歴史文化を保存・活用し、魅力ある地域へ
「小田原市文化財保存活用地域計画」を作成しました
市内には、人々の活動や暮らしの中でつくり出され、育まれた、さまざまな文化財が存在しています。こうした文化財は、小田原の歴史や文化を伝える、市民の共有財産です。
暮らしを通じて、歴史を感じ、育み、新たな価値を創造し、未来へつなげることを目的に、市では「小田原市文化財保存活用地域計画」を作成しました。
文化財保存活用地域計画とは?
文化財保存活用地域計画とは、市町村における文化財の保存・活用に関する総合的な計画です。本市では、令和18年度までの11年間を計画期間として定めており、令和7年12月に文化庁からの認定を受けています。
これまでは、特定の文化財を個別に保護していましたが、この計画によって、特定の文化財だけではなく、市民の皆さんが「守りたい」「伝えたい」と思う歴史や文化を含めて、調査・研究団体や保存・活用団体、行政など、地域全体で包括的な保存・活用に取り組むことができます。
今後、本市の歴史文化や文化財が持つ価値と魅力を、分かりやすく整理し、発信・共有するとともに、文化財について総合的な保存・活用を進めるための方針を定め、その具体的な措置を図ります。
8つの関連文化財群を設定
「小田原市文化財保存活用地域計画」では、市内にあるさまざまな文化財を、次の8つのテーマにまとめ、関連文化財群として設定しました。関連文化財群ごとの保存・活用に向けた課題や方針に対して、必要な措置を進めます。
1箱根外輪山がつくる自然と文化
箱根外輪山の山々、足柄平野と酒匂川、相模湾などで形成される変化に富んだ地形を持ち、森林資源による木の文化や、溶岩・火山砕屑物(さいせつぶつ)に由来する石の文化が創り出されました。
2足柄平野が育んだ原始古代からの暮らし
縄文時代の羽根尾貝塚をはじめ、弥生時代中期の中里遺跡や古墳時代の久野古墳群、奈良時代の千代寺院跡など、原始から足柄平野にあった広域的な交流を通して発展した地域社会の様相が残っています。
3曽我物語と鎌倉幕府ゆかりの地
源頼朝が平家方に敗れた石橋山合戦や、富士野の巻(まき)狩りで決行した曽我兄弟の仇(あだ)討ちは、浮世絵、浄瑠璃、歌舞伎などで知られ、ゆかりの遺跡が残されており、鎌倉時代の出来事を記しています。
4北条氏による統治と戦国時代の終わりを告げた小田原合戦
北条氏は、小田原城を本拠に城下町の整備を進め、関東における政治や文化の中心として小田原を繁栄させました。小田原合戦に敗れた北条氏は滅亡しましたが、全長9kmに及ぶ総構(そうがまえ)や、豊臣秀吉が築城した石垣山一夜城跡など、戦国時代の姿が残っています。
5近世小田原城と城下町・宿場町
小田原合戦後、要衝であった小田原城には、主に大久保氏をはじめとする譜代大名が封ぜられました。江戸時代には城下町・宿場町としてにぎわいを見せ、現在も関連する文化財が数多く残っています。
6二宮尊徳と報徳仕法
旧栢山村の農家に生まれた二宮尊徳は、飢饉(ききん)などによって荒廃した農村の復興に、生涯を通して力を注ぎました。その手法は「報徳仕法」と呼ばれ、全国に広まり、現在まで継承されています。
7近代化がもたらした別邸文化と文化人ゆかりの地
明治20年、国府津駅への鉄道延伸を契機に保養地・別荘地として注目を集め、政治家、軍人、実業家などが次々と別邸を構え、居住しました。別邸文化を伝える建造物や庭園は現在も残っています。
8地域に根付いたなりわいと多彩な民俗文化
温暖で穏やかな気候と豊富な水を生かした農業、海の幸を生かした漁業、森林資源を生かした林業は現在も行われ、伝統工芸や名産品も継承されています。文化の交流により根付いた民俗芸能も伝えられています。