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広報おだわら 第1016号

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広報おだわら 第1016号

平成22年8月1日 発行

#01:歴史あるまちに生きる1 小田原城跡を守り伝えていくために
#02:下水道使用料を改定します
#03:この“夏” 図書館を使いこなそう
#04:安心安全なまちづくりをみんなで進めよう
#05:一人で悩まないで!市民相談&消費生活センター
#06:SHISEI〜至誠・市政〜
#07:おだわら情報
#08:連載 尊徳道歌のこころ(8)
#09:地域の皆さんの健康づくりをお手伝い
#10:連載 市民力
#11:今月の笑顔
#12:歴史あるまちに生きる2 【対談】斑鳩の里と小田原〜古のゆかりが伝えるもの〜
#13:連載 あの日 あのとき小田原


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※以下のページは、目の不自由なかたでもご利用いただけるよう、市販の音声読み取りソフトに対応するため、文字データのみを記載しました。
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まちづくり情報誌 広報 小田原
8/1─8/15
平成22年8月1日発行 No.1016
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========目次========
#01:歴史あるまちに生きる1 小田原城跡を守り伝えていくために
#02:下水道使用料を改定します
#03:この“夏” 図書館を使いこなそう
#04:安心安全なまちづくりをみんなで進めよう
#05:一人で悩まないで!市民相談&消費生活センター
#06:SHISEI〜至誠・市政〜
#07:おだわら情報
#08:連載 尊徳道歌のこころ(8)
#09:地域の皆さんの健康づくりをお手伝い
#10:連載 市民力
#11:今月の笑顔
#12:歴史あるまちに生きる2 【対談】斑鳩の里と小田原〜古のゆかりが伝えるもの〜
#13:連載 あの日 あのとき小田原
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#01:歴史あるまちに生きる1 小田原城跡を守り伝えていくために
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問 文化財課 電話0465-33-1715

城下町小田原…。
毎日生活していると、城のある風景は、とても身近なものですが、このまちには、全国に誇れる多くの史跡・歴史があります。中でも小田原のシンボルである「小田原城跡」は、日本の城郭史において大変貴重なもので、国の指定史跡にもなっています。市ではこの大切な史跡をまちの暮らしの中に生かし、未来に守り伝えていくために、小田原城跡の整備を重点施策の一つとして計画的に進めています。ここでは、このたび策定した「八幡山古郭・総構保存管理計画」と「植栽管理計画」をお知らせします。

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史跡小田原城跡 八幡山古郭・総構保存管理計画
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 この計画は、八幡山古郭や総構を未来に継承していくため、専門の学識経験者や市民代表を交えて構成された委員会で2年間にわたる検討が行われ、平成22年3月に策定されました。

(1)保存管理の基本的な考え方
 八幡山古郭や総構をとりまく歴史的な環境を良好に保存・管理するため、段階的に保存区域を、土塁や空堀などの遺構を保存する「遺構保全域」、地形や景観が遺構と一体となっている周辺部分を「景観保全域」とし、これらをあわせて「城郭環境保全域」としました。
 また、対象地域がとても広大なため、複数に分けて遺構の特徴や現状にあわせて保存管理の計画を策定しました。

(2)整備活用の基本的な考え方
 遺構の残り具合が良好な場所を中心に、史跡の整備を行うのにふさわしい7つの区域を想定し、これらを結ぶ回遊ネットワークを設定するなど、史跡のより効果的な活用策を今後も検討していきます。
 また、ガイダンス機能を持った拠点施設を設けて、史跡小田原城跡の全体像を把握できるような施設整備の検討を進めていきます。

(3)小田原城跡の未来にむけて
 江戸時代末期の姿を目標に整備を進めている小田原城址公園。
 その周りに、小田原北条氏が関東に覇を唱えた名残をとどめる戦国時代の八幡山古郭や総構が取り巻いています。本市が目指しているのは、あちこちに残る史跡を説明板を手がかりに歩いていくと、小田原城の仕組みだけでなく、まちの歩みも見え、小田原がもっともっと好きになるような、小田原城跡の保存と活用です。

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史跡小田原城跡 八幡山古郭・総構保存管理計画
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 小田原城址公園内の本丸・二の丸周辺には、多くの樹木があります。
 しかし、繁茂した樹木が天守閣など再建・復元した歴史的建造物からの視界を遮り、石垣や地下遺構にも影響を与える可能性があるなど、本丸・二の丸周辺の樹木のあり方について、さまざまな課題が指摘されてきました。
 また、県内でも鶴岡八幡宮の大イチョウや大雄山最乗寺の杉などが相次いで倒れており、城址公園内でも昨年、松や桜の古木の幹が倒壊するなど、来園者の安全を確保するためにも、適切な樹木管理を行う必要があります。
 そこで、平成21年度に城郭、都市工学、造園・植物の専門家や市民代表を交えた植栽管理計画策定委員会を設置して議論を重ね、「史跡小田原城跡本丸・二の丸植栽管理計画」を策定しました。
 この計画では、「史跡としての景観の回復」「遺構の保護」「来訪者の安全確保」「適切な維持管理」を基本理念として、今後の城址公園内の植栽管理は、この計画に基づいて行うこととなります。
 また、天守閣などを望む8つの場所〔(1)馬出門周辺、(2)本丸巨松前、(3)お堀端通り、(4)小田原駅、(5)青橋・八幡山古郭東曲輪、(6)常盤木門、(7)お茶壺橋、(8)裏門跡〕をビューポイントに設定し、それぞれの場所から視界を遮っている樹木を整理し、史跡としての景観を確保するとともに、遺構の保護や安全性の確保を推進することにしました。 
 今後も小田原城の魅力が高められるよう、史跡と貴重な緑地との共存を図っていきます。

 小田原のまちには、長い歴史の中で先人や先輩たちが残した、たくさんの歴史的・文化的地域資源があります。
 これらは、次代を担う子や孫の世代に着実に伝えていかなければならない大切な財産です。今後も保全を図りながら、地域の活力につなげられるようにまちづくりに活用していきます。

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文化財課 学芸員
渡辺 千尋さん
 これまでの小田原城跡の整備は、主に本丸・二の丸を中心に行ってきましたが、今回策定した保存管理計画は、戦国時代に小田原城があった八幡山古郭と総構の保存・管理を図りながら、周辺の景観も守っていくことを目的としています。
 また、植栽管理計画では城址公園内の緑を中心市街地における貴重な緑として位置付け、樹木の整理のみを行うのではなく、史跡の整備計画の中で樹木の植え替えを検討するなど、史跡と緑の共存が図れるようにしていきます。
 今後は、これらの計画に沿って保存管理を進め、今まで以上に小田原城跡が市民の誇りとなるように取り組んでいきます。
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■“八幡山古郭”とは
 戦国時代には小田原城の中心の一部であったと考えられている場所で、県立小田原高校からその東側にかけての一帯にあたります。

■“総構”とは
 小田原城の一番外側を巡っている土塁と空堀で、全周が約9キロもあり、当時の城下町をすっぽりと囲んでいます。丘陵部ではその形がよく残されていますが、平地部ではごく限られています。
 ちなみに、昭和初期の旧小田原町は、総構がほぼ町の境界でした。

 今年は、天正18年(1590)に起こった小田原合戦から420年目になります。
 名だたる戦国武将が集結した小田原合戦の舞台を歩いてみませんか。
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北村透谷石碑の建立当時の古写真を探しています!
 現在、元禄時代まで馬を留め置く馬屋や待合所の大腰掛があったとされる「馬屋曲輪」全体の修景整備を進めていますが、これを機に現在土塁に埋め込まれている北村透谷の石碑を、小田原文学館へ移設します。
 この石碑は、昭和4年に城山の大久保神社の崖下に建立されましたが、その後、昭和29年に現在の場所へ形状を変え移されました。
 市では、今回の移設にあたり、参考のため建立当時の姿の情報を集めています。
 石碑の古写真などをお持ちのかたは、文化財課までご連絡ください。
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■ホームページ
 トップページ中央の「分野別から探す」の「生涯学習/文化」内の「小田原の文化」をクリック。

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#02:下水道使用料を改定します
〜10月1日から、平均11.98パーセントの引き上げ〜
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問 下水道総務課 電話0465-33-1616

ふだん、目にすることのない下水道ですが、その維持や管理をしていくためには多くの費用がかかります。そのため、10月1日から下水道使用料を値上げすることとしました。
経済状況が大変厳しい中、皆さんにはご負担をおかけすることになりますが、ご理解とご協力をお願いします。

●なぜ値上げをするの?
 下水道使用料は、下水道管や処理場などを適切な状態に保つ維持管理に係る費用や、工事に伴う借入金の返済などに使われ、下水道事業の根幹となる貴重な財源です。
 しかし、近年は節水型機器の普及などの影響から水の需要が減少し、それに伴い使用料も減収傾向にあります。
 市では汚泥処理の合理化などのコスト削減を図ってきましたが、老朽化した下水道施設の維持管理に多くの費用がかかり、下水道を使用していないかたからの税金も含む、一般会計からの繰入金に大きく依存するなど、現在の使用料収入では適切な下水道事業の維持が難しいことから値上げすることとしました。

●どのくらい値上がりするの?
 平均改定率で11.98パーセントの引き上げです。2か月分の汚水排水量を、一般家庭の平均である38立方メートルとして計算すると消費税込みの金額が改定前は3,744円、改定後では4,301円と557円の増額になります。【表1・2参照】

【表1】2か月あたりの下水道使用料(税抜)

[区分]/[汚水排水量]/[旧料金(改定前)]/[新料金(改定後)]の順
一般汚水/基本使用料20立方メートルまでの分/1,640円/1,811円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき)20立方メートルを超え40立方メートルまでの分/107円/127円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき) 40立方メートルを超え60立方メートルまでの分/131円/154円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき) 60立方メートルを超え100立方メートルまでの分/158円/183円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき) 100立方メートルを超え200立方メートルまでの分/186円/209円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき) 200立方メートルを超え1,000立方メートルまでの分/193円/214円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき) 1,000立方メートルを超え 2,000立方メートルまでの分/200円/219円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき) 2,000立方メートルを超え10,000立方メートルまでの分/204円/222円
一般汚水/超過使用料(1立方メートルにつき) 10,000立方メートルを超える分/207円/224円
公衆浴場汚水/1立方メートルにつき/5円/5円

【表2】改定後の算定例(2か月あたり38立方メートル使用する世帯の場合)

・20立方メートルまでの分/基本使用料/1,811円
・21〜38立方メートルの分/127円×18立方メートル/2,286円
(小 計)4,097円
消費税/〔小計×5パーセント(1円未満切捨) 〕/204円
(合 計)4,301円

※10月1日をまたいで使用された場合の算定は、10月検針分については旧料金、11月検針分については旧料金と新料金を足して2で割る計算により算出します。(ただし、下水道の使用開始・中止の時期により異なる場合があります。)

●維持管理にそんなにお金がかかるの?
 市が下水道事業に着手してから51年が経っています。創設時の下水道管は老朽化が進み、震災時などには大きな被害が出るおそれがあります。
 また、寿町終末処理場は処理開始から44年が経過し、各機器の損傷が激しく、その保守管理にも多額の費用が必要となっています。

●健全な経営を目指して
 下水道事業の「健全な経営」のためには、下水道施設の維持管理に必要な費用と、工事に伴う借入金返済に係る費用をすべて下水道使用料だけで賄い、一般会計からの繰入金に頼らず事業を行うことが重要です。
 しかしこの場合、さらに大幅な値上げが必要となり、皆さんの生活にも大きな影響を与えるおそれがあります。
 市では、できる限り一般会計からの繰入金に頼らないよう、さらなるコスト削減、また、使用料の未納額を減らすための徴収を強化するなど、皆さんからいただく下水道使用料による健全な経営を目指します。

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#03:この“夏” 図書館を使いこなそう
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問 かもめ図書館 電話0465-49-7800
  市立図書館 電話0465-24-1055

〜2010年は国民読書年です〜

今、本を読むことの大切さが改めて見直されています。
子どもたちにとって、「本を読む」ということは、言葉を学び、表現力や創造力を高め、知性や感性を磨き、人生をより豊かに送るために欠くことのできない「生きる力」をはぐくみます。
その一方で、インターネット、携帯電話…IT技術の発達は、子どもを取り巻く環境に大きな変化をもたらしました。情報が氾濫する中、必要な情報、正しい情報を取捨選択する能力が必要となっています。また、生活様式の多様化から「活字離れ」が進み、読書する機会そのものが減少しています。
子どもたちは夏休み真っ盛り。いろいろな経験や出会いを重ね、自分を見つめ直すことができるこの時期に、図書館は人生観を変えるかも知れない一冊を用意して、皆さんを待っています。

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図書館職員がお薦めするこの一冊!
〜中・高校生向けヤングアダルトコーナーが充実しています〜
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図書館職員 菊川香織さん

「本をたくさん読みなさい!」
 お父さんやお母さん、先生から毎日のように言われている中・高校生は多いのではないでしょうか?
 しかし、そんな世代には、絵本や児童書では物足りない、一般書は選ぶことが難しいなど、本から離れてしまう要因があることも現実です。そこで、図書館では、読書習慣の形成に最も影響があるといわれている中・高校生を対象に、小説のほか将来の職業や心・体といった、この時期特有の悩みに答える図書をそろえています。
 喜び、怒り、苦しみ、悲しみ、ときめき…活字を通して体験するあなたにとっての“オンリーワン”を探してみませんか。

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
「リリース」
草野たき/作 ポプラ社/発行
親・兄弟・仲間、それぞれにとって自分の存在とは…。皆さんもきっと一度は周りにとっての自分について考えたり、悩んだりしたことがあると思います。読み終えた後はきっとさわやかな気持ちになれる、そんな一冊です。

〈小学生にはこの1冊〉
「横浜に大集合! 世界の動物たち」
増井光子/監修 岩崎書店/出版
皆が大好きな動物園の動物たちを紹介します。よく知っている動物はもちろん、珍しい動物も大集合!また、動物園の中には絶滅の危機にある動物もいて、赤ちゃんが産めるような環境づくりも動物園の仕事なのですね。

 その他にも図書館では、中・高校生の皆さんに紹介したい本を「ティーンズ通信」に、小学生には「夏休みのおすすめの本」をリーフレットにして配付しています。
 どの本も皆さんの心に残る一冊になるはずです。
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忙しくても大丈夫! 図書館の便利なサービス
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 図書館には図書館にしかない貴重な情報が盛りだくさん。でも、「どうしても図書館に行けない」「本を探す時間が無い」そんなときは図書館のホームページをチェックしてみてください。

(1)ホームページが充実しています
 図書館のホームページを開くと、新着本の情報や本の貸し出し状況が一目で分かります。
 また、『こどものページ』に力を入れ、充実させています。
 イベント情報、調べ学習のためのリスト、おすすめ本リスト、子どもたちから寄せられた「楽しかった」「感動した」と、反響のあった本の紹介もあります。

(2)本を借りるのも、返すのも楽々!!
 忙しいかた必見。ネットで予約、駅で返却ができます。

1.タイトル・作者・出版社などで借りたい本を検索。

2.指定した場所で本を受け取ります(図書館・図書施設の8か所から指定ができます)。

3.小田原駅・国府津駅でも返却ができます(平日は午前7時30分から午後7時まで利用できます)。

●子どもたちのメッセージが図書館をつくります。一部をホームページでも紹介しています。
図書館の壁に貼ってある樹木の葉っぱ1枚1枚が子どもたちのメッセージです
〈図書館職員 廣瀬 美奈子さん〉

■ホームページ
 トップページ右側の「図書館資料予約システム」をクリック。

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『小田原市子ども読書活動推進計画』を策定します
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 市では「市民ニーズに応える情報」「読書の楽しさの提供」「温かさと安らぎのある空間の創出」など、理想の図書館を目指し、平成19年に図書館職員によるプロジェクトチームを編成しました。
 また、図書館サービスの一層の充実を図るために、平成20年9月に『小田原市立図書館が目指す図書館像〜出会う図書館〜』を策定して、図書館が果たすべき子どもの読書環境の充実に必要な事業を実施してきました。
 このような中、図書館だけではなく、学校や家庭、地域など幅広い分野で連携し、子どもの読書活動を推進していくための体制や環境づくりの必要性を踏まえて、『小田原市子ども読書活動推進計画』を平成22年9月を目標に策定することとし、有識者や市民委員で構成される図書館協議会と議論を重ねてきました。

★★★★★★★★★★
募集

 市では、よりよい計画づくりのため、市民の皆さんから意見を募集します。
 『小田原市子ども読書活動推進計画』素案は図書館のホームページ、図書館・図書施設、各支所・連絡所、窓口コーナーでご覧いただけます。
【募集期間】
8月2日月曜日から8月20日金曜日まで
【提出方法】
募集用紙に意見を記入のうえ、図書館・図書施設に直接、郵送またはファクスで。
〒250-0014 小田原市城内7-17
市立図書館
FAX 0465-24-1195
※市ホームページからも投稿できます。
★★★★★★★★★★

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#04:安心安全なまちづくりをみんなで進めよう
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問 小田原警察署 電話0465-32-0110
  暮らし安全課 電話0465-33-1396

 多くのボランティアのかたがたが防犯パトロールや子どもたちの見守りなどの地域自主防犯活動に取り組んでいます。
 しかし、市内では年間2,500件程度の犯罪が発生しており、その原因の一つとして、家族の絆や隣近所の付き合いが希薄になってきたことが考えられます。
 犯罪のない安心安全な地域づくりを進めるためには、大切な家族の絆を強めることや、隣近所との付き合いを大切にし、地域での顔見知りを増やす、「顔の見える関係」を作ることが重要なことです。

●まだまだ注意が必要 振り込め詐欺
 今年の6月末までの小田原警察署管内の発生件数は6件、被害総額はおよそ600万円ですが、県内での発生件数は350件、被害総額はおよそ5億円で増加傾向にあります。

【振り込む前に相談を】
 被害者の多くが被害に遭う前に、子や孫を装った犯人から電話番号変更の連絡を受けています。
 また、警察官や市役所職員を装い、電話で犯罪捜査や税金還付のためなどと言ってキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、カードをだまし取る手口が増えています。
 犯人からの電話を切ったら、すぐに子や孫の変更前の電話番号に連絡するとともに、他の家族にも連絡してください。
 警察官や市役所職員が、電話で暗証番号を聞いたり、自宅にキャッシュカードを受け取りに行くことはありません。
 犯人の多くは、妊娠中絶費や会社のお金の使い込みなど、内緒でお金を用立てなければならない名目で現金を要求します。電話でお金を要求された時は、振り込む前に必ず警察や家族などに相談してください。

●毎日発生している 自転車の盗難!
【被害の多い地域:扇町、国府津、栄町、南鴨宮】

 市内で最も多い犯罪が、自転車の盗難です。自転車の盗難の約70パーセントは、無施錠のものです。アパートや自宅の敷地からも盗まれています。
 「すぐに戻るから」「自宅だから」と油断せず、必ずかぎをかけましょう。かぎは二重ロックにすると、より効果的な盗難防止になります。

●空き巣被害にもご用心!
【被害の多い地域:久野、前川】

 家の戸締まりを徹底してください。近所への買い物やごみ出しなど、少しの時間でも戸締まりをしてください。
 玄関や窓のかぎは1か所だけでなく、補助錠をつけると効果的です。

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小田原警察署管内 民間防犯指導員
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 民間防犯指導員は、小田原警察署長などから委嘱をうけてさまざまな犯罪抑止活動に取り組むとともに、地域と警察とのパイプ役を担っています。

(平成22年4月1日現在、敬称略)
地区名:氏名 の順
緑 地区:栗田康宏
新玉地区:牧石美千雄
万年地区:柳下吉行
幸 地区:中西敏夫
十字地区:本多邦夫
足柄地区:土田宣人
芦子地区:植田昌弘
二川地区:添田易司
東富水地区:亀井俊一
富水地区:香川忠良
久野地区:遠藤富雄
大窪地区:三宅俊郎
早川地区:大坪孝壽
山王網一色地区:奥村栄
下府中地区:鈴木幹二
桜井地区:青木富雄
豊川地区:栢沼正行
上府中地区:近藤幸男
下曽我地区:柏木政弘
国府津地区:韮山信
酒匂・小八幡地区:加藤孝雄
片浦地区:矢子昇
曽我地区:柏木敬二
橘南地区:小島栄
橘北地区:猪股常夫

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民間防犯指導員協議会 会長
添田易司さん

 私たち民間防犯指導員は、市内25の地区に1人ずついます。警察や市と連携を図りながら、青パト(青色回転灯装備車)での防犯パトロールや、地域の老人会を対象にした防犯教室を開催しています。また、地域で防犯の注意ポイントをまとめたチラシを作成し、回覧を行うなど、さまざまな犯罪抑止活動を行っています。
 地域の皆さんと力を合わせて、安心安全な地域づくりを実現していきましょう。
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#05:一人で悩まないで!市民相談&消費生活センター
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問 暮らし安全課
  市民相談室 電話0465-33-1383
  消費生活センター 電話0465-33-1777

 市民相談室では、市民の皆さんが抱えるさまざまな問題について相談を受け付けています。
 平成21年度の相談件数は3,164件で、一日平均13件の相談がありました。相談内容は、結婚・離婚や相続・遺言などに関する相談が1,192件、不動産関係の相談が379件で、これに借金やご近所とのトラブルなどを含めた民事関係の相談が、全体の65.5パーセントを占めています。
 一般相談は、比較的軽易な法律相談や市への要望、日常生活の悩みごとなどを対象に、民事関係の相談員2人と行政関係の相談員1人が、毎日対応しています。
 特別相談は、分野ごとに専門の相談員が日替わりで実施しています。一番利用が多いのが弁護士による無料法律相談で、昨年度は175件の相談がありました。
 また、契約に関する相談は、消費生活センターで行っています。昨年度の相談件数は989件で、アダルト情報サイトなどのオンラインサービスに関する相談をはじめ、クーリング・オフやフリー・ローン、サラ金などの相談が多くなっています。
 複雑化・多様化した現代社会には、難しい課題がたくさんあります。思いがけないトラブルに巻き込まれてしまったら、一人で悩まないで市役所の相談窓口をご利用ください。問題解決に向けて、相談員が親切・丁寧にアドバイスします。

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#06:SHISEI〜至誠・市政〜
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「幾代も生きるまちづくりの志」
文 加藤憲一

 6月、法隆寺の大野玄妙管長とお話をさせていただくご縁に恵まれました。それに先だち、改めて法隆寺や斑鳩の里のことなど、中学時代の修学旅行で訪ねた時の記憶や、手元の文献資料などをひもときつつ、創建を進めた聖徳太子の「志」に思いをはせてみました。
 通説では法隆寺の創建は西暦607年であり、すでに1400年の時を経ています。聖徳太子については今もってさまざまな論考が出されるなど、確たる史実をもってその生涯の全てが捉えられてはいません。しかし、「斑鳩で平和社会のモデル地域を創ろうとした」「慈悲の心に満ちた菩薩たちを多く育てることにより、この国を治めようと考えた」と大野管長が言われるように、太子は大いなる志をもって国づくりに取り組んだのでしょうし、少なくとも、それが太子の志として、今なお斑鳩の地に受け継がれていることは事実です。
 つまり、1400年という気の遠くなるような時空を超えて、志は受け継がれてきたということです。そしてその間に、その志に触れた無数の人々によって、志はさまざまに進化を遂げ、さまざまな地域に広がり、今日的な意義を付されて、さらに未来へと生き続けているのです。
 私たちが生きる小田原も、幾重にも重なる歴史の上に今の姿が形成されてきました。時々のさまざまな志が、このまちの姿をその都度つくり、また壊してきたことでしょう。先人たちがこのまちに見いだしてきた価値や、このまちで実現しようとした理想の都市像、実際のまちの形や文化のあり方などのうち、何を受け継ぎ、何を遺し、何を捨象するか。歴史あるまちに生きる者として、絶えず問われるところです。歴史的風致維持向上計画や中心市街地活性化計画、そして小田原城跡整備構想などを通じ、私たちは貴重な地域資源として受け継がれてきた先人たちの志を、改めてしっかり確かめ吟味すべき時を迎えています。
 そして、もうひとつ大切なことは、これから先に続く世代に対し、私たちがどんな志をこのまちに遺していくか、ということです。未来に向かって、より大きく膨らみ、このまちをもっと豊かにしながら育っていくような志を、私たちはまちづくりを通じて表現できるか。新しい総合計画を策定しようとしている今、まさにそのことが問われています。
 そのような思いから、新総合計画の素案の中では、目指す都市像を明確に掲げさせてもらいました。「市民の力で未来を拓く希望のまち」。20年30年は言うに及ばず、100年先・200年先、そして1000年先にも受け継がれてゆくような高い「志」を掲げ、まちづくりを進めていこうではありませんか。

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#07:おだわら情報
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アークロード市民窓口が移転します
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問 市民窓口課 電話0465-33-1381

 小田原駅東西自由連絡通路内のアークロード市民窓口は、JR東日本改札前に移転し、8月30日にリニューアルオープンします。
 現在のアークロード市民窓口より待合スペースが広くなるなど、さらに使いやすくなりますので、ぜひご利用ください!
 なお、移転作業に伴い、8月28日土曜日・29日日曜日は、臨時休業します。

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総合防災訓練
〜防災は 日ごろの備えと 地域のきずな〜
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問 防災対策課 電話0465-33-1856

 日ごろからの防災意識の向上を図るため、今年は豊川地区、上府中地区、下曽我地区、曽我地区の自主防災組織、防災関係機関、行政が一体となった総合防災訓練を行います。
 また、避難所生活を体験する宿泊体験訓練を併せて実施します。

《宿泊体験訓練》
日時:8月28日土曜日午後4時〜8月29日日曜日午前6時30分
場所:豊川・千代・下曽我・曽我の各小学校体育館
主な内容:避難者カード記入、防災情報システム入力、給水および炊出し、テント設営、仮設トイレ設置、防災・火災の話など

《総合防災訓練》
日時:8月29日日曜日午前9時〜11時30分
場所:上府中公園多目的広場
主な訓練内容:避難、消火および応急手当、広域避難所開設運営、道路啓開復旧、ライフラインの復旧、災害救助犬による捜索活動、救出救助、緊急物資輸送など
参加・協力団体:44団体

・当日は、市の防災行政用無線で、豊川・上府中・下曽我・曽我地区で、訓練情報を次のとおり放送します。
(1回目)7時15分頃 訓練周知の放送、(2回目)11時30分頃 訓練終了の放送

・この機会に、各ご家庭で非常時持出品や避難場所および避難経路の確認、家族の連絡方法などを話し合っておきましょう。

※雨天決行。ただし、各種気象警報等発表の場合は中止。

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「市民と市長のまちかどトーク」を開催〜市民の皆さんと市長が語り合う懇談会を開きます〜
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問 広報広聴室 電話0465-33-1263

 本市は今年、市制施行から70周年という節目の年を迎えます。そのような中、市では市民と地域が主体となる「持続可能な市民自治のまち」を目指し、さまざまな土台づくりに取り組んできました。今年はそれらの取り組みが本格的に動きだします。
 まちづくりの主役である市民の皆さんに、これらの取り組みをご紹介し、ご理解いただきながら、意見交換をします。新しい小田原に向けて一緒に考えましょう。

日 時:8月29日日曜日 午後2時30分〜4時
場 所:ロビンソン百貨店 4階ギャラリー
テーマ:「生ごみを資源として考えよう〜生(いき)ごみ小田原プロジェクトについて〜」
 市では家庭などから出される生ごみを資源としてとらえ、堆肥化して活用する資源の地域内循環の仕組みづくりを考えてきました。現在、家庭と地域単位でそれぞれモデル事業を行っています。
 家庭の取り組みでは、市内のおよそ1,000世帯で、段ボールコンポストをはじめさまざまな方法で堆肥化に取り組んでいただいており、今後この取り組みについての検証を行いながら、来年度以降につなげる検討をしています。
 ごみの減量を図り環境にやさしい社会を実現するため、また、各事業を通じて地域の活性化を図っていくため、皆さんのご意見をお聞かせください。

※事前申し込みは不要です。直接会場へお越しください。
※託児(2歳以上就学前まで)や手話通訳が必要なかたは、開催日の2週間前までにご連絡ください。
※8月27日金曜日〜30日月曜日には、同会場で、1960年の天守閣再建工事竣工から今日までの50年の日々を写真パネルで紹介する「写真で綴る天守閣復興50年の歩み」を開きます(午前10時〜午後6時、最終日は午後4時まで)。

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夏休み本番わんぱくらんどは平日がおすすめ!
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問 みどり公園課 電話0465-33-1581
  わんぱくらんど 電話0465-24-3189

 今年4月のグランドオープン以来、わんぱくらんどは多くのかたにご利用いただいています。
 一方、駐車場付近では車が混雑し、周辺の交通に影響が出ています。
 市では指定管理者とともに、混雑解消のための迂回路の設定や臨時駐車場を確保するなど、さまざまな対策に努めています。
 しかし、これからのシーズン、休日などには、混雑の発生が予想されます。
 そこで比較的ゆとりがある平日にご利用いただけるよう、指定管理者から駐車場無料利用券をプレゼント。
 夏休みの平日は、わんぱくらんどでゆったりと楽しいひとときを過ごしてみませんか。
 なお、休日などにお越しの際は、なるべく公共交通機関をご利用ください。(小田原駅西口からバス10分)

※無料利用券の注意事項
●8月31日まで(土、日曜日及び8月13日と16日を除く)
●再入場はできません。
●コピー・ダウンロード 無効

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#08:連載 尊徳道歌のこころ(8)
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問 尊徳記念館 電話0465-36-2381

〈「至誠」相手の立場に立って物事を考える〉
見渡せば 遠きちかきは なかりけり
おのれおのれが 住処にぞあり

 二宮尊徳がその教えを分かりやすく詠み上げた道歌は、現代の私たちが尊徳の教えを知るうえでも、確かな道しるべとなるものです。ここでは、そのうちのいくつかを連載で紹介します。

 この場合の「おのれおのれ」は、「自分自身の」「各人の」という意味です。また、「住処」は「現在自分がいる位置や立場」「心のおきどころ」を指していて、この歌を今の言葉に直すと、「遠いとか近いとか言うけれども、全体として見ればそんなことはない、遠いか近いかは、それぞれの人が、どこにいるかによって決まるのだ」という意味になります。
 例えば、あるお店が、自宅から見て川の対岸にあったとすると、私たちは「遠くて不便だ」と思うでしょう。ところが、そのお店がもし火事になったとしたら、「ああ、川の対岸で(遠くて)よかった」と思うに違いありません。
 同じように、事の善悪についても、それぞれの立場などによって、見方が変わってきます。
 借金の利子は、お金を借りようとする人にとっては安い方が助かりますが、預けたり貸したりする人にとっては、高い方が喜ばれます。
 自分の立場だけにこだわっていると、物事を正しく見ることができません。尊徳は、この歌で、相手の立場に立って考えること、物事の一面だけを見て判断するのではなく、全体を見渡して判断し、自分勝手な考え方をしないことが大切だ、ということを教えているのです。
 このような考え方を「報徳」では「一円観」と呼んでいます。

※協力 報徳博物館館長代理 齋藤清一郎さん。

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#09:健康おだわら普及員 地域の皆さんの健康づくりをお手伝い
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問 健康づくり課(保健センター) 電話0465-47-0820

 昭和55年に発足した「健康おだわら普及員」は、今年で30周年を迎えました。
 皆さんの地域で、各連合自治会から推薦された80人の健康おだわら普及員が活動し、地域のかたからは「普及員さん」と親しまれています。
 普及員活動はこれからが本番!
 今年も各地区公民館などで、健康づくりのための体操教室や栄養教室(調理実習)、地域でのバザーなどで減塩味噌汁の試飲会などを開催していきます。

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今年も開催!! ミニミニ健康デー

 皆さんの地域で開催される健民祭(体育祭)で、健康おだわら普及員による健康測定会「ミニミニ健康デー」を開催します。
 各地区に先がけて5月30日には新玉・橘南両地区で開催し、血圧や体脂肪などの各種測定と保健師が健康相談を行いました。当日は100人以上のかたにご利用いただきました。
 日ごろ健康を意識しないかたも、ご家族やご近所で声をかけあい、ぜひお立ち寄りください。
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#10:連載 市民力
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姉妹都市で奏でる心のハーモニー

 今月4日から本市の青年4人が、姉妹都市のアメリカ合衆国カリフォルニア州チュラビスタ市へ派遣されます。この行政間の交流事業以外にも、市民同士の交流もまた着実に進んでいます。
 今年4月、市内を拠点に幅広く活躍する小田原男声合唱団の14人が「サンフランシスコ桜まつり」のコンサートに参加し、併せてチュラビスタ市を親善訪問しました。
 当日はシェリル・コック市長をはじめ、多くのかたから歓迎を受け、現地の大学・市民合唱団とも交流。団長を務める一色さんにチュラビスタの印象を伺うと、「メキシコに近いため、至るところでスペイン語の曲が流れ、ラテン系の雰囲気が漂い、魅力的な街」だったそうです。
 この訪問では日本民謡などのほか、以前の演奏会で歌ったメキシコの曲をスペイン語で披露し、これが現地の人に大好評だったとか。
「相手の事を考え、心から交流をしたいと思う気持ちが大事です」
 現在、合唱団には55人が在籍。「メンバーそろっての遠征は課題も多く、そう頻繁には行けません。それでも今後もできる限り交流していきたいし、もしお迎えする機会があれば、ぜひ協力したいですね」
 国や言語の壁を越え、歌声が人と人をつなぎます。このような一つ一つの交流が、姉妹都市をつなぐ絆をより太くしていきます。

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小田原男声合唱団では団員を随時募集中!
問 井上楽器 電話0465-24-0515
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#11:今月の笑顔
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全日本高齢者武道大会 優勝

小田原警察署 警務課
小川 亜土警部補

 6月に日本武道館で開催された「全日本高齢者武道大会」。55〜65歳の部で見事優勝した小川さんは、昨年4月から小田原警察署に勤務。「どんな状況でも毅然として立ち向かう強さの、ベースとなるような自信を身につけてほしい」と、日々署員に剣道を指導しています。
 この大会は、年齢別に分けられていて、最高齢部門は85歳以上。今年は92歳のかたも参加されました。20年ほど前から大会運営を手伝い、挑戦し続ける先輩たちを見て、自分もその歳になったら出場しようと決意。
 3回目の挑戦となる今回、厳しい7試合を勝ち抜いて優勝できたのは、「小田原から駆けつけてくれた、若い署員の応援があったから」「いつまでも挑戦する自分の姿に、彼ら自身も頑張ろうと思ってもらえたら、それが一番嬉しい。結果はその次」と、熱く温かい思いがあります。
 余暇もほとんど剣道に費やし、子どもたちを指導する際には、礼儀作法や思いやりといった、昔から日本人が大切にしてきたことを、丁寧に伝えています。
 ご自身が高校3年のとき、神奈川県警へ入ることをすすめ、さらに同大会を立ち上げた恩師を、小川さんは大変尊敬されています。恩師の背中を見て剣道に励み続け、さらに今後も挑戦を続けたいと意気込む背中が、若い署員や子どもたちに、たくさんのメッセージを送り続けます。

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#12:歴史あるまちに生きる2 【対談】斑鳩の里と小田原〜古のゆかりが伝えるもの〜
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問 広報広聴室 電話0465-33-1261

およそ1400年前、聖徳太子により建立されたといわれる法隆寺(奈良県斑鳩町)。「法隆寺地域の仏教建造物」は、世界最古の木造建築物として、1993年、ユネスコの世界遺産に登録されています。
法隆寺の古文書に、かつての小田原の地名が食封(律令制で、親王・貴族・寺院などに支給する制度)として記載されており、法隆寺と小田原のゆかりを知ることができます。
去る6月、法隆寺の大野玄妙管長と加藤市長が対談。そのつながりや、聖徳太子が当時志したものなどに触れながら、現代社会へのヒントとなる貴重なお話を伺いました。

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法隆寺と小田原
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加藤市長:1400年以上もの法隆寺の歴史や、聖徳太子が平和を願い執り行ったことなどには、今を生きる私たちに必要な示唆がたくさんあるかと思います。
大野管長:聖徳太子は、多くの寺を造り、菩薩を増やし、善人を育て、さらにその善人が善人を生み育てる、善人による和の社会を目指しました。その考えの基本は、仏教に限らず、神祇や祭祀の考えにも通じるもので、何ら特別なものではありません。太子は、斑鳩の里に「平和社会のモデル地域」を実現しようとしました。それは後の国家的事業、平城京造営につながるもので、そこには、理想の都市計画がありました。
加藤市長:斑鳩で平和都市のモデル地域づくりが進められ、さらにそこから各地への寺領の展開の中で、小田原をはじめ他地域との縁がつながっていったのですね。
大野管長:はい。当時大和では、大陸から戻った遣隋使、遣唐使が次々に新しい技術などを伝え、それより少し前の優れた飛鳥の技術を持った工人などは、奈良から活躍の場を求めて各地に広がっていきました。こうして、大和や斑鳩の里から、当時の技術や考え方が全国に広められたのです。
 各地の寺院に法隆寺式の伽藍配置が見られたり、法隆寺の瓦の型が使われているところには、人や文化の交流を確認することができます。
加藤市長:市内千代では、奈良時代に寺院が造られたと考えられ、その伽藍配置などには、いろいろな説があります。また、市内にある寺社などにも、そのどこかに、斑鳩から来た工人が伝えた要素があるかも知れないのですね。
 今日の小田原のさまざまな技術や文化に、当時の人の交流の中で伝えられた遺伝子があると思うと、小田原と法隆寺のつながりがまざまざと感じられます。

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今の時代に必要なもの
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加藤市長:太子の時代にも、疫病や飢餓など、きっとさまざまな問題がありました。現代もまた、心の闇を抱えている人が多いのが現状です。当時太子が立ち向かい、成し遂げようとしたことには、今の世の中にも通じる、学ぶべきことがあるのではないでしょうか。
大野管長:太子が掲げた十七条の憲法第二条に「篤く三宝を敬え」とあります。仏教における三宝、仏(お釈迦様)、法(教え)、僧(僧侶)は、現代社会では、「仏」は理想や目的、「法」はそれを達成するための計画書・手段、「僧」は仲間に置き換えて考えることができ、皆に必要な社会的要素といえます。しかし今、目的を持てない、あるいは理想が高く手段が分からない、仲間がいないなどという人が増えているように感じます。どの社会でも、この3つの要素は必要です。仲間について言えば、最小限の仲間である家族、同じ地域に生きる身近な人たちがとても重要であります。
 また第一条には「和をもって貴しとす」とあります。太子が最も広めたかった「和の精神」ももちろん大事です。「和」とは、放逸(勝手気ままにふるまう)を避けること。集団では大切なことで、人にはそれぞれ与えられた役割を果たす必要があるのだと教えられます。

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相手の立場で考え、支えあう
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加藤市長:私は小田原を、「持続可能な市民自治のまち」にしようと取り組んでいます。そのためには、たくさんの課題を、市民の皆さんとともに解決しなければなりません。まちづくりを自分たちが担っているという意識を、皆で共有することが課題です。
大野管長:相手の立場に立って考える「同事」という言葉があります。奉仕の精神に、「同事」の考え方はとても大事で、皆が相手のことを考えられるようになれば、人に優しいまちとなり、また凶悪犯罪などもなくなるでしょう。
加藤市長:おっしゃられる通りです。しかし、頭で理解しても、自分がまちづくりの担い手であると実感するのは難しいかもしれません。子どもを守り、高齢者を支えられる地域づくりのために、皆で力を出し合えるようにするには、どうアプローチすればよいでしょうか。
大野管長:教育の大きな問題でもありますが、今、子どもに背中を見せられない大人が増えています。私たちは、子どもたちに自分の背中を見られているという意識を持ち行動しなければなりません。そういった意識を強く持てば、自分の行動を考え、何をするべきか、してはならないか、おのずと分かるのです。
加藤市長:私たち自身が、次代を担う子どもたちに自分の姿を見せることを意識し、自分と向き合う必要があるのですね。

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小田原を知り、仲間と盛り上げる
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加藤市長:管長から、太子が平和を志した当時のお話を伺い、平和社会のモデル地域であった斑鳩の里のイメージがはっきり見えました。そこには、現代もそれぞれの地域で目指すべきと思うことが多くありました。
 小田原には、海、山、川といった自然、そして歴史があります。これを守り、人々が安心して生き続けられるよう、尽力していきたいです。
大野管長:まず、小田原に住む人が、皆で小田原の歴史などを調べ、小田原の話題で盛り上がり、その中で一緒に小田原で暮らしている仲間意識を強く持つことが大事です。歴史、地理、産業など、小田原に詳しい人を増やしましょう。小田原を訪れた人に、そういった市民の情熱やまちの魅力を存分にPRできれば、小田原のよい印象を与えられ、さらに観光客も増え、まちも活性化していきます。このようなことは、法隆寺にも同じことが言えると思います。
加藤市長:確かに残念ながら、小田原に住みながら、その魅力を十分に知らない人も多いと感じることがあります。私たち自身が小田原のよさを知るところから始めていきます。
大野管長:小田原に詳しい市民ボランティアのかたを中心に、勉強会を開催するなど、市民のかたのお力で、ぜひまちの活力を向上させていっていただきたいと思います。
加藤市長:本日はありがとうございました。

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法隆寺
大野玄妙管長

(プロフィール)法隆寺管長。1947年大阪府生まれ。龍谷大学文学部を経て同大学院を修了。1993年に法隆寺執事長となり、法起寺住職、法隆寺住職代務者、聖徳宗管長代務を歴任。1999年から現職。
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#13:連載 あの日 あのとき小田原
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市制施行から70年という節目の今年。
先人の営みより継承されたもの、自然事象とともに刻んだ足跡、古きよき故郷の懐かしい面影など、小田原の歴史には「無尽蔵の市民力」へとつながることがたくさんあります。
ここでは、そうした記録と記憶をたどります。

『第5回 忘れてはならない・・・小田原空襲』

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小田原空襲とは
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 第二次世界大戦の「終戦の日」となった1945年8月15日の未明から明け方にかけ、小田原の市街地に大きな被害をもたらした空襲です。
 アメリカ軍の大型爆撃機B29は、現在の浜町や本町周辺に爆弾(焼夷弾)を投下し、相模湾に抜けていきました。当時、この辺りには、通称「青物町」「高梨町」「宮小路」といわれる商店街や花街がありました。この空襲により、周辺地域は文字どおり「火の海」と化し、約400戸の家屋が消失し、12人のかたが死亡したとの記録があります。

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焼け落ちた旅館
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 本町で旅館を営み、当時ニューギニアに出征していた清水伊十良さん。清水さんは、その後に聞いた空襲のようすを次のように伝えています。
 空襲が始まると辺りはまるで真昼のような明るさとなったそうです。市民は着物を焼く焼夷弾の油を振り払いながら、着の身着のままで逃げるのが精一杯で、日ごろから訓練を重ねていた「防空練習」もまったく役に立たない混乱ぶり。
 私の家(旅館)には多くの軍人が宿泊していましたが、一人残らず逃げ出して、家の者だけで消火活動を行いました。幸い右隣りへの延焼は防いだものの、結局自分の家は焼け落ちてしまいました。

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焼け跡から明日に向かって…
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 ようやく迎えた朝、清水さんのお父様は近所の写真館に依頼して、将来の記録のために井細田まで一望できる焼け跡に立って、この被災の様子を写真に収めたそうです。
 自分の家が焼け落ちるといった状況の中でも、「史実を後世に着実に伝えなければ」という思いは、明日への希望を見失わなかった市民の気概の一端を伝えています。
 今を生きる私たちは、当時を必死に生きた人々の計り知れない悲しみや苦しみをいつまでも忘れることなく、二度と悲惨な戦争を繰り返してならないという決意を、着実に引き継いでいかなければなりません。

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8月15日は戦没者を追悼し平和を祈念する日です。正午には1分間の黙とうを。
8月6日は広島に、9日は長崎に原爆が投下された日です。当日は、原爆死没者の追悼と平和祈念の黙とうを。
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表紙の言葉

「早川の漁港」
小田原ふるさとの原風景百選 no.39
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小田原漁港は早川河口の右岸に位置し、多くの漁船が入港します。元は陸地であったところを掘り込み式で整備した全国でも珍しい漁港です。漁港周辺には飲食店や水産物の土産物屋・釣り船の船宿などが軒を並べにぎわいを見せています。

■フラッシュバック 原風景
防波堤工事が進む小田原漁港(1955年)

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広報おだわら august.1,2010 no.1016
【発行】小田原市
【編集】広報広聴室
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〒250-8555  神奈川県小田原市荻窪300番地
(tel)0465-33-1261
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○「広報おだわら」1日号は自治会配布、15日号「おだわらいふ」は新聞折り込み。
市役所、支所・連絡所、マロニエ、小田原駅、郵便局などでも配布しています。
広報おだわらは、資源保護のため再生紙を利用しています。
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6月1日現在 小田原市の人口198,545人 78,765世帯
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