皮膚に関するトラブル、悩みについて幅広く対応しております。皮膚の病気は軽症で簡単に治る場合が多いのですが、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、ニキビ、水虫、ウイルス性のいぼなどのように軽症である半面、なかなか完治せず再発を繰り返し、長期の通院、加療が必要な病気も多いのが特色と思います。また皮膚は人間の体の最外層に位置し内臓の病気と違って直接目に見えるため、日常生活に支障がなくても患者様の不安が大きい場合も多々あります。最近は高齢化社会の影響で糖尿病、心臓病、動脈硬化、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病、内臓の癌などで治療中の患者様の皮膚のトラブルを見る機会が増えております。ご高齢でいろいろな病気を患っており、いろいろな薬を飲まれている方の皮膚病ほど治りにくい傾向にあります。それぞれの患者様の性格や生活習慣、食生活などを考慮して治療方針を決めていきたいと考えております。
認定施設
日本皮膚科学会認定専門医研修施設
主な対象疾患
皮膚悪性腫瘍
有棘細胞癌、ボーエン病、日光角化症、基底細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病、メルケル細胞癌、血管肉腫、皮膚附属器癌
皮膚良性腫瘍
有棘細胞癌、ボーエン病、日光角化症、基底細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病、メルケル細胞癌、血管肉腫、皮膚附属器癌
自己免疫水疱症
水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、線状IgA水疱性皮膚症など
各種皮膚感染症
帯状疱疹、蜂巣炎、カポジ水痘様発疹症、壊死性筋膜炎
その他
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、蕁麻疹、薬疹、中毒疹
スタッフ紹介
役職名 氏名 |
資格等 | 専門領域 |
---|---|---|
主任部長 水野 尚 |
日本皮膚科学会皮膚科専門医、 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 | 皮膚全般 |
担当部長 勝野 正子 |
日本皮膚科学会皮膚科専門医、臨床研修指導医、産業医、医学博士 | 皮膚全般、乾癬 |
医師 由井 瑞絵 |
皮膚全般 |
診療実績(入院患者)
2016 | 2017 | 2018 | ||
皮膚悪性腫瘍 | 有棘細胞癌 | 11 | 7 | 9 |
悪性黒色腫 | 3 | 8 | 4 | |
乳房外バジェット病 | 3 | 1 | 3 | |
基底細胞癌 | 1 | 4 | 7 | |
ボーエン病 | 2 | 1 | 1 | |
日光角化症 | 0 | 1 | 1 | |
メルケル細胞癌 | 0 | 1 | 0 | |
脂腺癌 | 0 | 1 | 0 | |
皮膚良性腫瘍 | 脂肪腫 | 2 | 6 | 1 |
粉瘤 | 0 | 1 | 3 | |
その他 | 4 | 3 | 3 | |
感染症 | 帯状疱疹 | 12 | 17 | 24 |
カポジ水痘様発疹症 | 1 | 1 | 0 | |
蜂巣炎 | 8 | 10 | 15 | |
丹毒 | 1 | 2 | 2 | |
非結核性抗酸菌症 | 0 | 2 | 1 | |
壊死性筋膜炎 | 1 | 0 | 0 | |
ガス壊疽 | 0 | 1 | 0 | |
下肢筋膜下膿瘍 | 0 | 1 | 0 | |
臀部皮下膿瘍 | 0 | 0 | 1 | |
自己免疫性水疱症 | 尋常性天疱瘡 | 3 | 2 | 4 |
落葉状天疱瘡 | 0 | 1 | 0 | |
水泡性類天疱瘡 | 0 | 4 | 4 | |
中毒疹 | 3 | 0 | 0 | |
薬疹 | 0 | 3 | 5 | |
スティーブンス・ジョンソン症候群 | 2 | 0 | 1 | |
中毒性表皮壊死症 | 0 | 1 | 0 | |
薬剤性過敏症症候群 | 0 | 0 | 1 | |
多形紅斑 | 0 | 0 | 1 | |
IgA血管炎 | 0 | 1 | 2 | |
Churg-Strauss症候群 | 0 | 1 | 0 | |
壊疽性膿皮症 | 0 | 1 | 1 | |
急性汎発性膿疱性細菌疹 | 0 | 0 | 1 | |
SAPHO症候群 | 0 | 0 | 1 | |
糖尿病性壊疽 | 0 | 1 | 5 | |
褥瘡 | 0 | 1 | 1 | |
閉塞性動脈硬化症による足壊疸 | 0 | 0 | 1 | |
熱傷 | 0 | 0 | 1 | |
慢性膿皮症 | 0 | 1 | 0 | |
蕁麻疹 | 1 | 0 | 2 | |
蜂刺症 アナフィラキシー | 0 | 1 | 0 | |
結節性紅斑 | 1 | 0 | 0 | |
陥入爪 | 1 | 0 | 0 | |
まむし咬傷 | 1 | 0 | 0 | |
ネコ咬傷 | 0 | 1 | 0 | |
その他 | 0 | 4 | 0 | |
計 | 61 | 91 | 106 |
年度別皮膚科患者数(単位:人)
年度 | 外来延患者数 | 1日平均外来患者数 | 入院件数 | 入院延患者数 | 1日平均入院患者数 |
2013年度 | 20,099 | 82.4 | 73 | 750 | 2.1 |
2014年度 | 17,982 | 73.7 | 76 | 798 | 2.2 |
2015年度 | 15,489 | 63.7 | 77 | 966 | 2.6 |
2016年度 | 14,338 | 59 | 58 | 614 | 1.7 |
2017年度 | 13,799 | 56.6 | 80 | 1,092 | 3.0 |
診療内容
皮膚悪性腫瘍
有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病などの診断・治療を積極的に行っております。ダーモスコープという特殊な拡大鏡も必要に応じて使用しています。センチネルリンパ節生検、リンパ節郭清、化学療法も必要に応じて行っております。
アトピー性皮膚炎
ステロイド、タクロリムス、各種保湿剤の外用、抗アレルギー薬内服を中心とした標準的治療に加えて、最近はデュピルマブという新しい薬が開発され、当院でも2019年10月時点で6人の患者さんに使用しています。
乾癬
ステロイド、ビタミンD3、各種保湿剤による外用療法でも改善しない場合、シクロスポリン、エトレチナート内服や光線療法、生物学的製剤(インフリキシマブ、セクキヌマブ等)などの治療を行っております。禁酒、禁煙、ストレス、寝不足を避けるなどの生活指導も大切です。当院では2019年10月時点で、8人の患者さんに生物学的製剤を使用しています。
掌蹠膿疱症
内服療法と外用療法、紫外線療法で、改善する場合も多いですが、難治なケースでは金属アレルギーの検査、扁桃炎などの病巣感染の治療で改善することもあります。最近、生物学的製剤の使用も認可され、当院でも2019年10月時点で、1人の患者さんに使用歴があります。
蕁麻疹
通常は抗アレルギー剤による治療で治癒しますが、難治な場合には、悪化要因として各種鎮痛剤の使用、扁桃腺などの慢性感染症、ストレスなどの関与がないか検索します。最近はオマリズマブという生物学的製剤が使用できるようになっており、当院でも2019年10月時点で、2人の患者さんに使用歴があります。
自己免疫水疱症
まずステロイド全身投与を行い、難治な方には、血漿交換療法、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)、各種免疫抑制剤の内服など種々の治療を組み合わせて行っております。
帯状発疹
抗ウイルス薬の内服を中心に治療を行いますが、重症例には入院して点滴治療をします。帯状疱疹後神経痛には鎮痛薬の処方を行っていますが、難治な場合は他院麻酔科での加療をおすすめしています。
薬疹
中毒性表皮壊死症(TEN)、スチーブンス・ジョンソン症候群、薬剤性過敏症症候群(DIHS)など重症薬疹を積極的に診断・治療しております。ステロイド全身投与に加え、難治例に対し血漿交換療法、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)を行っております。