中心市のあり方を考える講演会の結果概要【平成28年7月18日(祝)、8月13日(土)開催】
小田原市と南足柄市は、安定的な行政サービス提供体制の構築と県西地域の広域連携体制の強化に向けて、平成28年10月から「(仮称)県西地域の中心市のあり方に関する2市協議会」を設置することで合意しました。
この協議会の設置に先立ち、小田原会場及び南足柄会場で講演会を開催しました。
この協議会の設置に先立ち、小田原会場及び南足柄会場で講演会を開催しました。
- ※「(仮称)県西地域の中心市のあり方に関する2市協議会」については下記ページをご参照ください。
小田原会場【7月18日(祝)】の概要
7月18日(祝)に、小田原市民会館にて講演会を開催しました。
概要は下記のとおりです。
概要は下記のとおりです。
次第
- 開会
- 両市長あいさつ
(加藤憲一小田原市長、加藤修平南足柄市長) - 取組趣旨 「中心市の課題と2市協議について」
(加藤憲一小田原市長) - 講演 「今こそ考える合併・中核市・広域連携」
講師:佐々木 信夫氏(中央大学大学院教授) - 質疑応答
- 閉会
両市長あいさつ
「今こそ考える合併・中核市・広域連携」
続いて、講師の佐々木先生から、「今こそ考える合併・中核市・広域連携」と題して、ご講演をいただきました。
講演の概要は以下のとおりです。
講演の概要は以下のとおりです。
- 今後の日本における人口減少は避けて通れず、これから10年間で生産年齢人口は約7,800万人から7,000万人に、65歳以上の高齢者人口は約3,300万人から3,500万人となる。子供の生まれる数も合計特殊出生率1.43の現状からの好転はそう容易ではない。
- こうした変化への対応を考えたとき、都市自治体には一定の規模がいる。小田原・南足柄両市長が合併や中核市への移行を今、考えるということは非常に意味がある。中心性をもった中核市が今後核となろう。国の地方制度調査会の中でも、政令市と中核市を核に、40~50万人の広域圏を構成し、人口が減少していく中でも行政サービスが衰退しないようにしていくことが重要との認識が示されており、そのような広域圏に対する制度もある。中核市、政令市を核に全国に70~80ヶ所の連携中枢都市圏を形成する方向にある。
- ただし、こうした措置が「大都市圏は豊かだ」という理由から、三大都市圏内は原則としてそのような制度の対象から外れている。
これは、三大都市圏の市町村は全体として余裕があるという政府の認識によるものであるが、実際はそうではない。
- 特に、当地域のような三大都市圏の周縁部については、今後急激に人口減と高齢化が進み、大変厳しい状況が見込まれる。小田原市や南足柄市の今後は相当厳しさが見込まれる。
- 合併に係る一般論として、平成の大合併での現場での議論などから、面積が広くなり、色々な公共施設が単独の市で利用可能になるというスケールメリットが働く反面、区域が広がり、住民の声が届かなくなるというデメリットがあると指摘されてきた。
- ただ、これは工夫次第という面が強い。デメリットへの対応策としては、合併前の区域に地域自治区を設ける等、市民の意見をまちづくりに反映できる取組を講じることが考えられる。つまり、市域を広くして体力をつけ、地域自治区などにより市民の意見を反映できる体制を構築しながら、顔の見える単位のコミュニティの活動を充実する、つまり「大きくしながら一方で小さく」していけばデメリットに対応できるのではないかとみている。事実、そうした合併で区域を広げながら、他方で自治区をつくり福祉やまちづくり権限をそこに与え、二層制の「柔らかな自治制度」をつくって成功している自治体もある。
- 今回の両市の動きは、大都市圏内の中心部からやや距離を保ちながら、中心性を持ちうる自治体を新たに創る、という新たなモデルとなっていくのではないかと注視している。
小田原会場
日時 | 平成28年7月18日(祝・月) 午後1時00分から3時00分(会場午後0時30分) |
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場所 | 市民会館小ホール(本町1-5-12) |
演題 | 「今こそ考える合併・中核市・広域連携」 |
講師 | 佐々木 信夫 氏 (中央大学大学院教授、法学博士) |
対象 | 小田原市及び南足柄市民 |
その他 | ・事前申込は不要です。当日、時間までに直接会場へお越しください。 (定員280名) ・駐車場の用意はございません。公共交通機関でお越しください。 |

佐々木 信夫 氏
南足柄会場【8月13日(土)】の概要
8月13日(土)に、南足柄市文化会館にて講演会を開催しました。
概要は下記のとおりです。
概要は下記のとおりです。
次第
- 開会
- 両市長あいさつ
(加藤修平南足柄市長、加藤憲一小田原市長) - 取組趣旨 「中心市の課題と2市協議について」
(加藤修平南足柄市長) - 講演 「今こそ考える合併・中核市・広域連携」
講師:大杉 覚氏(首都大学東京大学院教授) - 質疑応答
- 閉会
両市長あいさつ
「中心市の課題と2市協議について」
中心市の課題と2市協議について
小田原会場(7月18日(祝))で説明した内容と同様の内容を、加藤修平南足柄市長が説明しました。
「今こそ考える合併・中核市・広域連携」
続いて、講師の大杉先生から、「今こそ考える合併・中核市・広域連携」と題して、ご講演をいただきました。
講演の概要は以下のとおりです。
講演の概要は以下のとおりです。
- 人口減少という問題が、ここ数年大きな問題として挙がっている。日本全体の人口は2007~2008年ごろには減少を始めている。東京を中心とする大都市圏ではまだまだ人口が増えている地域もあるが、今後の人口減少を「問題」として受け止め、真摯に向き合っていくことが必要である。
- 地域を見る上で、市民一人当たりの納税額が重要となってくる。データを基に、独自に推計結果を出したところ、2025年、2040年には当然人口及び納税義務者は減少し、納税額も激減する。2040年の両市を合せた納税額の推計では、現在の税収から南足柄市分の規模の減収の可能性がある。
- 当地域に限らず、日本全体において自治体を再構築する必要があると考えている。それぞれの自治体で自己完結・フルセット型の単体経営を実施していくことは、限界が来ている。自治体間で連携や交流、相互に補完するような、連携経営という発想を強めていく必要があると考えている。
「今こそ考える合併・中核市・広域連携」
- 自治の根幹を成す部分は当然自分たちでやっていかなければならないが、お互いの強みをより伸ばしていくという発想の下、自治体相互に実施するシェアリングを行うべきではないかと考えている。単純な和ではなく、それ以上の効果を発揮する「創発」を促す必要がある。また、都道府県境を越えた連携も実際行われているが、「シティリージョン(都市圏域)」という考え方が重要となる。単独の自治体だけではなく、近隣の都市と連携して行っていくという考え方であり、欧米では国境を越えて行われているところもある。
- 県西地域のあり方を考える上で留意すべき点としては、あまり型にとらわれない、実質的な議論が必要だと考えている。平成の大合併時の合併特例措置はすでになく、連携中枢都市圏の要件の一部を満たしていないため、国としてこうあるべきだというものがないからこそ、当地域にとって何が本当に良いのかということを見極めるべきである。
- その選択肢として2市が合併を目指すか、中核市を目指すか、県西地域での広域的な圏域を目指すかの3点がある。これらすべてにおいてメリット・デメリットがあるが、合併の有無に関わらず広域連携は着実に進めるべきと考えている。また、合併を選択する場合、中心市の器が試される。中心となる市がリーダーシップを発揮し、他の自治体への配慮がどの程度できるか。良きフォロワーを作ってあげなければならない。また、それぞれの地域で都市内分権について考えていく必要がある。
- これから2市で協議していくこととなるが、行政の「かたち」を作っていくということではない。それ以上に地域社会の「かたち」をどう決めるか。また、市民が主体的に関わるべき「かたち」の選択であることが重要である。そして、市民一人一人にとって切実な課題、地域の中での課題の解決につながるかどうか、あるいはこれまでと同様にあり続けられるかどうかをしっかりと考えていくべきである。
- このようなことを考える場として、これから2市の間で協議していくこととなる。今はまだ準備段階であり、これから本番が始まっていくが、ぜひ皆さん一人一人が自分事として考えていただきたい。
南足柄会場
日時 | 平成28年8月13日(土) 午後1時00分から3時00分(午後0時30分開場) |
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場所 | 南足柄市文化会館小ホール(愛称:金太郎みらいホール) (南足柄市関本415-1) |
演題 | 「今こそ考える合併・中核市・広域連携」 |
講師 | 大杉 覚 氏 (首都大学東京大学院教授) |
対象 | 小田原市及び南足柄市民 |
その他 | ・事前申込は不要です。当日、時間までに直接会場へお越しください。 (定員280名) ・駐車場の台数に限りがございます。なるべく公共交通機関でお越しください。 |

大杉 覚 氏
お問い合わせ
(仮称)県西地域の中心市のあり方に関する2市協議会設置準備会事務局(小田原市役所企画政策課内)
電話:0465-33-1239
電話:0465-33-1239
この情報に関するお問い合わせ先
企画部:企画政策課 行政経営係
電話番号:0465-33-1254