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広報おだわら 第1046号

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広報おだわら 第1046号

平成23年11月1日 発行

#01:特集 高まる小田原の魅力 地域資源 × 人
#01-1:資源1[片浦]片浦レモンサイダー物語 片中であそぼう
#01-2:資源2[森林]小田原産木材の活用に向けて
#01-3:資源3[伝統工芸]若き職人たちの挑戦
#01-4:特別対談 鎧塚俊彦さん×加藤憲一市長 どうして小田原なのか
#02:市議会9月定例会 平成23年度9月補正予算の概要
#03:平成22年度決算に基づく市の健全化判断比率と資金不足比率
#04:夢見遊山 いたばし見聞楽
#05:おだわら情報
#06:〈連載〉市民力 環境(エコ)シティ
#07:〈連載〉おいしい小田原いただきます
#08:〈連載〉駅のある風景


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まちづくり情報誌 広報 小田原
https://conv.bingocms.tech
平成23年11月1日発行 No.1046
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目次
#01:特集 高まる小田原の魅力 地域資源 × 人
#01-1:資源1[片浦]片浦レモンサイダー物語 片中であそぼう
#01-2:資源2[森林]小田原産木材の活用に向けて
#01-3:資源3[伝統工芸]若き職人たちの挑戦
#01-4:特別対談 鎧塚俊彦さん×加藤憲一市長 どうして小田原なのか
#02:市議会9月定例会 平成23年度9月補正予算の概要
#03:平成22年度決算に基づく市の健全化判断比率と資金不足比率
#04:夢見遊山 いたばし見聞楽
#05:おだわら情報
#06:〈連載〉市民力 環境(エコ)シティ
#07:〈連載〉おいしい小田原いただきます
#08:〈連載〉駅のある風景

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#01:特集 高まる小田原の魅力地域資源 × 人
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#01-1:資源1[片浦] 片浦レモンサイダー物語 片中であそぼう 
片浦レモンサイダー物語 
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あなたはもう、片浦レモンサイダーを、飲みましたか。
今、全国でご当地サイダーがブームとなり、小田原でも今年、片浦レモンサイダーが発売されました。

片浦レモンサイダー誕生の物語。
それは、小田原の恵みが小田原を元気にする、多くの人に伝えたい物語です。

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見た目が悪くても …
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 昭和52年、国が、OPP(オルトフェニルフェノール)を防カビ用食品添加物として使用することを許可すると、多くのレモンが輸入されるようになりました。
 かんきつ類を多く栽培していた片浦地区。「レモンはもうダメだろう」とレモンの木を切ってしまう農家も見られました。
 しかし、輸入レモンが多く出回るようになった一方で、消費者からは「輸入レモンには、防カビ剤が使用されている。安全なレモンが欲しい」との声が高まってきました。
 「消費者の声を信じ、安心して食べられるレモンを作っていこう。片浦地区の気候風土に合ったレモンを栽培しよう」地元の農協と協力しながら、レモン農家の皆さんは、昭和53年に、「片浦レモン研究会」を発足します。
 当初は、栽培農家も少なく、生産量も、年1~2トン。研究会の情熱あふれる取り組みが、地元農家の人々を動かし、少しずつみかんからレモンへの改植が進みます。片浦レモンの認知度は徐々に高まり、現在では、約50戸の農家が研究会に参加、収穫量も年50トンまでに増えました。
 片浦レモンは、農薬を使わず、または少量の農薬で栽培され、味は輸入品の比にならないほどおいしく、皮まで安心して食べられます。安全な農産物を求める消費者に人気があり、安定した販売ができていましたが、見た目が悪いという理由で商品価値がなくなってしまうレモンもありました。
 見た目が悪くても、加工品として価値を高められないか。その原石に注目し、片浦レモンサイダーが生まれたのです。

高橋秀直 さん
片浦レモン研究会会長
JAかながわ西湘 片浦レモン部会部長
 レモン研究会を発足してから30年以上がたちました。情報を交換し、皆で協力しながら、安全なレモンを安定して供給できるよう根気よく力を注いできました。
 レモンの木にはとげがあるため、風で揺れると実を傷つけやすく、かいよう病(かんきつ類に発生する細菌性の病気、かさぶたのような斑点ができる)などを引き起こします。日当たりがよく、風があまり当たらない場所に植えなければなりません。片浦地区はレモンを栽培するのに適していると改めて思います。
 それでも、農薬をほとんど使わないため、傷や見た目が原因で、商品として売ることができないレモンもあります。それらを生かした加工品として、平成12年から売り出されているのが、小田原れもんわいんです。
 片浦レモンサイダーができ、加工品として片浦レモンがさらに使われるようになり、大変うれしく思います。
 研究会のメンバーをはじめ、片浦のレモン農家や、JAかながわ西湘、片浦レモンを扱っていただいているNPO法人消費者の会連絡会の皆さんなど、多くの人の力で、広く知られるようになった片浦レモン。片浦レモンサイダーの誕生をきっかけに、多くの皆さんに、片浦レモンや片浦地区を知っていただけることを期待しています。

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二人の出会い
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 片浦レモンサイダーの誕生には、二人の男の出会いがありました。小田原柑橘倶楽部を立ち上げた、FMおだわらの放送局長を務める鈴木さんと、報徳二宮神社宮司の草山さん。
 鈴木さんは、平成21年度に始まった無尽蔵プロジェクトにおいて、情報発信の役割を担います。無尽蔵プロジェクトとは、小田原の地域資源に着目し、その「仕立て直し」をすることで、まちづくりにつなげていこうとする取り組みです。
 「小田原に、多くのにぎわいと活力が生み出されるには、何が効果的なのか」鈴木さんは、FMおだわらがかかわるイベントなどの場において、常にそう自らに問いかけてきました。
 一方、草山さんは、「二宮尊徳の報徳仕法を現代の社会や地域経済に生かしたい」という思いを抱いていました。
 「小田原をよくしていくために、まずは経済を活性化させなければならない。そのためには、日々のなりわいでの収入が増えるような取り組みを、地域の皆が『自助』と『推譲』の精神を持って実行することが必要だ」と考えていたのです。
 「勉強会やイベントばかりでは継続的な商いにはつながらず、小田原に活気は戻らない」という草山さんと、その思いに共感した鈴木さん。片浦地区のみかん農家で生まれ育ち、その大地が育むかんきつの魅力と、そこで農業を続ける厳しさをよく知っている鈴木さんに、「片浦のみかんや、レモンで何かできないでしょうか」と草山さんが、提案しました。
 「きっと、いろいろなことができます」 
ここに、「小田原柑橘倶楽部」が始まりました。

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小田原柑橘倶楽部「片浦みかんプロジェクト」
お歳暮みかんプロジェクトも大好評
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 片浦地区の農業振興の一助となることを目的として、昨年11月から活動している小田原柑橘倶楽部「片浦みかんプロジェクト」。
 「片浦レモンサイダープロジェクト」にさきがけ、昨年「お歳暮みかんプロジェクト」を実施。「いかに付加価値をつけて商品化するか」を基本に、早生みかん、約3.5トンを販売しました。
 その売上金をもとに作ったのが、片浦レモンサイダーです。
 小田原柑橘倶楽部のプロジェクトの利益は、全て推譲資金として、次のプロジェクトに役立てられます。
 今年もみかんの季節がやってきます。甘さよりも酸味が強いみかん本来の味。心を込めて贈ってみませんか。

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こだわりを貫いて
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「一過性のブームではだめ」
「サイダーにかかわる農家や小売店の皆が、適正な利益を得られなければ続かない」
「おいしくて格好よくなければ売れない」
「目的は年間を通じて安定した収入を得て、少しでも農家を応援すること」
 二人は仕事の合間を縫っては、試作や価格設定、製造~流通~販売までのルート構築などに奔走しました。
 また、この趣旨に賛同した地元の企業を交えたミーティングも適宜行い、消費者目線に近い「売り手」の活発な意見交換がなされました。
 農家からは、そのままでは商品として売り物にならず、これまでは廃棄されてしまうこともあった加工用レモンを商品用価格で買い取りました。加工用のレモンも販売できることは農家にとって大変喜ばしいことでした。
 製造工程で、一番大変だったのは、果汁を採る作業でした。半分にカットしたレモンを一つずつ搾るのは、思いのほか重労働で、なかなか業者も見つけられなかったといいます。
 何度も試飲を重ね、レモン果汁の割合を決めるなど、多くの人に最もおいしいと感じていただける味を追求しました。
 ラベルのデザインにもこだわり、片浦ならではの魅力を伝えることができるデザインを採用。キャップには、今ではほとんど見かけなくなった王冠をあえて使用しました。
 こうして、片浦レモンサイダーは妥協せず、こだわり抜いて作られたのです。
 今年4~6月にかけて4万8千本が販売されました。現在は一部の店頭にわずかに残っている状態。来期は増産を検討中です。片浦レモンが広く知られるようになり、レモンの皮で洗剤を作りたい、お菓子作りに使いたいといった声も寄せられ、誕生したばかりの片浦レモンサイダーが、たくさんの可能性を広げています。
 本業の傍らで地域への「推譲」として無報酬で活動を続ける二人は、「このサイダーをきっかけに、小田原にある『徳』がいろいろな人の力によってどんどん生かされ、さらに『人・もの・お金』が地域を循環する、持続的発展が可能な社会づくりへのムードが加速すれば」と語ります。

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資源1[片浦]片中であそぼう
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レモンやみかんなどのかんきつ類の他にも片浦地区は、自然、歴史、なりわいなど、魅力にあふれています。
生徒の減少により、平成22年3月で幕を下ろした片浦中学校。
高台に建ち、広く青い海を臨むことができるかつての学び舎は、閉校して1年半たった今も、教具や教材がそのままの形で残されています。
施設の活用を検討している一方で、これまでにもさまざまな催しが行われています。
今年5月に開かれた展示イベント「片中であそぼう」を企画したのは、片浦中学校の卒業生である若手アーティストでした。

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まだ生きている
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 平成22年5月、旧片浦中学校のすぐそばに住む高橋さんは、閉校後の校舎がどうなってしまうのかがとても気になり、写真に残しておきたいと、校舎の中に入らせてもらいます。
 そこで高橋さんが見たのは、まるで生徒が帰ったばかりの放課後のような景色と空気感。
 「この学校は、まだ生きている!」
 この場所に、自分やアーティスト仲間の作品を展示したら、校舎も作品も輝くのではないか。イメージがどんどん膨らんでいった高橋さんは、教育委員会に掛け合い、展示イベント「片中であそぼう」を企画します。
 知り合いのアーティストたちに声をかけ、下見に連れて行くと、見事なロケーションと放課後の空気感に、皆一様に「やりたい!」と即断。平成23年3月の実現に向け、準備を進めていきます。ブログを立ち上げたり、チラシを市内のカフェに置いてもらったり、ツイッターで呼びかけたり…。
 その間、イベントのことを多くの人に知ってもらおうと、8月から翌年2月までほぼ毎月、さまざまな体験型のワークショップを実施していきました。
 しかし、東日本大震災により、「片中であそぼう」は、5月への延期を余儀なくされることに。高橋さんは、被災地のようすを毎日ニュースで目の当たりにしながら、本当にできるだろうか、人が集まるだろうか…と、不安で押し潰されそうな日々を送ります。

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新たな発見
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 平成23年5月、いよいよ「片中であそぼう」が始まりました。小田原周辺はもちろん、東京や大阪からも訪れた来場者は、2週間の開催期間で、1千人にもなりました。「片中であそぼう」を心待ちにしていた人たちは、予想以上に多かったのです。
 使われていた校舎そのままの空間に作品を展示することで、人を引き付ける魅力的な場所になることを、多くのかたが実感しました。
 そして、この「片中であそぼう」をきっかけに、旧片浦中学校はイベントなどさまざまな催しに利用されるようになり、今、片浦地区に新たな輝きを放っています。
 「片中であそぼう」の準備期間中に、実は横浜へ引っ越した高橋さん。小田原から出て、改めて小田原のよさを実感したと言います。
 「学校に通っている時は、好きなものに没頭したり、友達と遊ぶことに夢中で、教室から海が見えることなど、全く気に留めなかったのですが、今思うと、こんな素晴らしいロケーションの学校は日本中探してもあまりない。『片中であそぼう』をやったことで、多くの小田原の人と出会い、面白い人たちがたくさんいることも知りました」と、大きな収穫をかみしめています。

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学校はすごくいい箱
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「アートは、美術館など整えられた空間で見るものという固定観念を打破したかった。そういう意味で、身近な学校をそのままの形で使ったところに深い意味がある」(高橋さん)

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あれこれ体験 in片浦
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 昨年から始まった「あれこれ体験in片浦」。
 片浦を舞台に、市内の小学5・6年生が大きな成長を遂げる夏休みのチャレンジ合宿です。
 新しく出会った仲間とともに、コミュニケーション力や、困難な状況でも生き抜くたくましさを身につけるためのプログラムが盛り込まれています。
 片浦地区ならではの体験学習が評判を呼び、2回めの今年は、定員70人に対して倍以上の応募がありました。
 馬の世話や乗馬、ブルーベリーなどの収穫、バレンシアオレンジのサイダーやジャム作り、ホテルでの配膳など、自然やなりわいを生かしたさまざまな体験を通じて、子どもたちは楽しみながら成長するとともに、この地域の持つ魅力を肌で感じました。
 合宿の活動拠点となっている旧片浦中学校は、ほとんどの教室から海を見渡すことができ、耳を澄ませば波の音が聞こえてきます。
 ゆったりとした時間が流れ、どこか懐かしさを感じる場所で仲間と過ごした思い出は、子どもたちの胸に深く刻まれたことでしょう。

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#01-2:資源2[森林] 小田原産木材の活用に向けて
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市内には4千ヘクタールもの森林があります。
これは東京ドーム約850個分の面積に相当します。
しかし、その多くが所有者の高齢化・担い手不足や採算性の問題を抱え、効率的に活用されていないのが現状です。
小田原の大地が育んだ森林。その命を有効的に使うための挑戦を紹介します。

 小田原の山へ入ってみると、山に適度な光を取り込むために立木を間引く間伐などの整備が行われている森林と、整備が行き届いていない森林の違いがよくわかります。
 森林が整備されていても、整備の際に発生した間伐材はそのまま捨ておかれているのが実態です。
 今年6月に設立された「おだわら森林・林業・木材産業再生協議会(以下協議会)」。ここで進められている検討の一つが、間伐材をいかに活用していくかということです。
 次に示しているのは、一般的な原木の「木取り」の例です。中心部は、価値が高く、建築材などに使われ、外側の部分は、現状ではほとんど有効利用されていません。どちらとも価値のある間伐材として流通させるために、協議会では、小田原産木材の認証制度化、ブランド化に取り組んでいます。
 また現在、外側の端材も含め、さまざまな活用を試しています。かまぼこ板、木はがきなどの他、ロールケーキを乗せる下板、コースターなど多くのアイデアが出され、実際に製品化しようと準備が進められているのです。
建築材としての質の確保、貯木場の確保など、小田原産木材を活用し、流通していくための課題は少なくありません。
 協議会では、端材の活用の他にも、小田原産木材の利用を促進しています。石垣山一夜城歴史公園駐車場のトイレや、小田原城北工業高校で製作する小田原ちょうちんをモチーフとしたベンチなど、生活の中で小田原産木材に触れられる機会が増えていきます。
 さらに、小田原に古くから伝わる寄木細工や木地挽きといった高度な木工技術、清閑亭をはじめとする木造建築技術、そしてこれらの宝を生み出した職人たちの心。こうした小田原ならではの歴史・文化・伝統・風土などをうまく生かし、木材と融合させることができれば、木材の価値をさらに高め、その用途をもっと広げていけるでしょう。
 小田原産木材の活用の幅を少しでも広げ、長期的な視野で取り組むことが、小田原の森林を守ることにつながり、私たちにたくさんの恩恵をもたらしてくれます。

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地元産間伐材の活用 1 かまぼこ板の製作
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 小田原の名産品の一つである「かまぼこ」。
 かまぼこの板は、水分調整という重要な役割を担い、クリスマスツリーでよく知られる「もみの木」が多く使われています。
 今回、小田原蒲鉾協同組合の協力のもと、いくつかの木の種類から「杉」を選び、かまぼこ板への商品化に向けて検討を進めています。小田原の木材を使った小田原のかまぼこが、皆さんの食卓にあがる日を楽しみに、挑戦が続きます。

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地元産間伐材の活用 2 木はがきの試作
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 郵便局と連携し、端材から製作した木はがきを試作。定型サイズで厚さ2ミリの「木はがき」は、80円切手を貼れば、全国どこにでも届きます。素朴な天然木の風合いが、はがきに込める思いを優しい雰囲気で伝えてくれます。
 この木はがきには、地元産の木材で作られていることを示すロゴを、はがき表面の右下に刻印。これには、市内にある神奈川県産業技術センター工芸技術所のレーザー加工技術が用いられ、まさに、地元産木材と、地元の技術を生かした活用です。
 
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木材の地産地消を目指して…
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髙木大輔 さん
小田原地区木材業協同組合「林青会」 会長
 日本は、世界の中でも森林の比率が非常に高い国ですが、消費される木材の7~8割が外国産なのが現状です。
 近頃よく耳にする、地産地消という言葉。これは木材にも言えることです。これからは、国産の木材が流通していく仕組みを作っていかなければなりません。これまで私たちは、建築材のほうに重点をおいて活動してきました。しかし最近は、少しでも木材を広く活用するため、工芸品などの用途に対応する小田原ならではの「木取り」の検討も始めました。ニーズを把握しながら、PRにも努め、木材の分野でも、地産地消を進めていけるよう「産地」と「消費地」の中間にいる私たちが頑張っていきたいです。

※林青会 … 木材業の活性化を目的に若手関係者が中心となり、昭和38年に発足。定期的に情報交換を行い、親子木工教室や各イベントで木材の利用促進のPRなどに積極的に取り組んでいる。

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小田原の木に親しむ新しい取り組み
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 山がある小田原だからこそ、木材や森林について考えることはとても大切です。
 子どもたちが木材に触れ、木のぬくもりや森の大切さを身近に感じることができるよう、おだわら森林・林業・木材産業再生協議会では、木工教室やまき割体験、皿づくり、竹とんぼづくりなどを行っています。

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#01-3:資源3[伝統工芸] 若き職人たちの挑戦
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小田原・箱根地域に受け継がれる伝統工芸の一つ、寄木細工。
2005年、寄木細工に携わる若手職人たちが、「雑木囃子」というグループを結成。
寄木細工の伝統に、新風を吹き込んでいます。

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アイデアを競いながら
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 今年9月、雑木囃子は、フランスのパリで開かれた国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に作品を出展。フランスをはじめとする各国のお客様、メディアからの、「きれい」「素晴らしい技だ」「仕組みが不思議だ」といった新鮮な反応が、寄木細工は世界中の人に喜んでいただけるものだという自信につながりました。また広いフィールドの中で、客観的に寄木細工を捉える貴重な経験にもなりました。
 3年前、雑木囃子は、世界的工業デザイナー喜多俊之さんから、デザインについての講義を受ける機会に恵まれます。今回、「メゾン・エ・オブジェ」に出展することができたのも、喜多さんからの推薦があったからです。どういう作品が多くの人に受け入れられるのか、どのように展示すると喜ばれるのか、喜多さんからいただいたアドバイスも、大変勉強になったと言います。
 それぞれの工房で、日々仕事に励む雑木囃子のメンバーは、結成以来毎年、作品展「寄木の若いかたち展」を開いています。
 人に喜ばれる寄木のデザインは時代とともに変わります。多くの人に喜ばれる作品を、自由な発想で考えることは、とてもよい経験となります。また、仲間がどのような作品を作るのか、アイデアを競いながら制作するなど、仲間から受ける刺激も大切です。仲間の作品を見て、「やられた」と思いながら、自分の作品づくりにまた闘志を燃やすこともあるのだそうです。
 新しい、時に斬新なデザインの作品を生み出すことについて、彼らは次のように話します。
 「伝統工芸に携わるからには、まず何よりも根本的な技術をしっかり習得しなければならない。寄木細工を広め、伝統を残していくため、新しいこともしていかなければならないと思っている。それを理解して応援してくれる先輩がたがいる環境がありがたい」

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垣根を越えて
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 雑木囃子は、昨年から始まった「小田原もあ展」にも参加しています。これは、伝統工芸の作家から、新進気鋭のアーティストまで小田原を拠点に活躍するものづくり集団「ものづくり・デザイン・アート」による小田原発のものづくり展です。
 今年6月に行われた第2回小田原もあ展では、ツノダ画廊(栄町)を会場に、雑木囃子の作品を含む伝統工芸品と、すどう美術館(堀之内)が所蔵する現代アートのコラボレーションが実現しました。このような取り組みは、伝統工芸に携わる人たちに刺激を与え、伝統工芸が小田原ならではのアートシーン、芸術の広がりの可能性を生み出していきます。
 雑木囃子のメンバーは、「ふだん出会えないたくさんの人たちと触れ合うことで、立場が違っても『美しいものを作りたい』という気持ちは一緒であることに気づき、デザインの考え方がまた広がった」
 「アートや伝統工芸といったジャンルに境界はない。寄木細工も見せ方によって、アート作品のように人の心を動かすことができる。人に感動を与えられるような、寄木細工に関心を持ってもらえるような、魅力的な作品を作っていきたい」そう感じることができたと言います。
 「いろいろなチャンスに恵まれていることに感謝し、精力的に活動することで、寄木細工を少しでも広め、先輩がたや地元へ恩返しをしていきたい」と、意気込む雑木囃子。
 この地域ならでは伝統工芸の持つ可能性を追求し続けることが、地域を元気にし、伝統工芸の歴史をさらに後世へ引き継いでいきます。

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いぶき展
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 小田原・箱根地域の、ろくろ、指物、象嵌、寄木細工、漆などの木工業に携わる若者たちの「いぶき会」。ジャンルの異なる14人の作品をお楽しみいただけます。

日時:11月4日金曜日~6日日曜日 午前10時~午後5時
場所:小田原宿なりわい交流館

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第3回小田原もあ展
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 「ものづくり・デザイン・アート」の作家たちによる展示と販売。工芸品、ファッションアイテムの新作を発表します。

日時:11月8日火曜日~13日日曜日 午前9時~午後5時(最終日は午後4時まで)
場所:小田原城ミューゼ

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#01-4:特別対談 鎧塚俊彦さん×加藤憲一市長 どうして小田原なのか
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日本屈指の菓子職人鎧塚俊彦さんが、石垣山一夜城歴史公園前に「一夜城 Yoroizuka Farm(ヨロイヅカ・ファーム)」をオープンします。
地元・早川の農家のかたと手を携えて、小田原の食材をふんだんに取り入れた、ここでしか味わえない料理やスイーツを提供していきます。
お店のオープンに向け準備を進める鎧塚さんに加藤憲一市長が、鎧塚さんが感じている小田原の魅力などについて伺いました。

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ここにはすべてがある
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加藤憲一市長(以下市長):鎧塚さんとこれまでお話をさせていただいた中で、お菓子作りに懸ける情熱と哲学を強く感じました。その鎧塚さんが小田原を出店の地に選んでいただいたのには理由があると思います。手前みそになりますが、小田原には鎧塚さんを受け止めるだけの可能性があると信じています。
鎧塚俊彦さん(以下鎧塚):すべてそろっているんじゃないですか。まず、海と山がある。小田原という知名度があり、歴史がある。交通の要衝でもある。そして何よりも食材が豊富です。僕が小田原でお店を出そうと思った理由は、自分のお菓子を材料から作りたいと思ったからです。
市長:出店する石垣山は不便ではないですか?
鎧塚:僕は、お客様にわざわざ僕のお菓子を食べに来ていただきたい。東京の恵比寿に出したお店も、駅前ではなく徒歩10分ぐらいの場所にあります。小田原で山のてっぺんを選んだのも同じ理由です。風光明美であることももちろんですが、わざわざここに来ていただきたいという思いがあります。
市長:あの鎧塚さんが早川にお店を出していただけると聞いたとき、市民も私も正直驚きました。
鎧塚:最初は皆さん半信半疑でしたね。でも、現地に通うようになって僕は、市長をはじめ、皆さんが「何かやりたい!」という気持ちを非常に強く持っていることを感じました。本当に一生懸命にやってくれる人がいる。僕はここの素晴らしさを感じたから店を出すのです。
市長:ありがとうございます。地域の中にいると、なかなかその素晴らしさが分からないものかもしれません。
鎧塚:そう、分からないものですね。
市長:小田原では、スイーツや料理に使えるさまざまな素材が手に入ります。かんきつ系は当然ながら、梨、いちご、キウイ、ブルーベリーなども実ります。酪農も営まれ牛乳も手に入ります。そして、米と魚。そういった食材をはじめ、この土地には鎧塚さんが手をかけてくださることで、つながりあってより生かされるものがあると思います。
鎧塚:僕は小田原を変えようなんて思ってはいなくて、新しいものが入ってくることで古き良きものが一層際立つと思っています。僕の役割はそこにあるのです。小田原らしさ、素朴さをうまく生かしていきたい。ちょっと見方を変え、見せ方を変えることで光を放つものが小田原にはいっぱいあります。
市長:そうなんです。小田原には可能性を秘めた素材がたくさんあります。なかなかその価値が認められていない。鎧塚さんの素晴らしい感性と技で、小田原の魅力がまた違う形で引き出されることを本当に楽しみにしています。

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未来につながる可能性
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市長:早川地区では過去十数年近く、市と地元の協力により、グリーン・ツーリズム事業を進めてきました。コスモスを植えたり、さつまいも掘りを催したり。
鎧塚:地元のかたたちは、精力的に動いてくださり、本当にありがたいですよ。毎週、集まって畑仕事をやってくださる。皆、60代や70代で大先輩だけれども、僕らよりずっとシャキシャキされています。
市長:鎧塚さんにいらしていただいたおかげで、地域の可能性、二宮尊徳先生の言葉で言えば、地域の「徳」が形になりつつあります。お店がオープンしてお客様が来て、地域の経済にも効果がもたらされるよい循環ができれば、ますます活発的に持続して動いていくと期待しています。
鎧塚:僕はここで、地元の人たちと一体となって、地域が盛り上がる成功例を作りたいと思っているのです。
市長:早川地区はもともと人の結束が強い地区であるからこそ、今の動きにつながっているのでしょう。ぜひ、腰を据えていただき、息の長いお付き合いをお願いしたいです。
鎧塚:はい。僕には小田原でやりたいことがたくさんあります。だから、安易な気持ちではありません。一つ一つ、できることからきっちり形にして、確実に進んでいきたい。一夜城のある場所には未来につながる可能性があるのです。
市長:一夜城の裏の山のほうは、もともと三井物産の創始者の益田孝さんが益田農場を設け、農産物の加工販売を目的として、多角的な事業を展開していたところです。この土地のDNAとして、そういう資質があるのではないかと思います。
鎧塚:僕は、その資質というものは、小田原にはものすごくあると思います。
市長:こうやって、ひと手間、ふた手間かければ、素晴らしいものになるということを、市内外に広く伝えていけるよう、行政としてできるバックアップをしたいと思っています。鎧塚さん、本日はありがとうございました。
鎧塚:こちらこそ、ありがとうございました。

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一夜城 Yoroizuka Farm   11月5日土曜日オープン
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 「食材も、一から作りたい」という鎧塚さんの長年の願いと、農業の力で早川を元気にしたいという地元農家の願い。互いの願いを実現していく場となるのが、「一夜城 Yoroizuka Farm」です。スイーツショップの菓子やレストランの料理には、地元の果物や野菜、魚が使われ、売店では地元の特産品などが直売されます。グリーン・ツーリズム事業を進めてきた早川地区で、農産物の販路拡大、生産量増加、新たな雇用の創出などが期待されています。

※当面の間、周辺道路の混雑が予想されます。11月5日土曜日、6日日曜日は早川駅と箱根板橋駅発着の臨時バスが運行されますので、ご利用ください。なお、11月23日 祝日までの土・日曜日、祝日は、「小田原宿観光回遊バス(小田原駅東口発着)」をご利用ください。

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小田原産木材をケーキに
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「一夜城 Yoroizuka Farm」では、小田原をはじめ県西地域産の板の上に、ロールケーキを乗せて販売する予定。ひのき板は、ケーキにほんのり香りを加え、お皿の代わりになり、記念にもなります。間伐材を有効に利用することができ、お客様に地元の木材や森林への関心を高めてもらうことができます。「小田原ならではの企画です。一石二鳥にとどまらず、一石何鳥にもしていきたいですね」と鎧塚さん。

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「小田原っていいなぁ」
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今回は、小田原の地域資源とそれを活用していく人を特集しました。
立地、交通、自然の利、長い歴史に育まれた産業、文化、かかわりのある著名人。
小田原は、数え切れないほどの地域資源を蓄えています。
一見すると何の魅力もない資源も、見せ方を少し変えてみたり、磨いたり、何かを加えたり、人が手をかけることにより、輝きだしていきます。
今、小田原を愛する人たちが、さまざまな地域資源を活用し、小田原の魅力を高めています。
今回紹介したのは、ほんの一部に過ぎません。小田原の地域資源に秘められた、無限の可能性。
多くの人が、「小田原っていいなぁ」と笑顔になれる。
そんなふうに、より多くの地域資源が、さまざまに活用されていくことを願っています。

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#02:市議会9月定例会 平成23年度9月補正予算の概要
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市議会9月定例会
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【問】総務課 電話0465-33-1291
審議された主な内容や議案などは、行政情報センター(市役所4階)、支所・連絡所でご覧になれます。
なお、詳しい審議の内容は、「市議会だより11月1日号」をご覧ください。

■ 専決処分の報告(事故賠償2件)
■ 平成23年度一般会計補正予算[修正可決]
■ 平成23年度国民健康保険事業特別会計補正予算
■ 平成23年度介護保険事業特別会計補正予算
■ 平成23年度宿泊等施設事業特別会計補正予算
■ 非常勤の特別職職員の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
■ 市税条例の一部を改正する条例
■ 都市公園条例及び体育施設条例の一部を改正する条例
■ 総合文化体育館条例の一部を改正する条例
■ 小田原テニスガーデン条例の一部を改正する条例
■ スポーツ振興審議会条例の一部を改正する条例
■ 権利の放棄
■ 訴えの提起
■ 公の施設を利用する権利に関する処分に係る異議申立てに対する決定についての諮問(日本交通小田原株式会社、箱根観光自動車株式会社、ケイエム大箱根自動車株式会社)
■ 職員の不祥事に関する決議
■ 平成22年度一般会計継続費精算報告書の報告
■ 平成22年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率の報告
■ 平成22年度一般会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度競輪事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度小田原城天守閣事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度国民健康保険診療施設事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度公設地方卸売市場事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度老人保健医療事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度介護保険事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度宿泊等施設事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度公共用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定
■ 平成22年度水道事業会計決算の認定
■ 平成22年度病院事業会計決算の認定
■ 公平委員会委員(田村清美さん)の選任
■ 非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例等の一部を改正する条例
■ 土地の取得(下中小学校用地)
■ 教育委員会委員(萩原美由紀さん)の任命
■ 漁業用軽油にかかる軽油引取税の免税措置に関する意見書
■ 二級河川酒匂川の全面的な河床整理の早期実施を求める意見書

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平成23年度9月補正予算の概要
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【問】財政課 電話0465-33-1312
一般会計補正予算(13億9,337万4千円追加)
主な内容は、左のとおりです。

国民健康保険事業特別会計補正予算(1,973万4千円追加)
システム改修費などを計上しました。

介護保険事業特別会計補正予算(682万5千円追加)
介護認定関係費を増額しました。

宿泊等施設事業特別会計補正予算(1億円減額)
宿泊施設等貸付収入を減額しました。

この結果、全会計の予算額は、1,384億9,872万5千円となりました。

■ 防災・災害対応
● 防災行政用無線音声自動応答装置購入費等の計上
● 小学校屋上フェンス整備等工事請負費の計上
● 小・中学校受水槽復旧工事請負費の計上
■ 環境・再生可能エネルギー対策
● おだわら環境志民フォーラム実行委員会負担金の計上
● 再生可能エネルギー事業化調査費等の計上
● 地球温暖化対策推進事業費補助金の増額
● 新しい公共の場づくりのためのモデル事業実行委員会負担金の計上
■ 地域活性化
● まちづくり会社出資金の計上
● お城通り地区再開発事業費の増額
● 清閑亭改修計画策定委託料及び松永記念館改修基本設計等委託料の計上
■ 子育て・教育環境の充実
● おおとり保育園施設取得費等の計上
● 公立小・中学校、幼稚園及び保育所の維持管理工事請負費等の増額
● 公立幼稚園、保育所及び放課後児童クラブ空気清浄機購入費等の計上

また、次のとおりご寄附をいただきましたので、そのご意思を生かせるよう、各基金に積み立てます。
〈寄附者一覧〉(敬称略)
■ ふるさと文化基金寄附金(5万400円)
● 小田原カラオケ連合会
■ 防災対策基金寄附金(20万円)
● 株式会社ニュー東洋
■ 社会福祉基金寄附金(2万円)
● 小田原盆栽愛好会
■ ふるさとみどり基金寄附金(合計17万1,624円)
● あいおいニッセイ同和損害保険株式会社
● 小田原庭園業組合

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#03:平成22年度決算に基づく市の健全化判断比率と資金不足比率
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いずれも「健全段階」でした
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「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)」により、地方公共団体は、『財政の健全性』を判断するための4つの「健全化判断比率」と公営企業会計の「資金不足比率」を算定することになっています。
平成22年度決算に基づき、これらの比率を算定した結果、いずれの比率も国が定めた早期健全化基準などを下回り、市財政の健全性は、「健全段階」でした。今後も市債残高の減少に努めるなど、健全財政を維持していきます。

【問】財政課 電話0465-33-1312

『健全化判断比率』
(1) 実質赤字比率
福祉、教育、道路整備など基本的な行政サービスに必要な経費を経理する一般会計などの赤字の大きさを表しています。
→黒字のため算定されません。

(2) 連結実質赤字比率
一般会計などに水道、病院、下水道、国民健康保険事業などを加えた、すべての会計の赤字の大きさを表しています。
→黒字のため算定されません。

(3) 実質公債費比率
一般会計などの、市債(借金)などの返済額の大きさを表しています。
→前年度から1.2ポイント改善しています。これは、市債の元利償還金・準元利償還金が年々減少していることなどによるものです。

(4) 将来負担比率
一般会計などの市債や将来支払う可能性のある負担額などの現時点での大きさを表しています。
→前年度から19.2ポイント改善しています。これは、市債残高の減少のほか、充当可能財源とされる基金残高が増加したことなどによるものです。

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公営企業会計の『資金不足比率』
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 公営企業会計の資金不足を、公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して表しています。

※ 対象となる公営企業会計は、水道事業会計、病院事業会計、天守閣事業特別会計、下水道事業特別会計、公設地方卸売市場事業特別会計の5つの会計です。
→いずれの公営企業会計も資金不足が生じていないため、算定されません。

財政健全化法における財政状況判断基準
 財政健全化法では、「早期健全化」と「財政再生」の2段階の判断基準が定められています。健全化判断比率が早期健全化基準を超えると、健全化計画を策定し、財政の健全化を進める必要があり、さらに財政再生基準を超えると、再生計画を策定し、財政の再建に取り組むことになります。

※ 健全化判断比率などの状況は、市ホームページで公開しています。
また、市債の状況は「借金時計」として、ご覧いただけます。
トップページ上のバー「市政情報」をクリック→財政状況

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#04:夢見遊山 いたばし見聞楽
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地元のかたに支えられ、板橋秋の交流会は10年め
地元自治会や商店会などと市が、協働で実施してきた「板橋秋の交流会」は、今年で10回め。楽しんでいただけるようさまざまな工夫を凝らし、皆さんのお越しをお待ちしています。
【問】板橋秋の交流会実行委員会 電話0465-23-1377(郷土文化館)

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震災復興への願い
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 「東日本大震災の被災者を少しでも支援したいという強い思いがある」と実行委員長の大木秀夫さん。今回の交流会では、会場内で集めた義援金を福島県相馬市の震災孤児に送ります。夕暮れ時に会場周辺で点灯する「夢灯篭」には、しとやかな琴の演奏とともに、鎮魂の思いを込めます。
 また、福島原発の事故で被害を受けた、足柄茶を応援する試みもあります。
 松永記念館を創立した松永耳庵は、「電力王」と呼ばれ、現在の電力供給体制の基礎を築き、茶をこよなく愛しました。松永記念館で開かれる交流会だからこそ、耳庵へ思いをはせながら、復興への願いを皆で共有しましょう。

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多くの人に支えられて
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 交流会は、地元関係者や有志の皆さん、関係企業などからの協賛金で開催しています。
 今回も交流会の趣旨に賛同いただいた市内30を超える企業や団体などから、多くの協賛金を頂いています。

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板橋の魅力アップに向けた新たな試み
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 今回、実行委員会の活動が、国の「ミュージアム活性化支援事業」の対象として認定されました。
 これを機に交流会の拡充を図るとともに、板橋周辺に居住していた近代政財界人・文化人らの地元での動向についての聞き取り調査を専門家に依頼。板橋地区の歴史を掘り起こし、魅力をさらに高める活動につなげていく予定です。

「夢見遊山いたばし見聞楽」
場所:松永記念館 他

11月5日土曜日
松永耳庵物語
(1)講演「板橋の歴史と三茶人たち」 午前10時30分
(2)特別対談「松永耳庵の審美眼」 午後1時30分

11月6日日曜日
松永耳庵物語
(3)メモリアル・トーク 「電力王が農業に注いだ情熱」  午後1時
(4)劇的朗読「今だから語る松永耳庵」 午後2時
庭園コンサート 午前10時/12時/午後5時
古典芸能の夕べ(下中座公演ほか) 午後4時
いたばし見聞楽市 午前11時~午後4時
耳庵が愛した味(そば1食 950円) 午前11時
がんばれ足柄茶!! (「うまみ茶」 1席 500円)  午前10時~午後4時
ぶらり板橋夢散歩 午前10時
夢灯篭・灯りの回廊 午後5時

板橋秋の交流会実行委員 山本倶徳さん
 秋のすてきな「ひととき」を「いたばし」で過ごしてみませんか。交流会は自分たちの町の良さを知り、おもてなしの心で皆さんをお迎えしようと、毎年開催しています。
 今回もわが町の自然、文化、芸術を感じ取っていただけるように、盛りだくさんの「彩(いろどり)」をご用意しています。皆さんのお越しを心よりお待ち申し上げます。

神奈川県農協茶業センター 遠藤洋仁さん
 「足柄茶」ブランドは福島原発事故で壊滅的な被害を受けました。当センターでは、安全が確認されたお茶のみをお届けしており、交流会でお出しする足柄うまみ茶「花里の雫」も安心してお召し上がりください。生産者は来年に向けて頑張っています。交流会で改めて足柄茶のおいしさを味わっていただき、応援していただければと思います。

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#05:おだわら情報
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特定健診を受けましたか?
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【問】健康づくり課 電話0465-47-0820

 市では、国民健康保険に加入している40歳から74歳までのかたを対象に特定健診を実施しています。
 血圧測定や血液検査、尿検査などを行い、メタボリックシンドロームを発見し、肝臓や腎臓の機能など全身の健康状態を知ることができます。
 対象者には、5月下旬に受診券を送付しています。同封の「特定健康診査等取扱医療機関一覧表」の医療機関に、直接お申し込みください。受診期間は平成24年2月29日までです。
 冬期はインフルエンザの流行などが心配されますので、早めに受診しましょう。

※ 平成23年4月1日現在、小田原市の国民健康保険に加入しているかたで、受診日に保険資格があるかたが対象です。対象外のかたが受診した場合は、全額自己負担(1万5千円程度)となりますので、ご注意ください。

※ 70歳以上のかたや市民税非課税世帯のかたは、受診の際の自己負担(2千円)が免除になります。市民税非課税世帯のかたは申請が必要ですので、健康づくり課までお問い合わせください。

※ 毎年約3万8千人のかたに受診券をお送りしていますが、受診率は20%程度にとどまっています。人間ドックなどを受けたかたは、結果を市にご提出いただくことで受診率に反映できますので、健康づくり課までご連絡ください。

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11月11日は介護の日
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【問】高齢介護課 電話0465-33-1841

介護の日って?
 厚生労働省では、11月11日を「介護の日」と定めています。これは、平成20年7月の「福祉人材フォーラム」において、高齢者や障がい者に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日として、厚生労働大臣より発表されました。
 介護従事者、介護サービス利用者、介護家族を支援できるように、介護について理解と認識を深めること、また、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進することを目指し、定められたものです。
 「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」を念頭に、「いい日、いい日」にかけた覚えやすく、親しみやすいごろ合わせになっています。

※介護に関する相談は、高齢介護課まで。

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11月は不法投棄撲滅強化月間
「不法投棄をしない! させない! ゆるさない!」
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【問】環境保護課 電話0465-33-1486

不法投棄は犯罪です!
 決められたルールを守らずにごみを捨てると、法律により罰せられます。最近は、引っ越しや大掃除で出た家庭ごみの投棄が多くなっています。たとえ少量でも、不法投棄は犯罪です。 5年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金、またはこれらが併せて科せられる他、会社がかかわった場合には、会社にも3億円以下の罰金が科せられます。
 市では、不法投棄防止のため、昼夜を問わずパトロールを実施し、また、空き缶やたばこのポイ捨てについても、「小田原市きれいなまちと良好な生活環境をつくる条例」で禁止しています。

※ 不法投棄をしているところを見たら、すぐに警察に連絡してください。

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11月9日水曜日~15日火曜日は、秋季火災予防運動
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【問】予防課 電話0465-49-4425

● 住宅用火災警報器を設置しましょう。平成23年6月1日から義務化されています。
● 住宅用火災警報器を設置した住宅では、早期に火災を発見できたことによって、被害を最小限にとどめることができた事例があります。
9月30日現在、市内でも8件の事例を把握しています。
※ 設置場所は、寝室・階段の天井面(天井に設置ができない場合は壁面でも可)です。
※ 住宅用火災警報器本体から下がっているひもを引く、あるいはボタンを押すなど、毎年1回は作動点検をしましょう。

● 放火防止対策のために家の周りを整理整頓しましょう。

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用途地域変更素案の閲覧と公聴会の開催について
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【問】市都市計画課 電話0465-33-1571
   県都市計画課 電話045-210-6175

 次のとおり用途地域の変更に係る県素案の閲覧を実施します。
 この素案に対し、公聴会にて公述を希望するかたは、期間内に申し出することができます(10人程度)。

閲覧・公述申し出の期間 11月8日火曜日~29日火曜日 午前8時30分~午後5時15分
※ 土・日曜日、祝日を除く
場所:市都市計画課、県都市計画課

公聴会開催予定日時
日時:12月22日木曜日 午後7時から
場所:市役所7階大会議室
※ 公述を希望するかたがいない場合は、公聴会は中止となります。
開催の有無については、県都市計画課にご確認ください。

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病院・診療所の相談は、小田原医師会地域医療連携室へ
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【問】健康づくり課 電話0465-47-0820

 小田原医師会地域医療連携室では、医療機関などの案内、医師による相談などを受け付けています。

小田原医師会地域医療連携室
電話0465-47-0833
FAX 0465-49-3766
Eメール odtiki@triton.ocn.ne.jp

各医療機関の診療時間・休診日、健診・検査、インフルエンザ予防接種を行う医療機関の案内
日時:月~土曜日(日・祝・年末年始を除く)午前9時~12時、午後1時~5時

医師による電話医療相談の受付(無料)
時間:午後1時30分~2時30分
※ 都合により時間が前後することもあります。

「小田原医師会」で検索

※ 健康診断・認知症・禁煙・予防接種・在宅医療・インフルエンザ予防接種の実施医療機関一覧を掲載しています。

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11月27日は「交番の日」制定記念日です
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【問】小田原警察署 電話0465-32-0110
   地域安全課 電話0465-33-1396

 神奈川県警察では、明治4年11月27日に全国にさきがけて設置された「神奈川県羅卒課」が定めた規則の中で、「交番」という用語が初めて使われたことから、毎月27日を「交番の日」としています。
 「交番の日」には、県民の皆さんが安心して暮らせる地域社会の実現を目指し、「できるだけ多くの警察官を配置しての警戒活動の強化」「犯罪多発地区における『臨時交番』の開設やパトロールの強化」「自治会やボランティアのかたがたと連携した合同パトロールの実施」「犯罪防止のための各種キャンペーンの実施」など、県民の皆さんと警察が一体となって地域の安全を守る活動を行っています。
 小田原警察署では11月27日に、多発している振り込め詐欺の被害防止対策の普及などさまざまな防犯活動に取り組みます。
 お困りのことがありましたら、気軽に交番や駐在所にご相談ください。

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市民と市長のまちかどトーク
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【問】広報広聴課 電話0465-33-1263

 まちづくりの主役である市民の皆さんが自由に参加できる市長との懇談会を開きます。

日時:11月27日日曜日午後2時~3時30分
場所:小田原ラスカ6階 U-meテラス
テーマ:いのちを守る小田原~大震災を踏まえたまちづくり~

市民の皆さんの命を守り、生存と生活の確保ができるまちを創っていくために、意見をお聞かせください。

● 事前申し込みは不要です。直接会場へお越しください。
● 託児(2歳以上就学前まで)や手話通訳が必要なかたは、11月11日金曜日までにご連絡ください。

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北条五代を大河ドラマに!
北条氏ゆかりの市・町が北条五代を生かす観光の推進を宣言
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【問】観光課 電話0465-33-1521

 9月23日、市民会館で北条氏にゆかりのある市町の行政と観光協会の関係者が集まり、「北条五代観光推進協議会」の総会が行われ、北条氏との縁を誇りとし、北条氏の優れた地域経営に学び、北条氏の魅力を生かした観光まちづくりを進めていくことを誓い合いました。
 また、「まちづくりに北条氏の思想を生かすこと」、「北条五代の魅力を全国に発信すること」、「北条氏ゆかりの市・町の交流促進と住民の活動の促進」、「北条五代の大河ドラマ化推進」などを盛り込んだ北条五代観光推進宣言が満場一致で採択されました。
 続いて実施した「北条五代シンポジウム」では、元NHKキャスター松平定知さん、静岡大学名誉教授小和田哲男さん、歴史作家火坂雅志さんから「大河ドラマ化実現には地元の熱意と盛り上がりが大切」とのお話がありました。
 北条五代の大河ドラマ化という大きな夢に向かって、岡山県・静岡県・神奈川県・東京都・埼玉県にまたがる8市2町が力を合わせて進んでいきます。

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#06:〈連載〉市民力 〈無尽蔵プロジェクト〉環境(エコ)シティ
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親しまれる消防団に
小田原市消防団第2分団
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 本町、南町、城内を中心に、栄町、城山の一部を担当する市消防団第2分団。
 管内には、古くからの住宅密集地もあり、火災などの災害に対応できるよう、訓練に励んでいます。来年7月には、県の消防操法大会への出場が決まり、今後はさらに熱が入ります。
 第2分団では、日頃の訓練や、防災訓練への参加の他、さまざまなPR活動にも取り組んでいます。第2分団の広報誌やホームページでの活動紹介、ツーデーマーチや健民祭といったイベントでの消防団のPR、消防車が作れるペーパークラフトの作成。また10月には、近隣の分団員たちとともに、「ファイヤーボーイズ」を結成し、えっさホイおどりに参加しました。「消防団について多くのかたに知ってもらうきっかけにできたらいいです」と分団長の守屋さん。先輩がたが始めた活動を、頼れる仲間たちと大切に引き継いでいます。
 守屋さんは、東日本大震災以後、「地域の皆さんに頼られる消防団となり、地域を守らなければ」と改めて強く感じていると言います。ともに活動する中で育まれるチームワーク、守屋さんの笑顔からもにじみ出る温かい雰囲気が、地域の皆さんにとって親しみやすく、安心して頼れる消防団につながっています。

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〈無尽蔵プロジェクト〉環境(エコ)シティ
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私たちの命を守り育てる自然環境豊かなまちを目指して
【問】環境政策課 電話 0465-33-1476

 小田原は、山、川、海、広々とした農地、里山といった、さまざまな自然環境に恵まれた地域です。
 無尽蔵プロジェクト「環境(エコ)シティ」では、小田原の環境課題を整理し、一つ一つ解決策を打ち出していこうと取り組んでいます。
 東日本大震災が私たちの生活の基盤に深刻な影響を与え、自然環境への課題を突きつけた今こそ、「便利・快適」より「命を守る」という視点を重視し、自然環境との共生を考えなければなりません。
 そこで生活の基盤となる森里海連環の維持強化、安全なエネルギーの地域自給への転換など、小田原の環境課題を共有するためのフォーラムを開きます。
 このフォーラムをさまざまな環境活動にかかわる多くのかたが交流していくためのきっかけとします。

「おだわら環境志民フォーラム」森の再生からブリの来るまちへ

日時:11月19日土曜日 午前10時から
   20日日曜日 午前9時から
場所:けやき
主な内容:
● シンポジウム テーマ「森里海連環」など
講師:上田勝彦さん、太田猛彦さん、菅野哲さん、野中ともよさん、畠山重篤さん 他
※当日は、公共交通機関をご利用ください。

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#07:〈連載〉おいしい小田原いただきます
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おいしい小田原の味をかみしめながら、小田原の魅力を、もっと考えてみませんか。このコーナーでは、小田原のおいしい話題をお届けします。

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たくさん飲んで、すくすく育て!地元産牛乳をゴックン
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 市内の学校給食で、子どもたちが毎日飲んでいる「きんたろう牛乳」。牛乳には、足柄山で育った、優しくて力持ちの金太郎のように、たくましく育つために必要な、カルシウムやたんぱく質の他、ビタミン、ミネラルなどの栄養が、バランスよく含まれています。
 「きんたろう牛乳」は小田原市や、泰野市、中井町など、県西地域から集めた、無脂乳固形分8.3%以上、乳脂肪分3.6%以上の成分含量のかなり高い生乳を加熱殺菌した成分無調整の「ふるさと牛乳」です。
 市内では橘地区を中心に16戸の農家で、約270頭の乳牛が飼育されています。畜産農家のかたの協力で、乳牛との触れ合い体験が各所で催されています。9月には、足柄地区農業経営士会主催の体験学習が、小田原牧場アイス工房(下曽我)で開かれました。参加した親子は、実際に搾乳し、子牛にミルクを飲ませるなど、牛と触れ合ったあと、生クリームを使ったバター作りを行い、農家のかたからお話を伺いました。
 人間が飲む牛乳を得るために、何度も子牛を産ませ乳が多く出るようにすること。一頭の牛から多くの乳を搾るために、とうもろこしなどの穀類をブレンドした餌をたくさん食べさせていること。生乳の成分に大きく


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