歴史資料・紙本着彩小田原城絵図　松原図

紙本着彩小田原城絵図　松原図　1幅　（市指定　昭和56年3月30日）

【所有】　　小田原市

【所在】　　小田原市立中央図書館

【形状】　　紙本着色5色　68cm×79cm　軸装

【概説】

　この絵図は、昭和初期に市立図書館が古書市で購入したものですが、紙背に「相州小田原絵図、松原五左衛門所持之」とあるので、稲葉藩重臣の同家伝来図であることが分かります。

　図は城下町図で、万治図と同系統のものですが、図の中に記されている藩士屋敷名を見ると延宝末年から天和頃（1678−1683）の内容です。

　しかし、城の縄張りの形からみると、万治図や寛文図に表れている改造以前の城構えと同じです。一例をあげると、寛文の城改造で埋められた箱根口入堀（スポーツ会館）が、そのまま描かれています。

　従って、この図は寛文12年以前の古絵図を写し、延宝から天和頃の藩士名を書き込んで使用したものと考えられます。

　なお、この写図が天守閣に展示されています。