魚を購入し、相模湾の生育に適した場所に放流する。平成3年から毎年続く事業だ。加えて平成7年からは、購入した稚魚を漁港内の水槽で約1か月間、体長9センチ程度にまで成長させてから放流する、「中間育成放流」の活動も行う。体格がよくなり、放流後の生存率も高くなる。相模湾では稚魚が育ち、産卵し、また孵す。いい循環ができてきた。ヒラメに限っては、成長途中の35センチ以下は、網にかかっても取らないで海へ返す、といった全国初の「小田原ルール」も定めた。高級魚のヒラメ、稚魚も高価なものであるという。当然、投資へのリスクもあると思われるが、この事業にかける関係者の熱意が伝わってくる。黒潮に乗って相模湾までやってくる魚が「つく(住み着く)」環境も重要だ。魚が生活し繁殖する場所としての魚礁。相模湾は天然の魚礁にも恵まれているが、米神沖・本町沖・酒匂沖の3か所の、水深30〜60メートルの浅瀬には、大きな箱型のコンクリートブロックの人工魚礁を設置している。6年前に設置した大規模なものは縦横10メートルにも及ぶという。20〜30年前は、廃船や電車の車両、タイヤなどを海底に沈めて魚礁として利用する地方もあったようだが、現在は自然に優しい、木質系素材が主流である。小田原では浮きにロープを垂らし、海中にパラシュートを開いたようなユニークな形の魚礁もあるという。アジやイサキなどの隠れ家になるようだ。また、大正12年に起きた関東大震災で地滑りによって、海底に沈んだ根府川駅のホームがそのまま魚礁になっているとは、何とも興味深い。海に出る漁師たちは、毎日揚げる網を見詰め数字以上に、復活の手ごたえを感じている。

ハイテクと職人技 〜鮮度を守るとは商品価値を守るということ〜
新鮮な魚とは何か?生きている魚ということなのか?いかに新鮮なまま食卓に魚を届けるか。漁業関係者の永遠の課題となる。揚がった魚は呼吸ができず苦しみ、疲れる。疲れると内臓機能が低下し、中の食べ物が腐敗する。そして、体内から鮮度が落ち、商品としての価値が下がる…といった構図である。かわいそうな話だが、取った魚はすぐに、殺菌した凍らない零度の海水に入れる。そして、魚が疲れる前に楽にしてあげ、血を抜く。そうすると、腐敗が進まず、鮮度が保てる。これを「活〆」という。市漁協ではこの技術の向上に積極的に取り組んでいる。さらに、市漁協は平成16年に3段式の魚選別機、船の魚倉から海水ごと魚を吸い出すフィッシュポンプを導入。作業の省力化、迅速化により、さらに鮮度の高い魚の出荷が可能となった。漁港全体の評価向上にもつながっている。

海作りは、山作り そして、人作り
〜青年部長 高橋渉の挑戦〜
名実ともに市漁協の若手を引っ張るリーダーである。自らは、日渉丸の二代目船長として定置網業を経営する。新技術の研究・導入、若手組合員の指導、組合の交流事業を精力的にこなす。「厳しいですよ。背に腹は変えられないですから…」青年部長の言葉が胸に刺さった。今日を、明日を生きるため船を出す。いや、出さなければならない。先行投資に躊躇する仲間も少なくないという。漁業経営の厳しさを知った。そうした中、平成17年から間伐材を活用した魚礁作りに取り組む。今年で4年目を迎えた。江之浦の海から陸を見上げると、黒々とした山並みがそびえる。海の男たちは、江之浦生産森林組合が所有する林にチェーンソーを持って入る。水は山からの恵み、森が水を蓄え川となり海へ。小田原の山が元気になれば、海も元気になる。だから、青年部は間伐に取り組んだ。次は、木を植えたい。高橋青年部長の力強い視線の先には夢と希望が広がっていた。

海への愛情。お客様への感謝。
市漁業協同組合副組合長・遊魚船部会長
坂口丸 久保田 源太郎さん
土日には多くの人を乗せて漁場に出る。「大漁時のお客様の笑顔にはいやされます。魚がいない海には連れていけないですからね。だから、市漁協のみんなで、海を守らないといけないんですよ」言葉の端々に海への愛情がかいま見える。時には船上で、釣った魚の料理教室を行う。釣り客には好評だ。地道な努力、細やかなサービスがうれしい。

データで見る小田原漁業:年度別水揚げ状況
ここ数年の水揚げ金額は着実に上昇傾向にある。これは、モデル定置網といった設備面だけでなく、組合員の資源管理への意識の高まりが結果として現れたものである。市漁協の取り組みは県内の漁業関係者の模範になっている。

21世紀を勝ち抜く 「威風堂々」 小田原漁業、21世紀を行く
平成20年7月15日火曜日、午前5時30分…朝焼けの中、漁から戻ってくる船の軽快なディーゼル音と水揚げする漁師の威勢のいい掛け声。仲買人と競り人の掛け合い、鐘の音。いつもそこにある朝が、その日、いつまでも訪れることはなかった。あの日から3か月半。記憶に残っているだろうか。燃油価格が高騰する中、日本全国の漁船が一斉に休漁した。小田原漁港開設から60年、始まって以来の出来事だ。
私たちは漁業関係者の身を案じ、そして、食卓から新鮮な魚が消える日を予感した。そうした中、特集「相模湾、小田原の海に生きる」の取材が始まった。

「漁は力」〜21世紀型漁業経営の追究〜
大漁丸の男たちが命を懸けて、取ってきた魚。どのように価格が決まり、流通しているのか。今、若い漁師たちは魚屋へ向かう。消費者の目で評価するためだ。「商品」として魚を見詰めること。水揚げした魚が食卓までどのように流通するか、仕組みを知ること。自分が取った「商品」の評価を分析し、価値を高める方法を研究する。魚を流通・販売するシステム。質、量、そしてタイミング。大量貧乏にならないために。今、漁師には知力、体力、営業力、企画力、想像力あらゆる「力」が求められている。漁師は「海に出て何ぼ!」というのは昔のこと。全国の漁師の嘆きがニュースを通して聞こえてきた。そこには、自分が取った魚の価値を自分で決められないもどかしさがあった。陸の上でも研鑽の日々である。

定置網業〜伝統的な漁法は明日を勝ち抜く漁法〜
「小田原の定置網業は心配ありませんよ」。市漁協の出口参事は力強く言う。戦後間もないころ、一網何万匹も取れたブリやマグロを肩に担いで宮小路を闊歩した漁師たち。酒代に魚を置いては飲み歩くという景気のいい話も受け継がれたが、それも、今は昔。市漁協はちょうど10年前、数億円という費用をかけて定置網業活性化事業を実施、米神漁場へのモデル定置網を導入した。県内最大規模、全長は435メートル、箱網も縦横120メートルに及ぶ。小田原市役所本庁舎がすべて入ってしまう大きさだ。すぐに成果が出た。小田原漁港ではそれまで年間1,000トン前後で推移していた定置網の水揚げ量が平成17年には 2,000トンを超えるまでに。今、アジやイシダイが確実に揚がる。漁港は活気づく。さらに現在進行中の「特定漁港漁場整備」。漁業関係者の期待は大きい。消費者への新鮮な魚の安定供給、もちろん漁業経営の健全化にもつながる。港を出て10分、そこは好漁場。定置網漁は、伝統的な魚の習性を利用する省エネ漁法として注目されている。それは、消費者の目線で経済的な価格で新鮮な魚がいつでも食べられ、また、漁師の目線で少ない燃料代で、確実に収益が出せるということである。すべての人が幸せに、そして、地球に優しい漁業。明日を勝ち抜く漁法といえるのだ。海のロマンを追う若者たちが受け継ぐ「定置網のまち・小田原」そんな言葉が似合う日が遠くない将来再びやってくる、そう確信した。

未来へ、感謝とともに
小田原漁業の未来は私たちの食卓の未来そのものである。20世紀、自然や社会の環境が大きく変化した。公害、生活排水の流入、河川の取水、海岸沿いの道路。そして、乱獲、食卓の魚離れ…これらの原因が複雑に絡み合い、漁業の低迷を招いた。そして21世紀。小田原の漁業は勝ち抜いていくための大きな課題に力強く取り組んでいるのだ。食の安全、産地の偽装。食に関する暗い話題ばかりが飛び込んでくる。こんな時代だからこそ、地元のものを食べたい、「地産地消」。相模湾の恵みがいつもそこにある幸せをかみしめて。そして、心から感謝したい。母なる海、相模湾へ。小田原のこの海を愛してやまないすべての人たちへ。

小田原漁港の未来予想図は!〜特定漁港漁場整備事業計画〜
現在、県西部漁港事務所は、平成23年度中の完成を目指し、小田原特定漁港漁場整備事業を推進している。●水産資源の持続的利用と良質な水産物を安全で効率的に供給する体制の整備●水産資源の生息環境となる漁場などの積極的な保全・創造●水産業の振興を核とした良好な生活環境の形成を目指した漁村の総合的な振興の3つの政策を掲げ、生産流通加工拠点ゾーン・環境創造ゾーン・防災拠点整備ゾーン・漁船拠点ゾーン・都市住民との交流拠点整備ゾーン の5つのゾーン整備を推進していく。生産流通の中心である畜養水面の整備は小田原漁業の切り札となる。

畜養水面とは
文字どおり、魚を「たくわえてやしなう」いけすのこと。取れすぎた魚を傷つけずにためておく。必要な時、必要な量だけ水揚げすることが可能。天候不良など漁に出られないときも新鮮な魚が安定供給される。

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#02:市議会9月定例会 〜補正予算や条例議案、決算の認定などを審議〜
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問 総務課 電話0465-33-1291

●専決処分の報告について(事故賠償5件)
●平成20年度一般会計補正予算
●平成20年度下水道事業特別会計補正予算
●平成20年度国民健康保険事業特別会計補正予算
●平成20年度老人保健医療事業特別会計補正予算
●平成20年度後期高齢者医療事業特別会計補正予算
●平成20年度病院事業会計補正予算
●市議会政務調査費の交付に関する条例等の一部を改正する条例
●公益法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例
●市職員の退職手当に関する条例等の一部を改正する条例

●市税条例の一部を改正する条例
●認可地縁団体印鑑条例の一部を改正する条例
●国民健康保険条例の一部を改正する条例
●いこいの森条例の一部を改正する条例
●都市公園条例及び体育施設条例の一部を改正する条例
●市営住宅条例の一部を改正する条例
●土地開発公社定款の一部変更
●市道路線の認定及び変更
●平成19年度一般会計継続費精算報告書の報告
●平成19年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率の報告

●平成19年度一般会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度競輪事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度小田原城天守閣事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度国民健康保険診療施設事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度公設地方卸売市場事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度老人保健医療事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定
●平成19年度宿泊等施設事業特別会計歳入歳出決算の認定

●平成19年度水道事業会計決算の認定
●平成19年度病院事業会計決算の認定
●教育委員会委員の任命(2人)
●市議会会議規則の一部を改正する規則
●任意合併協議会の設置を求める請願
●「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)」に関する意見書
●国の制度改革・拡充に伴う財源措置に関する意見書
●「神奈川県後期高齢者医療広域連合」の議会に、県下全市町村から議員を選出するよう、「広域連合」規約の改正を求める意見書
●早急に消費者庁創設を求める意見書
詳しくは「市議会だより11月1日号」参照。

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#03:平成20年度9月補正予算の概要
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問 財政課 電話0465-33-1312

■一般会計補正予算(9億9,739万円追加)
■下水道事業特別会計補正予算(17億5,417万5千円追加)
■国民健康保険事業特別会計補正予算(3億5,911万8千円追加)
■老人保健医療事業特別会計補正予算(10万1千円追加)
■後期高齢者医療事業特別会計補正予算(126万円追加)
■病院事業会計補正予算(72万円追加)

この結果、全会計の予算額は、1,352億1,344万3千円となりました。主な内容は、次のとおりです。
●課題別検討委員会関係事業費 市政の重要懸案の解決に向け、課題別の検討委員会を設置します。
●市民会館耐震診断委託料 市民会館施設の使用方針等の検討を行うため、耐震診断委託料を計上しました。
●小田原漁港交流促進施設基本設計委託料 交流促進施設について、基本設計委託料を計上しました。
●地方の元気再生事業費 新たな地域ブランド品の開発や情報の発信、中心市街地の回遊性向上に取り組むプロジェクトの事業費を計上しました。
●天神橋(国府津)架替事業費 森戸川護岸改修に伴い天神橋の架け替えを行うため、予備設計委託料を計上しました。
●こどもの森公園整備経費 平成22年4月の全面開園に向け整備費を増額しました。
●富水小学校屋内運動場改築設計委託料 老朽化した富水小学校屋内運動場の改築のため、実施設計委託料を計上しました。
●千代小学校新北校舎建築設計委託料 教室数が不足する千代小学校の新北校舎建築のため、実施設計委託料を計上しました。
●前羽幼稚園園舎耐震補強設計等委託料 地震防災対策を進めるため、前羽幼稚園園舎の耐震補強設計等委託料を計上しました。

また、「寄附者一覧」のとおり、ご寄附をいただきましたので、そのご意思を生かせるように、各基金に積み立てるとともに、事業費を計上しました。
【寄附者一覧】(敬称略)
◆ふるさと文化基金寄附金(合計40万6,800円)△湘南ステーションビル(株)△松本敦子
◆防災対策基金寄附金(合計127万6,000円)△西湘ビルメンテナンス協同組合△小田原酒販協同組合△(株)スポーツプラザ報徳
◆社会福祉基金寄附金(合計4,000円)△匿名2件
◆ふるさとみどり基金寄附金(合計119万2,408円)△小田原さつき会△あいおい損害保険(株)△(株)サンフジ企画△小田原庭園業組合△(株)スポーツプラザ報徳
◆教育振興費寄附金(7万3,035円)△(株)中村屋

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#04:市の平成19年度決算に基づく健全化判断比率と資金不足比率は、いずれも「健全段階」でした。
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平成19年6月に、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)」が成立しました。この法律により、地方公共団体は、財政の健全性を判断するための、4つの「健全化判断比率」と公営企業会計の「資金不足比率」を算定することになりました。その結果、いずれの比率も国が定めた早期健全化基準を下回っており、本市財政の健全性は、財政健全化法上、問題ありませんでした。
※下表の数字の単位は、すべてパーセント
問 財政課 電話0465-33-1312

■市の「健全化判断比率」
実質赤字比率
◆福祉、教育、道路整備など基本的な行政サービスに必要な経費を経理する一般会計など(宿泊等施設事業特別会計を加えたもの)の赤字の大きさを指標化したものです。本市は11.51 ※1(本市の場合は、黒字のため算定されません)
連結実質赤字比率
◆一般会計などに、水道、病院、下水道、国民健康保険事業など全会計の赤字の大きさを指標化したものです。本市は16.51 ※1(本市の場合は、黒字のため算定されません)
実質公債費比率
◆一般会計などの、借金(地方債)などの返済額の大きさを指標化したものです。本市12.9 全国平均12.3 ※2(この比率に再生段階の設定はありません)
将来負担比率
◆一般会計などの借金や、将来支払う予定の額などの大きさを指標化したものです。本市115.8 全国平均110.4 ※2

※1 この比率の早期健全化基準は、各地方公共団体の財政の大きさにより幅があります。
※2 全国平均は、総務省の発表した暫定値の速報に基づく市区町村平均値のため、変更される可能性があります。

■公営企業会計の「資金不足比率」
資金不足比率(対象の公営企業会計)
水道事業会計、病院事業会計、天守閣事業特別会計、下水道事業特別会計、公設地方卸売市場事業特別会計
◆公営企業の資金不足を、公営企業の料金収入などの規模と比較して指標化したものです。(本市の場合は、資金不足が生じていないため算定されません)

健全財政→→→各財政指標は、数値が大きくなるほど、財政状況の悪化が進んだ状況を示します。 →→→財政悪化

Q実質公債費比率が改善した?
A実質公債費比率は、平成17年度から使われている財政指標ですが、算定方法に変更があり、本市の19年度の数値は、前年度から4.3ポイント改善しています。
Q早期健全化段階や再生段階になると?
A早期健全化段階になると、健全化計画を策定し、財政の健全化を進めます。再生段階に至ると、再生計画を定め財政再建に取り組むことになります。この段階では、地方債を起こすことが制限されるほか、税金や公共料金の増額、住民サービスの見直しも必要になります。

平成19年度決算に基づく健全化判断比率などは、市ホームページで詳しく説明しています。
https://conv.bingocms.tech/field/informatio/finance/kenzenka.html

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#05:おだわらインフォメーション Odawara Infromation
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(仮称)城下町ホール予定地の暫定利用について市民意見を募集!
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問 街なかにぎわいプロジェクト事務局(産業政策課内) 電話0465-33-1519

(仮称)城下町ホール予定地の本格的な検討作業は、お城通り地区再開発事業用地、小田原地下街施設と併せて「小田原駅・小田原城周辺まちづくり検討委員会」で行っていきますが、事業開始となるまでの間、(仮称)城下町ホール予定地を街なかにぎわい創出のために活用したいと考えています。そこで、どのように暫定利用したらよいか、市民の皆さんから意見を募集します。
募集内容:(仮称)城下町ホール予定地の暫定利用についての意見
暫定利用期間:平成21年4月以降、(仮称)城下町ホール建設工事の準備に入るまで1年間程度の利用を想定(状況により延長する場合があります)
応募方法:11月28日(金)まで(必着)に、所定の用紙(公共施設などで配布)に意見と必要事項を書いて、郵便またはファクスで。市ホームページからも応募できます。
寄せられた意見などを踏まえ街なかにぎわいプロジェクトで検討し、暫定利用案を取りまとめていきます。
※(仮称)城下町ホール建設用地として補助金が交付されているので、暫定利用であっても利用方法に条件があります。詳しくは、ホームページまたは募集要項(公共施設などで配布)をご確認ください。
※お寄せいただいた内容などはホームページで公開しますが、個別回答は行いません。

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市民と市長のまちかどトーク〜市民の皆さんと市長が語り合う懇談会を開きます〜
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問 広報広聴室 電話0465-33-1263

小田原は今、新しいまちづくりに向けて大きく動きだそうとしています。しかし、その前には乗り越えていかなければならないさまざまな重要課題や市民生活に直結した問題が山積しています。これらの問題の解決に向け、行政はもとより、市民の皆さんに力を発揮していただく時代を迎えています。その一歩として、ぜひ、あなたのまちづくりへの思いをお聞かせください。新しい小田原へ、一人一人の声がまちを変える力になります。この機会に、市長と小田原の未来を語り合いましょう。
日 時 11月29日(土)14時〜15時30分
場 所 小田原ラスカ6階U-meテラス(小田原駅ビル)
テーマ 「語り合おう!新しい小田原を〜市民の力を活かすまちづくり〜」

地域を支え、地域を元気にする主役は市民です。新しい小田原をつくるためにあなたができること、市民の力を活かすために市に期待すること、などをお聞かせください。
例えば…●現在、地域のグループでこんな活動をやっている
    ●地域の貴重な資源や人材をこんなふうに活用したらどうか
    ●地域の活動をするために、市にこんな支援をしてほしい など
※事前申し込みは不要です。直接会場へお越しください。
※託児(2歳以上就学前まで)や手話通訳が必要なかたは、開催日の2週間前までにご連絡ください。

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11月11日は介護の日
"いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう"。皆さんにさらに介護を知っていただくため、また介護サービスを利用しているかたやその家族を支援するとともに、介護に携わるかたがたが生き生きと仕事ができるように定められました。
★★★★★★★★★★

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11月1日は計量記念日〜正確な計量は生活の基本です〜
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問 産業政策課 電話0465-33-1511

計量法で定められている計量制度は、貨幣制度と並び、私たちが社会生活や経済生活を営むうえで最も基本的な制度の一つです。
■はかりの正確性
 はかりや分銅などの質量計、水道や燃料油・ガスなどの体積計、電力量計、タクシーメーターなど18種類の特定計量器には、法で決められた検査、製造方法を守れば「検定証」の印や「基準適合」が表示され、その正しさが裏づけられています。
■はかり(質量計)の定期検査
 正確なはかりでも、繰り返し使用しているうちに、誤差が生じてしまう場合があります。そこで、生活に特にかかわりの深い質量計は、正確さを維持するため、2年に一度の法定定期検査を受けることが義務づけられています。検査に合格したはかりには「定期検査済ステッカー」が張られ、安心して使用できます。ステッカーには合格した年月と次回の検査年が表示され、この期間を過ぎたり、ステッカーが張られていないと商売や証明には使用できません。

市民生活を守るために必要な、適正な計量を確保するため、正確なはかりの販売や修理、検査をしています。お肉やお魚を買ったり、薬を調合してもらうときにはかりが狂うと、安心や安全は守れません。はかりは、見えないところで大事な役割を担っています。身近にあるはかりを見直してみてください。
【計量士 櫛田誠一郎さん (株)櫛田度器製作所(南鴨宮)】

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11月9日(日)〜15日(土)は秋の火災予防運動〜火のしまつ 君がしなくて 誰がする〜
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問 予防課 電話0465-49-4424

市消防本部では、災害時要援護者世帯への訪問調査や、枯れ草繁茂地の実態調査及び刈り取り指導などを行います。【住宅防火 命を守る7つのポイント(3つの習慣・4つの対策)】で、火災を出さないようにしましょう。

■3つの習慣
 〇寝たばこは、絶対にやめる。
 〇ストーブは、燃えやすいものから離れた位置で使う。
 〇ガスコンロなどのそばを離れるときは、必ず火を消す。

■4つの対策
 〇逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を設置する。
 〇寝具、衣類やカーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使う。
 〇火災を小さいうちに消すために、住宅用消火器などを設置する。
 〇高齢のかたや身体の不自由なかたを守るために、隣近所との協力体制を作る。

■お知らせ
 〇住宅用火災警報器を、早めに設置してください。また、消防職員などと偽り、警報器を高額で売りつける悪質訪問販売にお気をつけください。
 〇幼年消防クラブも一生懸命に火災予防広報(防火ちらしの配布、消防車お絵かき展示会)を行います。

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11月は不法投棄撲滅強化月間〜ストップ!身近な犯罪〜
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問 環境保護課 電話0465-33-1486

「不法投棄をしない! させない! ゆるさない!」
不法投棄は犯罪です。業者が大量に不法投棄する物も、皆さんが何げなくポイ捨てするごみも、同じ不法投棄です。決められたルールを守らずにごみを捨てると、法律により罰せられます。

■不法投棄の罰則とは
○5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれらが併科されます。
○会社がかかわった場合には、会社にも1億円以下の罰金が科せられます。
○「市まちをきれいにする条例」では、ごみのポイ捨てを禁止、環境美化促進重点地区の小田原駅周辺では2万円以下の罰金が科せられます。

■みんなで守ろう!!
市では、昼夜を問わずパトロールをしています。また、環境美化促進重点地区では多くのボランティアのかたが、まちをきれいにしてポイ捨てしにくい環境にしようと清掃活動を行っています。ポイ捨て防止看板の貸し出しも実施中、不法投棄行為を見掛けたら、すぐに警察へ通報してください。

小田原駅周辺のごみ拾いを始めて3年目、小田原以外からも集まってくるたくさんのダンス仲間たちと一緒に行っています。これからも、活動の輪が広がればと願いつつ、わがまち・小田原をきれいにしていきたいです。
【環境美化活動登録者 大山一誠さん】

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身近にある小田原の史跡〜大窪地区編〜
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私たちの身近に数多く残る史跡は、それぞれの土地の成り立ちや先人たちの暮らしぶりを静かに物語っています。
日々変化するまちなみの中で、郷土の歴史を記憶にとどめ、次の世代に伝えていきましょう。今回は大窪地区。
問 文化財課 電話0465-33-1714

元気いっぱいのおだわらっ子、太郎君。秋晴れの休日、お父さんと2人で大窪地区の史跡を歩いてみました。
太郎 箱根板橋駅に着いたね。これからどこに行くの?
父 新幹線のガードの先から旧道に入ってみよう。この交差点の辺りに小田原のまちの西の入り口、板橋見附があったよ。
太郎 旧道は国道より落ち着いたまちなみだね。あっ、大きな石がある!石屋さんかな?
父 そうだよ。ここは代々続いている石屋なんだ。先祖の善左衛門が、北条氏のころ、石工棟梁として活躍したんだ。
太郎 お城なんかも造っていたのかなぁ?
父 うん、徳川家康に認められて、関八州の石工棟梁を務めて、江戸に屋敷や石置場を与えられたそうだよ。石屋の裏庭にある東照宮は、この恩から建てられたといわれているんだ。
太郎 歴史のある石屋さんなんだね。
父 板橋は、小田原城下から箱根への東海道沿いにあって、江戸時代には小田原の宿場続きで寺院と職人の集落だったんだ。明治維新後も酒・醤油などの醸造、水油・紺屋・漆器製造などが発達していたんだ。この先に、紺屋の蔵が残っているよ。

太郎 紺屋って?
父 ああ、染物屋さんのことさ。初代の津田藤兵衛は北条氏に仕えて、旗や幟、幕を染めていたんだ。その後、京都に上り、朝廷から京紺屋の屋号を頂いたそうだよ。江戸時代には小田原城御用達の紺屋頭として活躍したんだ。紺屋は昭和40年代まで続いたそうだよ。
太郎 たくさんあった店がすっかり減ってしまったんだね。 
父 明治・大正・昭和初期になると、文化人の集まるまちになるんだ。
太郎 なぜなの?
父 明治時代に、国府津—小田原—湯本間に鉄道が開通したことが画期となって、交易、交通が発達すると、気候風土もよいことから、別荘・別邸地としての名声が高まったんだ。昭和になり、箱根登山電車に代わるまで、今歩いている旧道を電車が走っていたんだよ。
太郎 へぇ、そうなんだ(驚)!松永記念館から竹の小径を上ったところにりっぱな門があったけど、あの辺りが別荘地なの?

父 ああ、そうだよ。古稀庵といってね、政治家・山縣有朋が古稀(70歳)を迎えた際に建てた終の棲家で、現存するのは、門と庭園の一部なんだ。山縣公は専用水道(山縣水道)で、荻窪用水を引いて水の流れを生かした広大で素晴らしい庭園を設けたんだよ。この水は実業家・大倉喜八郎邸(共寿亭・現山月)や後に古稀庵に編入される政治家・清浦奎吾邸(皆春荘)など、周辺の別荘にまで分水されていたんだ。
太郎 水道を引いちゃうなんて、すごいね。
父 実業家で茶人としても高名な益田孝邸(掃雲台)もすごいぞ。今は住宅地になっているけど、城山へ抜ける坂道の一帯が広大な屋敷で、みかんや梅を植え、 11もの茶室や鶏舎・豚舎、毛織物・缶詰工場まで設けたんだよ。石垣山の農場、牧場で採取した原料も掃雲台の工場で製品化していたんだよ。
太郎 掃雲台かぁ、見てみたかっ


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