記者発表 資料
記者発表 資料
発信日 | 2025 年 04 月 25 日 | 公開日 | 2025 年 04 月 28 日 |
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担当課 | 文化部:文化財課 | 電話番号 | 0465-33-1717 |
事業名称 | 市指定重要文化財の指定 |
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サブタイトル | 3件を新規指定 |
事業内容 | 市教育委員会は、市文化財保護委員会からの答申を受け、4月24日付けで3件の文化財を市指定重要文化財に指定しました。これにより、市内の指定重要文化財は合計152件となりました(国指定8件、県指定25件、市指定119件)。 ■本小札紫糸素掛威腹巻(ほんこざねむらさきいとすがけおどしはらまき) ※小田原市(小田原城天守閣)所蔵 【形状など】 高さ65.0㎝ 幅40.0㎝ 【説明及び評価】 北条氏康の四男・北条氏規(うじのり)を家祖とする狭山藩主北条家に伝来した腹巻で、室町時代から戦国時代の特徴が顕著にみられ使用痕もある実戦的な甲冑です。草摺(くさずり)の裾のデザインが桃山期的であり、戦国時代後半の制作と考えられます。 また、江戸時代末期頃に修復が行われた形跡がありますが、全体に保存状態は良好です。 工芸品として希少性を有することはもちろんのこと、北条氏規にゆかりがある可能性をもつ文化財を、小田原北条氏の拠点であった小田原城で収蔵、展示していることの意義は高く、本市の文化史上特に貴重なものであると評価されました。 ■絹本著色 涅槃図(けんぽんちゃくしょく ねはんず) ※総世寺(久野3630)所蔵 【形状など】 絹本著色 縦163.9㎝ 横117.7㎝ 署名・落款なし 【説明及び評価】 釈迦が入滅した時の様子を描いたもので、中央に寝台の上に横臥する釈迦を描き、寝台を囲むように、悲しむ菩薩や羅漢、明王、十大弟子、王侯、また生きとし生けるものとして動物や昆虫なども描いています。 大きさは、涅槃図としては中程度のもので、制作期は、描線が柔らかく湾曲する点、絹布が粗い点などから中世後期、室町時代と見られますが、前時代の南北朝時代の伝統的描法を踏襲した格調のある作品です。 市内に残る仏画として古例であり、全体的に退色は見られるものの、目立った破損や大きな修復の跡がないなど状態はおおむね良好です。 初代小田原藩主大久保忠世から小田原を代表する禅宗寺院である総世寺に寄進された伝来を持つ点も、市の歴史に関連付けることができ、貴重であると評価されました。 ■小田原古式消防(おだわらこしきしょうぼう ) 【説明及び評価】 江戸時代に遡る消防活動を由来とした鳶職に残る芸能で、「鳶職木遣(とびしょくきやり)」、「纏振り(まといふり)」、「階子乗り(はしごのり)」で構成されます。 鳶職木遣は、材木を引き上げる際などに力を合わせるため歌った鳶職の仕事唄ですが、祝儀、不祝儀などの儀礼唄としても歌われ、現在では出初式などの催事で披露されます。 纏振りは、火事場で鳶を指揮するために振られたものですが、消防活動の目印であるため、出初式などで披露されるようになったと考えられます。 階子乗りは、火災位置を確認することから生まれたとされます。 それぞれ、毎年1月11日の消防出初式、5月3日の小田原北條五代祭りなどで目にすることができます。 小田原古式消防は、文献資料から江戸時代に存在していたと考えられ、全国での継承事例が少ない中、現在まで保存されていることに希少性があります。江戸から伝えられた時期は不明ですが、文政11年(1828年)には纏が存在し、鳶職木遣、階子乗りは少なくとも100年を超える歴史があります。 関係資料も多く残されており、消防組織の変遷を追えることや、消防芸能の伝播、都市としての小田原を考察する上で貴重であると評価されました。 |
添付資料1 | 指定文化財の詳細 |
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