小田原の郷土芸能
相模人形芝居
相模人形芝居は文楽と同じような三人遣いの人形芝居ですが、江戸系人形芝居に属する人形浄瑠璃です 。3人で1体の人形を操り、その扱い方は鉄砲ざしと呼ばれています。国の重要無形民俗文化財に指定されており、小田原市では下中座が伝承活動を続けています。
小田原囃子
笛を中心に大太鼓、小太鼓、すりがねを用いて演奏する祭りばやしの一種で、音曲は他地域に比べゆったりで、変化に富み、県の無形民俗文化財に指定されています。江戸で将軍の御用祭に用いられて各地に広まったといわれ、江戸祭りばやしの系統に属しています 。扇町の白山神社にある小田原囃子多古保存会をはじめ、市内の多くの地区で継承されています。
鹿島踊
神社の祭礼のときに境内で披露される踊りで、市内では根府川の寺山神社などで奉納されます。5行5列の25人が定型で、円舞と方舞の組み合わせで舞われます。黄金柄杓・日形・月形の「三役」のほか、踊りの中心には太鼓役と鉦役が位置します。昔は青年団体が主体となって披露していましたが、現在は根府川寺山神社鹿島踊保存会などによって継承されています。
白髭神社の奉射祭(ぶしゃさい)
鎌倉時代以前が発祥とみられる五穀豊穰の吉凶を占う神事で、毎年1月7日に小船の白髭神社で行われます。射術儀式の一種で、狩衣装の2人の射手が宮司からおはらいを受けた後、矢を射って占います。的につけられた木製の鳥形は、それを戸口に吊るすと災厄を避け、一年中幸運に恵まれるとされています。市の無形文化財に指定されています。
曽我別所の寿獅子舞
市内各地に伝わっていた獅子舞は戦前までに廃れ、寿獅子舞も戦争中に伝承が中断しましたが、戦後形を変えて復活しました。豊年祈願と感謝のために神社に奉納された舞ですが、祝い事の行事でも披露されます。現在は曽我別所寿獅子舞保存会によって保存されており、宗我神社祭礼や曽我の梅まつりでも上演されます。
大漁木遣唄
ブリ漁が盛んだった小田原の漁港で網を揚げる際に、全員の気合いを合わせるための仕事唄と、婚礼及び神社祭礼時の儀式唄を兼有し、受け継がれてきました。現在は、小田原市山王原大漁木遣唄保存会や松原神社の氏子たちによって継承されています。
栢山地区の田植歌
地元で古くから唄い継がれてきた田植歌で、田植えの際に早乙女が歌う仕事唄です。農作業や農村の暮らしを唄い込んだもので、鶴や亀といったおめでたい言葉が随所に入っています。栢山田植歌保存会によって継承されています。

小田原ちょうちん踊り
この踊りは、小田原提灯の再認識と普及のために昭和50年代に考案されたものです。提灯を手にリズミカルに踊るもので、振り付けは比較的やさしく、小田原ちょうちんまつりでは小田原ちょうちん踊保存会をはじめ、多くの市民が踊ります。

小田原北條太鼓
平成元年に結成された小田原北條太鼓は、日本を代表する和太鼓奏者・林英哲氏の指導を受け、翌年初演奏を披露しました。以来、北條五代祭りをはじめ、多くの催しの舞台で勇壮な音色を響かせています。