広報小田原アーカイブ

広報小田原 第1064号

平成24年8月の一覧へ戻る

広報小田原 第1064号表示画像

広報小田原 第1064号

平成24年8月1日 発行

#01 県西地域の消防の広域化
#02 出会い…そして、地域活性化 小田原コン
#03 世界が注目した小田原の画家 井上三綱
#04 集団生活で育む食育 中学生と園児の交流
#05 市長の現場訪問
#06 おだわら情報
#07 今月の笑顔
#08 〈連載〉市民力 〈連載〉キラリ若人
#09 〈連載〉おいしい小田原いただきます
#10 〈連載〉駅のある風景


PDF版

テキスト版

====================
#01 県西地域の消防の広域化
====================

-------------------------------------
規約締結式で正式決定
-------------------------------------
これまで2市5町の消防を担ってきた小田原市消防本部と足柄消防組合消防本部(南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)。
7月17日に、「消防事務の委託に関する規約締結式」が行われ、消防の広域化が正式決定しました。
平成25年3月31日から、新たな小田原市消防本部としてスタートします。
【問】企画政策課 電話 0465-33-1254  消防総務課 電話 0465-49-4414

-------------------------------------
消防の広域化の必要性
------------------------------------
 災害の大規模化、少子高齢・人口減少など、消防を取り巻く環境は大きく変化しています。小田原市でも高齢者の増加に伴い救急出動件数が増え、今後も更なる増加が見込まれています。 
 消防は、これらの変化に迅速・的確に対応し、住民の生命、財産を守っていかなければなりません。
 消防の広域化により、効率的な行財政運営を図り、消防体制の基盤を強化し、住民サービスを向上させていきます。

小田原市の救急出動件数
年間救急出動件数は、平成9年からの15年間で、約3,500件増加しています。厳しい財政状況の中、小田原市消防本部では、平成9年から変わらず5隊の救急隊で対応しています。

-------------------------------------
広域化により期待できる効果
------------------------------------
1.「より早く」 
   現場到着時間の短縮
 行政区域を越え、災害現場に最も近い消防署所から消防車や救急車が出動することで、災害現場への到着時間が短縮します。将来は、消防署所を効率的に再配置することで、一層の現場到着時間の短縮が期待できます。

2.「より高度に」
   現場対応力の強化
 災害時には、初期段階で、いかに多くの消防力(人員・車両)を迅速に投入できるかが、被害の軽減に大きく影響します。広域化により、出動部隊数が増加し、現場対応力が大きく強化されます。

3.「より効率的に」
   行財政運営の効率化
 現在、各消防本部で保有、管理している指令装置、無線設備、特殊車両などを一つに統合することで、重複投資が避けられます。これにより投資負担額が縮減でき、さらに高機能な資機材などを整備することができます。

-------------------------------------
例えば…「栢山出張所管内で建物火災が発生した場合」のイメージ
------------------------------------
栢山出張所(現・城北分署)管内で建物火災が発生した場合、1着めに、最寄りの栢山出張所の消防隊が到着します。
広域化により、市外の消防署所から(この場合は、岡本出張所、足柄消防署、松田分署から)も消防隊が出動するようになり、2着め以降、より早くより多くの消防隊が到着できます。 

想定される到着時間(※各消防署所から栢山出張所までの距離を基に想定)

現状
到着順位/出動署所(栢山出張所からの距離 キロメートル)/到着時間(分)
2着/西大友分署(4.1)/7.0
3着/北分署(6.9)/11.8
4着/小田原本署(7.3)/12.5
5着/東分署(8.2)/14.1

広域化後
到着順位/出動署所(栢山出張所からの距離 キロメートル)/到着時間(分)
2着/岡本出張所(3.5)/6.0
3着/西大友出張所(4.1)/7.0
4着/足柄消防署(4.5)/7.7
5着/荻窪出張所(6.9)/11.8
6着/松田分署(7.1)/12.2
7着/小田原消防署(7.3)/12.5

★★★★★★★★★★
各市町の『消防団』は、広域化後も地域に密着した多くの活動を行うため、広域化の対象外となります。
広域化後も消防本部・消防署は、消防団としっかりと連携を図り、地域の安全安心を支えていきます。
★★★★★★★★★★

トップページ左列の「消防」をクリック→消防本部ホームページ左列「消防の広域化」

★★★★★★★★★★
マスコットキャラクターデザイン募集

 消防の広域化をきっかけに、皆さんが消防をより身近に感じて、消防について理解を深められるよう、火災予防や防災イベントなどに登場するマスコットキャラクターのデザインを募集します。消防をアピールでき、世代を問わず広く愛されるデザインをお寄せください。

○応募方法:
 マスコットキャラクターのデザインを所定の応募用紙またはA4判用紙に書き、県西部消防広域化協議会事務局(企画政策課)まで直接お持ちいただくか、郵送またはEメールで応募してください。
○応募資格:どなたでも応募できます(年齢、住所は問いません)
○応募期間:8月1日水曜日から9月28日金曜日まで(郵送[当日消印有効]、Eメールの場合は9月30日日曜日まで)
○賞および副賞 :最優秀賞(1点)10万円分の商品券
※ 詳しくは、各消防署またはホームページで、募集ちらし、応募用紙をご確認ください。
★★★★★★★★★★

====================
#02 出会い…そして、地域活性化 小田原コン
====================

今や全国各地で開催されるようになった「街コン」。
数百人、多いものでは千人以上が参加し、複数の飲食店で交流する大規模な男女の出会いの場。
小田原の「小田原コン」は、昨年11月、今年3月、6月と3回開催され、参加者は徐々に増え、第3回には650人が参加しました。
出会いの場だけでなく、「地域活性化」の一翼を担っています。

-------------------------------------
いいことたくさん小田原コン!
参加者が、参加店舗が、街中が笑顔に
-------------------------------------
小田原コン実行委員会
安齋さんと小川さんに聞きました

どうして街コンを始めたの?

 他県で行われていた「街コン」のようすをテレビで見たときに、街に人があふれていて、勢いがあり、エネルギーを感じました。自分たちも「街コン」を企画して、街を元気にできたらよいと思い、動き始めました。

小田原で開こうと決めたのはなぜ?

 私たちは、二人とも福島県出身で、現在は東京都内に住んでいます。
 都内と比べ若い世代が少ない街を、少しでも元気にしたいという思いがありました。実際に小田原を訪れると、街の雰囲気はとてもよいのに、若い世代が街中に少ないと感じました。
 全国的なチェーン店ではなく、地元の人が経営している魅力的なお店に参加してもらえれば、小田原らしい「街コン」になるのではないかと思い、小田原に決めました。
 また小田原には、参加者を集めやすい交通の便のよさもあります。

実際に開催してどうでしたか?

 小田原に来るたびに、おいしい食べ物にも出会え、小田原が大好きになりました。
 店舗に参加を呼びかけた際には、小田原とゆかりのない自分たちに、なかなか賛同してもらえなかったこともありましたが、話を重ね、信頼してもらえるようになってからは、他の店を紹介してもらうなど、小田原の人の温かさに触れました。

参加者にいいことは?

 もちろん、結婚相手を探す「婚活」ができること。「小田原コンで勇気を出して話しかけた女性と、お付き合いできました」と喜びの声も届いています。また、異業種や異世代の人との交流の場としても楽しむことができます。
 小田原コンをきっかけに、知らなかった飲食店を訪れることもでき、小田原の街の魅力を発見できます。

参加店舗にいいことは?

 小田原コン当日は、必ず一定の売り上げがあります。中には、「開店以来、最高の売り上げを記録した」という店舗もあります。
 午後5時に小田原コンが終了した後も、市街地の飲食店を訪れる参加者もいます。
 小田原コンで、初めて訪れ、料理や店の雰囲気が気に入れば、再び訪れるきっかけにもなります。そのような流れができるように、参加店舗には、参加者が後日来店すると、サービスが受けられるような協力もしてもらっています。

小田原の街にいいことは?

 「初めて小田原に来た」という参加者も多く、街全体のにぎわい創出につながっています。
 小田原コンは、小田原を新たに知ってもらうよい機会です。飲食店だけでなく、美容院にも協力を呼びかけ、参加者がヘアアレンジのサービスを受けられるようにしたり、受付会場に地元アーティストの出店ブースを設けたり、工夫しています。
 各店舗で、乾杯の際には、小田原柑橘倶楽部のご当地サイダーを使ったカクテルを用意してもらうなど、小田原らしさを演出し、いろいろな面で参加者に小田原の魅力を感じてもらっています。

★★★★★★★★★★
多くの人が関わって

 「街に若者を呼ぶ企画が必要と考えていたが、大人ができなかったことを若者がやっている」と、お堀端商店街振興組合理事・事務局長 石井守さんは言います。商店街では予算を組み、小田原コン開催日に北條太鼓の演奏でにぎわいづくりをしました。3回の開催で見えてきた課題もあります。「小田原コンを継続し、発展させていくためには、もっと多くの人の関わりが必要」。
 同組合理事・事務局の江田春男さんは、「お城を生かした企画をしていけたら」と今後の広がりに期待を寄せます。
★★★★★★★★★★

★★★★★★★★★★
-------------------------------------
小田原をさらにPR 小田原コン連動企画「まち歩きツアー」
-------------------------------------
【問】広報広聴課 電話 0465-33-1262

 6月2日の第3回小田原コンでは、参加者から希望者を募り、小田原コン開始前に、約1時間半の「まち歩きツアー」を実施。市広報広聴課職員の案内で、小田原城、街かど博物館を中心に、市街地を巡りました。
 市外のみならず、市内からの参加者も多く見られました。市外のかたに、小田原を知ってもらうだけでなく、地元の人にも、ふだんはあまり訪れたり、立ち止まったりすることのない場所で、小田原の魅力を再発見・再認識してもらうことができました。

市街地に、土塁や石垣など、歴史を知るポイントがあって面白い!
久しぶりに城址公園に来たら、整備されていて驚いた!
新たな発見も多く、小田原のまちをもっと知りたいと思った!
思っていたより、見どころがあった!
★★★★★★★★★★

====================
#03 世界が注目した小田原の画家 井上三綱
====================

国際的に活躍した画家・井上三綱(1899~1981)が、小田原市入生田にアトリエを構えてから、60年目にあたる今年、ご遺族の井上晧子さんより本市に、その貴重な作品を寄贈していただきました。
これを記念して、松永記念館で特別展を開催します。
【問】郷土文化館 電話 0465-23-1377

-------------------------------------
井上三綱と小田原
-------------------------------------
 井上三綱は、1899(明治32)年、福岡県八女郡(現・筑後市)の竈門神社宝満宮の神官の家に生まれました。16歳の頃から絵を学び、郷里で小学校の教諭をしながら制作を続けていましたが、22歳の頃、恩師の勧めで上京します。
 三綱が小田原に来たのは、酒匂尋常高等小学校(現・小田原市立酒匂小学校)に赴任した1926(昭和元)年、27歳の時でした。
 その後、たゆまぬ努力により、自らの画境を切り拓いていった三綱は、神奈川県西部の作家たちとも交流を持ち、1931(昭和6)年、小田原の芸術家たちとともに相州美術会(西相美術協会の前身)を結成、美術展を開催するなど地域の美術の発展にも力を尽くしました。
 52歳で、入生田の長興山にアトリエを構え、1981(昭和56)年に82歳の生涯を終えるまでこの地で過ごしました。

-------------------------------------
三綱の目指した世界
-------------------------------------
 小田原に赴任した年、三綱は同郷の洋画家・坂本繁二郎を訪ね、以後、生涯の師として仰ぎます。初めは坂本の影響を強く受けた油絵を描いていましたが、次第に彫刻のもつ造形性への関心を深め、描く対象が持つ奥行きを表現することを課題とし、「彫刻の持つ奥行きの感じ」を学ぶため、31歳の時に、小田原の彫刻家・牧雅雄の門をたたきます。
 三綱自身は次のように語っています。「私の仕事の目的は至極簡単で、物を眺める二次元的物の見方から、三次元に視覚を変えるということである。もっと、これを説明すれば、物は見るもの、眺めるもの、という観念から、物を奥行きの感じで見る、ということである」。
 また、三綱は、自らの世界を表現するため、さまざまな技法を組み合わせています。紙や胡粉で下地を作り、絵の具を重ねた後で、画面の表面を削り出したり研ぎ出したりすることで独特の絵肌が創り出されました。下地の彩色層から浮かび上がった輪郭線、何層にも重ねられた色彩が複雑に折り重なる作品は、古色を帯びた壁画のような風合いを持っています。

-------------------------------------
海外からの評価と交流
-------------------------------------
 西洋の模倣に終わらない独自の表現をたたえた作品は、ジャパンタイムズ美術記者エリーゼ・グリリーに「三綱は片足を東洋に、片足を西欧に踏まえて、悠然と立っている」と評されました。物理学者ロバート・オッペンハイマーは「あなたの絵には時間が出ている」と三綱を絶賛しています。
 また、当時ニューヨークで活躍していた彫刻家イサム・ノグチや画家ベン・シャーンたちも三綱の実力を認め、親しく交流しました。

★★★★★★★★★★
-------------------------------------
受贈記念特別展「井上三綱 -入生田のアトリエから-」
8月4日土曜日~9月17日祝日
-------------------------------------
 松永記念館では、1984(昭和59)年の特別展、2003(平成15)年と2008(平成20)年の平常展で当館が所蔵する三綱の作品を紹介してきました。このたび寄贈していただいた作品は、作家自身が晩年まで手元に置いていたもので、これまで一般に知られていなかったものも含まれます。本展が、井上三綱の目指した表現を再考する機会となれば幸いです。

時間:午前9時~午後5時
場所:松永記念館本館、別館展示室
観覧料:一般500円、大学・高校生300円、中学生以下無料

関連行事:ギャラリートーク
 今回の特別展の開催に協力いただいた日本画家・芳澤一夫さんと担当学芸員によるギャラリートークを行います。
日時:8月11日土曜日 (1)午前11時~/(2)午後2時~ (各回約40分)
場所:松永記念館
申込:郷土文化館に電話で 定員 各20人(先着順)

特別展の見どころ
郷土文化館  学芸員 中村暢子
 井上三綱は、牛、馬、人物など、一つのモチーフを繰り返し描いた画家です。今回の寄贈作品の中には、「牛群像」「黄鐘調」などの代表作の習作と思われるものが含まれており、それらを見ると、三綱が描きながら形を創り、作品を展開していったようすがうかがえます。創作の過程を探究しうる作品として貴重であり、今回の特別展の見どころの一つです。
 画材の持つ手触りと折り重なる色彩が醸し出す独特の造形世界をぜひご覧ください。
★★★★★★★★★★

====================
#04 集団生活で育む食育 中学生と園児の交流
====================

なぜ今、「食べる」ことが、これほど大事と言われているのでしょうか。
かつて、人は協力して食材を生産し、分かち合って食べ、絆を深めていました。
そして今、集団生活における食を通じ、交流しながら学んでいる子どもたちの姿があります。

-------------------------------------
未来につなげて体と心を育む
-------------------------------------
 しっかり食べることの大切さを伝え、楽しく食べる子どもに育ってほしい。成長を続ける子どもたちには、未来を見据えた取り組みが必要です。ここでは、小田原市が推進している「未来へつながる学校づくり推進事業(※)」の取り組みを紹介します。
 ※未来へつながる学校づくり推進事業とは…
  市内全6幼稚園、全25小学校、全11中学校では、「子どもの学びと育ちを地域ぐるみで支えていく園・学校づくり」を目指して、小田原のよさを生かしていく取り組み。

-------------------------------------
中学生と園児が収穫 学校を超えて取り組む
-------------------------------------
 昨年から、城北中学校と桜井保育園では、トマトの収穫を一緒に行っています。
 7月10日、園児が徒歩約5分の中学校を訪れ、中学2年生35人と園児55人がにぎやかにトマトを収穫しました。
 保育園でミニトマトは育てていても、一回り大きなフルーツトマトをお兄さん、お姉さんと収穫できるとあって、園児たちもとても楽しそうです。
 一緒に取ったトマトのヘタを取り、よく洗ってそのまま食べれば「おいしい」、「すっぱい」と表情豊かに会話も弾みます。中学生と仲良くなって、手をつないで遊ぶ子もいます。「トマトが苦手な子は食べられるようになってほしい」と園児を思いやる中学生の姿。「園児がみんな笑顔でうれしい」、「育ててよかった」達成感が表れた瞬間です。
 トマト栽培は、技術・家庭科で行い、買い物かごを使う「バスケット栽培」で、苗から育てました。1本の苗から40~50個のトマトを収穫できるため、調理実習では、トマトを使ったリゾットを作りました。「食材のいため加減が難しい」と言いながらも、生徒たちは自分で育てた野菜を使った料理の味は「おいしかった」と言います。

-------------------------------------
分かち合う姿 子どもなりの社会
-------------------------------------
 園児に付き添う、桜井保育園 石塚明子副園長は、「中学生は、一生懸命育てたトマトを自分たちだけで食べるのではなく、園児にも分けてくれました。園児が大きくなったら、きっと同じようにすると思います」と将来の園児の姿に思いをはせます。

-------------------------------------
展開を見せる食育 地域への愛着心
-------------------------------------
 「自分で栽培したものを食する大切さを伝えたい」と城北中学校 小野弘之教頭は中学生自らが野菜を育てる目的を話します。野菜を育てる過程で、自分の食べている食物の成り立ちについて学んでいます。
 保育園と連携することは、「園児のように幼い頃から地域の中学校に親しみが持てるような環境を作ること」、「生徒が地域の一員としての自覚を育むこと」につながっていくと言います。また、今回の保育園との交流は、津波を想定した城北中学校と桜井保育園の合同防災訓練へとつなげていくねらいもあります。

-------------------------------------
忘れられない味を かみしめる大切さ
-------------------------------------
 野菜を育て、食を通して地域との関わりを持ち始めた中学生と園児たち。今回、一緒にかみしめたトマトの味は、ふだんの食卓で味わうトマトとは、一味違ったはずです。
 中学生は、自分たちが育てる苗が大きくなり、やがて実がつき、色づいていく成長を見守ったからこそ、特別なトマトの味となり、また園児たちにとっても、中学校を訪れ、中学生と一緒に味わったからこそ、特別なトマトの味となります。
 自分で育てた味、仲間と収穫し、皆で食べる獲れたての味。食べ物や人と関わる活動を通じ体験できる特別な味、忘れられない味が、子どもたちの「食べ物を大切にする気持ち」を育んでいきます。

-------------------------------------
SHISEI ~至誠・市政~ 芸術文化の力
小田原市長 加藤憲一
-------------------------------------
 小田原・入生田にアトリエを構え芸術活動に打ち込んだ、郷土が誇る画家・井上三綱氏の特別展が、8月4日から、松永記念館で開催されます。没後30年以上が経過し、既に多くの作品が小田原以外の美術館などに散逸している中で、ご遺族が所蔵されていた貴重な未発表の作品群が、80点余り市に寄贈されたことを受けての企画です。また、貴重なデッサンや下書きの類なども改めて寄贈いただけるとのこと、三綱ファンならずとも、世界的に評価された芸術とその成り立ちを、身近に感じる機会が増えそうで、大変うれしく思います。今後、さまざまな形で、三綱氏の芸術活動に関する企画展が実施できることでしょう。
 このことに限らず、最近小田原では、芸術文化活動の新たな動きが活発化しています。無尽蔵プロジェクト「芸術文化の創造」では、店舗やストリートなどで芸術作品を身近に感じられる「街なか・ぶらりミュゼ」など多彩な企画が展開中。市民の皆さんによる「小田原ミュージアムプロジェクト(OMP)」では、1月に長谷川燐二郎展を開催、高く評価されました。やはり無尽蔵プロジェクトの「ものづくり・デザイン・アート」では、小田原の伝統的な木工職人の皆さんと、現代アートの作家さんたちのコラボレーション「もあ展」が、回を重ねています。昨秋は、富水の「すどう美術館」の須藤館長ご夫妻のご尽力などで、小田原では初めての「アーティストインレジデンス」が開催。また、清閑亭では、さまざまなアートイベントが、年間を通して目白押し、等々。
 芸術文化の世界を詳しく語れるだけの薀蓄を私は持ち合わせていませんが、それでもハッキリと感じるのは、芸術文化、すなわちアートが、それを作り出す過程においても、それを鑑賞し触れるときにも、理屈ではない、底知れぬエネルギーを与えてくれるということです。ときに激しく、ときに静謐な感動が、人が困難に立ち向かったり、新たなことにチャレンジするときのエネルギーになる。そう感じます。
 もとより、さまざまな人たちが集い、交流し、多彩な文化を育んできた小田原。3月には、「文化振興ビジョン」が策定され、その具体化への議論も始まっています。優れた芸術文化を受け継ぎ、そして大切に産み育てようという機運を、ますます盛り上げていきましょう。

====================
#05 市長の現場訪問
====================

-------------------------------------
現場で感じる市民の力
皆さんの活動現場にお伺いします
-------------------------------------
小田原には、数多くの市民団体があり、その活動はとても盛んです。
「市長の現場訪問」では、活動の現場にお伺いし、意見交換などを通じて、活動する皆さんの考えを肌で感じ、今後の市政に生かしていきたいと考えています。
平成23年12月~平成24年4月の訪問のようすをご紹介します。
【問】広報広聴課 電話 0465-33-1263

-------------------------------------
H23.12.20
地域の子どもを地域が育む 桜井子どもを守る会
-------------------------------------
 平成17年から、桜井小学校児童の登下校を見守っている「桜井子どもを守る会」。
 見守り活動に参加し、通学路の安全確保や子どもたちとのコミュニケーション、地域のつながりなどについて意見交換をしました。
 活動当初、小学生だった子どもたちとは、中高生になった今でも挨拶を交わすそうです。子どもたちを見守る皆さんの姿は、通学路の原風景として、桜井地区の子どもたちの心に深く刻まれています。

-------------------------------------
H24.2.2
バリアフリー交流の場 NPO法人 サポートKAZE
-------------------------------------
 平成19年から、医療関係者の皆さんが集まって発足し、障がい者の支援を行っている「サポートKAZE」。
 平成22年から開いている、障がいの有無に関わらず、誰でも参加ができ、楽しく語り合い、学び合える場「ふれあいKAZE」を訪問しました。
 専門的な知識と経験をベースに、個性あふれるプログラムが用意され、参加者の皆さんが安心して楽しめる「交流の場」となっています。

-------------------------------------
H24.2.22
みんなで囲む楽しい食卓 富水ともしび会
-------------------------------------
 30年以上、一人暮らしの高齢者を招いて昼食会を開いている「富水ともしび会」。
 心待ちにした参加者を、手作りの料理でもてなす昼食会に参加し、食後は皆で体操やカラオケを楽しみました。
 長年続く活動の裏には、参加される高齢者の増減や送迎の問題などもありますが、会員の皆さんの心温まる手料理が、参加者を笑顔にしています。

-------------------------------------
H24.4.21
外出時のお手伝い NPO法人 車窓の会
-------------------------------------
 平成10から、障がい者や高齢者などが外出する際の送迎活動を行っている「車窓の会」。
 自宅から病院への送迎活動に参加し、障がい者や高齢者を取り巻く環境、地域公共交通のあり方などについて意見交換をしました。
 一日中、家の中で過ごす高齢者の姿を見て始まったこの活動は、現在、病院や施設への送迎が主ですが、買い物に行きたいなどの要望もあります。外出支援の幅を広げられないかなど、意欲的に検討しています。

====================
#06 おだわら情報
====================

-------------------------------------
ポリオワクチンの種類と接種方法が変わります
9月から不活化ポリオワクチンの個別接種が始まります
-------------------------------------
【問】健康づくり課 電話 0465-47-0820

ポリオワクチンが、生ワクチンから不活化ワクチンに変わります。
生ポリオワクチンは口から飲む経口接種でしたが、不活化ポリオワクチンは皮下注射になります。
健康カレンダーなどでお知らせした10~12月の保健センターや小田原アリーナでの生ポリオワクチンの集団接種は中止となります。9月からは、医療機関での不活化ポリオワクチンの個別接種になりますのでご注意ください。

不活化ポリオワクチンの接種回数・年齢について
 対象年齢は、生ポリオワクチンと同じく、生後3か月~7歳6か月未満です。
 不活化ポリオワクチンは、初回接種3回、追加接種1回、合計4回の接種が必要です。
 標準的な接種年齢などは次のとおりです。
●初回接種(3回):生後3か月~12か月の間に3回(20日~56日の間隔をおく)
●追加接種(1回):初回接種の12か月~18か月後に1回
※標準的な接種年齢を過ぎた場合でも、7歳6か月未満は初回・追加接種を受けることができます。
※現時点で、追加接種は定期予防接種の対象外のため、有料となります。今後、臨床試験のデータが整い次第、定期予防接種に導入する予定です。

Q&A
すでに生ポリオワクチンを接種していたら?
●生ポリオワクチンを1回接種している場合、9月以降に不活化ポリオワクチンを3回接種します。
●生ポリオワクチンを2回接種している場合、不活化ポリオワクチンの接種は必要ありません。

すでに不活化ポリオワクチンを接種していたら?
●これまでに海外などで、不活化ポリオワクチンを1~3回接種している場合、不足分の接種を受けてください。
 なお、9月以前に不活化ポリオワクチンを接種した場合の費用は自己負担となります。

★★★★★★★★★★
4種混合ワクチンの導入について
 国では、11月を目標に、3種混合ワクチン(ジフテリア・百日せき・破傷風)に不活化ポリオワクチンを加えた、4種混合ワクチンの導入を進めています。スケジュールなどが決まり次第、お知らせします。

●注意:乳児が百日せきにかかると重症化し、命に関わることもあります。4種混合ワクチンの導入を待つことは危険ですので、3種混合ワクチンを接種してください。
★★★★★★★★★★

厚生労働省 ポリオワクチン
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/

-------------------------------------
総合防災訓練を実施します
-------------------------------------
【問】防災対策課 電話 0465-33-1856

防災意識の向上を図るため、自主防災組織、防災関係機関、行政機関による防災訓練を行います。
実施地区:緑、新玉、万年、幸、十字、芦子、二川、久野、大窪、早川地区

広域避難所運営訓練(宿泊訓練)
 日時:8月25日土曜日 午後4時~26日 日曜日 午前7時
 場所:三の丸、新玉、芦子、大窪、早川、久野の各小学校体育館など
 内容:炊き出し、給水、避難誘導、応急救護、仮設トイレ設置、避難者カード記入、防災情報システム入力など

総合防災訓練(発災シナリオ型)
 日時:8月26日 日曜日 午前9時~11時30分
 場所:富士フイルムグラウンド、足柄小学校グラウンド
 予定参加人数:約1,600人
 訓練想定:県西部地震(マグニチュード7.0 市内最大震度7)
 内容:要援護者避難、消火および応急救護、情報受伝達、救出救助、医療救護、緊急支援要請、ライフライン点検・復旧、道路啓開など
 協力団体:50団体
※8月26日日曜日は、二川地区の防災行政無線で訓練情報を放送します。
 1回目:午前7時15分頃 訓練開始放送
 2回目:午前11時30分頃 訓練終了放送

●ご家庭で非常時持ち出し品や避難場所・避難経路の確認をしましょう。
●災害時の家族間の連絡方法を話し合っておきましょう。

-------------------------------------
安全安心なまちづくりを進めよう
-------------------------------------
【問】小田原警察署 電話 0465-32-0110
   地域安全課  電話 0465-33-1396

多くの地域で、防犯パトロールや子どもたちの見守りなどの地域防犯活動に取り組んでいます。
安全安心なまちづくりを進めるためには、地域での取り組みが重要です。家族の絆を強め、隣近所の付き合いを大切にし、地域での顔見知りを増やしましょう。積極的に地域活動に取り組み、安全安心なまちづくりを進めましょう。

小田原警察署管内 防犯指導員
 防犯指導員は、小田原警察署長から委嘱を受けて、犯罪抑止活動に取り組むとともに、地域と警察のパイプ役を担っています。

(平成24年4月1日現在、敬称略)
緑地区:栗田康宏
新玉地区:稲葉正亮
万年地区:加藤俊雄
幸地区:中西敏夫
十字地区:本多邦夫
足柄地区:佐藤豊
芦子地区:植田昌弘
二川地区:磯崎俊夫
東富水地区:竹縄博幸
富水地区:香川敬明
久野地区:遠藤富雄
大窪地区:三宅俊郎
早川地区:大坪孝壽
山王網一色地区:奥村栄
下府中地区:鈴木幹二
桜井地区:柏崎誠一
豊川地区:栢沼正行
上府中地区:近藤幸男
下曽我地区:柏木政弘
国府津地区:韮山信
酒匂・小八幡地区:加藤孝雄
片浦地区:矢子昇
曽我地区:竹井昌幸
橘南地区:小島栄
橘北地区:猪股常夫

防犯指導員協議会会長 三宅俊郎さん
 私たち防犯指導員は、市内25地区に1人ずついます。警察や市と連携を図りながら、青パト(青色回転灯装備車)での防犯パトロールや、地域の高齢者を対象に防犯教室を開催しています。また、地域での防犯の注意ポイントをまとめたちらしを作成し、回覧を行うなど、さまざまな犯罪抑止活動を行っています。
 地域の皆さんと力を合わせて、安全安心なまちづくりを実現していきましょう。

注意してください!
(1)振り込め詐欺
 今年6月末までの小田原警察署管内の振り込め詐欺発生件数は4件、被害総額は約340万円です。県内での発生件数は約250件、被害総額は約6億4,000万円となっています。

 手口はさまざま!
  ●身内を名乗る手口
   子どもや孫など身内を名乗り、「携帯電話の番号が変わった」と連絡した後、「急にお金が必要になった」とだまし、お金を振り込ませたり、自宅や指定場所に現金を受け取りに来ます。

  ●警察官などを名乗る手口
   警察官や銀行などの職員を名乗り、「あなたの口座が犯罪に使われた」などとだまし、暗証番号を聞き出し、キャッシュカードを受け取りに来ます。

 こんな電話に気をつけて!
  ●携帯電話の番号が変わった
  ●会社のお金を使い込んだ、なくした
  ●かばんを電車(バス・タクシー)に置き忘れた
  ●医療費、税金、社会保険料などを還付します
  ●友人の借金の保証人になった
  ●女性を妊娠させてしまった
  ●会社の上司、同僚が代わりにお金を取りに行く
  ●キャッシュカードを取りに行く
  ●暗証番号を教えてほしい

(2)自転車の盗難
 市内で最も多い犯罪が、自転車の盗難です。盗難に遭った自転車の約70%は無施錠で、アパートや自宅の敷地からも盗まれています。「すぐに戻るから」、「自宅だから」と油断せず、必ず鍵をかけましょう。鍵は二重にすると、より効果的な盗難防止になります。

(3)空き巣被害
 近所への買い物やごみ出しなど、少しの時間でも戸締まりをしてください。玄関や窓の鍵は1か所だけでなく、補助錠をつけると効果的です。
 また、空き巣狙いは人に見られるのを一番嫌がります。日頃から見かけない人や業者風の人にも「こんにちは」、「どちらに御用ですか」などと声をかける「あいさつ運動」を地域で進めましょう。

-------------------------------------
黙とうをささげましょう
-------------------------------------
 8月6日月曜日は広島に、9日木曜日は長崎に原爆が投下された日です。
 また、15日水曜日は戦没者を追悼し、平和を祈念する日です。
 1分間の黙とうをささげましょう。

====================
#07 今月の笑顔
====================

ammoflight 飛躍中!
この夏は、小田原在住のピュアポップバンドに注目

 津久井恒仁さん(ボーカル・ギター)
 久保田庸友さん(ギター)
 鳥居塚尚人さん(ベース)
 葛西一茂さん(ドラム)

小田原在住のピュアポップバンド「アンモフライト」をご存じですか。
今年3月に発売したメジャーデビューシングル「桜グラフィティ」は、TBSテレビの音楽番組「カウントダウンTV」のエンディング曲にもなりました。
現在、人気急上昇中のバンドです。

 メンバー全員が小田原市出身。平成20年3月に結成し、市内鴨宮のライブハウス「姿麗人」で主に活動しています。
 「アンモフライト」とは、「古代生物アンモナイトが空を飛ぶほどの飛躍」を見せたい、という思いを込めてつけた造語。今もメンバー全員が小田原に在住し、更なる飛躍を目指し頑張っています。
 これまでに2枚のミニアルバムを発売し、2度の全国ツアーを展開。また、「スーパーステップ」という曲が、4月からNHK Eテレで放映されているテレビアニメ「ファイ・ブレイン 第2シリーズ~神のパズル」のエンディング曲に使われています。
 思わず歌いたくなる印象的なメロディーと、自分や社会に葛藤しながらも、明日や愛を強く信じる歌詞の世界観は、聴く人を笑顔にすると評判で、中高生を中心にファンが急増しています!

「アンモフライト」より
 小田原の皆様、初めまして「アンモフライト」です。
 小田原という街に育まれた僕ら一人一人の人間性や、この街で生まれた感情は、「アンモフライト」というバンド、そして僕らが鳴らす音楽にとって本当に欠かすことのできないものです。生まれ育ったこの街を大切に思い、出会った人たちに感謝しながら、これからもたくさんいい作品を作って、羽ばたいていきたいと思います。
 応援よろしくお願いします!

★★★★★★★★★★
8月8日は「ドットの日」 この夏、“どっと”好きになる
 今月22日には、セカンドシングルの「夏色ドット」を発売予定。「水玉スカートの君に恋をした」というデートソングとなっています。
 タイトルの「ドット」は水玉模様を意味しており、「夏色ドット」をPRする意味も込めて、“○”(ドット)が4つあるように見える8月8日を、「ドット(水玉模様)の日」として制定することになりました。
 8日には小田原駅前の北條ポケットパークで、セカンドシングルと「ドットの日」制定をPRするイベントを開催します。全国で活躍する地元のバンドを皆で応援しましょう!
★★★★★★★★★★

★★★★★★★★★★
「アンモHi!スクール」を開校
小田原市内某所に秘密基地が?!
 「アンモハウス」という秘密基地を市内某所に作り、そこに「アンモHi!スクール」を開校。インターネットの動画共有サービス「USTREAM(ユーストリーム)」で、毎月第2、第4木曜日の午後9時から1時間、授業のようすを放送しています。
 小田原からメンバーの魅力を発信中です。
★★★★★★★★★★

====================
#08〈連載〉市民力
====================
-------------------------------------
花の植栽、手入れ&歩道の清掃
第29区自治会
-------------------------------------
 第29区自治会では、国土交通省の「ボランティア・サポート・プログラム」を利用して、国道1号(南町)の歩道の清掃や花の植栽、手入れを始めました。
 「ボランティア・サポート・プログラム」は、実施団体が、道路管理者、協力者との3者協定を結び、清掃・植樹管理などを行うものです。道路管理者である横浜国道事務所は、作業に必要な手袋や移植ごてなどの支給、安全指導を行い、協力者の小田原市は連絡窓口となります。
 このプログラムの実施に当たり、自治会副会長の小西正人さんや、今回組織した実行委員会の委員長である小野美代子さんを中心に準備を進めました。6月17日には35人ほどが参加し、手分けして歩道脇の花壇に花の苗を植えました。小西さんは、「城下町にふさわしいように地域をきれいにしたい。自治会がこのプログラムを利用して、歩道を清掃し、花を植え、手入れするのは、市内で私たちが初めてなので、他の地域にも広がるように、順調に進めていきたい」と話します。
 横浜国道事務所小田原出張所の市川秀樹さんも、「この地域は、以前から皆さんが自宅前の歩道などをきれいにしていました。このプログラムで、花が咲いてさらにきれいになり、また環境美化の意識が広がるのではないか」と期待を寄せています。

-------------------------------------
〈連載〉キラリ若人
みなぎる可能性、描く夢、そして、奏でる未来。このコーナーでは、若者たちの活躍する姿やメッセージをお届けします。
-------------------------------------
久野小4年 小島太一さん
東日本大震災復興事業記念貨幣のデザインに
-------------------------------------
 財務省が一般公募した東日本大震災復興事業記念貨幣のデザインに、久野小学校4年の小島太一さんの作品が選ばれ、6月11日に、財務省で授賞式が行われました。
 小島さんの作品は、応募総数2,673件から6作品が選ばれたうちの一つで、日の丸を持った男の子と、「がんばろう日本」のメッセージがカラフルにデザインされています。「みんなでがんばろうという気持ちを表したかった。文字の色を変えて塗るなど工夫した」そうです。
 「図工では絵を描くことよりも、何かを組み立てる方が好き」で、今回の受賞には、小島さん本人もお母さんも大変驚いたと言います。
 前田教育長に受賞の報告をし、「久野のヒーローだね」と声をかけられると、「友達に、『握手してください』『サインしてください』と言われた」と、照れながら笑顔で答えていました。
 記念貨幣は、東日本大震災の復興費用に充てる「個人向け復興応援国債」の購入者に贈られるもので、一部は造幣局から抽選で選ばれたかたに販売される予定です。

====================
#09〈連載〉おいしい小田原いただきます
====================
おいしい小田原の味をかみしめながら、小田原の魅力を、もっと考えてみませんか。このコーナーでは、小田原のおいしい話題をお届けします。

-------------------------------------
みずみずしさが最高です 足柄梨
-------------------------------------
足柄梨の歴史
 足柄梨は、明治末期から栽培が始まりました。
 もともと水田であった場所で主に作られたため、豊富な水分に恵まれ、育てることができました。
 太平洋戦争中、果実や花よりも穀類を増産した時期もありましたが、安定した収入が期待できる梨は、戦後、栽培が盛んになりました。
 しかし近年は、環境の変化や後継者不足により、生産者が減り、飯泉で足柄梨を栽培している鈴木さんご夫妻は、「かつて飯泉地区では、20軒以上の農家で梨を作っていたが、今では2軒ほどになってしまった」と残念がります。

収穫時期を楽しみに
 4月半ば、梨の白い花が咲きます。咲いた花には、人工授粉を行い、5月に入ると小さな実がつき始めます。それから収穫までの間は、余分な実を落として、選んだ実に栄養を集中させる摘果が大切な作業となります。
 8月、いよいよ収穫時期を迎えます。お盆の頃に足柄梨を楽しみにしているというお客様も多く、鈴木さんご夫妻は「心待ちにして、喜んでくれるお客様の存在が励み」と笑みを浮かべます。

一年を通して手をかける
 収穫を終えると、梨園に肥料をまきます。その後、落ち葉とともに、土を耕します。余分な枝を切り(剪定)、日当たりをよくすることで、残した枝に栄養が行き渡るようにします。
 梨園では、170~180センチほどの高さに針金で柵を作り、枝が横に広がって育つようにひもで縛る作業(誘引)も欠かせません。
 一年を通し、手をかけてこそ、おいしい梨を収穫することができるのです。

太陽と水の恵
 鈴木さんご夫妻は、「梨づくりには、太陽と雨が何よりも大切」と言います。「春の授粉作業も、花の開き具合や、空模様と相談しながらの作業で、夏に収穫するまでは、雨が降りすぎても、降らなくてもよくないのです」。
 以前には、台風により、収穫寸前にほとんどの実が落ちてしまったこともあったそうです。「天候に恵まれるように」と切に祈りながら、多くの愛情を注いで梨を育てています。

★★★★★★★★★★
一日農業体験学習
梨狩りと梨のお菓子作り

―参加者募集中―
8月25日土曜日 午前9時~12時
申込:農政課 電話 0465-33-1494

足柄地区農業経営士会が、毎年8月に開催している梨狩りと梨のお菓子作り。
参加者が作る「梨のフライパンケーキ」の作り方をご紹介します。

梨のフライパンケーキ
材料
●梨 1個
●砂糖 大さじ1
●バター 大さじ1
ケーキの生地
●ホットケーキミックス 100グラム
●卵(Mサイズ) 1個
●牛乳 50ミリリットル
●砂糖 大さじ2
●溶かしバター 大さじ1

1 梨の皮をむき、16等分のくし型に切り分ける。
2 フライパンにバター、梨、砂糖を入れ、焦げないように焼く(弱火で3分程度)。
3 ボールに、溶かしバター以外のケーキの生地の材料を入れ、泡だて器で混ぜ、さらに溶かしバターを加え、なめらかになるまで混ぜる。
4 2の梨を並べ直した上に3のケーキの生地を流し入れる。
5 フライパンの蓋をして、弱火で約10分蒸し焼きにする。竹串を刺し、生地が付かなければでき上がり。
★★★★★★★★★★

====================
#10〈連載〉駅のある風景
====================
市内には、18もの駅があります。
毎日の、特別な日の、出発の駅。
帰ってきた安らぎを感じられる駅。
あなたの駅を訪ねます。

-------------------------------------
井細田駅
-------------------------------------
1926年開業、1日の平均乗降者数は2,682人

 市内で小学校に一番近い駅、井細田駅には、元気な子どもの声が聞こえます。
 駅前の踏切を渡り、東へ進むと、クスノキが濃い緑の葉を茂らせる井細田八幡神社。約400年前に建立され、井細田村の鎮守として人々に親しまれてきました。長い歳月をかけて大きく育った木々は、昭和50年に市の保存樹林に指定されています。
 神社を後にして、国道255号を渡り、まっすぐ歩くと古甲州道と言われた県道に突き当たります。壁面のように提灯が並ぶ足下地蔵尊には、日が暮れると明かりが毎晩灯ります。目を凝らして堂内をのぞくと、その名のとおり片足を下げた「足下地蔵」が鎮座しています。
 江戸時代には、職人兼商人の店が散在したという古甲州道は、「旧道」と呼ばれ、今なお商店が連なります。曲線の多いこの道が、小田原城下と山梨方面を結んできた、歴史を物語っています。

★★★★★★★★★★
広報 小田原
毎月1日発行
No. 1064
発行:小田原市 〒250-8555 小田原市荻窪300番地 市役所総合案内 電話 0465-33-1300
編集:企画部広報広聴課 電話 0465-33-1261 FAX 0465-32-4640 〈C〉小田原市2012・8
広報小田原は、資源保護のため再生紙を使用しています。

7月1日現在 小田原市の人口196,912人 78,782世帯
★★★★★★★★★★


ページトップ