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広報おだわら 第1028号

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広報おだわら 第1028号

平成23年2月1日 発行

#01:歴史と伝統を守り育て、次世代へ伝えていくために
#02:受け継がれる職人の技「和菓子」
#03:食のおだわら〜「食」による地域力アップ!!〜
#04:新総合計画の基本構想ができました
#05:自治基本条例策定中
#06:異文化を知る〜国際交流との出会い〜
#07:SHISEI〜至誠・市政〜
#08:おだわら情報
#09:「史跡と緑の共生」を目指して
#10:〈連載〉市民力
#11:「寶金剛寺庫裏」が国の登録有形文化財となります
#12:ウォーキングタウン小田原 ドラマの主人公たちの足跡を訪ねて
#13:〈連載〉あの日 あのとき 小田原


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テキスト版

※以下のページは、目の不自由なかたでもご利用いただけるよう、市販の音声読み取りソフトに対応するため、文字データのみを記載しました。
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まちづくり情報誌 広報 小田原
2/1─2/14
平成23年2月1日発行 No.1028
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========目次========
#01:歴史と伝統を守り育て、次世代へ伝えていくために
#02:受け継がれる職人の技「和菓子」
#03:食のおだわら〜「食」による地域力アップ!!〜
#04:新総合計画の基本構想ができました
#05:自治基本条例策定中
#06:異文化を知る〜国際交流との出会い〜
#07:SHISEI〜至誠・市政〜
#08:おだわら情報
#09:「史跡と緑の共生」を目指して
#10:〈連載〉市民力
#11:「寶金剛寺庫裏」が国の登録有形文化財となります
#12:ウォーキングタウン小田原 ドラマの主人公たちの足跡を訪ねて
#13:〈連載〉あの日 あのとき 小田原
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#01:歴史と伝統を守り育て、次世代へ伝えていくために
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問 まちづくり景観課 電話0465-33-1307

歴史的風致維持向上計画の策定に向けた取り組みが進んでいます

市では、平成21年6月に立ち上げた庁内検討組織や、昨年7月に設置した「小田原市歴史まちづくり協議会」において、「歴史的風致維持向上計画」について検討してきました。
今後は、平成23年度から計画がスタートできるよう、計画の認定に向けた国の関係機関との調整などを進めていきます。

◆「歴史的風致維持向上計画」とは?

 平成20年11月に施行された「地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(以下、歴史まちづくり法)」に基づき市町村が策定する計画です。現在、金沢市や高山市など全国19都市の計画が国に認定されています。
 計画では、地域で受け継がれてきた固有の伝統や歴史を反映した人々の活動、その活動が行われる歴史的価値の高い建造物や、周辺の市街地が一体となって作り出す良好な環境のことを「歴史的風致」として設定します。
 計画が国から認定されると、計画に位置づけた歴史的風致を維持向上するための支援を受けられるようになります。

◆なぜ小田原に必要なの?

 城下町や宿場町として栄えた小田原には、小田原城跡や由緒ある寺社、近現代の政財界の要人たちの別邸など数多くの歴史的建造物があります。さらには、神輿渡御などの祭礼行事やかまぼこ製造など、伝統的な活動やなりわいも受け継がれています。
 しかし、城下町・宿場町の風情あるまちなみや祭礼行事、伝統芸能などの活動は、老朽化や担い手不足などの理由で失われつつあります。これらの歴史的資源を守り、育て、そして次世代へ伝えていくため歴史まちづくり法を活用し、本計画を策定します。

◆小田原の歴史的風致とは

 本市では、維持向上すべき歴史的風致として、次の6つを位置づけています。

[1]小田原城下の旧三大明神例大祭にみる歴史的風致
古くは三大明神と呼ばれた松原神社などの神輿渡御や小田原囃子の笛の音などと、旧城下町の風情が織り成す環境

[2]宿場町・小田原の水産加工業にみる歴史的風致
小田原を代表するかまぼこなどの練り物製造をはじめとする水産加工業と、出桁造りの店舗、東海道の宿場町の風情が織り成す環境

[3]板橋地区周辺にみる歴史的風致
板橋地蔵尊大祭や秋葉山火防祭などの歴史ある行事と、板橋地区周辺に建つ由緒ある寺社や近代以降に建てられた政財界の要人たちの別邸などが織り成す環境

[4]城下の伝統工芸にみる歴史的風致
小田原漆器をはじめとする伝統工芸品の製造・販売と、旧城下町周辺において今も産業が受け継がれる店舗などが織り成す環境

[5]梅の栽培にみる歴史的風致
梅の栽培や梅干し製造といった農家の営みと、梅の花や曽我地域に代表される梅林の景観が織り成す環境

[6]柑橘栽培にみる歴史的風致
温暖な気候や小田原固有の土壌、地形などを生かして行われる柑橘栽培と、みかんの花や栽培園地に多く見られる石積みで形成された段々畑の景観が織り成す環境

◆期待できること

 本計画が国からの認定を受けると…
〈例[1]〉歴史的価値が高くても文化財として扱われず、これまで支援が難しかった施設などを、歴史まちづくり法に基づく「歴史的風致形成建造物」に指定することで、修理や維持などのための支援が受けられるようになります。
〈例[2]〉歴史的風致の維持向上につながる伝統的な活動、または寄与するイベントや市民活動に対する支援が受けられるようになります。
〈例[3]〉市街地の良好な景観を確保するためのルール作りなどの取り組みが、歴史的資源を生かしながら進められるようになります。

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小田原市の歴史まちづくりに期待します
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歴史まちづくり協議会会長
後藤 治さん

狭い国土に多くの人が暮らす日本では、長い間、土地を高度で効率的に有効利用し、建物を災害に強い形に造り変えることがまちづくりでした。少子高齢化に加え、環境への配慮が求められている今、それはもう古くなっています。
新しい時代のまちづくりには、これまでのまちの資産をなるべく無駄にせず、むしろその質と品格をさらに向上させることが求められています。
歴史まちづくり法を使った今回の取り組みこそ、その第一歩といえると思います。

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#02:受け継がれる職人の技「和菓子」
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問 産業政策課 電話0465-33-1511

 小田原の地場産業の一つである和菓子。
 長い歴史を持ち、何よりも季節を大切にする和菓子は、味わいはもとより、見た目の美しさ、ほのかな香りなどが、私たちの五感をいつも楽しませてくれます。
 職人の手で一つ一つ丹念に作られ、その技が光る小田原の和菓子の奥深さに触れてみませんか。

小田原と和菓子

 小田原に和菓子が豊富なのは、城下町として茶道が盛んだったことに由来します。幕末の小田原城主・大久保氏は茶の湯を好み、城に菓子を納める職人「菓子匠」を、商人の中でも優遇していました。このような背景もあり、菓子職人が小田原に集まり、小田原の芸術品ともいえる和菓子の文化を生み出したのです。
 梅の香に包まれる二月には、和菓子屋さんの店先に、小田原特産の梅の実を使った名産菓子が並びます。

小田原菓子商工業組合長・
第56回小田原梅まつり菓子展示会
開催協議会長
石川勝也さん

 小田原の各菓子店では、毎日、安全・安心なお菓子を手作りしています。お菓子は人々に夢や潤いを与えてくれます。特に和菓子は、あんと砂糖が主原料で健康にもよく、生活の中にいやしや家族だんらんをもたらし、手みやげや引出物として幅広くご利用いただけます。
 毎年、梅まつりに併せて開催している菓子展示会は、長い歴史を持ち、今年で56回目を迎えます。ぜひご来場いただき、見て、食べて、作って、買って、お楽しみいただきたいと思います。

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第56回小田原梅まつり菓子展示会
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【日時】
2月18日金曜日〜20日日曜日
午前10時〜午後5時
(最終日のみ午後4時30分まで)
【場所】
市民会館

菓子職人の技を披露する「かざり菓子」の展示や、焼きたてのお菓子・「レトロ菓子」の即売など、市内のお菓子屋さん自慢の逸品が並びます。
和菓子と抹茶を楽しめるお茶席(土・日曜日のみ)や、手作りおやつ教室も実施します。

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#03:食のおだわら〜「食」による地域力アップ!!〜
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問 農政課 電話0465-33-1495

無尽蔵プロジェクト

食を通じて「地域の人たちのつながりの回復をはかること」「安全な食品による市民・子どもたちの健康の実現」を目指す無尽蔵プロジェクト「食のおだわら」。
食で元気な小田原へ向け、さまざまな取り組みを進めています。

私たちを取り巻く「食」の問題

 人間は、食べ物から栄養をエネルギーとして摂取し、生きています。
 しかし世界では、急激な人口増加や、地球温暖化などの環境変化による生産量の不安定化など、食をめぐる深刻な問題が起きています。
 加えて日本では、農業従事者の減少や高齢化が進む中で、食料自給率は約40パーセント(カロリーベース)と言われ、海外からの輸入に依存しているのが現状です。
 「食のおだわら」ではイベントなどを通して、食に関するさまざまな活動を行っています。今回はそのうちいくつかをご紹介します。

大成功!!「まるしぇきんじろう」

 昨年11月、マロニエふれあい広場で行ったファーマーズマーケット「まるしぇきんじろう」は、初開催にもかかわらず、多くの来場者でにぎわいました。
 会場には、野菜・雑貨・加工品・パン・お米など36の生産者・団体が軒を並べました。
 和太鼓の演奏、紙芝居、野菜クイズなどの楽しい催しもありました。また、PTA親父の会による「親子うどん教室」も大盛況でした。
 今後も、安全・安心な食材の提供に加え、お客さんと生産者、また生産者同士が交流できる新たな形の『市』を開催し、情報発信していきます。併せて安全・安心な食材が購入できる場所や農業体験ができる場所を記したマップづくりも行っていきます。

市内小学校(13校)の農園活動の映像作成

 市内の小学校では、各校の特色を生かし、農園活動に取り組んでいることをご存じですか。
 田植えや稲刈り、収穫したもち米を使った餅つき。収穫した野菜を使った給食。集めた落ち葉を使った腐葉土づくり。家庭から出る生ごみの堆肥化など、その活動は多岐にわたります。
 また、地域のかたの農業指導や、学校農園での保護者の農作業ボランティアなど、農園活動を通じて地域と学校、子どもたちの交流が広がっています。
 こうした各校の農園活動を収録した、映像作品の制作も進んでおり、昨年11月には、国際有機農業映画祭で久野小学校での取り組みを上映し、好評を博しました。
 今後、多くのかたに作品をご覧いただけるよう『映像祭』を開く予定です。

無尽蔵プロジェクト「食のおだわら」では、今回紹介した事業のほか、食と農の案内所や、親子の体験学習農園「ゆめキッズガーデン」の開設に向けた準備などを進めています。
 食べ物を育てて味わう。そして食べ残しなどの生ごみを堆肥化し、循環の輪を意識する。普段、何気なく口にしている物がどこから来ているか考える。私たちが生きるために植物や動物の大切な命を享受していることを実感し、意識する。
 「食のおだわら」では、こうした「食」を取り巻くさまざまなことを学習できることを目指して、取り組んでいきます。

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#04:新総合計画の基本構想ができました
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問 企画政策課 電話0465-33-1255

「市民の力で未来を拓く希望のまち」を目指して

現在市では、第5次小田原市総合計画(以下、新総合計画)の4月スタートに向けて、準備を進めています。
今回は、新総合計画の構成、将来のまちづくりの指針となる基本構想の概要をお知らせします。

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1 新総合計画の構成
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 平成23年度からスタートする新総合計画は、基本構想、基本計画、実施計画で構成されています。
 この新総合計画と、自治会連合会の区域ごとに作成した地域別計画と一対で、本市のまちづくりを進めていきます。

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総合計画→まちづくりの推進
○基本構想…将来都市像
○基本計画…施策の方向
○実施計画…具体的事業

地域別計画
市内25の自治会連合会の区域を単位とした25地区それぞれの計画
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【基本構想】

 本市のまちづくりの基本理念や目標と、これを実現するための政策の方向を示すものです。平成23年度を初年度として、平成34年度までとします。

【基本計画】

 基本構想で定めた将来都市像の実現と目標の達成に向けたまちづくりの施策の方向を体系的に示すものです。
 前期の計画期間は平成23年度から、平成28年度までの6年間とします。

【実施計画】

 基本計画に基づき、個々の事業を具体化するための計画として策定するものです。計画期間は平成23年度から3年ごととし、社会情勢や財政状況の変化などに対応しつつ、計画内容の見直しを行います。

総合計画の計画期間
○基本構想 平成23年度〜平成34年度
○前期基本計画 平成23年度〜平成28年度
○実施計画 平成23年度〜平成25年度

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2 基本構想の概要
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[1]実現する将来都市像

 市民の力・地域の力を核とした新しい公共によって、小田原の豊かな地域資源を十全に生かしながら、持続可能なまちづくりを進め、「市民の力で未来を拓く希望のまち」をつくります。

[2]まちづくりの目標

 将来都市像を実現するために、次の4つのまちづくりの目標を定め、総合的かつ計画的なまちづくりを進めます。
(1)いのちを大切にする小田原
生涯を通じ安心していきいきと暮らすことのできるまち、未来を担う子どもたちが地域で見守られながら健やかに成長できるまちを目指します。
(2)希望と活力あふれる小田原
小田原の魅力向上と情報発信による交流人口の拡大、地域に根ざした経済が循環する活気に満ちたまちを目指します。
(3)豊かな生活基盤のある小田原
生活環境に潤いと安らぎのあふれるまち、都市機能と利便性が高く、歴史的景観に配慮した風格のあるまちを目指します。
(4)市民が主役の小田原
市民の考えや願いがしっかりと市政運営に反映されるまちを目指します。

[3]新しい小田原へ3つの命題

 大転換期であり未曾有の困難と言われる今、「新しい小田原」への歩みを着実に進めるうえで、次の3つの命題をしっかりと意識して、計画を推進していきます。
(1)「新しい公共をつくる」
市民の力・地域の力を核として、行政との協働を育てながら、さまざまな公共的機能を市全体として担うことのできる新しい公共をつくる必要があります。
(2)「豊かな地域資源を生かしきる」
可能性に満ちた多様な資源を徹底して形にし、人や資源が連携することで、新たな小田原の価値を生み出し、地域の発展へとつなげていきます。
(3)「未来に向かって持続可能である」
地域の営みが、自然環境を健やかに守り育て、経済活動が地域資源をより豊かに育て、人や技を育みながら循環する。いのちと暮らしを支えるさまざまな活動が、担い手をしっかり育て、つながりや支え合いがより確かに受け継がれていく。このような、持続可能性が地域の営みを豊かにしていきます。

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#05:自治基本条例策定中
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問 行政改革推進課 電話0465-33-1305

「小田原がさらに輝いていくための指針として」

 広報小田原では、これまで自治基本条例が目指すものや、条例づくりの経過などをお知らせしてきました。
 自治基本条例は、まちづくりの仕組みを一から作り直すものではありません。小田原を支えている"市民の力と協働"や"市民の市政への参加"など、市民の力がより一層まちづくりに発揮できるように後押しをするものです。
 ここでは、条例ができることによって、市民一人一人が自治の担い手であることを意識し行動することで、さらに充実し発展することが期待される例として、2つの身近な取り組みをご紹介します。
 自治基本条例は、小田原がさらに輝いていくための指針なのです。

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"市民力と協働"が生み出す大きな力『地球市民フェスタ』
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 経済・教育環境などに恵まれていない国の人々や、小田原に暮らす外国人を支援したいという人や団体、ボランティアの思いで始まり15年。
多くの人の知恵と力を重ね合わせ県西地区最大級の国際交流イベントとなりました。
 条例が市民の力と協働の実践を後押しすることで、このような市民主体のまちを元気にするイベントなどが、さらに増えていくことが期待できます。

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広がる"市政参加"の仕組み『おだわらTRYフォーラム』
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 新総合計画の策定には、無作為抽出で市民に参加を募る「おだわらTRYフォーラム」や地域の目指す姿や課題解決への道筋を地域の住民自らが作り上げる「地域別計画」などの新しい市政参加の仕組みを取り入れました。
 これらの取り組みもあわせ、計画の策定プロセスが評価され、「平成22年度地域づくり総務大臣表彰」を受賞しています。
 条例の施行後は、さらに多くの市民の声を市政運営に反映させる多様な機会の充実を目指します。

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【ホームページ】
トップページ左側メニューの「自治基本条例」をクリック。
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#06:異文化を知る〜国際交流との出会い〜
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問 文化交流課 電話0465-33-1703

市内には、さまざまな国や地域から訪れ、仕事などで小田原に滞在する外国人がいます。
習慣や文化の異なるかたと共に地域で生活するためには、私たち市民一人一人の「心の国際化」を図ることが大切です。

身近になりつつある「外国」

 皆さんは、市内にどれくらいの外国人が住んでいるか知っていますか。平成22年3月31日現在で52か国、1,916人のかたが住民登録しています。これは市民100人のうち約1人が外国人ということです。
 平成23年度から小学5・6年生は外国語が必修になるなど、国際化に向け動き出しています。今後、世界との距離はますます縮まっていきます。

もっと世界を知ろう

 国際化が進んでいるとはいえ、まだまだ実感がないかたも多いと思います。
 私たちにとって常識だと思っていたことも、外国人から見たら、とても奇妙なことがあるかもしれません。
 国や地域が異なると、ものの見方もさまざま。それを知ることが、国際交流への第一歩となります。

試しに体験してみよう

 とは言うものの、外国人とコミュニケーションを図るのは難しく、初めの一歩を踏み出せないかたもいるのではないでしょうか。
 そんなかたは、まずは国際交流イベントに参加してみましょう。
 おだわら国際交流ラウンジ(市営栄町駐車場内)を中心に、市内各所で、各団体がさまざまなイベントを行っています。
 12月に行った『ウィンターパーティ』では、国際交流に関心のある、たくさんのかたが集まり、日本に住んで3年になるアメリカ人のロバートさんも「イベントに参加すると、いろんな人と話ができるので楽しい」と、このイベントに参加しました。
 このようなイベントで外国人と話をしたり、一緒に食事をしたりすることが、異文化の理解につながっていきます。

県西地域最大級の国際交流イベント『地球市民フェスタ』

 日頃活動している国際交流団体が、一堂に会する『地球市民フェスタ』。県西地域最大級の国際交流イベントで、今回、記念すべき15回目を迎えます。国際交流団体や外国人が集まり、活動紹介のほか、歌や踊り、世界各国の家庭料理などを楽しむことができます。
 モン族の刺繍絵本との出会いが、活動を始めるきっかけだったという大曽根実行委員会会長に、地球市民フェスタについて伺いました。
 「このイベントは、日頃の活動を市民の皆さんに伝えるとともに、楽しい雰囲気の中でさまざまな国籍の人々が共に触れ合い、交流するチャンスです。特に今回は15回目を記念して、絵本『地雷ではなく花をください』の作者・柳瀬房子さんに講演をお願いしました。実行委員会の中に、柳瀬さんの活動をご存じのかたがいたからこそ、実現したんです」
 こうした、団体関係者の横のつながりにより、地球市民フェスタは少しずつ規模を大きくし、成長してきました。
 「日本に来て、孤立している外国人や、次代を担う子どもたちにぜひ来てもらいたい。まずは見て、知っていただくことが一番。活動するのはそれからです」

まずは一歩を踏み出そう

 地球市民フェスタは、実行委員会や参加団体だけでなく、多くの市民に支えられているイベントです。
 市内外の70以上の団体、企業、個人の協賛金で開催され、また、ポスターやちらしの絵は市内の小中学生から募集しています。
 今年も楽しい催し物がたくさんの地球市民フェスタ。ぜひ「国際交流への第一歩」を踏み出してみてください。

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地球市民フェスタ2011in ODAWARA
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【日時】
2月13日日曜日 午前10時〜午後4時
【場所】マロニエ

【テーマ】
「THE☆PEACE〜今、私たちにできること〜」
【内容】
●15周年記念講演
 「地雷廃絶運動を通じて〜今、私たちにできること〜」
 絵本『サニーのおねがい 地雷ではなく花をください』著者、認定NPO法人 難民を助ける会会長 柳瀬房子さん
 時間:午後1時30分から
●世界の味
 タイ、韓国などの多国籍料理
●世界の歌と踊り
 歌、楽器、踊りなど
●日本文化体験
 茶道、折り紙、書道、着付けなど
●国際交流活動展示
 国際交流団体による活動紹介、民芸品の販売など
●スタンプラリー
 会場内を回り、スタンプ10個集めて素敵な景品をゲットしよう!

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【ホームページ】
トップページ中央の「分野別から探す」の「市民活動/地域国際交流」内の「国際交流」をクリック。
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#07:SHISEI〜至誠・市政〜
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「市民の力で未来を拓く 希望のまち」
文 加藤憲一

 昨年末の小田原市議会12月定例会で、4月からスタートする小田原市第5次総合計画の基本構想が、承認されました。時代の大きな転換期にあって、今後目指していく「新しい小田原」の設計図であり工程表でもある極めて重要な計画の、いわば設計理念を示すものです。
 市長就任以来、さまざまな課題解決の取り組みを重ねながらも、それらの作業の中心に据えられてきたのが、この総合計画の策定作業でした。1年近い準備期間、その後1年半に及ぶ、全面的な市民参画による議論、全25の自治会連合会の区域における地域別計画策定作業、それらのプロセスを支えるために重ねた職員の研鑽、総合計画審議会における熱心な議論…。それらの濃密な時間の成果として基本構想が承認されたことに、市長として安堵するとともに、今後に向けての覚悟に改めて気を引き締めているところです。
 基本構想の中で私たちは、本市が目指すべき将来都市像を、「市民の力で未来を拓く希望のまち」と定めました。将来都市像と言えば、多くの場合、将来のある時点におけるその自治体の客観的な特徴や、自治体としてアピールすべきキャッチフレーズなどが盛り込まれるものです。これまでの小田原でいえば、「歴史と文化の香るまち」といったものです。しかし今回は、異なる考えで都市像を定めました。
 私たちは、暮らしや経済の中で、実に多くの課題に直面しています。より豊かで確かな小田原の未来へと歩みを進めようとするとき、市民一人一人が、これら直面するさまざまな課題を自らのこととして捉え、知恵と力を持ち寄り、共に汗を流し、困難を乗り越えて、「新しい小田原」を創り出す歩みが必要です。山登りに例えれば、道中の坂道はつらくとも、頂を目指し皆で励まし合い、険しい峠道も楽しく越えていけば、そこには新しい景色が広がり、仲間たちと分かち合う歓びが、次なる歩みへの希望となるものです。そのように、共に手を携えて未来への道を歩み通す絆を結び合い、課題を乗り越えていける仕組みや文化を備えたまちを創ろうという意思が、この将来都市像には込められているのです。
 すでにその歩みは、さまざまな協働の事業などの形で始まっています。それら協働の現場に紛れもなく生まれている未来への「希望」を、多くの皆さんに共有していただきたいと思います。

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#08:おだわら情報
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高額医療・高額介護合算療養費制度のお知らせ
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問 平成22年7月31日に加入されている医療保険が、
■後期高齢者医療制度のかた
 保険課 医療給付担当 電話0465-33-1843
■国民健康保険のかた
 保険課 国民健康保険担当 電話0465-33-1845
■それ以外のかた
 高齢介護課 電話0465-33-1886・各医療保険の担当窓口

 医療と介護の両方に自己負担があり、平成21年8月1日から平成22年7月31日までの期間に支払った「医療保険」と「介護保険」の自己負担額(※1) の合計が、基準額(※2)を超えた場合は、申請により、「高額介護合算療養費」・「高額医療合算介護サービス費」として支給されます。

(※1)「自己負担額」に含まれないもの
[1]医療[高額療養費対象外のもの]
○保険外の診療
○入院時の食費、居住費
○差額ベッド代など
[2]介護[高額介護(予防)サービス費対象外のもの]
○保険外の介護(予防)サービス
○入所時等の食費、居住費(滞在費)
○特定福祉用具購入費(特定介護予防福祉用具購入費)
○住宅改修費(介護予防住宅改修費)など
※高額療養費・高額介護(予防)サービス費として、既に払い戻しを受けた分は自己負担額から差し引かれます。

(※2)基準額(介護合算算定基準額)
所得区分、後期高齢者医療または70歳以上75歳未満の世帯、70歳未満を含む世帯の順

○現役並み所得者(上位所得者)、67万円、126万円
○一般、56万円、67万円
○低所得者2(区分2)住民税非課税世帯、31万円、34万円
○低所得者1(区分1)住民税非課税世帯、19万円、34万円

※所得区分について不明な点はお問い合わせください。

●ご自身が該当すると思われる場合には…

◆平成21年8月1日から平成22年7月31日までの全ての期間、国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入していて支給対象となる見込みのかたには、「申請のご案内」を郵送します。
・国民健康保険:1月下旬に郵送
・後期高齢者医療制度:3月上旬以降に郵送
◆「申請のご案内」が届かなかったかたで、医療保険と介護保険の自己負担額の合計が、基準額(※2)を超えると思われる場合は、平成22年7月31日に加入していた各医療保険へお問い合わせください。特に次の[1][2]に該当するかたは、ご注意ください。

計算期間内(平成21年8月1日から平成22年7月31日まで)に、
[1]保険の変更があったかた
 ○市町村を越えて転居したかた
 ○75歳の誕生日を迎えたかた
 ○社会保険から国民健康保険へ変わったかた
[2]住所地特例の認定を受けているかた
※前年度分(平成20年4月1日から平成21年7月31日まで)の申請締め切りは、平成23年7月31日までとなりますのでご注意ください。

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確定申告書の一部が変わります
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問 市民税課 電話0465-33-1351

 平成22年分以降に使用する確定申告書から住民税用の用紙がなくなり、税務署提出用と本人控の2枚複写になります。
 これは、課税に関する事務作業の効率化を図るため、確定申告書の内容を国税庁から市区町村へ電子データとして配信する取り組み(国税連携)が始まるからです。
 そのため、所得の内訳、所得から差し引かれる金額に関する事項、住民税に関する事項など必要事項の記載がないと正しい課税ができない場合があります。確定申告をされる際は、記入漏れなどがないよう、十分ご注意ください。
 なお、確定申告書は1月中に税務署より対象のかたへ送付済みですが、申告書の送付などに関するご相談は、小田原税務署(電話0465-35-4511)へお問い合わせください。

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感染症に注意!!〜元気に冬を乗り切ろう〜
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問 健康づくり課 電話0465-47-0820

 皆さんは、この時期、どのような健康管理対策をしていますか?
 冬には、インフルエンザやノロウイルスによる感染症が発生しやすくなります。日頃から体調管理に努めましょう。

●感染予防の基本
【手洗い・うがい】
 石けんを泡立て、よくもみ洗いをし、十分に洗い流して、きれいなタオルでしっかりふきましょう。外出から戻ったら、必ずうがいをしましょう。
【免疫力の維持】
 十分な休養とバランスの取れた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。

●インフルエンザにかからないために…
【適度な湿度の保持】
 室内では、湿度50〜60パーセントを目安にして換気を忘れず行いましょう。また、冬でも水分補給は大切です。
【外出を控える】
 インフルエンザの流行時期は、人込みや繁華街への外出は控えましょう。
 特に高齢者、慢性疾患をお持ちのかた、疲労気味のかた、睡眠不足のかたで、やむを得ず外出するときは、マスクを着用しましょう。

●ノロウイルスにかからないために…
 ノロウイルスは感染力が非常に強く、吐き気、おう吐、下痢、腹痛をおこします。
◇食品の十分な加熱(中心温度85度以上、1分間以上の加熱)
◇感染者のおう吐物や便の中にウイルスが多量に含まれています。おう吐物や便の処理時はマスクと手袋を着用し、換気を必ずしてください。
◇消毒は、塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウム(商品名:ミルトン、ハイター、ブリーチなど)が効果があります。なお、アルコール消毒は効果がありません。

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子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)が始まりました
〜次世代育成のための健やかな環境の実現を目指して〜
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問 健康づくり課 電話0465-47-0820

 この調査は、子どもの健康に影響を与える環境リスクを明らかにし、次世代の子どもが健やかに育つ環境づくりにつなげるため、環境省が全国10万人の子どもたちを対象に、お母さんのおなかにいるときから13歳になるまで追跡調査するものです。
 平成23年8月以降に出産予定の子どもが対象で、妊婦健診時から13歳に達するまで、定期的にアンケート調査や採血、健康状態のチェックなどに協力していただきます。
 県内では、本市のほか横浜市金沢区と大和市で、この調査が行われます。参加者を3年にわたって募集し、それぞれの追跡に13年、解析に5年の計21年間を費やす、日本で初めての大規模な調査です。
 子どもたちの健康に影響を及ぼす環境要因を明らかにすることで、よりよい環境づくりを目指します。この調査へのご理解とご協力をお願いします。

問 エコチルかながわユニットセンター 電話045-782-2770
  【ホームページ】http://www.yokohama-cu.ac.jp/ecochil

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「子どもの健康と影響に関する全国調査」の概要

10万人が参加登録

○妊婦健診時
 ・インフォームドコンセント
 ・質問票調査
 ・妊婦血液、尿の採取
 ・環境試料の採取

○出産時
 ・出生児の健康状態を確認
 ・臍帯血の採取
 ・父親血液の採取

○1ヶ月時
 ・母乳の採取

○6ヶ月から13歳に達するまで
 ・インフォームドコンセント
 ・質問票調査(半年ごと)
 ・面接調査(数年ごと)
 ・環境試料の採取

長期保存

化学物質等の測定

分析結果

統計学的解析

こどもの成長発達に影響を与える環境要因を解明

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#09:「史跡と緑の共生」を目指して〜皆さんの声をお寄せください〜
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問 文化財課 電話0465-33-1718

『史跡小田原城跡本丸・二の丸植栽管理計画』を適切に推進していくために設置した植栽専門部会の初会合を昨年12月27日に開催し、来年度からの史跡整備が予定されている御用米曲輪の植栽のあり方について議論が始まりました。

●植栽専門部会の議論
 史跡小田原城跡調査・整備委員会植栽専門部会では、小田原城址公園の植栽の現状を現地確認した後、平成23年度から史跡整備を行う御用米曲輪の植栽のあり方を中心に活発な議論が交わされました。
 委員からは、御用米曲輪の植栽のあり方について、「極力残した形で史跡整備をするべきである」「密集しすぎている場所は少し間引いたほうが良い」「城址公園全体を視野に入れて御用米曲輪の植栽を考えることが必要である」などの意見が出されました。
 教育委員会では、各委員からの意見を参考に御用米曲輪の整備計画(実施設計)の素案を作成し、1月29日には市民説明会を行いました。2月1日からは、広く市民の皆さんの声をお寄せいただくためパブリックコメントを実施、市民意見を計画案に反映させたうえで、再度植栽専門部会を開催します。こうした過程を経て、史跡小田原城跡調査・整備委員会や県・文化庁との協議を行い、御用米曲輪の整備計画(実施設計)を策定していきます。

●御用米曲輪の植栽のあり方について、検討のポイント
 御用米曲輪は、本丸の北側に置かれた曲輪で、本丸と二の丸からしか入ることができない、とても重要な場所でした。
 この名称は、江戸時代に幕府の御用米を貯蔵する6棟の米蔵が土塁の上や中央の平場に建てられていたことに由来します。周囲は緑豊かな土塁で囲まれ、石垣が積まれた馬屋曲輪や二の丸などお城の正面側と異なり、戦国時代の小田原城の面影を残している場所と考えられています。
 こうした御用米曲輪の歴史的な特徴を踏まえながら、史跡の整備計画を取りまとめていきますが、この中で植栽のあり方を検討するポイントは、大きく分けて5つあります。
[1]北側土塁上のクスノキについて
[2]西側土塁から傾いて伸びるマツについて
[3]南側土塁の植栽のあり方と崩落した土砂上のスギについて
[4]旧青少年会館周辺にある生垣について
[5]御用米曲輪の平場の植栽について

 御用米曲輪の整備計画(実施設計)の素案を公開していますので、皆さんのご意見をお寄せください。

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市民の意見を募集します
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問 健康づくり課 電話0465-47-0820

 御用米曲輪の整備計画(実施設計)の素案に対する市民の皆さんの意見を募集します。
 素案は文化財課、支所・連絡所、市ホームページなどでご覧になれます。

【募集期間】
2月1日火曜日〜14日月曜日

【意見提出方法】
[1]意見記入用紙で提出
 素案とともに備え付けの意見記入用紙に意見を記入し、郵送などにより提出してください。
[2]ご意見投稿フォームで提出
 市のホームページにある御用米曲輪の整備計画(実施設計)の素案に対する意見募集の中にある「ご意見投稿フォーム」により提出してください。

※ご意見に対して個別に回答はしません。

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#10:〈連載〉市民力
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多くの人に救助活動をしてほしい
応急手当普及員

 「講習が終わったとき、『分かりやすかった』『受けて良かった』と言ってもらえることが何よりもうれしい」と言う応急手当普及員の山室さん。ボランティア活動というよりも自分の知識や経験を、楽しみながら伝えています。
 専門用語などを使って説明すると、いざという時に難しく考えてしまい、実際に動けないことがあります。実践すべき場面が無いに越したことはありませんが、万が一のときに自信を持って救助活動できることが何よりも大事なので、「難しいことは言わない」ことがうまく教えるコツだそうです。
 消防団員や、地域や会社で役立てたいという思いのかたが、3日間にわたり必要な知識や技術を習得し、普通救命講習などを指導する『応急手当普及員』として登録しています。
 大窪地区で消防団に所属する山室さんは、平成20年2月にこの資格を取得、翌月から普通救命講習に指導者として参加。
 「受講者は、のみ込みが早いかた、内気なかた、体力のあるかたなど、それぞれですが、その人に合わせてうまく説明できるように心掛けています。指導員同士で研修も行うなど、分かりやすい講習会ができるよう努めています」
 消防職員からの信頼も厚い、その責任感が、定評ある指導につながっています。
 日頃から活動する市民の力が、いざという時の、災害に強いまちを作ります。

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#11:「寶金剛寺庫裏」が国の登録有形文化財となります
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問 文化財課 電話0465-33-1714

国登録有形文化財は、建設後50年を経過したもののうち、[1]国土の歴史的景観に寄与しているもの [2]造形の規範となっているもの [3]再現することが容易でないもののいずれかの要件を満たすもので、「寶金剛寺庫裏」は[1]の登録基準に該当します。

「寶金剛寺庫裏」は、市内で15件目の国登録有形文化財となります。
名 称:寶金剛寺庫裏
所在地:国府津2038他
年 代:寛政12(1800)年/昭和33年改修
特徴・評価:
寶金剛寺は旧東海道に近い山すそにある古刹で、庫裏(寺院の居間など)は境内奥の西側に面して建っています。玄関後方には座敷が一列に配されており、北側にある大広間(改修前は土間)では豪壮な軸組(梁組)が見えます。

(参考)
【既に登録されている小田原の建造物】
●小田原文学館「本館」、「別館(白秋童謡館)」
●松永記念館「葉雨庵」、「老欅荘」
●だるま料理店主屋
●済生堂薬局小西本店本舗
●山月(旧共寿亭)
●千世倭樓「主屋」、「土蔵」
●長谷川家住宅「店舗・主屋」、「石蔵」
●神戸屋ふるや店
●清閑亭
●岩瀬家住宅主屋

※平成23年度に寶金剛寺庫裏と寶金剛寺が所蔵している国県市指定文化財の公開を予定しています。

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#12:ウォーキングタウン小田原
ドラマの主人公たちの足跡を訪ねて
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問 観光課 電話0465-33-1521

〜近代日本黎明期の群像〜

風光明美で温暖な別荘地であった小田原には、近代日本の礎を築いた数多くの政財界人、軍人、文人墨客が居を構えました。
日露戦争で日本海海戦の作戦を立案し、日本を勝利に導いた「秋山真之」の終焉の地・山下亀三郎別邸があった南町かいわいは、今も往時の風情をしのばせています。また、坂本龍馬とも親交があった「田中光顕」の別邸は、今では小田原文学館として親しまれています。
テレビドラマや小説などでなじみの、小田原ゆかりの人々と興味深いエピソードを知り、その足跡を訪ねて、近代日本黎明期の小田原の風景を感じてみませんか。

○三井物産を設立した大茶人
 益田孝(鈍翁)
 1848年-1938年

【ゆかりの地】
●掃雲台跡(板橋、十字四丁目)
南向き斜面の広大な邸宅跡は、現在は分譲され、正門があった付近は道路となっている。

○貴族院副議長を30年間務めた
 黒田長成
 1867年-1939年

【ゆかりの地】
●清閑亭(南町一丁目)
秋山真之が没した対潮閣の上にある。秋山が最期に眺めたと思われる景色を感じることができる。現在は、NPO法人小田原まちづくり応援団が周辺地域の邸園交流の拠点として活用している。

○龍馬暗殺現場に駆けつけた幕末の志士
 田中光顕
 1843年-1939年

【ゆかりの地】
●小田原文学館・白秋童謡館
(南町二丁目)
小田原文学館は、昭和12年建築の当時流行した南欧風の洋館。
隣接する白秋童謡館は、大正モダン調の和風建築。

○電力王と呼ばれた茶人
 松永安左ヱ門(耳庵)
 1875年-1971年

【ゆかりの地】
●松永記念館・老欅荘(板橋)
松永は、収集した古美術品を公開するために財団法人を創立して記念館を建設。後に敷地と建物は、市に寄付された。居宅だった老欅荘は国登録有形文化財。

○秋山真之らとともに日露戦争に参戦
 瓜生外吉
 1857年-1937年

【ゆかりの地】
●瓜生坂(南町一丁目)
瓜生邸に通じた坂道にその名が残る。
●山角天神社(南町一丁目)
境内に、瓜生の胸像が立つ。

○陸軍・官僚の大御所
 山縣有朋
 1838年-1922年

【ゆかりの地】
●古稀庵跡・庭園(板橋)
現在は、保険会社の研修所となっている。
日曜日に公開される庭園と周辺の別邸群はおすすめの散策コース。

○皇族出身の陸軍軍人
 閑院宮載仁親王
 1865年-1945年

【ゆかりの地】
●閑院宮御別邸跡
 (南町一丁目〜城山四丁目)
御別邸は、旧小田原城内高校からアジアセンター跡地にかけての広大な敷地を有していた。閑院宮親王は、日露戦争で、秋山好古とともに騎兵旅団を率いた。

○小田原に没した「坂の上の雲」の主人公
 秋山真之
 1868年-1918年

【ゆかりの地】
●対潮閣跡(南町一丁目)
秋山真之の友人・山下亀三郎(山下汽船創業者)の別邸。
秋山は板橋の山縣を訪ねていたが、大正7年2月4日、滞留先の対潮閣で没した。

○小田原で民法を起草
 伊藤博文
 1841年-1909年

【ゆかりの地】
●滄浪閣跡(本町四丁目)
伊藤が穂積陳重らと民法を起草したことから、「民法発祥の地」とされる。
建物は、小田原大海嘯で流失。民地内に胸像がある。

寄稿「秋山真之終焉の地」
NPO法人小田原ガイド協会
関口茂雄さん

 天神山の南、山角天神社の東側に隣接する一帯は、愛媛県出身で山下汽船(現株式会社商船三井)を創立した山下亀三郎氏の別荘があったところです。山下氏は、庭園に造詣の深い山縣有朋公に造園を依頼しました。庭園ができあがると、山縣公は「対潮閣」と額を書き、「うち渡す 相模の海を 池にして 仰ぐ箱根は 庭の築山」という掛け物を作りました。
 日露戦争の日本海海戦で旗艦「三笠」に乗艦し、東郷司令長官の下で作戦参謀を務めた海軍中将秋山真之は、同郷のよしみで付き合いのあった山下氏のこの別荘を利用し、山縣公に「国防論」について相談していましたが、以前から患っていた盲腸炎が再発し、大正7年2月4日にこの地で亡くなりました。享年49 歳。
 日本海海戦前、東郷司令長官が大本営に発した有名な電文「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」は、作戦参謀の秋山真之が作成したと言われています。

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「ドラマの主人公たちと小田原」フォーラム
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申込 観光課 電話0465-33-1521

 NHKドラマ「坂の上の雲」の主人公・秋山真之など、明治維新後の近代日本の黎明期に活躍した人物と小田原のかかわりを再発見し、その物語を楽しめるまちづくりを考えます。
日時 2月6日日曜日 午後1時30分〜4時
場所 市民会館
講演・報告・ディスカッション
●藤澤浩一さん(NHKドラマ「坂の上の雲」担当プロデューサー)
●増淵敏之さん(法政大学大学院政策創造研究科教授)
●松本啓治さん(松山市坂の上の雲ミュージアム副館長)
●平井太郎さん(NPO法人小田原まちづくり応援団副理事長)

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周辺まち歩きをご案内!
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●小田原ガイド協会 電話0465-22-8800
小田原城とその周辺のほか、市内各地域を楽しくご案内します。おすすめコース以外にも、ご希望に応じます。ご利用は2人以上で。ご相談は一週間前までに。

●小田原まちづくり応援団 電話0465-22-2834
国登録有形文化財・清閑亭(旧黒田長成別邸)を拠点に、「邸園交流」をテーマに南町から板橋地域のガイドツアーなどを実施しています。ガイドの依頼やイベント情報などは、お気軽にお問い合わせください。

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#13:〈連載〉あの日 あのとき 小田原
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【第11回】
市制施行から70年という節目の今年。
先人の営みより継承されたもの、自然事象とともに刻んだ足跡、古きよき故郷の懐かしい面影など、
小田原の歴史には「無尽蔵の市民力」へとつながることがたくさんあります。
ここでは、そうした記録と記憶をたどります。

小田原みかん

 小田原は、温暖な気候、日当たりのよい傾斜地、排水のよい土壌などみかんの栽培に適した条件に恵まれています。西部では、片浦、早川、久野地域、東部では、曽我、下曽我、田島、国府津、橘地域を中心に、多く栽培されています。

守られたみかん畑

 第二次世界大戦の影響で、果樹類は不要不急作物として扱われ、みかん農家は社会的に苦しい立場におかれていました。1943年に果樹の大量伐採が命じられた際には、勤労奉仕で水田地帯農家の食糧増産活動にも、協力するなど、必死の工夫でみかんの樹を守り抜きました。

「援農者」にも支えられ

 戦後、みかん栽培が急成長する一方、深刻な労働者不足が生じました。みかん農家では県外から「援農者」と呼ばれる季節雇いの労働者を受け入れるようになりました。
 1966年には4,000人以上の援農者が収穫・貯蔵作業などに従事。賃金は1日500〜600円ほど(食事付き)で、他の業種と比べてもなかなかの待遇でした。

小田原みかん、これから

 1980年代以降、オレンジの輸入自由化による価格の低迷などの課題を抱え、みかん生産量は全国的にも大きく減りました。小田原みかんも厳しい状況にありますが、多様化する消費者ニーズを的確にとらえ、「湘南ゴールド」など新たな品種開発やブランド化、みかんの木オーナー制度、担い手・後継者の育成事業など、関係者が一丸となり取り組んでいます。
 長い歴史を持つ小田原みかん。これからも小田原の名産品として全国で食され、多くの人を喜ばせることでしょう。

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♪童謡「みかんの花咲く丘」
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1946年、作曲家の海沼實は、歌手の川田正子が歌う曲作りに悩みながら、静岡県伊東市に向かっていた車中、国府津駅辺りでの車窓の眺めからメロディーが浮かび、目的地の伊東駅までの間に曲を書き上げました。
翌日放送されたこの曲は、瞬く間に全国で大ヒットしました。

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表紙の言葉
潮騒の駅・根府川
小田原ふるさとの原風景百選 No.1
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海と山に挟まれたJR東海道線の根府川駅。駅から見る相模湾は絶景です。
詩人・茨木のり子の詩集「根府川の海」の中で、「根府川 東海道の小駅 赤いカンナの咲いている駅…」とうたわれています。
根府川地区では、2月26日土曜日から「根府川おかめ桜まつり」が開催されます。
情緒あふれる木造駅舎が迎える、春の根府川を訪れてみませんか。

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まちづくり情報誌 小田原
毎月1日発行
No.1028
発行●小田原市 〒250-8555 小田原市荻窪300番地 市役所総合案内 電話0465-33-1302
編集●広報広聴室 電話0465-33-1261・FAX0465-32-4640 〈C〉小田原市2011.1
9月1日現在 小田原市の人口198,554人 78,905世帯
広報おだわらは、資源保護のため再生紙を使用しています。
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