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広報小田原 第1078号

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広報小田原 第1078号

平成25年3月1日 発行

#01 学校で取り組んでいる読書活動の今
#02 みんなで歌おう! 市民によるメンデルスゾーン「讃歌」
#03 奈良県斑鳩町との交流
#04 おだわら情報
#05 〈連載〉北条五代の足跡を訪ねて
#06 〈連載〉市民力/〈連載〉今月の笑顔
#07 〈連載〉おいしい小田原いただきます
#08 〈連載〉駅のある風景


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テキスト版

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#01 学校で取り組んでいる読書活動の今
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感性を磨き、想像力を豊かにし、表現力や理解力を高める読書。
子どもの読書離れ、活字離れが指摘されている今日、市内の小中学校では、「朝読書」の時間を設けたり、授業での調べ学習に本を利用したり、また、図書委員会での活動などを通じて、子どもたちは本と触れ合い、本に親しんでいます。
また、子どもの読書活動を支援する「学校司書」や「図書ボランティア」による「読み聞かせ」や、本を紹介する「ブックトーク」なども盛んに行っています。
学校だけでなく、地域の大人の力も取り込みながら、学校の読書活動を支える取り組みを進めています。
【問】教育総務課 電話 0465-33-1671

子どもたちの読書を取り巻く現状は、どのようなようすなのか。
子どもの読書活動に詳しい専修大学文学部准教授の野口武悟さんと、久野小学校・鴨宮中学校で読書活動に関わる皆さんの話とともに、学校の読書活動の今を紹介します。

専修大学文学部准教授 野口武悟さん
鴨宮中学校司書教諭 渡井悦子さん
久野小学校司書教諭 津田早紀さん
久野小学校図書ボランティア 小泉郁子さん
久野小学校図書ボランティア 志賀由紀子さん
久野小学校図書ボランティア 小川美穂さん

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本に親しむきっかけをつくる
図書ボランティア&学校司書の活躍
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野口:近年、子どもの読書離れが話題になっています。実際のようすはいかがでしょうか。
津田:久野小学校では、ボランティアによる読み聞かせを週1回行っています。子どもたちは、読み聞かせが大好きです。しかし、自分で文字を追って本を読む子どもは少ないです。読書月間などに、学校図書館の貸出冊数が増えるように、促すことで本を読む子どもが多いと感じます。
渡井:鴨宮中学校でも学校図書館に来るのは、決まった生徒に限られています。ブームとなった「ハリー・ポッター」や、好きなスポーツ選手の著書、朝読書の取り組みなどをきっかけに本の世界に入る子もいます。
野口:子どもに読書を促すために、どんな工夫をされていますか。
小川:クラスごとに順番に読み聞かせを行い、終わった後には、読み聞かせた本の続きやシリーズを勧めて、学校図書館に目を向けるようにしています。

学校司書
 市内の全小中学校には、平成23年度から、「学校司書」がいます。蔵書整理の他、子どもたちと一緒に、理科や社会の「調べ学習」の資料を探したり、本の紹介コーナーを設置したり、子どもが本に親しみやすい環境をつくっています。
 「本がきちんと整理されていて、探しやすくなった」という子どもたちの声や、「子どもが本に親しむようになった」という保護者の声があり、利用する子どもが増えたという学校図書館も多くあります。
 学校司書の専門知識を生かした、さらに魅力的な学校図書館づくりが期待されています。

図書ボランティア
 平成24年12月現在、市内では、小学校で437人、中学校で89人の図書ボランティアが、読み聞かせ、本の整理や修繕、季節ごとに工夫した本の紹介を行うなど、読書活動の充実の一翼を担っています。

読み聞かせ 〜新玉小学校
 新玉小学校の図書ボランティアは、学校図書館の飾りつけ、蔵書整理、朝の読み聞かせを行っています。低学年で読み聞かせを担当する平倉美智子さんは「低学年の子どもたちには、視覚に訴える大きな絵で、すぐに読める本がいいですね」と学年に合わせた本を選んでいます。
 「本を読んでくれてありがとう」
 児童からの言葉が励みになっています。

データベース化作業 〜城山中学校
 市内の小中学校では、図書の検索や貸し出し状況の把握などのため、データベース化が始まっています。図書ボランティアは、こういった作業の大切な担い手となっています。

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本の魅力を知り、本の世界へ…
図書委員の活動・朝読書
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野口:子どもたちは、どんな本を好みますか。
小泉:表紙が明るい本、文字・写真・イラストが大きな本や映画化された本などは人気があります。また、本棚に並べるのではなく、本を展示するように並べると、手に取る機会が増えるようです。
志賀:久野小学校では、去年の読書月間に4年生が、お勧めの本に概要や感想を書いた「本の帯」を巻き、テーブルに本を展示するように置く工夫をしていました。自分の勧める本が貸し出されると、とても喜んでいました。
津田:読書月間では、他の学年でもお勧めの本についてスピーチしたり、「おすすめカード」で紹介したりしていました。また、先生や図書委員会のお勧めの本を紙に書いて掲示しました。
渡井:鴨宮中学校では、毎朝10分間読書を行っています。学校図書館では読書の動機づけとして、人気の本や多くの生徒が手に取ってくれそうな本を紹介しています。
   ボランティアによる読み聞かせも学年ごとに年4回行っています。読み聞かせは、幼い子ども向けと思われがちですが、中学生でも皆真剣に聞いていて、癒やしの時間にもなっています。生徒自身が親になったときの子どもへの読み聞かせにもつながるので、中学校でも取り組むとよいと思います。

図書委員 〜城山中学校
昼休みや放課後に活躍
 「図書委員になってから、学校図書館に来る機会が増え、いろいろな本があることを知った」という城山中学校の図書委員の伊藤さんと吉田さん。昼休みや放課後に、学校図書館で貸し出し業務などに携わっています。昼休みや放課後の学校図書館には生徒が集まり、学校図書館が読書の場として根づいてきています。

朝読書 〜城南中学校
気に入った本を繰り返し…
 市内の全小中学校で取り組んでいる朝読書。短い時間の積み重ねでも、読書が習慣になると1年間でたくさんの本を読むことができます。学校で読んだ本の続きを家で読む生徒もいます。
 城南中学校では、週4日、8時20分から10分間、朝読書を行っています。1年生の仲野さんは、「今日は、イギリスの歴史の本を読んでいました。歴史や文化の本が特に好きで、気に入った本は繰り返し読み、年間20冊以上の本を読んでいます」と本の世界を存分に楽しんでいます。

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読書の意義
生きる力を養う
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野口:学習指導要領では、言語活動の充実が柱に据えられていますが、読書の持つ力、読書の意義は何だと思いますか。
渡井:読んで楽しく、自分の世界が広がることだと思います。本は、子どもたちの体験不足や人間関係の希薄さを補ってくれると思います。周りの先生にも聞いてみたのですが、「生きる力」という言葉が共通して返ってきました。
   読書はまた、読解力を養うこともできます。
野口:どの教科でも、読むことは基本であり、読むことは学力の土台ですね。
小泉:読書で得られる想像や共感、語彙の増加などにより、生きていくうえで大切な引き出しをたくさん作れると思います。困ったときに本を読んで、引っかかる文章があり、それが悩みに対する答えであったりする。本には答え探しのようなところがあると思います。
志賀:算数の文章問題を解くのも読解力が必要なので、本を読む大切さを痛感しました。
   子どもには、本を読んでほしいという思いがあります。今の子どもたちは、想像力が乏しく、あまり深く考えていないと感じます。本を読むことは、知らない世界に連れて行ってくれる、大事な魔法のようなもの。夢中になれる本に出会ってほしいと思います。そういうきっかけづくりをボランティアとしてお手伝いしたいです。
野口:読書は、基礎学力や生きる力の形成の要といえるでしょう。
   子どもたちの読書活動を、学校が中心となり、家庭や市の図書館、地域も含めて、力を合わせて推進していくことで、より大きな効果を期待できるのではないかと思います。

より深く生きる力を身につけるために
小田原市教育長 前田輝男
 読書は、私たちに生きる知恵や希望や勇気を与え、また、過去や未来、世界の国々や宇宙、そして創造の世界へといざなう扉となります。誰もが、一冊の本との出会いから、さまざまな思いや考えを巡らし、想像を働かせた体験をしたことがあると思います。
 心身ともに成長していく段階にある子どもたちにとっての読書活動は、基礎学力の定着はもとより、言葉を学び、感性を磨き、表現力や想像力を豊かにし、より深く生きていく力を身につけるうえで欠くことができないものです。
 優れた本と出会うことで、子どもたちが読書の楽しさを知り、読書に親しんでいけるよう、市では、学校司書の配置や学校図書館の整備などの環境づくりに努めています。
 また、生涯学習の観点から、私たち大人も読書により自分の世界を広げ、言葉を通じて他者とつながる喜びを、子どもたちと共有していくことが大切ではないかと考えています。

幼小交流でも本に親しんでいます
前羽小学校児童が前羽幼稚園で読み聞かせ
 前羽小学校では、図書委員会の児童が、日常的に交流のある前羽幼稚園で自作の紙芝居を園児に読み聞かせています。紙芝居を作る過程で児童が物語に親しむとともに、園児の本への関心を高め、さらに幼小の交流を図ることをねらいとし、年1回行っています。中には、自分が園児だったときに読み聞かせを楽しんだ児童もいて、意欲的に取り組んでいます。

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#02 みんなで歌おう! 市民によるメンデルスゾーン「讃歌」
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芸術文化創造センター建設応援イベント
市民の美しい歌声が響きます
3月17日日曜日、「みんなで歌おう!市民によるメンデルスゾーン『讃歌』」が開かれます。
「市民による小田原音楽フェスティバル実行委員会」と市が主催し、200人近い市民が合唱団として参加します。
【問】文化政策課 電話 0465-33-1706

小田原の音楽の魅力が集結
 小田原の文化活動の特徴の一つとして、合唱が盛んなことが挙げられます。小田原地区合唱連盟に加入している団体は35団体にもなり、その多くが歴史ある団体です。中でも、小田原少年少女合唱隊は、毎年、国内外の合唱コンクールで優秀な成績を収め、今回の演奏会のソリスト(ソプラノ)・譲原麻友子さんも同合唱隊で活躍されていました。
 合唱だけでなく、器楽においても、オーケストラや吹奏楽などのアマチュアの音楽活動が盛んです。
 これら小田原の音楽活動の力を統合させてイベントを実施しようと、7年前に「市民による小田原音楽フェスティバル実行委員会」を立ち上げ、年に一度演奏会を開いています。日頃は指導を受けることが難しい一流の指揮者から直接合唱指導を受け、プロの声楽家や小田原ゆかりの演奏家が中心のオーケストラと共演し、レベルアップを目指してきました。公演の企画から20回以上の練習の運営に至るまで、市民の手づくりで行われています。
 市民が自らの力で市民のために歌う、まさに、「市民による」音楽フェスティバルとなっています。

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指揮者 山田和樹さんに聞きました
会場が一つになる感動を…
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 「市民による小田原音楽フェスティバル実行委員会」の委員長で小田原音楽連盟会長であるヴァイオリニスト白井英治さんと、今回の演奏で指揮を務める山田和樹さん。
 山田さんは、平成21年、若手指揮者の登竜門として名高い、ブザンソン国際指揮者コンクール(フランスで開催)で優勝、ヨーロッパを中心に国際的に活躍し、昨年9月に、日本フィルハーモニー交響楽団の正指揮者に就任した、国内外から注目されている指揮者です。

白井:どのようなきっかけで指揮者を志したのでしょうか。
山田:音楽家や指揮者になりたいと、ただ漠然と思い模索していた高校2年のとき、たまたまオーケストラを指揮する機会がありました。その感動体験が忘れられず、その後勉強して、東京芸術大学に入学し、指揮者の勉強に励みました。
白井:公立のホールや、そこでの文化活動についての思いを聞かせてください。
山田:オーケストラを初めて聴いたのは、地元、秦野のホールでの、秦野市民交響楽団の演奏でした。
   地元に文化施設があるというのは、大切なことです。例えば、音楽を聴く機会が増えることで、交響曲を聴く際の拍手のタイミングが分かるお客さんが増えたりします。何よりも音楽は、生活の潤いとなるでしょう。東日本大震災の被災地でも、復興で大変厳しい中、音楽が与える癒やしや感動を大切にし、例えば仙台市では、音楽に関わる予算は減らさないと聞きました。
白井:指揮をする醍醐味、音楽の魅力を改めて教えてください。
山田:指揮者の私から演奏者に言葉で伝えられることは、限られています。ですから、テレパシーやパワーのやり取りがされるわけです。そういった空気がお客様にも伝わったとき、より一層音楽が輝き、会場で一体感を感じることができます。とても嬉しい瞬間ですね。
白井:よく分かります。音楽は、音自体は消えてなくなってしまいますが、一体感が得られたときの感動はずっと残るものなんですよね。
   今回の演奏をとても楽しみにしています。

みんなで歌おう! 市民によるメンデルスゾーン「讃歌」
日時:3月17日日曜日 午後2時開演
場所:市民会館大ホール
曲目:メンデルスゾーン交響曲 第2番「讃歌」
指揮:山田和樹
小田原楽友協会管弦楽団、佐々木典子・譲原麻友子(ソプラノ)、吉田浩之(テノール)
全席自由3,500円 (前売り3,000円)
チケット販売:市民会館、伊勢治書店本店、有隣堂小田原ラスカ店 他

リハーサル 見学者募集!
前日の総練習を、青少年、音楽指導者およびチケット購入者に公開します。
日時:3月16日土曜日 午後6時30分〜9時
場所:市民会館大ホール
申込:3月15日金曜日までに文化政策課(0465-33-1706)へ電話で。

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SHISEI〜至誠・市政〜 芸術文化の創造 小田原市長 加藤憲一
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 数ある市政課題の中でも、市民の皆さんが最も高く関心を寄せる事業の一つであった「市民ホール」建設事業。市長就任後、まちづくり検討委員会、文化振興ビジョン、基本構想、基本計画、管理運営基本計画と、一つ一つのプロセスを大切に、ある意味愚直に、市民の皆さんとの協働作業として積み上げてきました。地権者の皆さんのご理解をいただくことができ、用地の見通しも立ったことから、現在は設計者選定作業が進められています。
 そんな中、昨年12月には、これまで使用してきた事業名を、「市民ホール」から「芸術文化創造センター」へと改めました。そこには、私たちが芸術や文化活動を鑑賞するだけでなく、それを生み出し創り上げる側にもなることで、多くの絆が生まれ、創造する歓びが生まれ、そこからまちの新しい活力と魅力が滾々と湧き続けるという、この事業が担うべき使命、発揮しうる価値への強い期待が込められています。それを明確に打ち出し、市民の皆さんにも意識していただけるよう、この事業名を用いることにしたのです。
 幸い、小田原には、長い歴史を持ち、あるいは熱心な活動を展開されている、実に多彩な芸術や文化の活動団体が存在し、その交流が活発です。また市でも現在、センター開館に向け、ハードにも増して重要となるソフトづくりや、芸術文化活動の裾野を広げ担い手を育てるため、市民による自主事業支援や小学校へのアウトリーチなど、さまざまな取り組みを拡大しています。街なかの商店街でも、音楽やアートなど多彩な芸術文化活動を街のにぎわいづくりに取り込もうとする動きが始まっています。
 私自身、今年度は久しぶりに市民合唱団にバスの部で参加。3月17日の本番に向け、何とかやりくりして練習に参加しています。200人近い皆さんと、心を一つにして「讃歌」を仕上げていくプロセスは、歌の力、音楽の力、人の力を心底実感でき、それ自体がとても感動的です。
 私たち一人一人の中にまだまだ眠っている可能性と力が啓かれてゆけば、おのずから、小田原全体が活気と創造力溢れるまちになるのです。市民による芸術文化の創造活動を、小田原のまちづくり・人づくりの潮流として、大きく育てていきましょう。

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#03 奈良県斑鳩町との交流
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法隆寺のある奈良県斑鳩町と「法隆寺ゆかりの都市 文化交流協定」を締結して1年。斑鳩町と小田原市とのゆかりを改めて振り返り、交流のようすを紹介します。
【問】文化政策課 電話 0465-33-1707

法隆寺の食封があった小田原
 本市と法隆寺とのつながりをひも解くと、奈良時代にさかのぼります。
 古代の律令制度には、「食封」という制度がありました。これは、朝廷が一定の期間と場所を限って、その土地などから得られる租税を、寺院などに収入として与えたものです。西暦747年に作成された法隆寺の資材帳には、法隆寺の食封の所在地として4つの都市の名前があります。現在の兵庫県姫路市、朝来市、群馬県高崎市、そして小田原市です。

斑鳩町と小田原市の交流
 1000年以上も前からつながっていた小田原と法隆寺。
 3年前に、法隆寺の大野玄妙管長が小田原にいらした際、加藤市長に「古くからのご縁を大切にしましょう」と話されたことをきっかけに、斑鳩町との交流が始まりました。
 斑鳩町の町制施行65周年となる昨年の2月11日に「法隆寺ゆかりの都市文化交流協定」を締結。斑鳩町で行われた催しに、小田原から物産販売ブースを出店しました。本市でも、斑鳩町交流展「飛鳥時代の斑鳩と小田原」と題して、法隆寺所蔵品を1か月にわたり郷土文化館で展示した他、報徳博物館で記念講演を行いました。
 今年は斑鳩町で、2月9日から交流展「小田原北条氏五代100年の興亡」が開かれています。

友好を深める斑鳩町民と小田原市民
 町民と市民の交流も盛んに行われています。
 斑鳩町の皆さんは昨年3月、「尊徳マラソン」に参加。5月の「小田原北條五代祭り」や7月の「小田原ちょうちん夏まつり」にも、ツアーを組み来訪されました。夏まつりでは、小学生から大人までが見事な和太鼓の演奏を披露。二の丸広場に、大きな歓声が沸き上がりました。
 今年2月には、小田原市から有志が斑鳩町を訪れ、「法隆寺マラソン」に参加。斑鳩町民とともに健脚を競いました。

故きを温ね、新しきを知る
 斑鳩町にも本市にも、互いに誇れる歴史があります。この文化協定は交流を重ねながら互いに発展していこうという思いで締結されました。現在は相互の歴史を知る展示などの事業が主軸となっていますが、「文化」という言葉はとても広い意味を持ち、大きな可能性を秘めています。温故知新という言葉があるように、相互の歴史を知ることから、新しいものが生まれてくるかもしれません。
 悠久の時を越え再び結ばれた斑鳩町と小田原市。今後も、この縁を深め、交流を育んでいきます。

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#04 おだわら情報
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「一人ひとりが大切な命」
3月は「自殺対策強化月間」です
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【問】健康づくり課 電話 0465-47-0820

 警察庁の統計によると日本の自殺者数は、平成10年から23年まで14年連続して年間3万人を超え、深刻な状況です。自殺未遂者数は、その10倍といわれ、年間30万人が自殺を図っていることになります。
 市内でも毎年約40人の尊い命が、自殺で失われています。
 国は、平成18年6月に「自殺対策基本法」を制定、翌年6月に「自殺総合対策大綱」を策定し、社会的な取り組みとして、自殺対策を進めています。
 市でも、一人一人が生き生きと輝いて暮らすことのできる社会を目指し、平成21年度から地域自殺対策緊急強化事業を実施。自殺予防を呼びかけるキャンペーンや自殺のサインに気づく人材育成の講演会、心が不安定になりやすい状況のかたへの戸別訪問指導などを行っています。

かけがえのない命を守るために、一人一人ができること
●気づき 家族や仲間の変化に気づき、声をかける。
●傾聴 本人の気持ちを尊重し、耳を傾ける。
●つなぎ 早めに専門家に相談するよう促す。
●見守り 温かく寄り添いながら、じっくりと見守る。

自殺予防キャンペーン パネル展示
 月別自殺者数の最も多い3月は「自殺対策強化月間」と定められています。
 市では、自殺対策強化月間に、自殺予防キャンペーンを実施します。
日時:3月11日月曜日〜15日金曜日
場所:市役所2階展示・広報ロビー

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小田原駅東口お城通り地区再開発事業
進捗状況
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【問】市街地整備課 電話 0465-33-1653

 お城通り地区再開発事業は、「緑化歩道」、「駐車場施設ゾーン」、「広域交流施設ゾーン」の3つの事業に区分し、市と民間地権者が協力して、段階的な整備を図っています。
 整備は、既に「緑化歩道」に着手しており、今後の進捗状況を見ながら、並行して「駐車場施設ゾーン」を手掛けます。「広域交流施設ゾーン」は、「駐車場施設ゾーン」オープン後に、着手する予定です。

緑化歩道
 「緑化歩道」の整備は、お城通り(市道2216)の再開発事業地側の歩道を現状の2.5メートルから5メートルに拡幅する事業で、平成23年度から用地取得を進めています。用地取得した部分は、暫定的に供用を開始しており、引き続き、整備していきます。
 また、緑化歩道に合わせて、憩いと交流のスペースとして、ポケットパークを整備し、植樹、休憩施設、観光案内板などを設ける予定です。

駐車場施設ゾーン
 「駐車場施設ゾーン」の事業では立体駐車場を整備し、お城通りに面する1階には、市民が集う、情報発信・交流の場として市民活動拠点を配置します。
 駐車場の収容台数は350台余りを予定し、自動二輪車駐車場、自転車駐車場、レンタサイクル施設の整備も行います。
 現在、一般財団法人小田原市事業協会と整備・運営を委ねることも含め、事業化に向けた協議を進めており、平成25年度に着手し、平成26年度中のオープンを目指します。

広域交流施設ゾーン
 「広域交流施設ゾーン」の事業については、商業施設と公共公益施設などによる複合集客施設の整備を目指しているところです。現在、民間事業者に意見聴取や意向確認を行うなど、事業者公募に向けた準備を進めています。
 整備着手は、駐車場施設オープン後を予定しています。

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小田原・箱根木製品フェア2013
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【問】小田原・箱根木製品フェア実行委員会事務局 電話 0465-32-5252
産業政策課 電話 0465-33-1515

 小田原・箱根地域では、伝統的工芸品の箱根寄木細工、小田原漆器をはじめ、指物・木象嵌・秘密箱・玩具など、さまざまな木製品が集まり、高い技術と優れた作品が、素晴らしい木の文化を育んできました。
 小田原・箱根木製品フェアでは、この木の文化に親しむとともに、地域に育つ次代の木製品を担う若い力を感じることができます。
 また、協賛企業の環境保全などの取り組み紹介や協力団体の作品展示なども行います。

日時:3月8日金曜日〜10日日曜日 午前10時〜午後5時
場所:市民会館

第7回 全国「木のクラフトコンペ」入選作品の展示
全国から、自然素材である木のメッセージが集まり「RE:create」をテーマに行われた、コンペの入選作品を展示します。

小田原・箱根クラフトマーケット
多彩な木工技術を誇る小田原・箱根地域の木工店が一堂に集い、木製品の販売を行います。

伝統の技×若い力
次代を担う若い職人たちの作品を集め、展示します。

木のふれあい広場
木のぬくもりと木工の楽しさを感じられる体験コーナーです。

小田原・箱根の森を感じる
地元の森を感じられる作品やパネルを展示するコーナーです。

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平成26年度から
個人市民税の均等割の標準税率を500円引き上げ
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【問】市民税課 電話 0465-33-1351

 東日本大震災後の緊急防災・減災事業の財源を確保するため、平成23年12月に地方税の臨時特例法「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」が制定されました。これに伴い市では、平成24年12月に「小田原市市税条例」を改正しました。
 これにより、平成26年度から10年間、個人市民税の均等割の標準税率が500円引き上げられ、3500円となります。

個人市民税の均等割の標準税率を500円引き上げる期間
平成26年6月〜36年5月

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県広報コンクール
広報小田原が2年連続最優秀
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【問】広報広聴課 電話 0465-33-1261

 平成24年神奈川県広報コンクールの広報紙・市部において、「広報小田原」が2年連続で最優秀を受賞しました。
 受賞した平成24年11月1日号では、「小田原の食の恵み」と題した特集を掲載。農業や鮮魚店を営む人、梅などの特産物をはじめ食について学ぶ子どもたち、ゆかりある食文化に親しむ催しなどを取り上げました。小田原の食環境、食を取り巻く人たちの思いを知って、毎日の食事について考え、食の恵みを大切にする意識を持ってほしいという願いを込めています。
 審査では、「見応え読み応えともに十分。掲載意図が見事に生かされた紙面といえる」と評されました。
 また、同コンクールの広報写真・組み写真部門でも、広報小田原9月1日号が、優秀を受賞しました。
 表紙と裏表紙に、夏休み中の体験学習やイベントに参加した子どもたちの真剣な眼差し、笑顔を掲載。恵まれた小田原の自然環境の中で、たくましく成長する子どもたちの姿を伝えています。
 今後も、「広報小田原」は、多くの市民の皆さんに親しんでいただける紙面づくりに努めていきます。

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設立50周年を迎えます
小田原市スポーツ推進委員協議会
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【問】スポーツ課 電話 0465-38-1149

 「小田原市スポーツ推進委員協議会」は、今年で設立50周年を迎えます。
 協議会を構成するスポーツ推進委員は、体育協会・体育振興会長、自治会連合会長の推薦により、連合自治会25地区から3人ずつ、計75人が任命されています。
 スポーツ推進委員は、地域のかたへのスポーツ指導や、地域のスポーツ大会、イベントなどの企画運営に貢献。城下町おだわらツーデーマーチなどの運営にも協力しています。
 また、ゲートボール・インディアカ・ペタンクなどの気軽に参加できるニュースポーツの普及、推進に特に力を入れ、各レクリエーション団体の設立を支援。平成23年度には、「小田原市グラウンドゴルフ協会」が設立されました。
 今後も、さまざまな場面でスポーツを推進していきます。

市民の健康づくり、交流の場づくりのために
小田原市スポーツ推進委員協議会 会長 釼持 明さん
 小田原市スポーツ推進委員協議会が、設立50周年を迎えることを、スポーツ推進委員一同、大変嬉しく思います。
 平成23年8月に「スポーツ振興法」が50年ぶりに改正され「スポーツ基本法」となり、「体育指導委員」は「スポーツ推進委員」と名称が変わりました。
 近年は、体力づくり、健康づくりに関心が高まり、これまで以上にスポーツが身近なものとなるよう、誰もが気軽にスポーツを楽しめる環境づくりが必要だと感じています。スポーツ推進委員として、地域のスポーツ行事にさらに力を入れるとともに、市全体のイベントへの協力や市民ハイキングの開催、小学校などを訪問する出前講座の実施など、市民の健康づくりや交流の場づくりに努めていきます。
 これからも、スポーツ推進委員一人一人がスポーツ振興への高い志を持ち、事業を展開していきたいと考えています。

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お気軽に声をかけてください
介護相談員派遣事業
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【問】介護保険課 電話 0465-33-1872

 市では、「介護相談員派遣事業」を行っています。
 現在、民生委員や地区社会福祉協議会のかたなど13人が専門研修を受け、介護相談員として市に登録し、介護保険施設や事業所に定期的に派遣され活躍しています。
 介護相談員は、介護サービスに関する利用者の要望や疑問を聞き、相談に応じることで、問題が大きくなる前に解決できるよう、事業者と話し合います。利用者やその家族の話をじっくりと聞き、安心してもらうことが介護相談員の役割です。

介護相談員を派遣する施設
 3月1日現在、次の施設に介護相談員を派遣しています。利用先の施設で名札をしている介護相談員を見掛けたら、お気軽に声をかけてください。
●ルビーホーム
●ルビーセンター
●特別養護老人ホーム 潤生園
●潤生園高齢者総合サービスセンター
●介護老人福祉施設 陽光の園
●陽光の園 介護サービスセンター
●介護老人保健施設 リバーイースト
●介護老人福祉施設 西湘老人ホーム
●早川高齢者ふれあいセンター
●介護老人福祉施設 たちばなの里
●ジョイアスらいふケアセンター
●介護老人保健施設 わかば
●介護老人保健施設 ”悠久“
●潤生園やすらぎの家(久野・富水・栢山・成田)
●潤生園在宅介護総合センター れんげの里
●特別養護老人ホーム 芳徳の郷ほなみ
(順不同)

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#05 〈連載〉北条五代の足跡を訪ねて
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その三 理想の果てに
戦国時代を開き、小田原を拠点に関東に覇をとなえた北条氏。
五代にわたり善政をしき、現在につながる小田原のまちの基礎を形作りました。
北条氏はどこから来て、どのように生き、戦い、そして滅びたのか。
北条五代の歴史とその足跡を全3回の連載で紹介する最終回です。

【問】観光課 電話 0465-33-1521

 山内上杉家と扇谷上杉家の勢力が衰えた後も、関東では、それまで両家に服属してきた武士たちと北条氏との緊張が続きました。
 三代・氏康は、領国内の要所の城に自分の子を戦略的に配置しました。三男・氏照は滝山城(東京都八王子市)、四男・氏邦は鉢形城(埼玉県寄居町)、五男・氏規は韮山城(静岡県伊豆の国市)に置き、小田原城の嫡男・氏政がそれらを統括する支配体制を確立しました。氏康は1559年に、家督を氏政に譲ります。
 1561年には、越後(新潟県)の上杉謙信、1569年には、甲斐(山梨県)の武田信玄が領内に侵攻。四代・氏政は小田原城に籠城し、攻撃をはねのけました。
 氏政は、1580年に家督を氏直に譲りますが、実権は氏政が握り続けます。
 1582年に信長が暗殺されると、情勢が一変。信長に続き天下統一を目指す豊臣秀吉は、1587年に西国を平定し、次の目標を関東に定めました。
 関東の戦国大名同士の戦いを禁止した秀吉は、北条氏に、上洛し出仕することを促します。北条氏は、上洛を先延ばしにしましたが、秀吉の強硬な要求に上洛を決意します。しかしその矢先、鉢形城の氏邦の家臣が、秀吉配下の真田氏の属城・名胡桃城(群馬県利根郡)を奪う事件が起こります。秀吉は、これを宣戦布告とみなし、1590年、総勢22万人の大軍で、北条氏討滅に向かいました。
 同年3月29日、秀吉軍は山中城(静岡県三島市)を攻め落とすと、早雲寺(箱根町)に本陣を構え、小田原城を包囲。かねてからこれに備え、小田原城下を囲い込む総延長約9キロメートルの空堀や土塁などで大外郭(総構)を築いていた北条氏は、この大軍を相手に、以前の経験から籠城する戦法をとります。
 秀吉は、兵糧攻めの作戦をとり、小田原全体を見下ろす石垣山城を築城しました。
 北条氏の支城は秀吉軍に次々と攻略され、同年6月14日に鉢形城が開城、23日に八王子城が落城、24日に韮山城が開城。7月5日、ついに氏直は小田原城を開城し、降伏しました。氏政、氏照は切腹、氏直は高野山に追放。これにより、戦国大名北条氏が滅亡しました。

小田原評定
 秀吉軍の侵攻に対し、徹底抗戦すべきか降伏すべきか、小田原城では長い議論が行われました。そのような北条家の重臣会議を表した「小田原評定」という言葉が「一向に結論が出ない会議や評議」という意味で使われるようになりました。

北条氏が残したもの
 群雄割拠の戦乱の世にあって、北条氏は五代百年にわたり関東に君臨。早雲の教えと優れた領国経営で、小田原は東国随一の都市として発展を遂げました。街道筋には他国から招いた商人をはじめ、各種産業が根づき、江戸時代以降も東海道の主要な経済文化都市として栄えたのです。
 今、私たちが暮らすこのまちに、理想国家の建設を目指した一族が確かに生きていました。魅力ある地方都市づくりの理想は、400年の時を超え、小田原市民の心に生き続けています。

略年表
1559年 氏康、氏政に家督を譲る
1561年 上杉謙信、小田原城を包囲
1569年 武田信玄、小田原城を包囲
1580年 氏政、氏直に家督を譲る
1582年 織田信長、暗殺される
1590年 豊臣秀吉、小田原城を包囲
    氏直、小田原城を開城
    北条氏滅亡

山中城跡(静岡県三島市)
 箱根から国道1号を三島方面に下ると、中腹に山中城跡と書かれた看板があります。山中城は、箱根山の自然の地形を利用して造られ、北条氏の特徴である障子堀や畝堀が残ります。富士山を背景に、芝で覆われた史跡からは、壮大な歴史を感じることができます。

八王子城跡(東京都八王子市)
 JR高尾駅の北側にある八王子城跡は、御主殿跡付近の曳橋、虎口、石垣などが復元されており、歴史を物語る遺構を間近に見ることができます。八王子城跡ガイダンス施設では、映像やパネルで、八王子城の歴史などを分かりやすく紹介しています。

鉢形城跡(埼玉県寄居町)
 JR八高線沿いにある鉢形城跡は、昭和7年に国指定史跡となりました。現在は、石積みの土塁、門や池などを復元し、公園として整備されています。園内にある鉢形城歴史館では、鉢形城の歴史を学習、体感することができます。

早雲寺(箱根町)
 二代・氏綱が初代・早雲を弔うために建立し、北条五代の墓(供養塔)がある早雲寺。箱根登山鉄道箱根湯本駅から、旧東海道沿いに進むと山門が見えます。国指定重要文化財の早雲の肖像画や織物張文台などが伝わっています。

「北条五代」を大河ドラマに!
 北条氏ゆかりの9市2町で構成する北条五代観光推進協議会では、「北条五代を大河ドラマに!」を合言葉に、北条氏の魅力と各地域の観光をPRする活動に取り組んでいます。

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#06 〈連載〉市民力/〈連載〉今月の笑顔
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地域の安全を守り、伝統をつなぐ
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小田原市消防団第7分団

 地域に密着し、住民の安全と安心を守る消防団。消火や、地震・風水害時の救助・救出、警戒巡視などの他、日頃の訓練、応急手当の普及指導、住宅への防火指導、特別警戒、広報活動と幅広く活動しています。
 板橋地区を担当している小田原市消防団第7分団では、地元の祭りの警備もまた大切な務めです。警備にあたる祭りは年5日あります。
 「祭りが多く、大変な面もありますが、それだけ地域のかたと強くつながることができます」と言う団員たちは、子どもの頃から地元の祭りに親しんできました。
 今年も1月の地蔵尊大祭では、夕方から分団の詰め所で不測の事態に備えて待機し、祭り終了後も火災予防の観点から見回りを行いました。「訪れる人や露店の数が年々減っているように感じる。地域の伝統的な祭りがいつまでも引き継がれてほしい」と小林分団長。地元を愛する団員たちの温かい気持ちが、地域の安全と伝統を守っています。
 市内の多くの分団が直面しているように、第7分団も若手不足の解消が課題となっています。
 「消防団の活動をすることで、地域のかたと触れ合う機会が増えます。いろいろな人と世代を越えて付き合いながら、地域の安全を守るのが、消防団の魅力です。若い力と一緒に地域を守っていきたいですね」
 小林分団長と団員の皆さんが、頼もしい後輩をお待ちしています。

消防団員の募集について
詳しくは、お近くの消防団員または消防総務課(電話 0465-49-4415)までお問い合わせください。

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商店街連合体 ほっとファイブタウン
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第1回かながわ商店街大賞で特別賞を受賞
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 中心市街地の緑一番街、中央通り、小田原銀座通り、大工町、台宿の5つの商店会が集まり13年前に発足した「ほっとファイブタウン」。
 商店街のにぎわい創出を目指し、「街かどコンサート」、「小田原まちなか寄席」など、一つの商店街では実施が難しい事業も実現してきました。
 平成23年からは、8月と11月に「小田原まちなか軽トラ市」を開催。銀座通りに軽トラックを並べ、地域で取れた野菜・果物を中心に販売する関東初の試みです。
 実行力、企画力、発信力が評価され、ほっとファイブタウンは、今年1月、かながわ商店街大賞実行委員会が主催する「第1回かながわ商店街大賞」で特別賞を受賞しました。
 代表の平井さんは、「今後は、地元の野菜の収穫が少ない時期にはアート・クラフト系の商品を中心に行うことなども視野に入れていきたい」と課題に向き合っています。力を合わせて挑む試みがまちを「ほっと」に盛り上げていきます。

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#07 〈連載〉おいしい小田原いただきます
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おいしい小田原の味をかみしめながら、小田原の魅力を、もっと考えてみませんか。このコーナーでは、小田原のおいしい話題をお届けします。

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ビタミンCが豊富です
小田原キウイフルーツ
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 キウイフルーツは、みかんや梅に次ぎ、小田原で多く栽培されている果樹です。
 1970(昭和45)年頃に県が栽培を促進し、山北町で栽培を開始。その後市内でも久野を中心に、みかんの代わりに栽培されるようになりました。

栽培に適した土地
 30年ほど前から、久野でキウイを栽培している石綿敏久さん。「みかんの価格が低迷していた中で、当時あまり知られていなかったキウイの栽培を始めるのは、期待と不安があった」と言います。
 日本は、キウイを多く生産している南半球のニュージーランドと、赤道を挟んで北半球の反対に位置し、キウイの栽培に適しています。国内では、小田原と同じくみかんの栽培が盛んな九州や四国で、多く栽培されています。

有機栽培のキウイ
 石綿さんは、有機栽培でキウイを栽培しています。
 今でこそ有機栽培は、生産者や消費者から関心が高くなっていますが、石綿さんが始めた頃は、栽培農家が少なく周囲から大変驚かれました。有機栽培で育てた野菜や果物は、見た目があまりきれいに育たないことがありますが、キウイは、外観もよく、甘味と酸味のバランスがよいものを育てることができました。
 今では、石綿さんの他にも、有機栽培でキウイを育てる市内の生産者が増えています。農林水産省の有機食品の検査認証制度である、有機JASマークを食品に貼ることができる事業者に、県西地域で認定されているのは30人弱。そのうちの9割がキウイを栽培しているほど、キウイは有機栽培に適しているのです。

学校給食でも使用
 小田原の学校給食では、地場産の農産物や水産物を最優先に使用。JAかながわ西湘などと連携し、キウイや、休耕田を利用して作った里芋などを献立に取り入れてきました。現在では、地元の有機栽培のみかんやキウイ、レモン、低農薬の小松菜、ほうれん草、たまねぎも使用しています。
 衛生管理などの問題で、給食で提供できる果物が限られている中、丸ごと1個が食べられる、地元のみかんやキウイは、大変貴重です。
 「子どもの味覚は、とても敏感だから、おいしくて安全なキウイを食べてほしい」という石綿さん。生産者の皆さんの温かい思いが詰まったキウイは、子どもたちにも人気があります。

うまく食べられたかな? 2月8日 町田小学校
 この日は、3年2組がランチルームで給食。木村夢乃栄養士から、「スプーンで切り込みを入れ、二つに割って…」と教わると、皆、器用にキウイを割り、おいしくいただきました。「甘酸っぱくておいしい」「酸っぱいけど爽やか」「小田原に生まれて、おいしいキウイが食べられてよかった」と旬のみずみずしさを味わいました。

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#08 〈連載〉駅のある風景
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番外編2

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わんぱくらんど
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アクセス:小田原駅西口3番のりば(朝夕は東口1番のりば)から箱根登山バス「いこいの森(わんぱくらんど)」行き終点下車

 「遊びに熱中できる感動と発見の公園」をテーマにした「わんぱくらんど」。子どもに大人気の大型遊具、かわいい動物たちに出会える「ふれあい広場」、長さ67メートルの迫力のあるつり橋「わんぱく大橋」などが魅力的な遊び場です。自然があふれる園内で、昆虫や植物の観察も楽しめます。
 市内外から多くの人が訪れ、一日中遊んでも飽きない、魅力いっぱいの公園。「こども列車」や「ロードトレイン」に乗って、新たな発見をしませんか。

新連載「私のおススメ☆あなたのおススメ」
皆さんからの投稿を募集します

 〈連載〉駅のある風景は、今回で終了します。ご愛読ありがとうございました。
 4月号から、新〈連載〉「私のおススメ☆あなたのおススメ」を始めます。
 [募集テーマ]からテーマを選び投稿してください。皆さんからの情報をもとに、「小田原の魅力」たっぷりな話題をお届けします。

[投稿方法]
(1)募集テーマ、(2)あなたのおススメとその理由、(3)氏名、(4)住所またはお住まいの地区、(5)電話番号を書き、可能であれば写真を添えて、郵送、ファクスまたはホームページから投稿してください。
(※ご紹介の際は、お名前のイニシャルとお住まいの地区のみを掲載)

〒250-8555 小田原市広報広聴課 「私のおススメ☆あなたのおススメ」係 FAX 0465-32-4640

[募集テーマ]
■お花見スポット
■ハイキングコース
■小田原珍風景
■みんな大好きおそば屋さん
■スタミナ満点メニューが食べられる店

広報小田原 毎月1日発行 No.1078
発行:小田原市 〒250-8555 小田原市荻窪300番地 市役所総合案内 電話 0465-33-1300
編集:企画部広報広聴課 電話 0465-33-1261 FAX 0465-32-4640 〈C〉小田原市2013・3
広報小田原は、資源保護のため再生紙を使用しています。
2月1日現在 小田原市の人口196,546人 78,997世帯


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