北条五代観光推進協議会

早雲寺殿廿一箇条(そううんじどのにじゅういちかじょう)

早雲が伝えたとされる家訓。21箇条に及ぶ条文は、いずれも簡潔でわかりやすく、日常生活における注意点や心得が事細かく具体的に記されています。

基本的には一般の家臣を対象に示した心得と思われ、早雲の作とする確かな証拠はありません。早雲が日ごろ家臣に語ったものがまとめられたものと言われています。

一、可信佛神事

二、朝早可起事

三、夕早可寝事

四、手水事

五、拝事

六、刀衣裳事

七、結髪事

八、出仕事

九、受上意時事

十、不可爲雑談虚笑事

十一、諸事可任人事

十二、讀書事

十三、宿老祗候時禮義事

十四、不可申虚言事

十五、可学歌道事

十六、乗馬事

十七、可撰朋友事

十八、可修理四壁垣牆事

十九、門事

二十、火事用事

二十一、文武弓馬道事

読み下し文

第一条
仏神を信じなさい
第一に、仏や神を敬い信仰しなさい

第二条
朝は早起きしなさい
遅く起きると、家来も気が緩んで用事が果たせなくなり、主君の信頼を失う。

第三条
夜は早く寝なさい
夜は8時頃までに就寝し、早起きして6時までには出勤して時間を有効に使いなさい。無駄な夜更かしで薪を無駄にし、寝しなに夜盗の被害にあえば世間の評判を落とす。寝坊すれば公務も私用も果たせず、1日が無駄になる。

第四条
何事も慎み深くしなさい
無駄遣いや、無遠慮な態度は見苦しい。
朝は洗面の前に、邸内の厠、厩や庭、門外まで見回り、掃除すべきところを適切な者に指示し、それから素早く顔を洗いなさい。水はいくらでもあるからといって、ただうがいをして捨てたりしないこと。家の中だからといって大きな声を出したりするのは、無遠慮で聞くに耐えない。ひそかに行いなさい。高い天にも身をかがめ、固い大地にもそっと忍び足で歩くとういう教えがある。

第五条
常に素直で正直な心を持ちなさい
礼拝をすることは、身をただすことだ。心を正しく柔和に持ち、正直を信条にして上の者を敬い、下の者を思いやり、あるものを受入れ、ないものを求めず、ありのままの誠実な心掛けは仏神の思いにかない、礼拝をしなくても加護がある。礼拝をしても心が歪んでいれば天道からみはなされる。

第六条
分をわきまえて質素でありなさい
刀や服装は他人のように立派でありたいと思う必要はなく、見苦しくなければ十分と心得なさい。無い物を借り続けると、他人から馬鹿にされる。

第七条
身だしなみに注意しなさい
出勤の時はもちろん、外出の予定がない場合でも身だしなみを整えておきなさい。
見苦しい姿で人に会うのは不作法で、自分が油断すれば家来も倣い、来客にあわてるのはみっともない。

第八条
出仕したときの心得
出勤した時は、いきなり主君の前に顔を出さないほうがよい。まず次の間にひかえ、同僚の様子をみて状況をつかんでから御前に参上しなさい。そうしないと、不慮の事態に動揺してしまう場合がある。

第九条
拝命や復命の心得
主君から命令があれば、まず返事をしてから側に寄り、謹んで拝命しなさい。用事を果たしたら、ありのままを報告し、自分の才知をひけらかさないこと。事案によっては報告の仕方を思慮ある人と相談してから復命しなさい。独断はよろしくない。

第十条
主君の前で談笑などをしないこと
主君の前で談笑などをしないこと主君へお目通りの場で雑談などをする人のそばに近寄らないこと。まして、自分もそれに加わって談笑したりすると、上役はもちろん、同僚でも思慮分別のある人には見限られる。

第十一条
何事も人に任すこと
多くの人と交わって、かつ問題を避けろという。何事もしかるべき人に任すべきだ。

第十二条
読書をすること
少しでも暇があれば、本を読み、文字が書かれたものを携帯して、人目を遠慮しながら見るとよい。寝ても覚めてもやり慣れているようにしないと文字を忘れてしまう。書くことも同じ。

第十三条
重役が伺候した時の礼儀のこと
重臣方が主君の側にひかえている場面では、姿勢を低くして通りなさい。
無遠慮な態度で足音をたてて通るのは無礼なことだ。誰に対しても丁寧で礼儀正しくすること。

第十四条
嘘をつかないこと
上下万人に対して、ほんの少しでも嘘をついてはならない。どんな時でもありのまま正直でいるべきだ。嘘を言い続けると習慣になって一々つつかれ、いずれは人に見限られる。人から糺されるのは一生の恥と心得なさい。

第十五条
歌道を学びなさい
歌道の心得のない人は、品がない。良く学び、常に言葉遣いに注意しなさい。迂闊な一言で胸中が悟られてしまうものだ。

第十六条
勤務の合間に乗馬の稽古をしなさい
基礎を達人に習い、応用の手綱さばきなどは稽古を積みなさい。

第十七条
友人を選びなさい
良い友を求めるなら、学問の友人である。悪友として除くべきは、碁・将棋・笛・尺八の遊び友達だ。趣味は知らずとも恥ではなく、習っても害にはならず、無駄に日々を送るよりましな程度である。人の善悪は全て友人次第だ。三人よれば必ず師となる者があるから、その善人を選んで見習い、良くない者は吟味すべきだ。

第十八条
外壁や垣根を修理すること
帰宅したら家の囲いや垣根など周囲を点検し、必要な修繕を指示しなさい。下働きの未熟な者は、その場しのぎで用事を取り繕い、後のことに無責任だ。全てがそのようなものだとわきまえて注意を払いなさい。

第十九条
門のこと
夕方は、6時頃に門を閉じ、人の出入りのときだけ開けさせなさい。ぐずぐずしていると、必ず災難が降りかかる。

第二十条
火の用心のこと
夕方には台所などの火元を自身で見回り、家の者にしっかりと指示しなさい。よそからのもらい火への用心も習慣となるよう、毎晩指示すること。女性は身分の上下にかかわらずそうした気持ちがなく、家財や衣装を取り散らかして油断しがちである。多くの者を召し使っているとしても、全てを人にさせようと思わず、まず自分が行って状況を把握し、その上で後には人に任せてもよいものだと心得るのがよい。

第二十一条
文武を兼備しなさい
文武弓馬は常道である。記すに及ばないが、文を左、武を右にするのは古来からのきまりであり、兼ね備えなくてはならないものだ。

早雲寺殿廿一箇条 条文ランキング人気投票 結果発表!

2019年12月7日(土)~8日(日)で実施した北条早雲公顕彰五百年事業クロージングイベントの中で「早雲寺殿廿一箇条」をより多くの方に知ってもらうため、『どの条文が心に響いたか』というランキング投票をクロージングイベントの来場者681名の方に参加いただきました。

投票結果

1位 拝事 (第五条)  132票

常に素直で正直な心を持ちなさい。
 

2位 不可申虚言事 (第十四条) 57票

嘘をつかないこと。
 

3位 宿老祗候時禮義事 (第十三条) 48票

重役が伺候した時の礼儀。
 

4位 朝早可起事 (第二条) 40票

朝は早起きしなさい
 

4位 刀衣裳事 (第六条) 40票

分をわきまえて質素でありなさい
 

5位 手水事 (第四条) 36票

何事も慎み深くしなさい
無駄遣いや、無遠慮な態度は見苦しい

 

5位 文武弓馬道事 (第二十一条) 36票

文武を兼備しなさい
 

早雲寺殿廿一箇条

この情報に関するお問い合わせ先

経済部:観光課

電話番号:0465-33-1521

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