新型コロナウイルス感染症に関する市長メッセージ(令和2年4月8日)

 小田原市長の加藤です。
 首都圏を中心に拡大が進む新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、昨日4月7日に安倍首相は緊急事態宣言を発令しました。神奈川県もその対象地域に含まれており、これまで以上に感染拡大防止に向けた地域を挙げての行動と対策が必要な状況となりました。
 この宣言の眼目は、医療崩壊を防ぐために、感染につながる「人と人との接触」を極力減らすということでありますが、国民のあらゆる行動を規制する、いわゆる都市封鎖のような措置ではありません。経済社会活動を可能な限り維持しながら、密閉・密集・密接のいわゆる「3つの密」を排除することで感染拡大を防ぐという、これまでの取り組みを一層強化し徹底し、そのため国民に可能な限りの外出自粛を求めるものです。

 小田原保健福祉事務所管内(県西地域2市8町)では、これまでのところ5名の方に感染が認められていますが、都市部においては連日多くの感染者が発生し、その多くが感染経路不明であるため、更なる感染の広がりと、その⾧期化が懸念されています。多くの市民が東京や横浜方面に通勤・通学などされている現状に鑑みれば、そうした都市部での感染拡大の影響を、いずれは本市も少なからず受ける可能性が高く、それに備えた対策、なかんずく、市民の皆さんによる行動変容が必要であります。
 一方で、そうした行動は外出自粛や余暇活動の停止などを伴い、市民生活や社会活動、地域経済に大きな影響を与えています。市民の皆さんにはたいへんなご心配とご苦労が、特に事業者や働く皆さんには経済的に極めて厳しい状況が、重くのしかかっております。
 この局面にあっては、小田原市全体としては何としても感染をこれ以上拡げないということを、最重要の課題として皆さんと共有をしつつ、苦しい局面を何とか乗り越え市民生活や社会活動をできるだけ停止させぬよう、市行政として全力を尽くすとともに、市民の皆さんにご理解とご協力をお願いするものであります。

 必要な対策は準備が整い次第、順次実施に移してまいりますが、以下に、本日(4月8日)時点での小田原市としての対策方針と、市民の皆さんにもご協力をいただきたい取り組みについてお伝えをいたします。

1.市民生活や社会活動
・緊急事態宣言を招いた状況を一日も早く終息をさせ、普段通りの生活や経済活動を取り戻すには、 いうまでもなく感染を広げないことが必須であり、その成否は市民の皆さんお一人おひとりの行動に懸かっております。改めて、石鹸を使っての手洗い、マスクの着用、3つの密を避けるといった基本を、しっかりと行ってください。
・市立小中学校、並びに幼稚園については、4月17日までの休業としていましたが、これにつきましては5月6日まで延⾧となります。放課後児童クラブや保育所は3月と同様に開所いたします。
・この間、子どもたちの外出のすべてが禁じられるわけではありませんが、家から外に出るときは感染につながるような状況に十分注意をしてください。
・公共の施設のほとんどは、屋内・屋外ともに当面、原則として休館・休園とさせていただきますので、ご注意願います。詳細は市HPに掲載してあります。
・特に、東京など感染拡大が進む都市部に通勤などされる市民の皆さんには、ご自身の感染が家族へと感染し、地域へと感染を広げてしまうことのないよう、感染リスクに対する十分な注意をお願いいたします。いずれにせよ、都市部へのお出かけはできるだけ控えて頂くようお願いいたします。

2.感染対策
・市中のアルコール消毒液が払底をしておりますことから、除菌効果の高い次亜塩素酸水の生成装置を市内に6台設置をし、公共施設や医療・福祉・教育施設に供給をするほか、広く市民の皆さんにもご利用頂けるよう、急ぎ準備をいたしております。

3.経済対策
・経済的な打撃が深刻な事業者の皆さんを支えるべく、大規模な財政出動の準備に入っております。詳細は現在調整をしているところであり、近日中に方針が発表できると考えています。
・国や県の各種補助や融資の制度に加えまして、市としても申請から実行まで時間のかからない、新たな使いやすい特別融資制度を整えてまいります。

4.消費喚起策
・感染予防のための市民生活や社会活動の自粛は、需要の蒸発、地域経済の冷え込みとなって、地域の事業者、そこで働く皆さんに深刻な影響を及ぼしています。常日頃、私たちの暮らしを支え、豊かで安全な社会を保ってきてくれた身近な地域の事業者の皆さんを、何とか支え、感染終息まで持ちこたえていただくために、市民の皆さんのご理解とご協力が必要であります。
・たとえば、小田原駅周辺の飲食店の皆さんが始めた「おだわらテイクアウト大作戦」のようなサービスをご利用され、経営を支えて頂きたい。必要な食料や生活用品等につきましても、できるだけ地域の商店などを活用されますよう、お願いをいたします。
・今後、小田原箱根商工会議所や小田原市商店街連合会などとも連携し、市民の皆さんにもご利用いただけるような支援策に取り組んでまいる考えであります。

5.分かち合いの行動
・この間、不足の著しいマスクについては、地元企業や市民の皆さんから大量にご提供いただいたり、手作りマスクを作ってプレゼントする動きが広がったり、手洗いに欠かせない石鹸をたくさん寄贈頂いたりと、苦しい中にも皆さんがお互いに支え合う活動が広がっているのは、とても大切なことであります。こういう時だからこそ、これまで市民の皆さんと培ってまいりました、支え合いや分かち合いの実践を更に広げて頂くよう、市としてもサポートをしてまいります。

 以上、大きく5点についてお伝えしました。

 思い出してください。東日本大震災のあと、私たちは被災地の方々の苦しみに思いを馳せ、物資を送り、助けに向かい、心を届けました。今はコロナウイルス感染症拡大という国難の中、今度はこのふるさと小田原に共に生きる人たちのために、そして私たち自身のために、心を一つにし、力を合わせるときであります。

 最後に、市内の医療や介護の現場をはじめ、感染拡大を防ぐために日夜たいへんなご尽力を続けて頂いております関係者の皆さんに、心からの感謝とエールを送りますとともに、私たちにとっては未経験 の「緊急事態」という、この⾧いトンネルから、明るい陽ざしのもとへ一日も早く抜け出せるよう、市民の皆さんのご協力を心よりお願い申し上げます。

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