キャリアアップ支援
キャリアデザイン

キャリアデザインの3つの輪は、自分らしい強みを生かしたキャリアにつながるよう看護部は支援します。3つの輪の重なり部分が大きくなるようにともに考え実践できることがキャリアを構築することにつながると確信しています。
専門看護師・認定看護師などで活躍している職員の紹介
専門・認定看護師
当院では、専門・認定看護師の資格認定を目指す職員に対する支援制度を用意し、キャリアアップを希望する職員をサポートしています。

小田原市立病院では、専門看護師3名、認定看護師14名、特定行為研修終了看護師5名が活躍しています。
急性・重症患者看護専門看護師 | 1名 | 小児救急看護認定看護師 | 1名 |
がん看護専門看護師 | 2名 | 新生児集中ケア認定看護師 | 1名 |
感染管理認定看護師 | 1名 | 集中ケア認定看護師 | 1名 |
皮膚・排泄ケア認定看護師 | 1名 | 慢性心不全認定看護師 | 1名 |
救急看護認定看護師 | 2名 | 認知症看護認定看護師 | 1名 |
緩和ケア認定看護師 | 1名 | がん化学療法認定看護師 | 1名 |
手術看護認定看護師 | 1名 | 摂食・嚥下障害看護認定看護師 | 1名 |
糖尿病看護認定看護師 | 1名 |

急性・重症患者専門看護師 多田 昌代

急性・重症患者専門看護師は、急激な発症や事故で入院されたり、様々な疾患で集中治療を受けていらっしゃる患者さんやご家族への看護を専門としています。治療に懸命に向き合っている患者さんやご家族の力を最大限に高めること、過酷な治療環境においても少しでもその人らしく生活できることを目標としています。
糖尿病看護認定看護師 尾上 和子
特定行為研修修了

小児から高齢者まで幅広い患者さんに対して個々の生活スタイルに合わせた治療の選択や、生活調整を多職種でサポートしています。糖尿病による合併症の発症、進展を防ぐためにフットケア、透析予防外来を行っています。糖尿病を持ちながらも自分らしく生きるために、患者さん、家族の思いに寄り添った看護を提供したいと考えています。
皮膚・排泄ケア看護認定看護師 清水 けい子
特定行為研修修了

皮膚・排泄ケア認定看護師は、生まれたばかりの赤ちゃんから高齢者まですべての方にスキンケアや創傷ケア、褥瘡予防、排泄ケアなどを提供します。
また、人工肛門・人工膀胱の患者さんにも日々の生活がより良く過ごせるようにサポートしています。排泄は、食事・睡眠と大きく影響し、人間の基本的な欲求の一つです。そのため、皮膚・排泄ケアは尊厳を守り、生活を支えていくケアだと考えています。専門外来で「ここに来て本当に良かった」と言ってもらうこともあり、私自身が多くの患者さんから力をもらっています。
認知症看護認定看護師 浅川 健恵
認知症ケア専門士

小田原を含む県西部は、神奈川県の中でも高齢化率の高い地域です。そのため、身体疾患治療目的で入院される認知症の症状のある高齢者も多くいらっしゃいます。
たとえ認知症があっても、その人らしく、尊厳が守られたケアを受けられることが重要です。入院生活が少しでも快適な場所になるように、多職種と工夫し、一瞬でも「ここは安心できる場所だな。居心地は悪くないな。」と思っていただける療養環境を、力を合わせて作っていきたいと思います。
がん化学療法認定看護 種市 亜澄
特定行為研修終了

新規抗がん剤の開発により、化学療法は外来で行われることが多くなってきました。安全で適切な化学療法を提供し、患者・家族がセルフケア能力や治療中に起こる問題へのマネジメント能力が高められるように活動を行っています。治療選択に悩んでしまったとき、抗がん剤治療中、日常生活でどのようなことに気をつければいいのかなどの悩みに対して一緒に考えていきます。化学療法に関する質問があれば1人で抱え込まずにご相談ください。
感染管理認定看護師 荒木 政枝

現在、コロナ禍で何かと奔走している毎日です。その中でやはり実感することは、基本が重要ということです。手指衛生、正しい個人防護具着脱等の標準予防策。正しい情報、知識を基に感染成立の輪に基づき、感染予防を考えること。そして、根拠のある看護実践が不安を解消してくれることを実感しています。それを実践できる環境を整えるために、認定看護師として現場を支えています。
集中ケア認定看護師 岩田 葵

集中ケア認定看護師は、生命の危機状態にある患者さまとそのご家族を対象としています。術後や状態悪化など様々な面で苦痛を感じている患者さまやご家族に対し、身体面はもちろん精神面にも支援させていただきます。また、1日でも早く、その人らしい生活が送ることができるよう、早期から多職種と連携し、患者さまとご家族の最大限の力が発揮できることを日々目標に取り組んでいます。
小児救急看護認定看護師 古澤 美佳

小児救急看護という名前から、救急処置を必要とする子どものみに対応すると思われる方も多いと思います。救急処置の子どもへの対応はもちろんのこと、育児不安などがあるご家族への対応や子どもの権利を尊重し、安心して家庭での育児が行えるように支援していくことも小児救急認定看護師の役割です。すべての子どもの健やかな成長発達とご家族が楽しく子育てができるお手伝いをさせていただければと考えております。
手術看護認定看護師 加藤 智史

手術看護認定看護師の役割は、手術を受ける方の手術侵襲を最小限にするために体温や手術体位、手術器材の適切な管理を行います。また、手術の前・中・後は、多職種と連携をして手術を受ける方の安全を高いレベルで確保します。
慢性心不全看護認定看護師 関口 葉子

心不全は、憎悪と寛解を繰り返すことで身体機能が徐々に低下していきます。その為、憎悪を予防していくことがとても大切であり、入院中だけではなく、退院後の生活の管理も大切になります。患者さんが心不全と上手に付き合っていけるよう、患者さんと共に考え医師や栄養士など多職種と連携を図りながら支援していきます。
緩和ケア認定看護師 松岡 みちる

緩和ケア看護師は、がん患者さんやその家族が、安全・安心・安楽に療養生活が送ることができるよう多職種と共に支援しています。がんという病気によって起こる心や体の辛さをできる限り取り除き、患者さん自身が自分らしいと思える生活ができるように、患者さん、ご家族とコミュニケーションを図りながら「今とこれからの最善」を共に考えていくことを大切にしています。
活動は病院内だけでなく、地域の医療者の方とも連携をとり、在宅でより良い療養生活が送れる、時には訪問看護師の方と共に同行するなど療養もサポートしています。
どうぞ、外来、入院に関わらず、つらいことや困ったことがありましたらいつでもご相談ください。
新生児集中ケア認定看護師 渡邊 玲子

新生児集中ケア認定看護師の役割は、ハイリスクな新生児の病態変化を予測した重篤化の予防や、生理学的安定と発育促進のためのケアおよび親子関係形成のための支援です。
医療的ケアを必要とする新生児が胎外環境に適応できるように援助し、健やかな成長と神経学的な発達を護るケアに努めます。出生直後から治療のためやむを得ず母子分離となってしまい不安を抱えているご家族と新生児の気持ちに寄り添い、入院中児の成長・発達を一緒に見守り、退院後は安心して育児ができるようにサポートしていきたいと思います。
救急看護認定看護師 鈴木 好

救急看護認定看護師は、救急医療現場における病態に応じた迅速な救命技術やトリアージの実施、災害時における急性期の医療ニーズに対するケア、そして危機的状況にある患者さんや、ご家族への早期的介入および支援を行うことを専門としています。
私は、現在ERに所属し、独歩で来院される患者さんのトリアージの実施や、救急車で来院された患者さんの緊急度や重症度をアセスメントし、看護ケアを実施しています。当院に来院される生命の危機的状況にある患者さんやご家族、さまざまな疾病を抱えた患者さんに寄り添い、患者さん自身の力を十分発揮して社会復帰が行えるよう救急医療チームとして調整的な役割を担っていきたいと思います。
また、当院は災害拠点病院でもあります。そのため、災害発生直後から活動できる機動性を備えた医療チーム、災害派遣医療チーム(DMAT)が存在します。私は、その災害派遣医療チーム(DMAT)の一員でもあります。地域の基幹病院としての役割を果たしながら、災害時にも対応できるよう、大規模災害や局所災害に備え、病院内外の訓練を行い、状況に即した看護展開ができるようにしたいと思います。
救急看護認定看護師 源平 雄大

救急看護は、病院内で一番早く患者さんやご家族に関わることのできる分野です。超急性期には多種多様な問題が存在し、それを早期に解決に導いていくことが重要な看護となってきます。救急看護認定看護師はそういった問題に対してチームで協働し、患者さん・ご家族と共に問題を乗り越えることができるようサポートしていくことが主な活動となっています。院内だけではなく、災害派遣医療チームによる院外活動も行っています。
その人らしい生活が送れるような支援ができることを目指していきます。
摂食・嚥下障害認定看護師 諸星 名緒子

私が新人看護師としてキャリアをスタートした頃は、呼吸器内科に勤務しており、誤嚥性肺炎の患者さんを担当し、口腔ケアの大切さを学びました。また、嚥下評価のための嚥下内視鏡検査を見学したり、嚥下や誤嚥についての事例に触れることがあり、摂食・嚥下の分野に興味をもつようになりました。その後、入院してくる高齢者の方が入院前は食べることが出来ていたのに、治療が一段落したあとに口から食べることが難しくなり、自宅や施設に帰れなくなるといった事例や、家族が栄養経路を選択してその先の療養先を選定するといった事例を何度か経験することがありました。そのころから、摂食・嚥下について専門的な知識があれば、入院中からその嚥下障害を評価して支援することができるのではと考えるようになりました。認定課程で摂食・嚥下障害看護を学ぶなかで「食べる」ことは身体的に重要であるだけでなく、精神・社会的にも重要であることを痛感しました。まさしく「食べる」ことは「生きる」ことということです。家族や仲間と食べながら飲みながらコミュニケーションをとることは本当に楽しいものです。患者さんは、入院中は「患者」ですが、退院すれば地域で暮らす「生活者」となります。そのなかで食べる障害を持ちながらも、どのような支援を行えば安心・安全に少しでも口から食べることができるのかを考えています。今年度より嚥下支援チームが立ち上げとなり、多職種とともに協議をしながら支援について話し合い、病棟へ還元しています。また、摂食・嚥下は栄養管理の側面が重要であり、管理栄養士とともに栄養状態の評価や嚥下可能な形態について話し合っています。また、高齢化社会によって、脳血管障害や神経筋疾患による嚥下障害だけでなく、廃用や認知症といった問題も増えてきています。胃ろうや経管栄養といった栄養経路の選択の問題やアドバンスケアプランニングなど患者さんの意思決定を擁護できるような支援を行っていきます。今後も摂食・嚥下障害看護について周知できるよう地道に活動してまいりたいと思っております。

アドバンス助産師
妊娠、分娩、産後の経過の中で変化する情報をアセスメントして、先の予測を立てながら最善のケアを心がけています。退院後は、日常生活にスムーズに適応できるように、地域の保健師や助産師と連携して支援しています。


アドバンス助産師 松本 純子

女性の大切なライフステージであるリプロダクティブヘルスの分野を支援していきます。また、当院は、地域周産期母子医療センターとして神奈川県西湘地区の分娩並びに産科救急を受け入れています。安全なお産を第一に考え、お母さんの希望に沿った育児スタートのお手伝いできることを目指しています。助産師の育成、看護学生の育成にも積極的に取り組んでいます。
アドバンス助産師 山口 典子

当院は、周産期救急を受け入れ、地域周産期母子医療センター、神奈川県周産期救急医療システムの基幹病院として役割を担っています。
私たち助産師は、地域社会の情勢も踏まえて対応していくことが必要とされています。
当院を利用していただく妊産褥婦さん、赤ちゃん、ご家族の皆様に安全で安心な助産ケアを提供できるよう助産実践の質の向上に貢献できればと思います。
アドバンス助産師 丹野 和江

患者さんに安全安楽な入院生活を送っていただけるように、妊産褥婦の指導や新生児ケアなどのマタニティケア能力を高め、自己研鑽に励んでいます。
アドバンス助産師 堀田 有紗

妊産褥婦や新生児に対して良質で安全な助産ケアができるように自己研鑽します。
小田原市内の中学校で性教育の講演を行うなど、地域への貢献をしています。
アドバンス助産師 石田 亜紀

アドバンス助産師として、妊娠期から産後のお母さん一人ひとりに寄り添う姿勢を常に持ちながら、関わりを深めていきたいです。
お母さん達の不安な思いをこれからの楽しみに変えられるような、心に残るような関わりを目指したいと思っています。一つずつ一緒に乗り越えられるようサポートさせていただきます。

育児休暇からの復帰後のキャリア支援相談
インタビュー
仕事と育児の両立

看護師7年目で集中ケア認定看護師を取得し、翌年に初めての子を妊娠しました。認定看護師として全く活躍できていない中での妊娠であったため、今後の仕事との両立にとても不安があったのを覚えています。また、「私の時は部分休なんてなかった」「そんな簡単に休みをもらえなかった」と話す職場の先輩ママも多く、より不安に感じました。しかし、「母としては初心者」の私はしっかり子供と向き合って「母としての時間も大事にしたい」という気持ちを優先させていただくことにしました。長女を出産し、一年の育児休暇をいただきました。初めての長期間の離職でそわそわしましたが、子供と過ごせた時間はすごく幸せでした。また、今までの自身の仕事について振り返る良い機会となりました。
職場復帰となった時、初めは思っていた以上に両立に慣れませんでした。また、保育園に預ける際、泣いてしまう娘に「私のしていることは子供に悪いことなのか」と涙した日もありました。その反面、完璧を求めてしまう性格のため、認定看護師としても役割が十分に担えていないことにとても焦りを感じました。ジレンマの毎日で自分の立場に困惑している中、多くの支えがありました。それは、当時の部長・師長を初めとした職場の先輩や同僚ママ、そして家族でした。たくさんの悩みを聞いてくれた先輩ママから、多くの励ましの声やアドバイスをいただきました。同年齢の子供のいる同僚ママとも共感してもらえることで、とても気持ちが楽になりました。そして、何よりとても不器用な夫も慣れないながらに一生懸命育児を頑張ってくれていました。夫の協力なしでは絶対に両立はできないと思いました。ベテランママである母も忙しい中、保育園の迎えや子守を協力してくれました。一人で抱え込まず、周りに甘えていいのだと思えるようになり、徐々に両立に慣れていくことができました。
今でももちろん、両立は大変と思うことはあります。しかし、今ではその対処法を身につけられ、また、娘や夫の家族皆との成長段階だとプラスの思考に切り替えられるようになりました。生まれたばかりだった娘も、今では仕事で疲れた私に「ママ、いい子いい子」と頭を撫でてくれます。自分の知らないところでも娘はこんなに成長しているのだと幸せな気持ちが溢れました。保育園で頑張っている娘のためにも私も頑張らないと!といつも喝をもらっています。今後も自分のペースで焦らず、キャリアアップしていくことも考えています。
共働き世帯が増えているこの時代、また私のように周囲に恵まれた環境でない育児復帰ママも多いかと思います。しかし、その中でも仕事をしよう!と思えているママを私は尊敬しますし、少しでも役に立ちたいと思っています。せっかく頑張って取得した看護師免許を無駄にしてほしくないとも思います。私自身、この経験を生かして育児復帰しやすい職場作りに積極的に携わっていきたいです。男性も育児休暇を取得できるようになったこの時代の中、必要とされる職業であり、かつ女性の多い職場だからこそ、両立がしやすい職場であってほしいと私は願っています。仕事へも子供へも愛情を持って両立できるよう皆さんで働きやすい職場を作っていけたらと思います。