歴史資料・紙本着彩小田原城絵図 明治図
紙本着彩小田原城絵図 明治図 1幅(市指定 昭和56年3月30日)
【所有】 個人
【所在】 小田原市立中央図書館
【形状】 紙本着色2色 97cm × 91cm 軸装
【概説】
小田原城は、明治3年に廃城となり、櫓などの建物は払い下げて取り壊されましたが、その最後の姿を描いてあるのがこの図で、豊田図や天保図と同じ単独図です。
図には、城内の一部や堀の中に分筆線と地番が記入されていて、民間に払い下げ、田畑などに転用された経緯がわかります。
また、天守閣をはじめ御殿、番所、門、棚などが描かれているほか、現在の裁判所、検察庁、警察署、消防署などの場所に「知事様」と書かれているので、多分明治2〜4年の小田原藩知事大久保忠良か、明治5〜9年の足柄県令柏木忠俊の頃のものでしょう。
そのほか、浜手口門(松原神社西)から大手(市民会館)にかけて、払い下げを示す人名が書かれ、箱根口外の長屋造り(瓦長屋)が描かれ、その東側に分筆線があって、払い下げが始まっていることがわかります。
なお、門や櫓などの一部が実際と違って描かれていますが、これは城絵図の専門家でない人が描いたためでしょう。
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