所信表明・施政方針

令和4年度施政方針(令和4年2月16日)

1 はじめに、2 市政運営の基本方針

3 重点施策の取組【医療・福祉】

3 重点施策の取組【防災・減災】


3 重点施策の取組【教育・子育て】

3 重点施策の取組【地域経済】

3 重点施策の取組【歴史・文化】


3 重点施策の取組【環境・エネルギー】

3 重点施策の取組【まちづくり】

4 まちづくりの推進エンジン


5 むすび

 
 


1 はじめに
 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。その勢いは衰えず、私たちの命や健康、社会経済活動に深刻な影響を及ぼし続けています。国内では令和3年7月下旬以降、デルタ株の影響で感染者数が急増し、3回目となる緊急事態宣言が神奈川県に発令されましたが、年明けからは、これまでにない勢いでオミクロン株による感染が急拡大しています。
 こうした状況にあって、私たちの命を守り、暮らしを支えるために、日々ご尽力いただいている多くの皆様に、心から敬意を表し、感謝申し上げます。
 私は、市長就任以来、新型コロナウイルス感染症への対策を最優先としながら、「世界が憧れるまち“小田原”」の実現に向けて様々な取組に着手してきました。令和3年度は、着実なワクチン接種を中心とした感染症対策や、地域経済を回すための事業者・生活者支援を展開するとともに、7月には公民連携の拠点となるおだわらイノベーションラボと新たな観光の拠点となる観光交流センターが、そして9月には市民待望の文化・芸術の拠点となる小田原三の丸ホールがオープンし、本市の新たな顔となりました。
 また、コロナ禍によって、テレワークやワーケーションといった新しい働き方が浸透し、私たちの生活スタイルは大きく変わろうとしています。交通利便性や多様な自然環境を有する本市において、令和3年は500人を超える社会増となっており、新たな暮らしを実現する小田原の可能性が開花し始めております。
 国では、感染症対策や雇用・生活を守る取組に加え、デジタル改革やグリーン社会の実現など、新たな時代に向けた取組にも力点を置いています。本市においても、SDGsの理念を踏まえながら、誰一人取り残さないデジタルまちづくりを推進するとともに、カーボンニュートラルの実現に向けた様々な取組を公民連携により進めてまいります。そして、コロナ禍というピンチをチャンスに変え、次世代に責任を持てる持続可能なまちを築いてまいります。

2 市政運営の基本方針
 令和4年度は、引き続き目下の感染症対策を最優先としながら、更なる一歩を踏み出す始まりの年として位置付け、第6次小田原市総合計画「2030ロードマップ1.0」をスタートさせてまいります。そして、2030年の小田原を見据え、これまでの取組を土台に「世界が憧れるまち“小田原”」の実現に向けた取組を推進してまいります。

【新型コロナウイルス感染症対策】
 新型コロナウイルス感染症対策については、「生活を守る、事業者を守る、教育を守る、地域医療を守る」の4本の柱に基づき、住居確保や生活支援に関する制度を通じて、生活にお困りの方を支えるとともに、3回目のワクチン接種や宿泊療養施設の運営支援を関係機関と連携しながら着実に進めてまいります。また、神奈川モデルの高度医療機関である小田原市立病院において、引き続き重症患者を始めとする当該感染症に係る患者の診療を行うとともに、県や地域の医療機関と連携して医療体制の更なる充実を図ってまいります。
 暮らしを守る取組については、これまで、中小企業のコロナ禍における経営を支援するとともに、おだわら梅丸商品券と小田原デジタル観光券の取組を進め、市内の消費を喚起してまいりましたが、今後も新型コロナウイルス感染症が地域経済に与える影響を的確に把握し、本市の経済を守ってまいります。
 小中学校においては、コロナ禍で教育環境が目まぐるしく変化する中、授業のライブ配信を始め、子どもたちの学校生活を充実させる取組を進めてまいりました。今後も、家庭学習へのICTの活用など、子どもたちが時や場所に関わらず主体的に学習できる環境の整備に努めてまいります。
 令和4年度は、こうした対策を継続しつつ、感染状況を見ながら社会活動や経済活動を支える施策を展開するとともに、安心して暮らせる小田原となるよう、国や県、地域の医療機関等とともに感染症対策を迅速かつ着実に進めてまいります。

【「世界が憧れるまち“小田原”」の実現】
 我が国を取り巻く社会的課題は、人口減少、少子高齢化、気候変動等に加え、新型コロナウイルス感染症の影響によって、より複雑になってきております。これらの状況は、人々の暮らし方だけでなく、働き方や住む場所等を見直す機会となりました。そして、新しい生活様式の定着や社会全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させる機会ともなりました。
 本市が、このように目まぐるしく変化する社会情勢に対応していくためには、長い歴史の中で先人より継承されてきた豊かな自然環境や文化・伝統産業、さらには、我が国でも特筆すべきレベルに成長した市民力や地域力等の多様な地域資源を生かしながら、新たな時代を見据えたまちづくりを進めていかなければなりません。
 そのためにも、第6次小田原市総合計画の基本構想に掲げる3つのまちづくりの目標である、生活の質の向上、地域経済の好循環、豊かな環境の継承を具現化することで、小田原に人や企業を呼び込み、人口20万人規模の都市を目指してまいります。
 そして、行政経営、公民連携・若者女性活躍、デジタルまちづくりを推進エンジンに小田原の魅力を最大限に磨き上げ、将来都市像「世界が憧れるまち“小田原”」の実現を目指してまいります。

3 重点施策の取組
 令和4年度の市政運営に当たり、重点的に取り組む施策について、第6次小田原市総合計画の実行計画に位置付けた重点施策に沿ってご説明いたします。

【医療・福祉】
 地域医療体制につきましては、感染症対策において県や地域の医療機関、介護施設等と連携してきた関係性を生かしながら、更なる連携体制の強化を図るほか、引き続き休日夜間急患診療等の救急医療の提供や看護人材育成の支援を行ってまいります。
 小田原市立病院につきましては、市民の命と健康を守るため、県や地域の医療機関等との役割分担により、県西地域の基幹病院として、引き続き良質な医療を提供してまいります。そして、健全経営を継続するために経営改革プランの見直しを進めるほか、令和8年春の新病院開院を目指して文化財調査及び設計を進めてまいります。
 地域共生社会の実現につきましては、高齢者や障がい者を始め誰もが安心して暮らせる地域ケア力の高いまちを目指して、第4期地域福祉計画の策定を進めてまいります。具体的には、福祉的な視点から横断的に取組を進めるために共生社会推進本部を庁内に設置し、組織体制を強化するほか、包括的な支援に向け、ソーシャルワークの強化に取り組んでまいります。また、地域福祉相談支援員を増員し、地域における支え合いの活動を促進するとともに、支援を必要とする市民に寄り添った伴走型の支援を充実させてまいります。加えて、成年後見制度の利用促進に向けて中核的な役割を担う機関の開設に取り組むとともに、持続可能な農福連携の新たな連携方策を検討してまいります。
 健康寿命の延伸につきましては、健康増進計画、食育推進計画、自殺対策計画を一本化した次期健康増進計画を策定してまいります。加えて、誰もが自分に合った正しい健康知識を取得し、継続して健康づくりに取り組めるよう支援するとともに、地域を担当する保健師が、健康おだわら普及員等の地域で活動する様々な主体と連携し、健康教育や健康相談等の地区活動の充実を図ってまいります。また、自らの健康管理や運動機能の向上と回復に取り組むことができる新たな健康増進拠点施設について、令和5年度中の基本構想策定に向けて調査・検討を進めてまいります。

【防災・減災】
 防災・減災につきましては、強さとしなやかさを備えた持続可能な都市づくりを掲げた強靭化地域計画や地域の総合防災計画である地域防災計画により、事前防災・減災と災害発生時の対応能力を強化してまいります。具体的な取組としては、防災拠点の機能強化や必要な資機材、食料の備蓄を計画的に進めるとともに、防災行政無線の更新に合わせて防災のデジタル化を推進するための計画を策定してまいります。防災行政無線を始めとした情報伝達手段の全体的な見直しを進めることで、激甚化・頻発化する災害の情報収集や分析・意思決定を迅速かつ確実に行い、これらを市民にも共有いたします。加えて、台風や集中豪雨による土砂災害から市民を守るため、県が実施する急傾斜地崩壊対策や土石流対策を促進してまいります。
 地域防災力の強化につきましては、市全体の災害対応力を高めるために、引き続きいっせい総合防災訓練を行うほか、ハザードマップの一元化や防災教室を通じた平時における防災知識の普及啓発により、災害発生時のリスクや対応を正しく理解できる環境を整え、自助、共助の更なる意識向上を図ります。さらに、地域での平時からの災害への備えに加え、災害発生時における連携を推進するため、令和3年8月に締結した小田原市自治会総連合及び小田原箱根商工会議所との包括連携協定に基づき、地域、企業、行政が一体となって地域防災力を高めてまいります。

【教育・子育て】
 質の高い学校教育につきましては、令和3年度に開始したステップアップ調査を引き続き実施するとともに、小田原版STEAM教育の研究・開発に取り組み、教科横断的な教育を推進することにより、子どもの社会力の育成につなげてまいります。あわせて、児童生徒1人1台の整備を行った学習用端末を授業で効果的に活用し、個別最適かつ協働的な学びを進めるとともに、家庭学習への活用にも取り組み、学力の向上を図ってまいります。また、子どもたちや学校を取り巻く状況が大きく変化している中、子どもたちや地域にとって望ましい教育環境の基本的な考え方をまとめる「新しい学校づくり推進基本方針」の策定に着手するとともに、小中学校における水泳授業及び学校プールのあり方検討の一環として、民間スイミングスクールを活用した水泳授業について試行的に取り組んでまいります。
 子ども・子育て支援につきましては、子育て中の親が孤立することがないよう、行政、学校、地域住民等が一層の連携を図り、子育てを社会で支える環境を作ってまいります。また、妊娠期から出産、子育てに係る親の不安や悩みのほか、子どもの声にも寄り添い、誰もが気軽に相談できる体制を確立することにより、子どもは夢や希望をもって成長でき、親は安心して子育てができる環境の実現を目指します。
 家庭教育支援につきましては、子どもが基本的な生活習慣や生活能力、他者に対する思いやり、社会的なマナーなどを身に付けていくために、保護者を対象とした講演会等を開催するとともに、家庭教育支援条例の調査研究を進めてまいります。
 子どもたちの生活環境の確保と安全対策につきましては、屋内運動場照明のLED化や校舎の外壁劣化に対する打診調査、補修等を行うとともに、通学路の危険箇所の点検・改善を継続して行ってまいります。また、令和6年9月の運用開始を目標に小田原市学校給食センターの建替えを進めてまいります。
 幼児教育・保育の質の向上につきましては、公私幼保の連携による意見交換会を引き続き開催し、子ども主体の取組を普及拡大するとともに、橘地域における公立幼稚園の統合による認定こども園の整備を進めるため、基礎調査や基本計画の策定に取り組んでまいります。また、公立保育所・幼稚園に導入した園務支援システムを活用し、保護者への連絡の迅速化や保育状況の見える化など保育の質の向上に取り組むことに加え、組織の統合や人事の一元化などの検討を行い、幼保一元化の取組と働き方改革を進めてまいります。

【地域経済】
 企業誘致の推進につきましては、企業が本市に進出する際の受け皿となる新たな工業団地整備を促進していくほか、質の高い魅力的な働く場を市内に生み出すため、新規にオフィスを開設する企業に対して新たな支援を行うなど、従来の工場や研究所だけでなく、地域経済の活性化に寄与する様々な業種の誘致を行います。また、本市の魅力や優遇制度を広く周知するほか、ビジネスプロモーション拠点を活用し、地域に投資を呼び込んでまいります。
 多様な働き方環境の整備につきましては、コロナ禍を契機とした新しい働き方に関する協議会における議論を踏まえ、多様な働き方の見本市とも言える新たな拠点「ワーク・プレイス・マーケット」を開設し、スタートアップや起業、民間企業相互の連携促進を図ってまいります。
 地域資源を生かしたビジネス展開につきましては、本市が持つ食文化を生かした美食のまちづくりにより、食をキーワードに様々な人が集う新たなビジネス機会を創出し、地域経済の好循環を生み出すとともに、ランドマーク機能としての公設卸売市場のあり方を検討するほか、漁港の駅TOTOCO小田原の情報発信力により、「小田原の魚」のブランドを確立してまいります。さらに、小田原の優れた技術で生み出された商品を海外にも流通させるために、販路開拓や消費拡大を目指す中小企業に対する専門機関・団体への取次ぎや見本市・展示会への出展を支援してまいります。
 また、地域経済振興に係る指針を公民で共有し、地域経済循環の視点による取組を推進するため、地域経済振興戦略ビジョンを改定するとともに、デジタル化を含めた情報発信やコンテンツの拡充など、ウィズコロナ、ポストコロナを見据えた観光振興策を展開していくため、観光戦略ビジョンの改定に取り組んでまいります。

【歴史・文化】
 歴史・文化資源の魅力向上による交流促進につきましては、歴史的価値の高い小田原城跡(あと)等の史跡の保存・活用を図るため、御用米曲輪等の整備を行うとともに、将来の小田原城天守等のあり方に関する調査研究を進めてまいります。加えて、市民の誇りである天守閣・城址公園の魅力を向上させるとともに、新しくオープンした観光交流センターを拠点とした回遊促進を通じて、交流人口の増加を目指してまいります。歴史的建造物につきましては、民間事業者のノウハウを生かした利活用と利用者サービスの向上を図り、邸園文化の魅力発信に取り組んでまいります。
 文化・スポーツを通じた地域活性化につきましては、(仮称)小田原ならではの文化によるまちづくり基本計画に基づき、小田原三の丸ホールを中心に文化に触れる機会を提供するとともに、小田原ならではの文化資源の魅力を生かした施策を推進してまいります。小田原三の丸ホールの運営については、開館記念事業等を継続するとともに、指定管理者制度の導入も含め、今後の管理運営のあり方を検討してまいります。スポーツ環境の整備に向けましては、老朽化の進行や利用状況などを踏まえて、酒匂川スポーツ広場や御幸の浜プール等の既存施設や新たなスポーツ施設のあり方を検討してまいります。
 多文化共生の推進につきましては、行政サービスの多言語化の推進に努めるとともに、県や民間団体との連携による地域日本語教育を促進してまいります。また、子どもたちの国際理解については、市立幼稚園、小中学校への外国語指導助手の配置やICTの活用などにより、生きた外国語や海外の文化を体感することによって、言語や文化への理解の深化を促進してまいります。

【環境・エネルギー】
 地域循環共生圏の構築に向けましては、環境保全活動に係るプラットフォーム機能を強化するとともに、身近な環境課題への対応や森里川海の恵みからもたらされる地域資源の活用を公民連携によって進め、自然環境と市民が共生できるまちを目指してまいります。また、森づくりにつきましては、森や木に関わる産業の川上から川下までのネットワークを強化し、小学校を始め様々な場所で小田原産木材の利活用の促進を図るとともに、小田原の森で自然体験や森林教育を受ける機会を創出してまいります。
 2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、これまでに、再生可能エネルギーの導入拡大とともに、そのエネルギーの有効活用に必要な蓄電池等を導入し、制御する数々のモデル事業を全国に先駆けて実施してきました。今後は、こうしたモデル事業を始め再生可能エネルギーを地域全体で効果的に活用するシステムの構築を目指し、引き続き積極的な公民連携による取組を進めるとともに、地球温暖化対策の推進に関する法律の改正を踏まえて、新たな地球温暖化対策推進計画及びエネルギー計画を策定してまいります。
 こうしたカーボンニュートラルの実現に資するため、究極の「ゼロカーボン・デジタルタウン」の創造を始動させます。ゼロカーボンと豊かな暮らしとの両立をデジタル技術によって実現する究極の「ゼロカーボン・デジタルタウン」は、地域が望まない開発を防ぐため、行政の関与の下で市内外の産学金と緊密に連携し、小田原少年院跡地を軸とした候補地の選定や事業の推進体制に係る検討を進め、令和5年度中には基本構想を策定し、クリーン&スマートな街の姿を明らかにしてまいります。

【まちづくり】
 小田原駅周辺のまちづくりにつきましては、市街地環境の改善や都市防災の強化、街なかへの居住を促進するため、関係権利者で組織されたまちづくり協議会が市街地再開発事業の検討を進めている東通り・大乗寺周辺地区において、区域内の幹線道路となる都市計画道路栄町・小八幡線の都市計画変更に向けた路線測量を実施してまいります。また、西口地区においては、長年にわたり改善要望がある広場機能の拡充と新たな賑わいを創出することを目的に、隣接する民間地権者が行う再開発事業との一体的な整備について、令和5年度中の基本構想の策定を目指し、その事業手法や採算性等の検討を進め、整備後のまちのイメージを示してまいります。
 市民会館跡地等の整備に向けましては、三の丸地区の整備構想を基本として策定する活用計画に基づき、その準備を進めてまいります。さらに、民間や有識者等との連携により、都市空間デザインの視点による既存ストックの利活用や、地域資源を生かしたまちづくりについて調査研究を行うアーバンデザインセンターを立ち上げてまいります。
 地域特性を生かしたまちづくりにつきましては、かまぼこ通り周辺地区、銀座・竹の花周辺地区の地元協議会や事業者の連携による取組の自立化に加え、国府津地区の取組の自走・自立に向けた体制の構築等を支援してまいります。
 海を生かしたまちづくりにつきましては、県の早川海岸整備の進捗状況等を勘案しながら、漁業と観光とが共存する海の利活用を目指すとともに、江之浦漁港の機能強化に向けた検討を進め、海を利用する方々との新たな関係性を構築してまいります。
 地域の移動手段の維持・確保につきましては、地域の移動ニーズに即した公共交通ネットワークの再構築に向け、既存の公共交通に加え、福祉有償運送や企業送迎バス等の地域の多様な輸送資源、自動運転やAI(人工知能)によるオンデマンド配車などの最新技術の活用も含め、地域公共交通計画の策定に着手してまいります。また、神奈川県と静岡県とを結ぶ伊豆湘南道路につきましては、その実現に向け、伊豆湘南道路建設促進期成同盟会を通じ、積極的に国等へ働きかけてまいります。
 既存の街区公園につきましては、地域の方々と意見交換をしながら、遊具の更新やトイレの改修を行うなど、地域のニーズに対応した再整備計画を作成し、魅力ある公園づくりを進めてまいります。

4 まちづくりの推進エンジン
 これからは、時代の流れに乗り遅れることなく、未来を見据えた行政であるために、豊かな環境の継承を土台に、生活の質の向上と地域経済の好循環という両輪を円滑に回し続けなければなりません。そこで、民間の力を取り入れたデジタル技術の活用と公民連携を積極的に展開することで、地域の課題を解決し、小田原の持っているポテンシャルを最大限に引き出したまちづくりを進めてまいります。

【行政経営】
 効率的な行財政運営につきましては、将来にわたって持続可能なまちであり続けられるよう、第2次行政改革実行計画の着実な推進と、令和5年度からスタートする第3次行政改革実行計画の策定に取り組んでまいります。
 公共施設の最適化につきましては、公共施設の機能・配置の適正化を図るとともに、施設の管理水準を総体的に向上させるための体制づくりを推進し、計画的に施設の維持保全を進めてまいります。
 市民との情報共有につきましては、広報紙、ホームページ、SNSに加え、様々なメディアを活用し、市の情報を積極的かつ複層的に発信するほか、広く市民の声を行政に反映させるため、市民からの提案や市民と市長の懇談会などにより、市民ニーズを的確に捉えてまいります。
 広域連携の推進につきましては、県西地域2市8町を始めとする多様な枠組みによる自治体間連携を推進し、高度化、複雑化する広域的な課題に対応してまいります。
 人材の確保・育成につきましては、本市の職員にふさわしい人材を確保するとともに、本市が抱える課題の解決を図るため、民間の専門人材を登用するほか、国との人事交流や民間企業等への研修派遣を行い、個人の能力開発と意識改革を進め、職員がいきいきと働ける職場づくりに努めてまいります。こうした取組を通じて、時代の変化に果敢に挑戦する市政運営を目指してまいります。

【公民連携・若者女性活躍】
 公民連携の取組につきましては、おだわらイノベーションラボを拠点とし、デジタル化やSDGsの取組に関わる企業や大学、研究機関等に加え、若者や女性など多様な主体とパートナーシップを構築し、地域課題の解決に向けて取り組んでまいります。
 市の全分野の事業を対象とした新たな民間提案制度の試行では、11件の提案を受け付け、その中から採用した7件の提案について、その実現に向けた検討を進めてまいります。また、令和3年度には、キリンホールディングス株式会社、富士フイルム株式会社メディカルシステム事業部、国立大学法人東京大学大学院情報学環、日本電気株式会社及びあいおいニッセイ同和損害保険株式会社と包括連携協定を締結し、企業と市の若手職員による交流会や協賛事業など様々な取組を実施してまいりました。今後はさらに、協定に基づいて健康や市民生活に関する各種セミナーを開催するなど、双方の資源や強みを生かした新たな取組にも着手してまいります。
 SDGsの推進では、SDGsパートナーと連携し、小中学校や高等学校において講座を実施するなど、次世代に対して普及啓発を図っており、今後も公民連携により取組を加速させてまいります。
 若者・女性活躍につきましては、これまで以上に若者や女性との対話や意見交換の機会を増やすほか、企業や市の若手職員、さらには高校生や大学生等の多様な主体がつながりながら地域の課題解決を考え政策提言する機会を設けることにより、若者や女性の視点やアイデアを市政に生かすとともに、それぞれが生き生きと活躍できる環境を整えてまいります。
 また、子どもが夢や希望を持って成長できるまちに向け、小田原市青少年問題協議会を小田原市青少年未来会議に再編するとともに、将来を担う子どもたちが社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら生き抜く力を育ててまいります。
 さらに、女性活躍推進優良企業認定制度「小田原Lエール」を活用した、市内企業等における女性のライフステージに応じた柔軟な働き方や、ワーク・ライフ・バランスの実現に向け、男女ともに働きやすい職場づくりを促進するとともに、働く女性の相談体制の充実に取り組んでまいります。

【デジタルまちづくり】
 デジタル化につきましては、本市に関わる産学金官の力を結集し、「スーパーシティ・スマートシティ」や「デジタル田園都市国家構想」を始めとする国の施策とも緊密に連携しながら、まちづくりの推進エンジンとして、引き続き強力に取り組んでまいります。具体的な方針としては、現在策定中のDX推進計画に基づき、私を本部長としたデジタル化推進本部が中心となって、誰一人取り残さないデジタル社会の実現を目指し、個人情報保護に万全を期した上で、市民の利便性の向上と行政基盤のデジタルトランスフォーメーションを両輪としたデジタルまちづくりを計画的かつ大胆に進めてまいります。
 令和4年度は、手数料等について、多様な支払方法の提供と徴収時の接触機会の低減を図ることを目的としたキャッシュレス決済の導入に着手するとともに、公文書の作成から廃棄までを一貫して電子的に管理し、行政事務の効率化を図る文書管理・電子決裁システムの導入、市民向けデジタル活用支援事業の更なる拡充などを進めてまいります。また、自治会などの地域活動を担う団体のデジタル化を促進してまいります。

5 むすび
 以上が令和4年度における市政運営の方針並びに重点的に取り組む施策であります。
 小田原は、戦国時代から明治時代にかけて栄え、「人々はかつて小田原を目指した」と言われるほど、政財界の要人や文化人が注目する魅力的なまちの一つでした。それは、この地に、他にはない無限の可能性があるからだと私は自負しています。そして、その魅力に更なる磨きをかけ、次代につなげていくことは、今を生きる私たちの使命です。
 令和4年度は、第6次小田原市総合計画「2030ロードマップ1.0」で描く2030年の小田原の姿を市民の皆様と共有し、小田原暮らしの質を高めてまいります。この過程で、市民一人ひとりが小田原の魅力を再発見し、郷土愛と誇りを持ち、「このまちに住んでよかった」と実感していただく。それを伝播させながら国内外から世界が憧れるまちとして認められる道を切り拓いてまいります。
 ここで求められるのは、単にサービスを提供するだけの行政ではなく、小田原で活躍したいと思う誰もがチャレンジできる環境を整えるとともに、市民、地域、企業、国や県等の多様な主体との連携により、私たちの暮らしのニーズを持続的に満たしていくプラットフォームビルダーとしての行政です。
 これまでにも本市では、デジタル化の推進体制として、庁内のデジタル化推進本部と産学金官の連携体制であるデジタルイノベーション協議会を設置するほか、庁内の公民連携・若者女性活躍推進本部や、公民連携による新しい働き方に関する協議会なども発足させてきました。そして、令和4年度は、新たに共生社会と環境・エネルギーに関する推進本部を立ち上げ、庁内横断的な取組を推進するとともに、美食のまちづくりや地域エネルギーマネジメントの検討・実施などにおいて公民連携の取組を展開してまいります。
 また、究極のゼロカーボン・デジタルタウン、新たな健康増進拠点施設、小田原駅西口地区における再開発事業と広場機能拡充の一体的な展開については、令和5年度中に実現可能性を含めた目指す姿を明らかにしてまいります。
 多様化する社会的課題に加え、新型コロナウイルス感染症により、私たちはこれまでに遭遇したことのない局面を迎えております。この難しい局面において、ピンチをチャンスに変えていけるよう、市民の皆様とともに前例のないことにも果敢にチャレンジし、小田原が持つ可能性を最大限に発揮させてまいります。
 議員各位を始め、市民の皆様におかれましては、新たな時代の市政発展のためにより一層のご支援並びにご理解とご協力を心よりお願い申し上げ、令和4年度の施政方針といたします。

令和4年2月16日                                                                             
                                                                                                   
                                                                                                      小田原市長 守 屋 輝 彦

令和4年度施政方針  PDF形式 :549KB

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最終更新日:2022年02月21日


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