突然ですが、「スクランブル・ダンスプロジェクト」をご存じですか?
これは小田原市文化創造活動担い手育成事業の一環として、平成28年6月に発足したプロジェクト。障がいのある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら、ともにダンスを創るというもの。小田原のNPO法人アール・ド・ヴィーヴルさんと協力しながらの活動です。
発足当初は舞踏家の大野慶人さん、現在は舞踏家・松岡 大さんが大野さんの遺志を引き継いで講師を務められています。
今年1月に開催された小田原三の丸ホール開館記念事業のイベント『コネクションズ―さまざまな交差展』で、スクランブル・ダンスを初鑑賞させていただきました。結論から申し上げると、私の想像をはるかに超えてすごいものでした……。
スクランブル・ダンスにどっぷり浸かった1日の様子を、前編・後編に分けてお伝えします。
まず、何がすごいのかというと、松岡さんの白塗りです(笑)。
その昔、サブカル雑誌で写真を見たことがあり、ざわっとした記憶が……(失礼)。
スキンヘッドに半裸に白塗り、日本独自の身体表現として海外では「Butoh(ブトー)」と呼ばれ、高い評価を得ているそうです。
今回の作品のタイトルは『Score』。
暗闇のなか、美術家・志村信裕さんによる映像と、音楽家・武田直之さんによるオリジナルサウンドに合わせて、前半は松岡さんが一人で踊ります。さまざまな色に照らされた白塗りの体が、幾重にも変化して見えます。
これは即興なのか、あらかじめ決まった動きなのか――。
後半はスクランブル・ダンスメンバーと松岡さんが、先程と同じ映像、同じ音楽で踊ります。
少し時間をおいて、服を着た松岡さん(笑)と、普段着のメンバーたちによる「ワークショップ」も見学。松岡さんの誘導と音楽に合わせて、メンバーが自由に踊ります。
積極的に踊る人、たまに踊る人、端で見ている人、走り回る人などさまざまですが、不思議とまとまっていて、ダンスが成立しているのです。
ノリのいい音楽がかかり、スタッフたちも踊ります。さながらディスコのよう!
ダンスのワークショップは、過去12回も行われているそうです。
こうした積み重ねが、メンバーの楽しい表情につながっているんだなと感じました。
そして、なんとこの後、松岡さんにインタビューをさせていただけることに!後編へと続きます。