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広報小田原 第1118号

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広報小田原 第1118号

平成26年11月1日 発行

#01 特集 「木づかい」のまち小田原
#02 小田原地下街 HaRuNe小田原 11月1日グランドオープン
#03 平成25年度決算に基づく市の財政は「健全段階」
#04 おだわら情報
#05 〈新連載〉探訪 わがまちの歴史資源/〈連載〉市民力
#06 〈連載〉みかんちゃんとジョー君の社会科見学
#07 〈連載〉おいしいよ!おいしいね!おだわらっこの給食


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#01 特集 「木づかい」のまち小田原
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小田原には、木に関わる活気ある取り組みがあり、力強い人がいます

小田原の市域面積の4割を占める森林。
豊富な資源があふれています。
これだけあるのに皆に知られていない資源。
その資源を活かし切れていなかった現実。
今、現実を受け止め、「木づかい」のまちを目指す取り組みが進んでいます。
「木」が生み出す小田原の魅力。

「木」と向き合う力強い人の姿。
小田原の木にまつわる取り組みや、関わる人を特集します。

川に例え、木を伐採・間伐し、森林をつくることを「川上」、製材など、木を加工することを「川中」、木を使うことを「川下」といいます。
豊富な木材資源に恵まれ、それぞれを行うプロがいる小田原では、地域内でこの「木のサイクル」が完結するのです。

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川上 森林をつくる
小田原の森林の今 間伐
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市内の森林には、戦後植林された樹齢40〜60年の木がたくさんあります。
きれいな空気を作り、地球温暖化防止に貢献する森林。
恵まれているとはいえなかった生育環境が、さまざまな人の手が入ることにより、今、よみがえろうとしています。

暮らしを守る森林
 本来、森林の木は、地面に光がさし込まなくなる前に間伐します。間伐で木の密度が低くなり、日が当たることで、一本一本の木が太く成長します。根がしっかり張ることで地盤を強め、土砂崩れなどを防ぎ、私たちの暮らしを守ります。
 手を入れた森林の土は、雨水の吸水性に優れています。時間をかけて地下深くまで水をしみ込ませ、ゆっくりとろ過し、きれいな地下水を作ります。地下水は、森林の水をからさず、少しずつ川に流れていきます。

森林は人とともに
 森林は、手を入れないで放置していると、私たちの暮らしを守る森林の力が弱まってしまいます。市では、これまで十分でなかった森林の手入れを進めています。次世代の木を育て、地盤の強度を保つため、間伐と木材利用に重点を置き、取り組んでいます。
 森林は、人の手が入ることで、力を発揮します。

森林で働く三世代
 甲斐義章さん(77歳)
   健資さん(47歳)
   文太さん(21歳)
 小田原駅から車で約30分。久野山中にチェーンソーの音が響きます。
 甲斐さん家族は、77歳の義章さんを筆頭に、三世代が森林で働いています。朝7時30分から日暮れまで、1日50本程度の木を黙々と伐り倒します。
 谷側からチェーンソーで伐り込み「受口」を入れた後、山側から刃を入れ、谷側に倒します。倒れる木は、周囲の木の枝に触れながら、大きな音を立てて倒れます。
 「慣れていても油断するとけがをする」と健資さんが言うくらい、倒れ始めた木は一瞬で地を打つ迫力があります。

引き継ぐ技
 幹に入れる受口の位置と角度で、木が倒れる方向が決まります。
 「もっと低く、もっと低くだ」
 文太さんは、受口の位置を指示する父・健資さんの声を頼りに、慎重にチェーンソーの刃を入れます。
 「林業で一人前に育てるには10年かかる。若い人を何人も雇える会社は少ない」中で、「小学生の頃から、作業現場には遊びに行くような感覚で行っていた」「子どもの頃から連れて歩いた」という親子は、毎日の経験で技術を引き継ぎます。
 40歳代でも若手。77歳の義章さんはまだまだ現役です。チェーンソーを自在に操り、健資さんが伐り倒した幹から枝を伐り落とすなど、身軽に動きます。文太さんは、祖父・義章さんの動きからも仕事を学んでいます。

材にする間伐
 間伐は木の見極めが大切。材にする木は大きく育ててから伐り、市場へ出荷します。
 間伐して5年も経つと木は育ち、再び森林には光がさし込まなくなってしまいます。
 「葉や枝が隣の木の葉に触れたら間伐して、空が見えるくらいが理想。だけど今は、作業が追いついていない」
 何十年もかけて育てたスギを1本伐って市場に出荷しても、少額にしかなりません。
 近年では、これまで以上に、木材の利用にも力を入れています。木の先の細い部分は加工して、ガードレールなどにしているそうです。それぞれの木に適した用途を探し、市場での価値を高め、採算が合うようにすることが課題です。

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地域の木を使ってほしい
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小田原市森林組合代表理事組合長

小泉清隆さん
 高校生の頃から山に入って、枝打ちなどをしてきました。
 当時の小田原の山には、ナラ・クヌギといった広葉樹が多く、薪や炭にしたものです。その後、国の方針でスギ・ヒノキの針葉樹に植え替えました。
 昔に比べると、今の山は手入れが行き届いていません。もっと地域の木を使っていけば、山は手入れされ、よくなっていきます。

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川中 木を加工する
木と語り合う 製材
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のこぎりなどを使い、丸太を用途に合った形状・寸法に加工する製材。
森林から伐り出した木を加工し、工務店などに渡す役目を担います。
「森林」と「製品」をつなぐ要ですが、担い手は減少しています。
その中でも、力強く働く人の姿があります。

小田原の製材
 木を使うことが多かった小田原には、かつて多くの製材所があり、そこで働く製材工も多くいました。流通が今ほど発達していなかったため、小田原の森林から伐り出した木を、地域の製材工が製材して、家を建てるのが普通でした。
 しかし、今では製材できる人が減っています。
 昭和30年代から安価な外国産材の輸入が進み、木材や家の建て方、依頼先などの選択肢も多様化しました。これらも、製材工が少なくなっている要因の一つとなっています。

製材工 大山謙司さん
小田原材への思い
「地域の材は、地域で使ってほしい」
 地域に木があるなら、その木を使うほうがいい。
 温度や湿度、気候に合って木もなじむ。地域材を使えば林業が活性化し、地域にお金が落ちる。お金が落ちれば山に手を入れることができ、森林が再生する。森林が再生すればきれいな水が川や海に流れ、魚が育つ。人の交流も生まれる。
 地域材を地域で使うことは、いいことばかりなんだよ。

適材適所と変化
「木の特徴や個性を見極めて」
 同じ種類の木でも、その土地土地によって特徴があるし、一本一本個性がある。その特徴や個性を活かして、適材適所で利用することが大事。
 あと、「この木はこれにしか使えない」という先入観は捨てて、木の伐り方や使い道を変化させることが必要。木を見て、触って、語りかけながら、「この木はこういうふうにしたほうがいい」っていう感覚が身についた。柔軟に考えなければ、木は活きてこない。
 「適材適所」と「変化」。一本一本違う特徴や個性を見極める楽しさがあるから、40年以上製材していても飽きないよ。

次の世代・後継者へ
「後継者が食べていけるように」
 後継者がいなければ、小田原の木の文化は途絶えてしまう。山があり、材が動くことで、木材業界が潤い小田原も活性化する。そうすれば、後継者が出てくる。
 そのためには、僕たちが小田原材で魅力あることをやって伝え、後継者がその仕事で食べていけるようにしなければならない。
 独りでは難しいと思うけれど、木に関わる人と接点を作り、一緒に新たな需要を見いだして、引き継いでいってほしいな。

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平成26年度「森の名手・名人」(森づくり部門)に選定
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 森や山に関わる技を極め、他の技術・技能者などの模範となっている達人を顕彰する「森の名手・名人」。公益社団法人国土緑化推進機構が選定しています。
 その平成26年度「森づくり部門」において、その技術が認められた大山謙司さんが、9月、「森の名手・名人」に選ばれました。

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おだわら木材流通センター
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 平成25年5月、小田原材の流通や森林の保全、林業・木材産業の活性化を目的に、「おだわら木材流通センター」が開設されました。
 間伐など森林の整備を行う「小田原市森林組合」と、木材の加工・流通を行う「小田原地区木材業協同組合」が共同で取り組むことにより、森林整備から木材利用に至る流通の連携が強化されつつあります。
 「一企業として小田原の木をPRするのは難しい部分もありますが、ここを拠点に組合として動けるので、市民にもPRしやすくなりました。『おだわら木材流通センター』という看板を見て、小田原の木を使ってくれた人もいたんですよ。開設から1年半近くたち、少しずつですが、『小田原の木が流通している』と実感できるようになってきました。若手も頑張ってくれています。小田原の木をもっと使ってもらえるよう、今後も努力していきます」と秋山さんは話します。

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俺たちも、頑張ってます!
小田原林青会
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 昭和38年、小田原地区木材業協同組合の若手が集い発足。定期的に情報交換を行い、子どもへの木育や木材の利用促進のため、各種イベントでの普及啓発、商品開発などに積極的に取り組んでいます。

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川下 木を使う
子どもも大人も 木育
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 子どもだけでなく全ての人が、木と触れ合い、木に学び、木とともに生きることを学ぶ「木育」。
 子どもの頃から木を身近に使うことで、森林や木との関わりを主体的に考えられる豊かな心を育てています。

木と出会う
ファースト・トイは地域の木で
 赤ちゃんが初めて出会うおもちゃ「ファースト・トイ」。お父さん・お母さんの愛情が込もったものが一番です。市では、妊婦さんや乳幼児を持つお父さん・お母さんに、地域の木を使ったおもちゃを作る機会を設けています。
 五感に程良い刺激を与える木のおもちゃは、乳幼児期に最適です。

木に触れ、学ぶ
体験する
 市では、木に関わる人とともに、親子で伐採や製材を見学・体験できるイベントや植樹体験など、木に触れられる機会を設けています。
 「伐採も製材も近くで見ることができ、迫力があった」
 「伐りたての木の香りを感じることができた」
 こういった機会で、子どもから大人までが身近にある木に直接触れ、木の温かみや森林の大切さを学んでいます。

森林の役割
 「森林が整備されていると、何がどのようにいいのかな?」
 二つの水槽に、手を入れた森林と手を入れていない森林をつくります。雨に見立てた水を流し、出てくる水の色を比べることで、森林の役割を知ります。
 「きれいな水と濁った水が出てくるよ」
 「土が流れないから、災害も防ぐんだね」
 これでまた一つ、森林の役割を学び、木を身近に感じることができました。

学校教育へ
思い出の木を校歌ボードに
 平成25年度、町田小学校では体育館の再建に当たり、伐採した校庭の桜の木を卒業記念作品に活用。新しい体育館に設置する校歌ボードを製作しました。
 地域の人をはじめ、小田原地区木材業協同組合や小田原林青会、小田原市森林組合、箱根物産連合会など林業や木工業に関わる団体が協力しました。
 長い間、児童を見守ってきてくれた桜の木に、「今までありがとう」と「これからもよろしく」という思いを込め、新たな1ページを刻みました。

「木育」を通じた学習活動
 校歌ボードの製作は、「製作」するだけでなく、木の伐採や製材、「木象嵌」の技術などを見学・体験する機会となりました。一連の作業を経験することで、小田原に息づく伝統文化や職人技術を学ぶ「木育」活動にもなりました。

ここでは主に、子どもに関わる「木育」活動をお伝えしました。
本来「木育」とは、子どもだけでなく全ての人が学ぶものです。

市ではこれからも、誰もが木と触れ合い、木に学び、木と生きることを学ぶ「木育」を進めていきます。

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ウッドスタート
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東京おもちゃ美術館館長 多田千尋さん
 暮らしの中に積極的に木を取り入れ、赤ちゃんをはじめとする全ての人が、木と出会い、触れ合いを大切にするウッドスタート。
 歴史上、暮らしや産業の中にうまく、ハイセンスに木を取り入れてきた小田原が今、「ウッドスタート宣言」を検討しています。
 現在、12市町村・4企業が「ウッドスタート宣言」をし、地域で生まれた赤ちゃんに誕生祝いとして、地産地消の木のおもちゃや器、スプーンを贈るなどといった活動をしています。
 古くから木が身近にあり、木工先進地である小田原で、その優れた文化性にふさわしい子育て支援、高齢者の生活支援が進むことを期待しています。
★市では今後、この「ウッドスタート宣言」を目指しています。

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川下 木を使う
小田原ならでは 家づくり
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小田原材を使ったバンガロー・ウッドデッキがつくられました。
住宅リフォームへの活用も進んでいます。
一般住宅でも小田原材が使われるよう、小田原流の家づくりを目指します。

地域材のよさ
 木材には、調湿作用があるといわれ、地域材で建てた家は、気候風土に合った家になります。
 夏は涼しく、冬は温かい、コンクリートの約10分の1という熱伝導率。不快な高・低音を吸収した耳当たりのよい音。低い反射率がもたらす目に優しい光。素材のよさが、快適な空間をもたらします。

小田原材を使ったモデル
よせぎの家
バンガロー・ウッドデッキ
 平成25〜26年、いこいの森に小田原材で、バンガロー5棟とウッドデッキをつくりました。これらは、小田原材を使って建てたモデルハウスであり、災害時の仮設住宅のモデルケースです。また、宿泊して、木に触れられる「場」のモデルでもあります。
 小田原材を活かそうと工夫した5棟は、設計者が異なり、それぞれ工法やデザインに特徴があります。
 5棟は、間伐した細い木を寄せ合わせて建築されたことから、小田原・箱根地域の伝統的工芸品の「寄木」に掛けて、「よせぎの家」と名づけられました。

取り入れる 住宅リフォーム
難しさとその解決策
 費用が気になる建築主と、安定的に材料を供給したい製材業者にとって、リフォームで部分的に地域材を取り入れるのは、地域材実用への第一歩。
 小田原材は、大型工場で大量生産された他の国産材と比べ、割高です。費用が導入の妨げにならないよう、市では今年8月に「小田原産木材住宅リフォーム助成事業」を開始。床のリフォームに小田原材を使った場合、費用の一部を補助しています。
 初めての募集では、DIY(※)をする人からも申請がありました。こうした新たな需要も念頭に、さらに幅広く制度が利用されるよう、リフォーム対象を壁などに広げることも検討しています。
 ※DIY…専門業者に任せず、自らの手で生活空間をより快適にするために工事すること。

家を建てる
使い勝手のよい材料
 小田原では、木を伐る時期は、秋〜春と限られています。現在、小田原材を使った家づくりは、オーダーメイドに近い状態。多くの人が小田原材を使って家を建てるには、常時材料を確保していなければなりません。地域材を住宅に使うことが減った小田原では、安定供給するための体制を検討しています。
 また木材業者では、ウッドデッキで培った製材の規格を応用し、幅広く使えるような規格の材料を作りました。厚さ45×幅90ミリメートルに統一して製材することで、木材加工を合理化。伝統的な「はさむ」「かさねる」といった木組みに、「ビス止め」という簡素な技術を応用した木組みを開発し、家づくりに広く使ってもらおうとしています。

小田原流の家づくり
 市では、木に関わる人とともに、小田原材を使った家づくりを目指しています。小田原の木を使い、製材、加工、施工も地域の人の手によるのが「小田原流の家づくり」。家づくりに関わる人の顔が見える安心感と、木のぬくもりに包まれて暮らす和みがあります。
 小田原材で家を建てることは、森林を整備し、育てた木をたくさん使うこと。山・川・海のバランスを保ち、安心して暮らせる場づくりの一つです。
 小田原流の家づくりに携わる人は、検討と実践を繰り返し、市民が小田原材を利用しやすい環境を整えていきます。

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助成事業利用者の声
工務店から推進
補助金を活用してリフォーム
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鴛海幸司さん
 工務店がアピールすることで、小田原材が普及すると思っています。実際に、家の中に使われた小田原材を「見る」「嗅ぐ」場があると、利用に至るのではないでしょうか。
 小田原の木には少し携わっていたので、できるだけ小田原材を家に使いたいと思い、まずは自分からと「小田原産木材住宅リフォーム助成事業」に申請しました。
 リフォーム後は、小田原材を使ったモデルルームとして、皆さんに見てもらいたいと思います。
 小田原材を知ってもらうきっかけとなればいいですね。

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木を寄せ、技を寄せ、人を寄せる
東海大学工学部建築学科教授 
杉本洋文さん
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 平成22年の「木材利用促進法」の成立後、木なりわいの「川上」から「川下」を連携させた活動が始まりました。講演が縁で、加藤市長に木づかい運動の推進を提言。その後、林野庁の人材を得て、活動が大きく動き始めました。
 木材資源と木なりわいの実態把握に始まり、「清閑亭」など木造近代数寄屋群の再評価と活用実験の実施。伝統木造技術を学ぶ「職人学校」、小田原城の木造化を考える会なども立ち上がりました。相馬市への支援や木材利用に取り組む「小田原林青会」や、木づかいと地域産業の育成を視野に入れた産官学民の協働組織「相州こゆる木・よせぎの会」、小田原らしい「よせぎの家」の研究とマニュアルづくりなどが展開しています。
 本格的な木づかい活動の機運と仕組みが市民協働でできつつあり、小田原らしい、木を寄せ、技を寄せ、人を寄せる、新たな木の文化を発信するまちへの期待が膨らみます。

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知っているかな?
こんなところに小田原の木が!
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小田原では、さまざまな場所で小田原材が使われています。
市では、地域の林業・木材産業の再生のため、小田原材を積極的に使い、木をより身近に感じられる取り組みを進めています。

小田原地下街「ハルネ小田原」 街かど案内所
平成26年10月完成
小田原材を使った木のカウンターは、小田原に息づく木の文化を、市民や訪れた人に伝えていきます。

しろやま商店街 木のベンチ
平成25年12月完成
しろやま商店会からの依頼で製作。プランターとベンチが一体となった木のベンチです。

市役所2階総合案内カウンター
平成25年4月完成
デザインは伊藤陽子さんが担当。地元の製材工・大山謙司さんと棟梁・芹澤毅さんが製作しました。

石垣山一夜城歴史公園駐車場トイレ
平成24年2月完成
柱などの構造材や内装に、小田原材を使用しています。市の公共施設では、初めての取り組みです。

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ヨウデザイン代表
デザイナー
伊藤陽子さん
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 森林とまちと海がつながる景色があり、木の香りと音があり、担い手の顔が見える。小田原の木の取り組みに関わって感じるのは、身近なところにリアリティがあることの力強さです。
 小田原にあふれる多様な価値と木が掛け合わさることは、新しい魅力を生み出す可能性を秘めています。
 この取り組みは、大きく根を張り、市民の暮らしの中に「木づかい」を育んでいくに違いありません。

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第30回全国削ろう会 小田原大会
〜WAZA・TAKUMIの継承〜
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 全国削ろう会は、日本の伝統的な木造建築、木工技術の向上と伝承のため、大工さん、鍛冶屋さんなどの職人が全国から集まり、かんな削りを中心に技術を競い合う大会です。
 透けて見えるほど薄く削られたかんなくずから、職人の技術の高さを目の当たりにできます。
日時 11月8日土曜日午前11時30分から
     9日日曜日午前9時から
場所 小田原アリーナ
【問】 小田原大会実行委員会事務局(農政課) 電話 0465-33-1491

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被災地支援×森林の再生 思いを木に託して
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報徳の森プロジェクト
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平成23年12月、小田原の森林・林業の再生と東日本大震災の被災地支援を目的として設立された「報徳の森プロジェクト」。
尊徳翁の縁でつながっている福島県相馬市を支援しています。

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クリスマスツリー
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 平成23年12月、プロジェクト最初の取り組みとして、相馬市に6メートルのモミの木をプレゼント。「被災した子どもに夢を与えたい」と贈ったクリスマスツリーは、現在、「道の駅そうま」に植えられ、復興のシンボルとなっています。
 クリスマスツリーから始まった支援は、今ではコミュニティ施設の内装材、盆、机、ベンチを届けるなど、小田原材を使った支援へと広がっています。

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相馬報徳庵
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 「相馬報徳庵」は、プレハブで建てられた相馬市の仮設商店街「相馬野馬追の郷はまなす商店街」内にある直売所兼レストランです。相馬市の「NPO法人相馬はらがま朝市クラブ」などと連携、協力し、平成24年3月に完成しました。
 内装に西湘・足柄地域の無垢材が使われた店舗は、地元の人はもちろん、支援に訪れた人のコミュニケーションの場になっています。

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木のポスト・木はがき
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 小田原の郵便局長会が主体となり小田原地区木材業協同組合、箱根物産連合会、市などが協力し、小田原材で「木のポスト」を作りました。
 平成25年12月、市民がメッセージを書いた1,000通以上の「木はがき」と一緒に、相馬市に届けました。
 平成26年3月には、相馬市の小学生から、「相馬は復興にむけてがんばっています」と、お礼の「木はがき」が届きました。

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強まる絆と広まる小田原の木
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 被災地支援をきっかけに、地域と地域、人と人のつながりが強まりました。
 今月には、相馬市のコミュニティ施設建設のために、木材を提供する予定です。
 支援を続けることで、小田原の木材の新たな利用が広がり、森林の再生につながることが期待されます。

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座談会 in いこいの森バンガロー・ウッドデッキ
小田原の木に関わる力強い仲間
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小田原の木にまつわる取り組みや、関わる人をお伝えした特集「『木づかい』のまち小田原」。
一緒に取り組む力強い仲間が、小田原の「木」に込めた熱い思いを、加藤市長と語ります。

小田原市長 加藤憲一

報徳の森プロジェクト会長 髙木大輔さん
木材販売業に従事し、小田原の資源である木を使って、東日本大震災で被災した福島県相馬市を支援。支援が、小田原の森林・林業の再生、活性化につながることを目指す。

箱根物産連合会副会長 相田秀和さん
漆器や寄木など小田原・箱根地域が誇る木製品や、伝統的な技術を継承しながら、新しいデザインの製品づくりに努める。

大工棟梁 芹澤毅さん
高い技術を持つ棟梁として、「おだわら工匠会」や「職人学校」に携わる。小田原城銅門や住吉橋など、小田原の歴史的木造建造物の修復を手掛ける。

小田原市森林組合技師 佐藤健さん
森林組合の職員として、間伐や枝打ちなどで森林を整備し、木材の利用に力を入れる。「いこいの森」の指定管理者として、木に触れられるイベントなどを開催し、森林・林業の普及啓発活動も行う。

小田原林青会会長 小高誠仁さん
製材業に従事するかたわら、イベントなどで木のよさを広め、木材の利用促進に取り組む。市の無尽蔵プロジェクト「小田原ならではの住まいづくり」の立ち上げ時には、市内の木材利用状況などを調査した。

なぜ小田原で
小田原で取り組む意義・価値、魅力
市長 小田原は、全国的に見て林業の規模は小さく、大きな林産地ではありません。しかし、ここに集まった皆さんをはじめ、多くの人が小田原の木を活かすための取り組みを進めています。そういった取り組みを小田原で進める意義や価値をどう考えていますか。
佐藤 これまでは、伐った木はそのまま山に放置していました。「使える木なのにもったいないな」と思っていましたが、ほとんど山から出したことはありませんでした。しかし、皆さんと一緒にイベントをやるようになり、その関わりを通じて、「木がどういう流れで、こういうものに使われていくんだ」ということを知り、「じゃあ、こういう山・森林をつくらなきゃいけないな」と考えるようになりました。
小高 木は「使う」のではなく、「活かす」ことが大事。人も同じで、「使い合う」のではなく「活かし合う」ことで、需要が生まれてくると思います。数年前まで、森林をつくる「川上」の人とは接点があまりありませんでしたが、木に関わるいろいろな分野の人とつながることで、需要は拡大すると思っています。
芹澤 ここに集まった皆さんとは、言葉を交わさなくても向いている方向が分かるし、見ているところ、考えていることは一緒です。こういうメンバーと顔を合わせているうちに、分母が小さい小田原だからこそ、できることがあるのではないかと思うようになりました。ある京都の人は、「民間と行政が一緒になって、こういった取り組みを進めていることは素晴らしい」と言っていました。
相田 山・里・川・海が全部そろっている小田原は、自然が循環します。また、「川上」「川中」「川下」に関わる人がいて、小さいまちだからこそ関わる皆が集まり、一緒に取り組むことができます。都内なら、森林をつくって木材を出荷し、家を建てるという流れを、一社で全部やってしまうのではないでしょうか。
髙木 「報徳の森プロジェクト」の活動も、小田原だからこそできた活動です。小田原には、まちを好きな人がいて、活かせるモノ、活かす技術があります。マーケットに近く、人・モノ・技術があって活動できるのは、小田原の魅力だと思います。
市長 小さなまちに「川上」から「川下」までの担い手がそろい、小さなまちだからこそ、その担い手がすぐに顔を合わせることができる。また、マーケットも至近にある。それが、小田原の強みとなるのですね。その魅力を活かせる皆さんのような熱い思いを持った人がいることは、非常に心強く、頼もしいです。

人を育て、木を活かす
課題を受け止めて
市長 木が地域の経済に貢献し、市民の暮らしの中にふんだんにあふれる状況を作るためには、木にまつわる取り組みを、もっと太らせていかなければなりません。
   皆さんがさまざまな取り組みをしている中で、抱えている課題はありますか。
佐藤 「いこいの森」のバンガローの利用者からは「落ち着く」「いいよね」といった意見が寄せられますが、そこから先の取り組みにつながっていないのが残念です。私たちも「どんどん山から木を出したい」と思っているし、木材業さんも「どんどん地域の木を使いたい」と言ってくれていますが、実際の消費が進まないので、サイクルとして回っていません。また、木は伐ってもすぐには使えず、製材して乾燥させる必要があります。置き場となるストックヤードが足りないですし、ストックするにも、木材を使うという確約がほしいです。
小高 製材業は事業者が減り、市内で常時製材しているところは、数社しかありません。そんな状況なので、子どもも大人も「材木屋さんって、どんな仕事なの」と言う人が多いです。
相田 木工業も、引き継ぐ職人さんを育てることが急務です。私の代ですら少ないといわれる中で、20年後30年後は、本当に危機的状況です。
芹澤 どの分野も同じですよ。
   「家を建てよう」と思ったら、家族やお金のことなど、考えることがたくさんあります。「木材を選ぶ」ということは、選択肢の一つでしかないのです。木に関わる人は、「地域の木はいいんだ」「なんで地域の木を使ってくれないんだ」と思いますが、家を建てるときは、それ以外のことのほうが大きな課題なんです。「家を建てよう」と思ったときに、まず頭に浮かぶのが「木」という意識を育てるということが、とても大事なことだと思います。
髙木 これだけの人が集まり、取り組みが進んでいるというのは、「偶然」ではない気がします。人がいて、モノがあり、技術があり、皆さんそれぞれ個々で頑張ってきた。それが「偶然」ではなく、「必然」に集まったとしたら、「川上」から「川下」までがもっと情報を共有すべきだと思います。

暮らしの中に木を取り入れる
市長 皆さん、現場で得られた課題がありますが、その課題をこう乗り越えるんだという目標はありますか。
佐藤 「木」という資源はこれだけあるので、それを活かすには建築材として使うことが必要だと思います。まず公共の場に使い、個人に広がっていくといいですね。いつでも木を伐って出す体制は整っているので、「使いたいから、もっと山から出してくれよ」と言われるくらいにしたいと思います。
相田 美術学校を出た若い人に通ってもらい、職人になってもらう。学校を建ててでも職人を育てる。そうでもしないと難しいと思います。どこも一緒だと思いますが、まずは後継者・担い手を育てなければならないですよね。
芹澤 職人はもちろん、木を出したときに、自然に「それいいね」と生活の中に取り入れてくれる人を育て、まちなかに木があふれる環境を作ることも、私たちの仕事なんですよね。
小高 木を身近に感じてもらい、「地域の木材を使うことは、地域の未来にお金を払うことなんだよ」ということを伝えなければならないと思います。
   そして、「人が欲しいと思えるもの」を提供することが一番なので、木に携わり、なりわいとしている人が商品開発して、発信するべきです。小田原にはこれだけの技術があるので、小さいものから大きいものまでをそろえて、市民に押し出していきたいですね。それが経済を動かすと思います。
髙木 木材業は、消費者が「欲しい」と言えば、「あるよ」とすぐに言える状況を整え、商機を逃さないことも重要です。
   そして、例えば週に1回、「川上」から「川下」の人が、仕事が終わってから集まる。そこで「今日は山でケヤキが出たよ」という話が出たら、「ちょうどケヤキ使う場所があるよ」などと、情報が集まり、動きにつながる。そういう「場」は必要だと思います。
市長 皆さんが実際に動き、これだけの取り組みが進んでいる実態があるわけですから、あとは皆さんが集まる場や、情報をタイムリーに共有できる仕組みなど、形を作っていくべきですね。
   先ほどから話しているように、小さな地域で顔が見え、「川上」から「川下」が全部そろい、マーケットに近い小田原でしかできないことがあります。多くの事業を通じて育まれた皆さんのような仲間の絆は、本当に貴重です。今後もさらに一体感を持って、「木づかい」のまち小田原を目指す取り組みが進むことを確信しました。
   今日は、ありがとうございました。

森林をつくる人
木を加工する人
木を使う人

「木」を活かした取り組みに、熱い思いを持つ人が一丸となって関わり、新たな魅力「『木づかい』のまち小田原」が生み出されています。
「木を使う」ためには、間伐などで「森林をつくる」

「木を使う」ためには、製材などで「木を加工する」
「木を使う」→「森林をつくる」→「木を加工する」→「木を使う」
皆さんが「木を使う」と、小田原で完結する「木のサイクル」が、より循環します。

「木のサイクル」が今より循環すれば、集中豪雨による土砂災害を防ぎ、きれいな水が流れるなど、山から海につながる地域全体の環境は保全されます。
私たちの生活環境は豊かになり、木に関わる産業や経済は活性化します。
この特集を機に、小田原の「木」を使ってみてください。
皆さんも、「『木づかい』のまち小田原」を担う一員です。

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#02 小田原地下街 HaRuNe小田原 11月1日グランドオープン
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「ハルネ小田原」ホームページ Web http://www.harune-odawara.com

11月1日土曜日にグランドオープンした小田原地下街「HaRuNe小田原」。今月は、11月24日休日までのオープニング期間に開催するイベントをお知らせします。
小田原の「ヒト」「モノ」「コト」が集まるショッピング&コミュニティ空間である小田原地下街「HaRuNe小田原」は、地域の魅力を五感で体験できる施設として、地域経済の振興と中心市街地の活性化の拠点となっていきます。
【問】中心市街地整備課 電話 0465-33-1596

【1】これからよろしくネ! ハルネ広場デビューフェスティバル
【問】FMおだわら 電話 0465-35-5150
日時 11月8日土曜日午前11時〜午後1時、午後2時〜4時
場所 ハルネ広場
内容 ●FMヨコハマの藤田優一さんと光邦さんによる進行
   ●スペシャルゲストとのトークイベント
   ●小田原早生みかん先着プレゼント
   ●大じゃんけん大会 など

【2】小田原産木材でカホンを作ってみよう! ワークショップ
【問】市民会館 電話 0465-22-7146
日時 11月9日日曜日午後1時〜4時
場所 ハルネ広場
定員 10人(申込先着順)
費用 2,000円
申込 市民会館に直接、または電話で。

【3】農業まつり@ハルネ小田原
【問】FMおだわら 電話 0465-35-5150
日時 11月15日土曜日・16日日曜日午前11時〜午後1時、午後2時〜4時
場所 ハルネ広場
内容 ●各種体験
   ●小田原早生みかん詰め放題
   ●JA提供による農産物の販売 など
※15日土曜日には、FMヨコハマの鈴木裕介さんと鈴木まひるさんが登場します。

【4】小田原おさかな応援まつり
【問】小田原の魚ブランド化・消費拡大協議会(水産海浜課内) 電話 0465-22-9227
日時 11月22日土曜日・23日祝日午前11時〜午後3時
場所 ハルネ広場
内容 ●新商品「カマス棒」のおひろめと試食
   ●カマスの骨抜き体験
   ●まぐろ解体ショー(23日祝日)
   ●小田原ふるさと大使の柳家三三さんによるゲストトーク
    「小田原のおさかなと地下街を語る」(22日土曜日午後0時30分〜1時) など

【5】ストリートダンスイベント「OUR30-Hello! HaRuNe!!-」
【問】小田原姿麗人 亀井 電話 0465-48-3967
日時 11月24日休日午後1時〜2時、午後2時30分〜3時30分
場所 うめまる広場

【6】事前募集型ガイドツアー
ハルネ小田原で情報収集する、小田原のまち歩きの入門編となる「プチまち歩き」のガイドツアー。
【問】NPO法人小田原まちづくり応援団(清閑亭内) 電話 0465-22-2834
コース(1)ぶらっとお城めぐり
   (2)ぐるっと街かど博物館めぐり
   (3)ぺろっと街なか甘味めぐり
   (4)ほろっと大稲荷神社・浦町界隈めぐり
日程 (1)11月8日土曜日・17日月曜日
   (2)11月10日月曜日・18日火曜日
   (3)11月11日火曜日・20日木曜日
   (4)11月13日木曜日・21日金曜日
時間 午前9時30分〜午後0時30分
集合場所 JR東日本小田原駅改札前
定員 各日20人(申込先着順)
費用 500円
申込 11月1日土曜日から、小田原まちづくり応援団に電話、または参加人数、代表者の住所・氏名・電話番号を記入してメール
(odawara@machien.net)で。

【7】当日申込型ガイドツアー「駅からガイド」
当日その場で申し込んで参加できるガイドツアー。
【問】NPO法人小田原ガイド協会 電話 0465-22-8800
開催日 11月1日土曜日〜11月24日休日の土・日曜日、祝・休日
受付時間 午前10時〜午後2時
受付場所 小田原駅観光案内所前、うめまる広場(11月8日土曜日以降)
費用 300円

【8】JR東日本「駅からハイキング」
ハルネ小田原と、小田原の匠の技や古くからの文化を楽しめる、当日参加のまち歩き(ハルネ小田原とラスカ小田原の一部の店舗で特典あり)。
【問】駅からハイキング事務局 電話 03-5719-3777
開催日 11月1日土曜日〜12月24日水曜日
受付時間 午前9時〜正午
受付場所 小田原駅観光案内所
費用 無料(施設見学料は、別途必要です)

【9】小田原さんぽ甘味摘み
【問】小田原・南足柄甘味摘み実行委員会 中嶋 電話 0465-20-9166
開催日 11月1日土曜日〜30日日曜日
チケット 2,000円(500円×4枚つづり)
チケット販売所 街かど案内所、参加店舗(一部除く)
 ※参加店舗は、小田原プロモーションフォーラムホームページで確認できます。
Web http://www.odapro.net/

【10】実行委員会認定スイーツ大使と巡る甘味摘み
【問】NPO法人小田原まちづくり応援団(清閑亭内) 電話 0465-22-2834
日時 11月22日土曜日〜24日休日午前10時〜午後3時
集合場所 うめまる広場
定員 各日10人(多数抽選)
費用 2,500円(甘味摘みチケット代含む)
申込 11月1日土曜日〜15日土曜日に小田原まちづくり応援団に電話、または参加人数、代表者の住所・氏名・電話番号を記入してメール(odawara@machien.net)で。
結果は、11月16日日曜日に電話で連絡します。

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#03 平成25年度決算に基づく市の財政は「健全段階」
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【問】財政課 電話 0465-33-1312
 市では、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、「財政の健全性」を判断するため、4つの「健全化判断比率」と公営企業会計の「資金不足比率」を算定しています。
 算定の結果、市の財政は健全段階でした。

4つの健全化判断比率
(1)実質赤字比率
 基本的な行政サービスに必要な経費を経理する一般会計などの赤字の程度を指標化し、財政運営の悪化の度合いを表しています。
 →黒字のため算定なし
(2)連結実質赤字比率
 一般会計と特別会計・企業会計(一般会計からの繰入金を含む)の赤字や黒字を合算し、市全体の赤字の程度を指標化し、財政運営の悪化の度合いを表しています。
 →黒字のため算定なし
(3)実質公債費比率
 市債などの返済額の大きさを表しています。
 →8.0パーセント
 市債残高の減少に伴い元利償還金が年々減り、前年度から1.1ポイント減少しています。

 実質公債費比率(%)
 年度/小田原市/全国平均
 H19/12.9/12.3
 H20/12.6/11.8
 H21/11.9/11.2
 H22/10.7/10.5
 H23/10.2/9.9
 H24/9.1/9.2
 H25/8.0/8.6
 財政再生基準 35%
 早期健全化基準 25%
 早期健全化基準を大幅に下回っています。

(4)将来負担比率
 市の全ての会計の市債や、将来支払う可能性のある負担額などの、現時点での大きさを表しています。
 →25.9パーセント
 市債残高の減少、基金残高の増加などにより、前年度から11.3ポイント減少しています。

 将来負担比率(%)
 年度/小田原市/全国平均
 H19/115.8/110.4
 H20/90.2/100.9
 H21/88.7/92.8
 H22/69.5/79.7
 H23/51.4/69.2
 H24/37.2/60.0
 H25/25.9/51.0
 早期健全化基準 350%
 早期健全化基準を大幅に下回っています。

公営企業会計の資金不足比率
 公営企業会計の資金不足を、料金収入の規模と比較して表しています。対象となる公営企業は、水道事業会計、病院事業会計、天守閣事業特別会計、下水道事業特別会計、公設地方卸売市場事業特別会計の5つの会計です。
 →資金不足が生じていないため算定なし

財政健全化法における財政状況判断基準
 財政健全化法では、「早期健全化基準」と「財政再生基準」の2段階の判断基準が定められています。健全化判断比率が早期健全化基準を超えると、健全化計画を策定し、財政の健全化を進める必要があります。さらに、財政再生基準を超えると、再生計画を策定し、国などの関与のもと、財政の再建に取り組むことになります。
 Web トップページ「市の取り組み」をクリック→財政状況

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#04 おだわら情報
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11月9日日曜日〜15日土曜日
秋季火災予防運動
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【問】予防課 電話 0465-49-4428

 平成26年度 全国統一防火標語
 「もういいかい 火を消すまでは まあだだよ」
 あなたの家は、防火対策をしていますか。火災は、あなたの大切な命や財産を奪います。「いのちを守る7つのポイント」を押さえましょう。

いのちを守る7つのポイント
[3つの習慣]
(1)寝たばこは、絶対しない。
(2)ストーブは、燃えやすいものから離して置く。
(3)ガスこんろなどのそばを離れるときは、必ず火を消す。
[4つの対策]
(1)逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を設置する。
(2)寝具、衣類およびカーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使用する。
(3)火を小さいうちに消すために、住宅用消火器などを設置する。
(4)高齢者や身体の不自由な人を守るために、隣近所の協力体制を築く。

 火災原因のトップは放火(疑いも含む)です。
 家の周りに燃えやすいものを置かないなど、家族や地域で力を合わせ、大切な命や財産を守りましょう。

幼年消防クラブ
消防車お絵かき展示会
 小田原市幼年消防クラブの園児が描いた消防車の絵を展示します。
日程 11月15日土曜日・16日日曜日
場所 ダイナシティウエスト(西武小田原店)3階キャニオン

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11月11日火曜日
「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」
介護の日
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【問】高齢福祉課 電話 0465-33-1864
 厚生労働省は、11月11日を「介護の日」と定めています。「いい日、いい日」にかけた、覚えやすく親しみやすい語呂合わせになっています。
 この機会に、介護について理解を深めましょう。

介護サービスを活用しよう
 介護される人には、介護者の笑顔が何より重要です。介護疲れなどにより適切な介護ができなくなる前に、介護サービスを利用しましょう。
 介護保険制度では、介護を必要とする人やその家族の状態に応じて、「訪問介護」、「通所介護」、「短期入所生活介護」などの居宅サービスの利用、特別養護老人ホームや介護老人保健施設への入所などができます。

家族介護者への支援
 市では、在宅で介護している家族を対象に、介護の知識・技術を習得できる教室や、介護の悩みなどを情報交換できる「家族介護者交流会」を開催しています。また、「認知症を知る講座」などを開催し、認知症への理解を深める活動もしています。
 市に高齢者の名前や連絡先などを登録すると、徘徊などで行方不明になった場合、警察だけでなく、関係機関にも捜索してもらえる支援制度もあります。

家族介護者交流会
 日時 12月9日火曜日午後1時30分〜3時30分
 場所 おだわら総合医療福祉会館
 内容 ●介護している家族の交流会
    ●ケアマネジャーの活動についてのお話
    ●腰痛・ひざ痛セルフケア

知っていますか? 介護マーク
 「介護マーク」は、認知症の人などを介護していることを周囲に知らせるものです。外出先でトイレに付き添うときなどに使ってください。高齢福祉課で配布しています。

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#05 〈新連載〉探訪 わがまちの歴史資源/〈連載〉市民力
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その1 板橋周辺
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 小田原の地域資源を、6回にわたり紹介します。
 日本最古の水道とされる「小田原用水」が流れる板橋。昔、この用水に板の橋が架かっていたことが地名の由来といわれています。
 寺社町や職人町として栄えた地域内には、今なお寺社が多く、「板橋地蔵尊大祭」や「秋葉山火防祭」などが行われます。職人町の名残である「石屋さん」や「畳屋さん」があり、「しょうゆ屋さん」であったなりわいを感じられる「内野邸」もあります。
 明治の終わりから昭和の初めにかけて、総理大臣を務めた山縣有朋、三井物産創始者の益田孝、「電力王」と呼ばれた松永耳庵(安左ヱ門)、詩人の北原白秋など、多くの政財界人や文化人が住みました。松永記念館(老欅荘など)、古稀庵、清閑亭、小田原文学館は、こうした人たちのかつての別邸を活用した施設です。
 歴史ある建物となりわいが残る板橋周辺は、地域全体が往時をしのばせます。歴史を再発見しに、歩いてみませんか。
※市では、現在、このような地域資源を守り育て、伝えていくため、「小田原市歴史的風致維持向上計画」に基づき、「歴史まちづくり」を進めています。

出掛けるともっと詳しく
板橋の紅葉は、11月下旬〜12月上旬が見頃です。
[板橋秋の交流会]
松永記念館茶会
日時 11月3日祝日午前10時〜午後3時
場所 松永記念館

松永記念館交流美術展「清雅なる原三渓の書画〜旧松永コレクションから〜」
日時 〜11月24日休日午前9時〜午後5時
場所 松永記念館 別館

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地球環境にやさしいまちを目標に うちエコ診断士
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 「うちエコ診断士」は、環境にやさしい生活に向け、適切な省エネの取り組みなどを提案をする環境省認定の公的資格です。診断では、各家庭の電気・ガスの使用量や家族構成などを聞き、二酸化炭素排出量などを算出します。
 市内で活動を予定している二人の「うちエコ診断士」が所属する「おだわらスマートシティプロジェクト」。「青く澄んだ空を子どもたちにバトンタッチしよう」を合い言葉に、再生可能エネルギーや省エネルギー、エコカーの普及促進に取り組んでいます。
 その活動の一環として、今月開催する「おだわらスマートシティフェア」では、今年から新たに、うちエコ診断士による「うちエコ会場診断」を行います。家庭の二酸化炭素排出量などを視覚化し、ライフスタイルに合わせた省エネ対策を提案することで、効果が期待できます。
 「最近よく『数十年に一度の異常気象』と耳にします。私が暮らしてきた小田原の豊かな自然を未来の子どもに残すために、皆さんと一緒に楽しみながらのエコを目指していきたいです」と、「うちエコ診断士」の佐々木さんは話します。
 今後も、活躍が期待されます。

おだわらスマートシティフェア
日時 11月15日土曜日午前10時〜午後4時
   ※屋外展示・試乗は午後3時まで
場所 ダイナシティウエスト(西武小田原店)
内容 ●うちエコ会場診断
   ●最新のエコカーの展示・試乗
   ●省エネ関連の機器や製品の展示
   ●スタンプラリー など
【問】環境政策課 電話 0465-33-1473

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#06 〈連載〉みかんちゃんとジョー君の社会科見学
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もの知りで優しいみかんちゃんと、やんちゃなジョー君が、市内地場産業の事業所を訪ねます。

20 露木木工所の巻(箱根寄木細工)

株式会社 露木木工所
所在 早川2-2-15

露木木工所は、1926(大正15)年から続く箱根寄木細工の木工所で、椀や盆、テーブルなどの家具といった、さまざまな製品を製造・販売しています。
木が持つ自然の色を活かして幾何学模様を作り出す箱根寄木細工は、国の伝統的工芸品に指定されています。
今回は、伝統工芸士である三代目の露木清勝さんに案内してもらいました。

1(ジョー)大きな木を切っているよ。

寄木細工は、材料となる木片から作っていくんだよ。まず、大きな木材を切って、木片のもとになる板材を作るんだ。

(みかん)作りたい模様によって、色の違う木を使い分けるのよ。

2(ジョー)板に斜めの切れ込みが入っているよ。

のこぎりの歯を斜めにして板材を切り、模様のもととなる木片にするんだ。

(みかん)切り出した小さな木片は、一つ一つかんなで削って形を整えるのよ。

3(ジョー)何か塗っているよ。

接着剤を塗って、木片を組み合わせるんだ。こうした組み合わせで、幾何学模様を作り出すんだよ。

(みかん)繰り返し接着し、徐々に大きな模様を作り出すのよ。

4(ジョー)きれいな模様がいっぱいある!

組み合わせた木をさらに組み合わせて、大きな模様になるよう接着するんだ。

(みかん)こうしてできた大きな模様の木を、種木と呼ぶのよ。すき間のない大きな模様を作り出すには、長年の経験が必要なのよ。

5(ジョー)種木をかんなで薄く削っているよ。

薄く削ったのものを「ズク」というんだ。木製品の外側に「ズク」を貼って、表面を塗装すると、寄木細工の完成だよ。

(みかん)大きなものを作るときには、機械式の大きなかんなを使うのよ。

(ジョー)木の色が作り出す模様がとてもきれいだね。

(みかん)箱根の山は、木の種類が豊富だったから、寄木細工が発展したのよ。

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#07 〈連載〉おいしいよ!おいしいね!おだわらっこの給食
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今日の献立は何だろう?
季節を感じ、地域の恵みをいただく献立・・・
学校給食をのぞいてみましょう。

保護者のアイデアも献立に生かす 山王小学校

海の幸・山の幸に恵まれた小田原。
市内の学校給食では、子どもだけでなく、農業や漁業などの産業がもっと元気になるよう、地産地消を進めています。
地元の食材や旬の食材を使いながら、子どもが家族に自慢したくなる給食を目指し、保護者のアイデアも取り入れて、日々の献立を考えています。

冬瓜
 冬瓜は、「冬」の「瓜」と書きますが、夏が旬の野菜です。上手に保存すると冬までおいしく食べられるので、この名前がついたといわれています。癖がなく、さっぱりした味なので、だしの味を大切にする和食や中華によく使われます。
 今日の献立は、「冬瓜のそぼろあんかけ」。薄く皮をむいた冬瓜が軟らかくなるまで、とりそぼろ、彩り野菜、がんもどきと一緒に、かつおだしで煮込みます。
 昨年度、神奈川県学校栄養士協議会が主催する「我が家の自慢料理コンクール」に、山王小学校の保護者が応募し、入選したレシピを参考にした献立です。
 山王小学校では、海が見えるランチルームに、地域の人を招待する「ふれあい給食」を実施。一緒に給食を食べ、地域とのさまざまなつながり、感謝や思いやりの心、人と関わる力を育てます。

冬瓜のそぼろあんかけ(4人分)
冬は温かく、夏は冷やして。
だしをしっかり利かせると、家庭でも本格的な味が楽しめます。

材料
 ●ミニ冬瓜 1/2個(2センチメートル角)
 ●がんもどき(極小のもの) 8個
 ●とりひき肉 150グラム
 ●にんじん 1/3本(千切り)
 ●しいたけ 1枚(スライス)
 ●枝豆 20粒程度
 ●かつお節 10〜15グラム
 ●調味料(しょうゆ 大さじ1/2、みりん 大さじ1/2、塩 小さじ1)
 ●かたくり粉 小さじ1
作り方
(1)1.5リットル程度の水に、かつお節でだしを取る。
(2)とりひき肉を少量のだしで煮て、火が通ったら残りのだしと調味料を加える。
(3)(2)に、にんじん、しいたけを加え、軟らかくなったら、冬瓜、油抜きしたがんもどきを加える。
(4)別の鍋で枝豆をゆで、(3)に加える。
(5)(4)に水溶きかたくり粉を加え、とろみをつける。

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広報小田原 
毎月1日発行No.1118
発行:小田原市 〒250-8555 小田原市荻窪300番地 市役所総合案内 電話 0465-33-1300
編集:企画部広報広聴課 電話 0465-33-1261 FAX 0465-32-4640 〈C〉小田原市2014・11
広報小田原は、資源保護のため再生紙を使用しています。
10月1日現在 小田原市の人口 195,125人 80,289世帯
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