小田原の漁業
小田原の海といえばアジやブリが想像されることと思います。そこで、それらを漁獲する小田原の漁業について紹介します。
小田原は昔から相模湾西部の漁業の中心地として栄え、海の幸に恵まれてきました。
中でも全国的に有名なものが定置網漁業です。小田原の海域は急深な地形であり、岸から沖へ1,500メートルも離れれば水深が200メートルに達するほどです。このため、この深い海底地形に適した定置網が発達してきました。
また、刺網という、帯状の網を海中に張り立てる漁業もあります。
小田原の漁業はこの定置網と刺網が主なものですが、ほかにも一本釣りやかご網、タコ壷などの漁業が行われています。
さらに、獲る漁業だけではなく、作り育てる漁業として、ワカメ・コンブ養殖なども主に片浦地域で実施されています。
定置網
定置網とは、魚を誘い込むように魚の通り道に網を仕掛け、中に入った魚を獲る漁法です。
規模の大きい大型定置網と、主に家族経営型の小型定置網があります。
小田原では、米神・石橋・江之浦・根府川に大型定置網の漁場があります。
対象魚は、アジ・サバ・イワシ・ソウダガツオ・カマスなど多岐にわたります。
定置網は小田原の主力漁業です。県内の沿岸漁業における年間漁獲量は約2万トンですが、そのうち50パーセント以上が定置網による漁獲です。
また、相模湾西部の定置網による漁獲量の90パーセント以上は、小田原市と周辺地域で消費されており、定置網漁業は極めて重要な漁法です。
刺網
カーテンのように帯状に網を張り、そこに泳いできた魚が絡まったり、刺さったりすることで獲る漁法です。魚が刺さるため、刺網と呼んでいます。
色々な種類の魚に対応していますが、小田原ではヒラメ刺網・イセエビ刺網・小物刺網の3つが営まれています。
一本釣り
一本の釣り糸に1個または数個の釣り針を付けて魚を釣り上げる漁法です。小田原では主に手釣りと竿釣りが行われています。
手釣りは、竿を使わずに一本の長い糸に釣り針と錘を付けて、釣り糸を上下させながら釣る方法です。比較的深いところに棲んでいる魚を狙います。
竿釣りは、竿先に釣り糸と錘を付けたもので、海の表層から下層までを泳ぐ魚が対象です。
対象となる魚種は、キンメダイ・ムツ・カツオ・ヤリイカ・アジなどです。
