御用米曲輪の史跡整備を進めています
史跡整備着手前の御用米曲輪
平成23年度御用米曲輪修景整備事業のスケジュール予定
9月28日 |
工事契約 |
10月11日 |
現場着手、仮囲い設置(入口のみ) |
10月13日~20日 |
北東土塁クスノキの事前剪定(植栽専門部会の部会員立会いのもと実施) |
10月14日~ |
フェンス等構造物撤去(西側から施工) |
10月17日~ |
土塁上及び構造物撤去下の発掘調査 |
10月20日 |
北西土塁上の傾向マツの伐採 |
江戸時代の特色がよく残されている小田原城址公園。
国指定史跡としての整備も進んでおり、平成23年10月からは御用米曲輪の史跡整備を進めています。
御用米曲輪の形が見えてきました
地下の遺構を壊すことがないよう旧野球場の観覧席やフェンスなどの構造物を慎重に撤去した結果、御用米曲輪の本来の姿が、少しずつですが見て取れるようになってきました。

緑を残しながら、御用米曲輪の本来の姿が少しずつわかるようになり、常盤木橋も見通せるようになりました(平成23年12月5日)
樹木の取り扱いについて
北東側の土塁の一部のくすのきについては、観覧席を撤去しても樹木が倒れないように、植栽専門部会の立ち合いのもと、事前に枝を剪定しました。観覧席の撤去後には、「二段根」と呼ばれる本来の根ではない根が生えていることや、本来の根が弱っている状況などが確認できました。今後は、根が遺構に及ぼす影響の度合いなども確認しながら、植栽専門部会において、くすのきと史跡との共生のあり方について検討していく予定です。
北西側の土塁の観覧席を撤去する際に自立が難しいと判断された松については、大きな洞(うろ)が入っていたこともあり、やむを得ず伐採しました。その他、植栽専門部会の方針に基づき、工事を行ううえで支障が出る樹木などについても、伐採を行っていますが、できる限り移植や木材としての活用を図っています。
弓道場西側に植えられている生け垣などは、曲輪の形を明確にするために除去・移植しました。この結果、御用米曲輪の中から二の丸広場や常盤木橋などが見通せるようになり、本来の景観が整い、空間の広がりを感じることができるようになりました。
北東土塁の事前剪定後のくすのきの現状(平成23年12月1日)
北東土塁の観覧席解体後の現状とくすのきの二段根(丸で囲んだ部分) (平成23年12月5日)
発掘調査の成果
今年度の発掘調査では、撤去した構造物の下の遺構を確認し、御用米曲輪の土塁の輪郭がどのようになっているかを調査しています。これまでは想定であった御用米曲輪全体の形が、少しずつ明らかになるとともに、切り株の抜根後の発掘調査では石組水路が、本丸側の法面の発掘調査では戦国時代の遺構や墨書かわらけ(墨で字が書かれた素焼きの土器)が発見されるなど、新たな調査成果が得られています。

本丸側法面の現状と発掘調査の状況 法面のすそに溝が見つかりました(平成23年12月5日)
発掘調査では瓦もたくさん出土しています(平成23年11月17日)
現地見学会・説明会を開催しました
御用米曲輪整備の状況や今後の整備内容などについて、現地見学会と説明会を平成24年2月4日に開催しました。現地見学会には200名以上、説明会には100名を超える方の参加をいただきました。
今後も機会をみて、現地見学会や説明会を開催いたします。
史跡整備へのご協力を
工事や発掘調査を行うに当たり、安全性の確保などのために仮囲いを設置しています。そのため、弓道場から北入口までの土塁上の通路は、史跡整備が完了するまでは通行することができません。ご迷惑をお掛けしますが、ご了承ください。
史跡整備場所
この情報に関するお問い合わせ先
文化部:文化財課 史跡整備係
電話番号:0465-33-1718