木と生きる伝統の技と匠
ー KOUGEI EXPO in KANAGAWA ー

小田原・箱根地域では、豊かな自然の恵みと、城下町・宿場町として栄えた歴史の中で、さまざまな産業が育まれてきました。特に、木製品は千年以上の歴史を有し、多種多様な木工技術が集積しています。
11月には、全国の伝統的工芸品産業などが一堂に会する「KOUGEI EXPO」が、神奈川県で初めて開催。10月には、そのプレイベントとして小田原・箱根「木・技・匠」の祭典が行われます。
伝統技術に裏打ちされた、小田原が誇る「ものづくり」の価値と共に、職人の思いをお伝えします。

小田原・箱根「木・技・匠」の祭典 実行委員6人

小田原・箱根「木・技・匠」の祭典 実行委員6人

  

■小田原・箱根「木・技・匠」の祭典
~見て・ふれて・体験する 木の魅力が大集合!~

【日時】
10月10日(土)・11日(日) 午前10時~午後4時
【場所】
小田原三の丸ホール・市観光交流センター(にぎわい広場含む) ※入場無料
【内容】
2026「木工-1グランプリ」作品展示、たくみの広場(ワークショップ体験&からくり箱体験)、木と技の木工marche´(木製品販売)、小田原・箱根の木工の歴史展など

小田原・箱根「木・技・匠」の祭典に向けて

小田原・箱根「木・技・匠」の祭典 実行委員会

小田原・箱根「木・技・匠」の祭典 実行委員会 委員長 府川さん

この祭典は、若手の職人が企画、運営しています。木製品を見て、触れて、買って、木工の歴史や文化を学んでもらえればと思います。特に「温故創新」をテーマに職人の技と発想力を競った、2026「木工-1グランプリ」の作品展示では、応募のあった171点から、伝統技術と新しい加工技術の融合を楽しむことができます。その他にも、木製品の販売やワークショップ、小田原・箱根地域の木工の歴史を紹介する企画展などもありますので気軽にお越しください。
 

■KOUGEI EXPO in KANAGAWA
(第43回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)

KOUGEI EXPO in KANAGAWA(第43回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)
【日時】
11月7日(土)~9日(月)午前10時~午後5時(9日は午後4時まで)
【場所】
パシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい1丁目1番1号) ※入場無料
【内容】
日本各地の伝統的工芸品が神奈川に大集合!職人による制作実演の他、工芸品の制作体験や展示販売を行います。本市も神奈川の工芸産地としてPRブースを設置します。

- 千年の歴史が紡ぐ、小田原木工芸の歴史 伝統工芸士が語るその魅力 -

【伝統工芸士】
経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」の製造において、高度な技術・技法と豊富な知識を持つ職人に与えられる称号

【小田原漆器】
大川木工所 大川さん

伝統工芸士 登録 平成15年2月25日

大川木工所 大川さん
大川木工所 大川さん

ー 時を重ねて輝く 小田原漆器 ー

小田原漆器の歴史的背景

小田原の伝統工芸の中で、最も歴史を有するのが小田原漆器です。小田原の木工の始まりは平安時代といわれ、約千年の歴史があります。平安時代に早川の地でろくろ(木材を回転させる道具)を使ってお椀を作る「木地挽」が行われたという言い伝えがあり、紀伊神社には、木工ろくろの技術を伝えたといわれれる惟喬親王伝説があります。
室町時代になると、木地椀に漆を塗り、耐久性を持たせるようになりました。これが小田原漆器の始まりです。また、漆は傷を修復しやすく、水や熱に強いのが特徴です。
戦国時代には、北条氏康が塗師を招き、甲冑や槍に漆を塗ったという話もあり、その頃から塗師が小田原に定着し、日常の生活に小田原漆器が広まったといわれています。

小田原漆器の特徴

小田原漆器は、木目が美しく、硬くて丈夫なケヤキの木を使い、自然の木目を生かした塗り方が主流です。ろくろを使って製品の形にあわせた手作りの刃物を使って切削し、成形します。ろくろで木地を挽く際には、高い技術が求められます。小田原では、木地師が正面に座り、ろくろと向き合って挽くスタイルで行われています。ろくろで挽く際は、つるつるになるようにきれいに削り、磨きあげることが大切です。
大川木工所 大川さん

小田原漆器の魅力

他の産地の漆器は、きらびやかで豪華な物多いのですが、小田原漆器は素朴な塗りの物が多く、使っていると愛着が湧いてきます。まずは触れてみて、木目やふわっとした木のぬくもりを感じながら、食事を楽しんでもらいたいです。お椀は熱いものを入れても熱さをほとんど感じません。塗り直しをすれば、また新しくなり、長く使えるのもポイントです。
大川さんが制作した小田原漆器
大川さんが制作した小田原漆器

【小田原漆器】
もくのすけ 鈴木さん

もくのすけ 鈴木さん
もくのすけ 鈴木さん
関西から小田原へ移り住み、市の職人後継者育成事業を通じて修業しました。地域の木工職人や漆器組合の支援や協力をいただき、小田原漆器の制作に励む日々です。自分の手で作った漆器が売れると喜びや、やりがいを感じる反面、注文が続くとは限らないという苦労もありますね。魅力を広めるため、自分でも使いながら、一つ一つ丁寧に作り続けています。

【箱根寄木細工】
露木木工所 露木さん

伝統工芸士 登録 平成14年2月25日

露木木工所 露木さん
露木木工所 露木さん

ー 木が描く芸術 箱根寄木細工 ー

箱根寄木細工の歴史的背景

江戸時代の終わりの頃(約200年前)から、箱根町の畑宿で作られ始めたといわれています。箱根の山は、さまざまな色彩の樹木が豊富であるため、自然環境と木工技術が融合し、寄木が生み出されました。
さらに、江戸時代から明治時代にかけて、木工技術と道具の発展により、組木細工(玩具)、秘密箱、木象嵌など、多様な木製品と木工技術が生まれました。小田原・箱根地域は伝統工芸のまちといえます。

箱根寄木細工の特徴

箱根寄木細工は部材を組み合わせて、三角形や四角形の伝統的文様をつくる作業に高い精度が求められます。
また、「ズク」という技術が特徴です。ズクは、木の部材を組み合わせて文様を作り出した種木を、特別なカンナで厚さ0.2㎜に薄く削る繊細な技術です。薄く削ったズクを製品の表面に貼って仕上げます。
露木さんが制作した箱根寄木細工
露木さんが制作した箱根寄木細工

箱根寄木細工の魅力

箱根寄木細工には、文庫やお盆の他、イヤリングやピアスなどの装身具を入れる小物入れなど、さまざまな製品があるため、それぞれの寄木の美しさを魅力として楽しんでもらいたいです。
また、寄木は公共施設やホテルの内装、壁面装飾など、多方面で使えることも特徴です。新しい寄木の文様を模索すれば、無限の可能性が広がります。
伝統的工芸品を知ってもらうと共に、見て、触って、ものづくりの良さを感じてもらいたいです。
露木木工所 露木さん

未来へつなぐ木工芸

神奈川県でKOUGEI EXPOを開催するため、2年前から準備をしてきましたが、併せて秘密箱の魅力を引き継ぐ「からくり細工」を県内で4番目の経済産業大臣指定の伝統的工芸品にすべく、取り組んでいます。
これからも、木工職人が切磋琢磨し、令和の時代にふさわしい新しい技術開発に取り組み、皆さんに親しまれる木製品を作り出すことで、地域の魅力をより高めていきたいと思っています。

【からくり細工】
からくり企画 からくり創作研究会 岩原さん

岩原さん からくり企画 からくり創作研究会 会長 
岩原さん からくり企画 からくり創作研究会 会長 
からくり箱は、小田原・箱根地域で作られてきた伝統工芸品の「秘密箱」を元に、職人の自由な発想で「あるき(スライド部品)」などの仕掛けを組み合わせて作られています。
からくり箱の魅力は、形も開け方もさまざまな箱を押したり、振ったり、回したりして開けること。必要なのは知識でなく、ひらめきです。大人も、こどもも楽しめます。

紀伊神社 惟喬祭

惟喬祭の様子

惟喬祭の様子

 
 

早川の紀伊神社は、地元では「木の宮さん」とも呼ばれ、木工関係者に深く信仰されています。早川地区の「木地挽」という字名は、古来の歴史を今に伝えています。
小田原・箱根地域の木工関係者は、毎年6月に紀伊神社で木地挽の始祖とされる惟喬親王(平安時代の貴族)と多様な職種の守護神とされる聖徳太子の偉業をしのび、報恩感謝の思いと業界発展を誓う「惟喬祭」を執り行っています。
 

この情報に関するお問い合わせ先

経済部:産業政策課 商業・ものづくり振興係

電話番号:0465-33-1511

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