歴史資料・小田原城内大日一尊種子板碑
指定種別
市指定文化財 歴史資料
指定年月日
平成29年3月27日
所在地
小田原市城内900番地3 小田原城址公園内
所有者
神奈川県
数量
1基
内容
寸法 地上高107.0cm 幅77.5cm
正面に金剛界大日如来種子(バン)、下部に結衆による造立で法界衆生平等利益の供養が毎月15日に行われた旨の願文があります。紀年銘はありません。
板碑銘
石材は、箱根火山の安山岩質溶岩と推定されています。よって板碑の製作は小田原周辺で行われた可能性があります。
形態的には頂部を平坦にし、願文上部に点刻により二条線の表現があります。
表面向かって左上半部が磨滅していて平滑になっています。
天蓋の形態等からも黒色粘板岩で製作される「常総型」の影響が認められます。
現在の所在地は小田原城南側斜面裾の空堀が埋没している場所に当たります。周囲は関東大震災により崩落した本丸石垣石等が散乱していることから、小田原城石垣に転用されたと考えられています。
本板碑と同様の大型の板碑で、箱根火山起因の安山岩製で年紀銘がある板碑は6基あり、文保元年(1317)から康永元年(1342)の間に作製されています。これらとの比較から、本資料は14世紀前半の造立の可能性が高いと考えられます。
正面に金剛界大日如来種子(バン)、下部に結衆による造立で法界衆生平等利益の供養が毎月15日に行われた旨の願文があります。紀年銘はありません。
板碑銘
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石材は、箱根火山の安山岩質溶岩と推定されています。よって板碑の製作は小田原周辺で行われた可能性があります。
形態的には頂部を平坦にし、願文上部に点刻により二条線の表現があります。
表面向かって左上半部が磨滅していて平滑になっています。
天蓋の形態等からも黒色粘板岩で製作される「常総型」の影響が認められます。
現在の所在地は小田原城南側斜面裾の空堀が埋没している場所に当たります。周囲は関東大震災により崩落した本丸石垣石等が散乱していることから、小田原城石垣に転用されたと考えられています。
本板碑と同様の大型の板碑で、箱根火山起因の安山岩製で年紀銘がある板碑は6基あり、文保元年(1317)から康永元年(1342)の間に作製されています。これらとの比較から、本資料は14世紀前半の造立の可能性が高いと考えられます。
指定理由
小田原市内における安山岩製板碑は、これまで4基が確認されているのみであり、大変貴重なものです。また本資料は他の板碑と比べると常総型の影響が認められるなど、特異な存在と言えます。
造立年は刻まれていませんが、14世紀前半の造立である可能性が高いと考えられます。石材は箱根火山の溶岩と考えられますので、本板碑も小田原及びその周辺で製作された可能性があります。
中世小田原の板碑の多様性を考える上でも重要な歴史資料と考えられます。
造立年は刻まれていませんが、14世紀前半の造立である可能性が高いと考えられます。石材は箱根火山の溶岩と考えられますので、本板碑も小田原及びその周辺で製作された可能性があります。
中世小田原の板碑の多様性を考える上でも重要な歴史資料と考えられます。
参考資料
- 小田原市郷土文化館研究誌第3号(人文科学篇第1号)「小田原の金石文 1」
- 小田原市史 通史編 原始・古代・中世
- 小田原市史 史料編 原始・古代・中世I
- 日本の中世墓「南関東の中世墓」
位置図
関連情報リンク
この情報に関するお問い合わせ先
文化部:文化財課
電話番号:0465-33-1717