令和3年度おだわら市民学校専門課程「地域の文化力を高める」第8回を実施しました

第8回目【令和3年12月4日(土)】
「彫刻にふれる~野外彫刻鑑賞(手でふれる鑑賞)とメンテナンス体験~」

手でふれる鑑賞

  

専門課程「地域の文化力を高める」の第8回目は、「彫刻にふれる~野外彫刻鑑賞(手でふれる鑑賞)とメンテナンス体験」と題して、講師に東海大学教職資格センター准教授 篠原聰氏、国立民族学博物館 学術資源研究開発センター准教授 広瀬浩二郎氏、野外彫刻調査保存研究会 高嶋直人氏、秦野市文化スポーツ部文化振興課 福島宏氏、秦野市「彫刻愛し隊」のみなさんをお招きして開催しました。
まず、今回の開催にあたっては、東海大学教職資格センター松前記念館にもご協力いただきました。文化政策課諸星正美さんから、小田原市の野外彫刻について説明があった後、福島氏から「秦野市彫刻のあるまちづくり事業、彫刻愛し隊の活動」についてご講義いただき、彫刻愛し隊のみなさんから彫刻愛し隊に入った動機や活動の感想を伺いました。また、篠原氏と高嶋氏からは、野外彫刻のメンテナンスについて具体的な手法や全国での活動事例などをご講義いただきました。
次に、市役所前庭へ移動し、昭和51年6月に設置された安田周三郎氏作のブロンズ像「なぎさ」のメンテナンス作業体験を行いました。作業前の作品は、窪んだ部分に虫の巣が作られ、表面には水の流れた跡が残り、汚れが付着して触るとざらついていました。高嶋氏からメンテナンス作業の説明を受けながら、受講生は洗剤とブラシや歯ブラシを手にして、作品の汚れを落としていきました。
昼休憩後は、広瀬氏から「ユニバーサルミュージアム~手でふれる鑑賞法」と題して、失明されたお立場から、作品を手でふれて持てる感覚を活用して鑑賞することについてご講義いただきました。その後、再び市役所前庭に移動し、メンテナンス作業の続きとして、ワックスがけと、ウエスを用いて磨きをかけました。作業を終えて、改めて作品を鑑賞し、視覚的には明らかにつやが出て像の表情が豊かにうかがえるようになり、触覚的には非常に滑らかで体温が作品に伝わることで、その滑らかさが倍増するような何とも言えない感覚を体感することができました。
最後に、参加者全員が感想を述べました。「手入れをしているうちに、作品に愛着が生まれた」「メンテナンスを通して作品に多く触れることで、作者のいろいろなこだわりがあることが実感できた」「今後も作品のメンテナンス活動をやってみたい」等、ふれる鑑賞の意図が伝わってくる感想が飛び交いました。 
司会をする受講生の様子

司会をする受講生の様子

文化政策課 諸星正美さん

文化政策課 諸星正美さん

秦野市文化スポーツ部文化振興課 福島宏氏

秦野市文化スポーツ部文化振興課 福島宏氏

彫刻愛し隊(左から)戸口氏、高橋氏、佐藤氏

彫刻愛し隊(左から)戸口氏、高橋氏、佐藤氏

彫刻愛し隊 蓮池氏

彫刻愛し隊 蓮池氏

東海大学教職資格センター 准教授 篠原聰氏

東海大学教職資格センター 准教授 篠原聰氏

野外彫刻調査保存研究会 高嶋直人氏

野外彫刻調査保存研究会 高嶋直人氏

講義の様子

講義の様子

彫刻に関する本の紹介

彫刻に関する本の紹介

メンテナンス前のブロンズ像「なぎさ」

メンテナンス前のブロンズ像『なぎさ』

水でふれる鑑賞

水でふれる鑑賞

洗浄(ブラシでふれる鑑賞)

洗浄(ブラシでふれる鑑賞)

国立民族学博物館 学術資源研究開発センター 准教授 広瀬浩二郎氏

国立民族学博物館 学術資源研究開発センター 准教授 広瀬浩二郎氏

ワックスについての説明の様子

ワックスについての説明の様子

ワックスがけ(ブラシでふれる鑑賞)

ワックスがけ(ブラシでふれる鑑賞)

磨く(ウエスでふれる鑑賞)

磨く(ウエスでふれる鑑賞)

手でふれる鑑賞

手でふれる鑑賞

メンテナンスをしたメンバーの記念写真

メンテナンスをしたメンバーの記念写真

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