小田原市の財務書類(平成29年度)

はじめに

財務書類とは、企業会計が作成している貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)などを指します。
通常、自治体会計の予算・決算は、単式簿記・現金主義によって作成されていますが、企業会計は複式簿記・発生主義の考えに基づいて財務書類を作成しています。財務書類の作成にあたっては、土地、建物などの所有する資産情報を網羅した「固定資産台帳」を作成する必要があります。これにより、資産(ストック)情報や減価償却費等の現金支出を伴わない費用(コスト)情報の把握が可能となります。

本市では、平成21年度決算分から国の示す2つのモデルのうち「基準モデル」を採用して財務書類を作成してきましたが、全自治体での相対比較を行うことができるように、平成27年1月に国が新たに「統一的な基準」を示したことから、平成28年度決算分より統一的な基準に基づいて作成しています。

ここでは、初めて財務書類をご覧になる方でも理解しやすいよう、平成29年度決算に基づく財務書類の概要と主な指標をご紹介します。
ページの最後に財務書類の詳細版を掲載しておりますので、より詳しい情報はそちらをご覧ください。

※財務書類は、対象範囲に応じて「一般会計等」、「全体」、「連結」の3種類を作成しています。会計・団体の対象範囲は以下をご参照ください。

財務書類とは

財務書類は、次の4つの書類から構成されています。

 貸借対照表(BS):ある時点(年度末)までに蓄積されたもの(ストック)の情報を示すもの

 行政コスト計算書(PL):会計年度1年間の収益・費用の動き(フロー)の情報を示すもの

 純資産変動計算書(NW):貸借対照表のうち、純資産にあたる部分の増減とその要因を示すもの

 資金収支計算書(CF):会計年度1年間の現金の動き(キャッシュフロー)の情報を示すもの

4つの書類のつながりを示すイメージ図は、以下をご参照ください。

貸借対照表(BS)

小田原市がこれまで整備してきた建物や土地、預金等の資産と、それらの整備をどのような財源で賄ってきたのかを示したものです。

実際の貸借対照表は左右に分かれており、左側には「資産」を表示し、右側には資産を形成する財源にあたる「負債」と「純資産」を表示します。左側の合計と右側の合計は必ず一致(バランス)することから、バランスシートとも呼ばれています。

平成30年3月31日現在

(単位:百万円)

資産の部
  小田原市の所有する財産を金額に置き換えたものです。
建物などの償却資産については、減価償却累計額を控除しています。
  一般会計等 全体 連結
固定資産(土地、建物、工作物など)
246,222
382,607
385,487
投資その他の資産(出資金、基金など)
6,854
10,869
11,632
流動資産(現金、財政調整基金など)
10,616
21,599
27,929
資産合計
256,837
404,206
413,416
負債の部
  資産形成のために借り入れた借金(市債)等の額で、将来の世代が負担することになります。
  一般会計等 全体 連結
負債合計(A)
61,522
153,699
156,297
純資産の部
  資産形成のためにこれまでの世代が負担してきた支払済の額です。
  一般会計等 全体 連結
純資産合計(B)
195,316
250,507
257,119
  一般会計等 全体 連結
負債・純資産合計(=A+B)
256,837
404,206
413,416

※表中の表示単位未満は四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。

行政コスト計算書(PL)

資産形成につながらない人的サービスや社会保障給付事業などの行政サービスにかかった費用と、発生する収益(使用料や手数料)との状況を示したものです。

平成29年4月1日〜平成30年3月31日

(単位:百万円) 

経常費用(総行政コスト総額)
  資産形成につながらない行政サービスに伴うコストを性質別に区分したものです。
  一般会計等 全体 連結
人件費(職員給与費、議員報酬など)
12,721
20,869
21,370
物件費等(委託料、減価償却費など)
17,202
31,257
32,206
移転費用(補助金、社会保障給付費など)
30,248
63,362
84,435
その他の業務費用(公債費の利払いなど)
718
10,585
10,930
経常費用合計…(A)
60,890
126,072
148,941
経常収益
  使用料・手数料などの行政サービスに伴う収益です。
  一般会計等 全体 連結
経常収益合計…(B)
3,178
33,036
34,388
  一般会計等 全体 連結
純経常行政コスト
=経常収益(B)-経常費用(A)
△57,712
△93,036
△114,554

※表中の表示単位未満は四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。

純資産変動計算書(NW)

純資産(資産形成のためにこれまでの世代が負担してきた支払済の額)が年度中にどのように増減したかを示したものです。純資産が増加するということは、現役世代が負担した額が増えることを意味し、将来世代の負担が軽減されたことを意味します。

平成29年4月1日〜平成30年3月31日

(単位:百万円) 

  一般会計等 全体 連結
前年度末純資産残高
194,886
248,356
254,848
 純行政コスト
 (純経常コストに臨時収支を加えたもの)
△57,638
△93,138
△114,656
 財源
 (税収、国・県補助金など)
58,557
95,568
117,066
 固定資産等の変動
 (内部変動)
△489
△279
139
本年度末純資産残高
195,316
250,507
257,119

※表中の表示単位未満は四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。

資金収支計算書(CF)

1年間の資金の増減を性質に応じて示したもので、どのような活動に資金が必要であったかを読み取ることができます。

平成29年4月1日〜平成30年3月31日

(単位:百万円) 

  一般会計等 全体 連結
業務活動収支…A
(税収を含めた行政サービスに伴う資金収支)
4,680
10,909
11,239
投資活動収支…B
(工事請負費など資産形成に伴う資金収支)
△3,497
△6,736
△5,992
財務活動収支…C
(市債の発行や償還などに伴う資金収支)
△897
△3,043
△4,318
本年度資金収支額(=A+B+C)…D
286
1,130
929
前年度末資金残高…E
3,724
10,464
12,901
本年度末資金残高(=D+E)
4,011
11,594
13,830

 ※表中の表示単位未満は四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。

財務書類からわかること

財務書類の数値により算出された指標を用いると、市の財政状況を多角的に分析することができます。
ここでは、主な指標についてご紹介します。

市民1人あたりの資産と負債、行政コスト

貸借対照表(BS)の資産及び負債、行政コスト計算書(PL)の純行政コストをそれぞれ住民基本台帳人口(各年度3月31日現在)で除した指標です。

市民1人あたりの資産
区分 一般会計等 全体 連結
資産合計÷人口
134万円
211万円
216万円
市民1人あたりの負債
区分 一般会計等 全体 連結
負債合計÷人口
32万円
80万円
81万円
市民1人あたりの行政コスト
区分 一般会計等 全体 連結
純行政コスト÷人口
30万円
49万円
60万円

資産の老朽化比率と資産形成に対する世代間負担比率

建物や道路等の償却資産の取得価額に対する減価償却累計額の割合から、資産老朽化比率が算出されます。法定耐用年数に対して資産の取得からどのくらい経過しているかを表し、割合が高いほど資産の老朽化の度合いが高いといえます。

また、固定資産総額に対する地方債残高(=将来世代が今後負担していく額)の割合から、将来世代の負担比率が算出されます。負担比率が高いということは、現在使用している公共資産を将来納付される税金等(将来世代の負担)により形成していることになりますから、将来世代の負担が大きくなるといえます。

一方、資産総額に対する純資産(=これまでの世代が負担してきた額)の割合から、純資産比率が算出されます。純資産比率が高いほど、これから使用していく公共資産をこれまでの世代が納付した税金等により形成してきたということになりますので、将来世代の負担が少なくなるといえます。

資産老朽化比率(有形固定資産減価償却率)
区分 一般会計等 全体 連結
減価償却累計額÷資産取得価額
(非償却資産・物品は除く)
57.3%
45.1%
44.9%
将来世代の負担比率(社会資本等形成の世代間負担比率)
区分 一般会計等 全体 連結
地方債残高総額÷固定資産総額
20.3%
27.4%
27.8%
純資産比率
区分 一般会計等 全体 連結
純資産合計÷資産合計
76.0%
62.0%
62.2%

基礎的財政収支(プライマリーバランス)

地方債の借入額と返済額(元金・利息)を除いた歳入と歳出のバランスを表す指標で、値がプラス(黒字)であれば政策のために必要となる経費がその年の税収等でまかなわれているということを意味しています。

 

基礎的財政収支(プライマリーバランス)
区分 一般会計等 全体 連結
業務活動収支(支払利息支出除く)
+投資活動収支
約15.5億円の黒字
約57.0億円の黒字
約67.8億円の黒字

債務の償還能力

実質的な債務が償還財源の何年分かを示す指標で、業務活動の黒字分を償還財源に充てた場合に何年で債務を償還できるかを示すものです。

債務償還可能年数
区分 一般会計等 全体 連結
(地方債残高ー充当可能基金総額)
÷業務活動収支(臨時収支を除く)
9.4年
9.1年
11.1年

受益者負担比率

使用料及び手数料の経常費用に対する割合を示した指標です。

この指標から行政サービスの提供に要したコストのうち、どれくらいの割合が受益者負担によって賄われているかが分かります。

 

受益者負担比率
区分 一般会計等 全体 連結
使用料及び手数料
÷経常費用
2.6%
15.0%
12.7%

詳細な財務書類について

平成28年度、平成27年度以前(基準モデル)の財務書類については、下のリンクからお進みください。

この情報に関するお問い合わせ先

総務部:財政課 財政係

電話番号:0465-33-1313

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