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2020年08月18日(火)

3人展-広川英夫×平塚幹男×木下泰徳

3人展 広川英夫×平塚幹男×木下泰徳3人展 広川英夫×平塚幹男×木下泰徳
久しぶりのレポート。ギャラリーNEW新九郎で開催されていた「3人展-広川英夫×平塚幹男×木下泰徳」を訪ねた。小田原で活躍する3人の作家、色彩豊かな色彩で独特の風景を描く広川英夫さん、木彫の群像で宇宙を語る平塚幹男さん、何気ない窓外に美の感性を見出す木下泰徳さん、同世代の円熟した作家さんたちだ。折しもコロナ第2波の懸念される8月2日の日曜日、訪れた熱心なお客さんと作家さんの美術談義に花が咲いていた。
 
青と黄の対比にみる地中海の陽光青と黄の対比にみる地中海の陽光
青と黄の対比にみる地中海の陽光
広川さんの南イタリア。影のないフラットな画面。海の青と街の黄の対比で地中海のあふれる陽光の強さを見せる。同じ太陽なのに、西洋と東洋では光が違う。地中海の青はなぜか画家を引き付ける。緯度によって太陽高度が違うためもあろうか。気候によっても空気の透明度が違う。海や山や森の自然によって映える光も違う。そこで営まれる生活によって形成される風景も異なる。単に風光明媚というだけでなない。これは地中海の光だ。油彩。
切り株の群れは無限に広がる宇宙切り株の群れは無限に広がる宇宙
切り株の群れは無限に広がる宇宙
切り株の群れは広大な宇宙。そこにはそれぞれの世界がある。切り株の塊が辺縁を超えて広がりをみせる。また、切り株は家族。まるい木彫の群像は家族の絆を象徴するように寄り添っている。いっぽう、切り株の上に小さな群像がひしめき、切り株の下にはいくつかの群れ。切り株はもういっぱいらしい。これから登ろうとするのか。登れずにいるのか。空くのを待っているのか。多義的な作品である。木彫。
初夏の光と空気に映える初夏の光と空気に映える
初夏の光と空気に映える
田植え前の水を張った田んぼの水面に、初夏の光を浴びた家の白い壁が映える。栢山の田園風景は木下さんのモチーフのひとつ。NEW新九郎が休廊中に自宅の周りの自然や街並みを描いていたとのこと。なにげない日常に美を見出すのは画家のするどい感性。ふだんは通り過ぎてしまう街角には、生活や生業から生み出された美の断片が集積している。油彩。
3人展-広川英夫×平塚幹男×木下泰徳
2020年7月29日(水)―8月3日(月)
ギャラリーNEW新九郎
                                        ゆきぐま

2020/08/18 13:38 | 芸術

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