市長コラム

2022年10月25日(火)

市長コラム(令和4年10月25日)

 18日は、今年で71回目を迎えた「全国漁港漁場大会」に参加すべく、県内の各漁業協同組合など神奈川県水産振興促進協会の一行で空路、北海道函館市へ。翌日の大会に先立って、水産関係施設を視察いたしました。
 視察先は、「函館市国際水産・海洋総合研究センター」と「第三種函館漁港 船入澗(ふないりま)防波堤(石積防波堤)」。
 函館市国際水産・海洋総合研究センターでは、内閣府所管「地方大学・地域産業創生交付金」の令和4年度交付対象事業として採択された「魚介藻類養殖を核とした持続可能な水産・海洋都市の構築~地域カーボンニュートラルに貢献する水産養殖の確立に向けて~」の説明を受けました。
 この事業は、海洋環境の変化に伴い漁獲量が激減し、高収益かつ安定供給可能な水産物の創出が急務であるため、地の利(寒冷環境、北大水産・工業技術センター等の存在)を活かしたキングサーモンとコンブの完全養殖生産を合わせて行う地域カーボンニュートラル(RCN)養殖研究を推進し、その現場での教育研究により企業と若者を集め地域に定着させることで、持続可能な水産・海洋都市を実現させようとするものです。今年度からの取組であり、今後の成果を見守っていきたいと思いました。
 第三種函館漁港の船入澗防波堤は、明治32(1899)年4月に完成した北海道における港湾修築の先駆的な構造物で、基礎のコンクリートブロックは、日本人施工による最も初期の海洋コンクリートブロックとされており、歴史的、技術的、景観的な価値を有する構造物として、土木学会の「選奨土木遺産」や水産庁「未来に残したい漁業漁村の歴史的文化財百選」等に選定されています。竣工から100年以上が経過しているにもかかわらず、当時の姿をほぼ残しており、日本人の技術力の高さを改めて感じずにはいられませんでした。

 19日は、全国から1,000人を超える漁業関係者が、函館市の函館アリーナに集い、盛大に「全国漁港漁場大会」が開催されました。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、3年越しの開催となった今大会は、入場時の自動検温システムによるチェックをはじめ、手指消毒の徹底、席を一つ飛ばしに着座させるなど、新型コロナウイルス対策が十分に施され、実施されました。
 事例発表では、津軽海峡マグロ女子会が「海をつなぐ女たちの風おこし」と題し、2014年の北海道新幹線開業をきっかけに取組を始め、2016年から「マグ女のセイカン博覧会」を実施していることの報告がありました。 青森県と北海道の女性たちが、自分たちの地域をこのまま放置していれば、子ども達に引き継げないとの危機感から、津軽海峡を挟んでつながり、活動を継続しているとのことでした。このマグロ女子会の活動が、全国に広がり始めているとのことで、私が目指している女性活躍にも通ずるものであり、小田原にも波及することを期待いたします。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、こういった全国大会が2年間ほぼ自粛されてきましたが、今回参加したことで、同じ課題を抱える人々が顔と顔を合わせて意見を交換することの大切さを再認識する良い機会となり、非常に有意義な2日間となりました。

2022/10/25 15:06 | 未分類

 
 

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