小田原駅・小田原城周辺の懸案事業について
本市の懸案事業である「お城通り地区再開発事業用地」、「小田原地下街施設」、「現ホール予定地」の利活用について、小田原駅・小田原城周辺のまちづくりを一体的に捉えた場合、機能配置、事業費負担、集客効果、事業の早期実現などの点から、お城通り地区再開発用地には公共施設と商業・業務施設を、現ホール予定地を含む三の丸地区には市民ホール及び周遊拠点機能を配置し、小田原地下街施設は主として商業的な利用をするという組み合わせが、現時点では現実的な方向性であると、8月29日に、市長が発表しました。
加藤市長コメント
私は、市議会6月定例会の所信表明において、「小田原駅・小田原城周辺の機能配置」について、お城通り地区再開発用地は新しいホールを核に据えた広域交流拠点として、小田原地下街施設は市民活動支援や来訪者の拠点施設として、そして、現在のホール予定地は、小田原の魅力を求めて来訪し回遊する人たちのための周遊の拠点として、それぞれ整備することが、立地の優位性を最大限に生かした活用であると考え、提案をさせていただきました。
そして、この提案を具体的に検討するため、市職員による検討プロジェクトを設置し、各事業用地の利活用に係る検討を行ってきました。
4つの判断基準
プロジェクトの検討結果を受け、私としては、(1)技術的な可能性(建築面、財政面)、(2)交流人口の大幅拡大と高い回遊性の実現、(3)事業の早期実現、(4)これまでの市民意識や合意形成経過への配慮という4つの視点から、総合的に小田原駅・小田原城周辺のまちづくりの方向性を判断しました。
機能配置の基本方針
今回のプロジェクトによる検討案の中で、(1)新たな市民ホールは三の丸地区内に設置し、その隣接地に周辺への周遊拠点機能を配置する、(2)お城通り地区は市民会館の本館機能や市民施設を集約するなど公共要素を高めた事業案に変更する、(3)地下街はお城通りと一体的にとらえ、商業利用を中心とした利活用を図るという組み合わせ案が、現選択肢の中では実現の可能性が高いものと考えております。
この案は、従来より掲げてきた「お城通り地区には、市民による交流と創造の拠点を、三の丸地区にはお城周辺の佇まいを活かした歴史と文化(芸術文化)及び周遊の拠点を」という私のまちづくりの理念を変更するものではありません。
今後の課題
これまでのホール予定地は、市民意見を反映した十分な機能を備えたホールの建設地としては面積的に不十分であります。三の丸地区に周遊拠点を整備するためにも、その実現に向けては周辺用地を拡張し、歴史と文化の拠点空間としてのゆとりを確保することが必須であり、その実現への課題は多いものと考えております。
市としては、直面している状況、あるいは山積している懸案事項である、少子高齢社会への対応、経済の再生や市民活動の活性化などに一日も早く向かうためには、平成23年4月にスタートする総合計画に課題解決に向けた政策を具体的に位置づけていく必要があります。そして、この新総合計画の策定には、市民・議員・職員が一丸となった協働作業が不可欠であり、その作業には十分な時間とエネルギーを投入しなければなりません。この策定作業が本年後半から本格的に始まることを踏まえますと、小田原駅・小田原城周辺の懸案事業についても、早期に課題解決に向けた方針の樹立が必要であります。
事業化を目指して
今後は、今回お示しした案に軸足を置いた事業化に向け、その実現の可能性や細部の検証を含め、10月以降に設置する予定の検討委員会で十分に議論していただくとともに、市民や議員の皆様から広範な意見をいただき、事業化を目指してまいります。各立地に対する機能配置の基本方針は提示をさせていただきましたが、それぞれの事業をどのような形に仕上げていくかは、まさに今後の市民参画による検討プロセスに委ねていくこととなります。
今後とも、市民の皆様におかれましては、本市のまちづくりのご協力を賜りますようお願いいたします。
以下に、今回の判断の素材とした、庁内での検討プロジェクトの作業内容及びその中間成果物を資料として添付いたします。
なお、検討のために設定された事業案やその試算で示されている諸数値については、あくまで比較検討のためのものであり、方針決定されたものではありません。
この情報に関するお問い合わせ先
企画部:政策調整課
電話番号:0465-33-1379