歴史資料・紙本着彩小田原城絵図 寛文図
紙本着彩小田原城絵図 寛文図 1幅(市指定 昭和56年3月30日)
【所有】 個人
【所在】 城山
【形状】 紙本着色5色 101cm×104.5cm 上下6折 左右12折
【概説】
この絵図は、旧小田原藩士小関家が、現所有者に寄贈したもので、寛文12年(1672)に三の丸以内の第2次改修を幕府に出願した控図です。
なお、第1次改修は寛永9・10年(1632・1633) に行われ、その姿は正保図に表れます。
この絵図は、建物等を鳥瞰図的に描いた城下図から三の丸以内を抜き書きしたものを原図とし、それに改造箇所を描いたものを張紙してあり、余白には13箇所の改造内容が書かれています。その内容の主なものは次のとおりです。
1 二の丸の石垣を1間(1.8m) 高くしたい。の石垣を1間高くし、元のとおり櫓を上げたい。
2 二の丸東南の角櫓台を新規にし、2間(3.6m)×6間(11m)の土蔵(今の隅櫓)を建てたい。
3 鷹部屋曲輪の入堀(郷土文化館前)を埋め南側を石垣で築きたい。
4 鷹部屋曲輪南角の崩れかけの石垣10間(18m)を直し、2間(3.6m)×10間の折れ曲った多聞櫓(平櫓)を建てたい。西の櫓台(図書館)の崩れを直し、元の2階櫓を上げたい。
5 馬屋曲輪東(土橋)から南(三の丸小学校側)までの石垣を1間高くし、虎口桝形(土橋つき当り)を直したい。
6 捨曲輪の土手(藤棚駐車場横)を三尺(0.9m)高くしたい。
この改造工事は、延宝3年(1675)に一段落しますが、これを描いたものが貞享図系の諸図と考えられます。
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