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2017年06月16日(金)

動と静の好対照の作品展示

小田原城アートNOW2017には素晴らしい作品群が出品されているが、清閑亭のお庭には下記の2作品が展示されている。
・大隅 秀雄の展示 「モビール」  写真1、写真2 参照
・勝  孝の展示  「金属造形物」 写真1、写真3 参照
写真1 動(モビール)と静(金属造形物)の好対照の作品展示写真1 動(モビール)と静(金属造形物)の好対照の作品展示

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2017/06/16 10:59 | 美術

2017年06月13日(火)

小田原の街でこんな美術展  【木下泰徳展 2011-2017】

―顕現と神秘の世界を分ける―
■100億年も前、灼熱の地球に降り注いだ小惑星に含まれた「水」が世界を二つに分けた。水の世界と陸の世界だ。二つの世界は相いれない。水面はこの二つの世界の境界だ。地表は顕現の世界。ここに住む我々は、境界の向こうの水底に神秘を感じる。そして二つの世界を隔てる水面の変化に喜怒哀楽を求める。「濤(F20)」、波濤の濤、怒濤の濤だ。うねる大波をシンプルな構成で描いている。深い青に重なるように泡立つ波。乱れるなかにも緩やかな創造のうねりを感じる。いっぽう、「緑の沼(F100)」は静寂な湖面だ。新潟県の十日町を旅したときの風景とのこと。緑の湖面は、まるで意思があるかのように一切の乱れを見せない。そこには容易に踏み入れられない結界を感じる。

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2017/06/13 10:03 | 美術

2017年04月13日(木)

大絵画が部屋いっぱいにひろがる~小田原良寛会20周年記念展~

「良寛」をご存知ですか。江戸時代後期の曹洞宗の僧侶でしたが、歌人、漢詩人、書家でもありました。私は「良寛さん」と誰からも愛され、子どもたちと手まり遊びをしている図や「盗人に 取り残されし 窓の月」などの俳句が浮かんできます。

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2017/04/13 13:34 | 美術

2017年04月11日(火)

小田原の街でこんな美術展 【第76回水彩連盟展】

■ことしも小田原・南足柄から3人が入選
ことしの水彩連盟展も小田原・南足柄から3人が入選(一般)した。守田さんの「賛」、上出さんの「たたずみ」、筆者(佐久間)の「バルカンの街角でII」だ。3人とも第二金土デッサン会の会員だ。守田さんは、幼い女の子をモチーフにした幻想的な作品を描く。明るい太陽から放たれる同心円を浴びるように佇む少女。手には丸い無垢の「心」を抱えている。上出さんの作品は、若い女性が湖畔に立つ。黄色の上着と紫シャツそれに青いジーンズが印象的だ。筆者は、かつて仕事で滞在したバルカン山脈とドナウ河の国ブルガリアの街角で見かけた光景を想い出して描いた。(写真は「賛」)

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2017/04/11 14:59 | 美術

2016年11月14日(月)

□ 小田原の街でこんな美術展 □ =第81回西相美術展=

◆小田原の美術界を代表する美術展「第81回西相展」が、10月19日(水)から23日(日)まで小田原市民会館で開催された。展示総数は171点、うち洋画96点、日本画16点、彫塑11点、高校生の部48点であった。◆美術作品はどのように鑑賞するのか。いつも作品を見るとき、あまり「感動をしない」筆者の性格から、作品から「何か具体的なもの」を見つけようとしている。「きれい」とか「すばらしい」とか「すごい」という漠然とした言葉がきらいだ。しかし、追いかけているうちに、つい枝葉末節だけを見てしまうことにもなる。いつものように勝手に「鑑賞」してみる。

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2016/11/14 13:17 | 美術

2016年07月08日(金)

小田原の街でこんな美術展 小田原美術の若い力      ー第5回こみね展―

小田原のお堀端から大堀切へ登る坂がある。この一帯は小峰と呼ばれている。朝夕に高校生が行き交う。この小峰とよばれる高台にある私立相洋高等学校美術部の作品展「こみね展」が、7月14日(木)から17日(日)まで、栄町のアオキ画廊で開かれる。美術部員たちのこの1年間の成果だ。美術部員の二人から、それぞれの作品に対する想いを語ってもらった。

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2016/07/08 11:28 | 美術

2016年06月24日(金)

【小田原の街でこんな美術展】 第69回市展[前期]

正確には「第69回小田原市美術展覧会」、通称「市展2016」がさる5月25日(土)から29日(日)の5日間、ことしは「小田原市市民会館」で開催された。前期と後期に分かれ、前期は洋画、日本画、版画、彫塑の4部門であった。例年、会場となる「けやき」は耐震工事のため当面の使用が出来なくなっている。展示点数は、一般・招待・高校生(7点)を合わせて総数115点(洋画82日本画20、彫塑13)であった。この記事ではモチーフに「人物」とを描いた作品と高校生の作品についてレポートする。

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2016/06/24 08:56 | 美術

2016年06月23日(木)

市民会館へ行ってアートを見よう!

服を作る女服を作る女
 この6月末日で、市民会館の本館の4・5・6階の会議室が閉鎖される予定です。UMECOもできて、市民が利用できる会議室が増加したこともありますが、やはり老朽化が理由でしょう。市民にとっては懐かしい本館会議室ですが、防災上の観点からも致し方がないことでしょう。
その市民会館を訪れたことがある人ならば知っているはずなのですが、恐らく、多くの市民は意識もせずに通り過ぎている場所があります。それは、各階に飾ってある絵画の掲示されている場所です。本館のエレベーターホールから各階のホールまで、改めてみると随分と飾られています。ほとんどの来館者は眺めることもなく、その前を通り過ぎていきます。言われなければ、そこに絵画が飾ってあることすら覚えていないかもしれません。

市民会館所蔵のアート作品

 市民会館に飾られている絵画の作者は、小田原にゆかりのある画家たちばかりです。4階から6階までの会議室が閉鎖になると、それらの絵画がどうなってしまうのか、ちょっと気がかりです。そして、それらの絵画の作者がどのような画家であったのかも忘れ去られてしまうのではないか、と云うこともまた気になりました。そこで、美術好きの集まりである「OMP(おだわら ミュージアム プロジェクト)」では、市民会館にある絵画のデータ整理や保存修復をする活動を始めました。その活動の中で、改めて市民会館に飾られている絵画の素晴らしさに気付きました。その中の何点かをご紹介しましょう。

「服を作る女」

 市民会館掲示の絵画の中で私が最も魅了された作品は、本館6階ロビーに展示されている門松茂夫氏の「服を作る女」です。布を身体に巻き付けて鏡を見る女性を描いています。魅力の第一は、その色彩にあります。水色と黄色の斑点がちりばめられた布地の鮮やかな色彩にまず目がいきました。また、女性像の確かな存在感も魅力です。ぐっと前に踏み出した太い左脛と、足の甲に腱が浮き出るほど踏ん張っている右足は、がっしりと上半身を支えています。左腕は布端を持って身体に巻き付けて、左肩は大きく落ちています。不自然な姿勢でありながら安定感あるポーズは、これらのダイナミックな身体表現によるのでしょう。女性が布生地だけで服をイメージしようと没頭している姿が、観る者を引きつけます。
 この絵は、市の管理台帳によると、昭和12年(1937)の二科展入選作と記載されています。二科展を主催する二科会は、大正3年(1914)に文部省主催の官展である「文展」から分離して、在野の美術団体として活動しました。有島生馬や梅原龍三郎など新進気鋭の洋画家たちが参加しました。設立主旨からも分かるように独立・進取の気風を持つ二科展は、若手画家の登竜門とされ、新しい作風を志す若手の活躍の場を提供していました。戦前の美術界へ新風を吹き込んでいた二科展に入選したこの門松氏の作品は、制作から80年を経た現在にあっても、その若々し輝きを失っていないように思います。
 一方で、本作品の展示の場所は問題があります。本館6階ロビーの西側の窓際にあるので、西日が当たってしまうのです。額はガラス付であるので汚れの対策にはなっていますが、退色の問題を抱える展示です。会議室閉鎖後は、適切な保存を願いたいと思います。

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2016/06/23 12:02 | 美術

2016年06月14日(火)

【小田原の街でこんな美術展】 第39回 絵画・彫刻グループあらたま展

■カフェ「かまくら」に集ったアーティストたち■
パリにはセザンヌやルノワールなど絵の巨匠が集ったカフェがある。小田原の旧市街の東の方に「新玉」という地区がある・「あらたま展」は、この新玉にあった「かまくら」という喫茶店(カフェ?)に集っていた画家さんたちによる作品展。カフェは芸術家の集まる場所。ここ新玉も小田原の芸術発展の端を担ったのか。
 
 

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2016/06/14 12:59 | 美術

2016年05月06日(金)

小田原の街でこんな美術展 ~火曜パステル会作品展~

パステルカラーという言葉はよく聞く。淡い中間色の独特の風合いをもつ女性のファッションにも好まれる色だ。パステルは粉末状の顔料を粘着剤で固めた画材で、色や明るさによって100色近くもある。混色しないで微妙に違う色を選んで使う。用紙も表面に凹凸がある丈夫なものが適しているという。指や擦筆などを使ってぼかしたり混色したりして独特の世界を創る。筆もパレットもいらず後始末もしなくてよいという反面、定着力が弱いので定着剤(フィクサチーフ)を吹き付けておくという手間がいる。

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2016/05/06 11:17 | 美術

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