おだわら自然楽校「キャンプ技術のおさらいと子どもたちの安全管理を学ぼう!」【令和3年10月16日(土)】実施報告
当日はあいにくの空模様で、小雨が降りしきる中、午前中は屋外でのプログラムを行いました。昼食中に天候が悪化したため、午後からは室内で研修を行いました。
全国5か所に活動の拠点を持つNPO法人ホールアース研究所から松尾 章史氏と廣瀬 隼人氏を講師にお招きし、キャンプ技術のおさらいと子どもたちと活動するうえでの安全管理について実例を交えて学びました。
9:30 | 開校式 |
9:40~ | オリエンテーション、アイスブレイク |
10:20~ | フェザースティックづくり、火起こし体験 (まいきり式、マッチを使用) |
11:40~ | 野外炊事 鹿肉を使用したカレーづくり |
13:30~ | ロープワーク体験 (もやい結び、自在結びなど) |
15:10 | ライトファイヤー (室内で火気の使用ができなかったため、ライトをファイヤーに見立ててスタンツを行った。) |
16:00 | ふりかえり、解散 |
ナイフを使用する前に、参加者全員でナイフの役割と危険性について学びました。「ブラッドサークル(ナイフを持った手を伸ばして360度の範囲)」はナイフが届く範囲のため、活動する際には参加者同士十分に距離を取ります。ナイフワーク中に他人を傷つけることのないよう、ブラッドサークル内には他人を入れてはいけません。
実際にナイフを使用する場合には、刃物の延長線上に自分の体が来ないようにします。「デストライアングル(両膝と股関節を結んだ範囲)」には特に注意が必要です。太ももには太い動脈が流れていますので、そこを傷つけてしまうと致命傷になります。
安全にナイフを使用するには、ゆっくり一つ一つの動作を確認しながら確実に行うことが必要です。
今回のナイフワークでは、「フェザースティック」づくりを体験しました。すぐには薪に火がつかないため、薪を細く割ってからナイフで羽毛のように削っていきます。そのためフェザースティックと呼ばれています。
薄く削り空気を多く含んで燃えていくため、着火剤を使用せずともフェザースティックだけで火を燃やしていくことができます。
当初はダッチオーブンを使ったカレーづくりを考えていましたが、新型コロナウイルス感染防止対策として、一人ずつシングルバーナーとコッフェルを使用して自分だけのカレーを作りました。
ご飯はかまどを作成して、飯盒炊飯をしました。飯盒は内蓋で2合・外蓋で3合が計れます。荷物に限りがある野外での活動は、道具をたくさん持っていくのではなく事前に活動を想定し、持ち物を選択することも必要です。
川や水源を守るため、なるべく洗剤を使用しない・油分を流さず汚れをウエス(布)で拭き取るのもホールアース流の片づけです。
午後は雨が激しくなってきたため、急きょ室内へ移動しました。まずはロープワークで結び方を3つ学びました。結び方を知っていれば、ロープ1本で木の間にタープを張る、濡れたものを干すといったシーンで活用できます。「しっかり結べて、片付けるときにはすっとほどける」ロープの汎用性に驚かされました。
まとめ
「危険だから刃物は触らせない」そういった考え方もありますが、「最初に危険性をしっかり伝えたうえで、安全に使えるようなルールづくり」をすることも大切だと感じました。
野外での活動は常にリスクと隣り合わせですが、指導者がリスクを勘案・コントロールすることで、火やナイフといった道具を使う「学校では得られない体験」ができるのもアウトドアの魅力です。