最終更新日:2014年08月12日
―山上(やまじょう)蒲鉾店さんはもとは米屋さんだったそうですね。
下処理された新鮮なグチが焼津から運び込まれる。
小田原の水は、昔からみなさん硬水だ硬水だって言われてたんでそうなのかなと思ってたんですけども、うちなんかの水はどちらかというと軟水なんですよ。通常はペーハーが7ぐらいなんですが、うちの水は7.6とか7.8とかちょっと高いんですよ。そういう水を使った方が蒲鉾にしなやかさっていうのが出てきますよね。もともと弾力の出にくい赤身の魚なんかはわざとアルカリさらしっていうのをやるんですよ。重曹を入れてペーハー値を高くしてやることで、もっちりした身ができあがってくるんですね。
※1【水さらし】:細かく削がれた魚肉を水にさらし、臭み、脂肪分、酵素類を取り除くことにより、白く弾力のある蒲鉾ができる。
※2【付包丁】:蒲鉾のすり身の状態を確認したり、蒲鉾を成形するための包丁。
魚の身を水にさらし、魚の脂や血合いを取り除く。
魚の身を丁寧にすり込む。
魚の身を丁寧にすり込む。この作業はその日の気温や魚の状態 により、すり具合を判断する熟練を要する工程。
小さな小骨や皮などを取り除くために、すり上がった身を裏ごしする。
付包丁で練り具合を確かめる。蒲鉾の食感に影響する重要な工程。
機械によって成形された蒲鉾が、大型の蒸機に運ばれる。
魚のすり身をお湯でゆでればはんぺんに、油で揚げればさつま揚げになる。
製造工程の多くは機械化されているが、工程の一部はまだ手作業によるところがある。
小田原蒲鉾協同組合では、若手の技術向上とその習得と継承のため、月に一度研究会を開いている。
「技人」
温暖な気候と豊かな資源、そして地理的な条件に恵まれたまち・小田原には、いにしえよりさまざまな「なりわい」が発達し、歴史と文化を彩り、人々の暮らしを豊かなものにしてきた「智恵」が今に伝えられています。本シリーズは、その姿と生きざまを多くの人に知っていただき、地域の豊かな文化を再構築するきっかけとなれば、との願いが込められています。
企画:地域資源発掘発信事業実行委員会
・小田原二世会
・小田原箱根商工会議所青年部
・小田原商店街連合会青年部
・(社)小田原青年会議所
・特定非営利活動法人 おだわらシネストピア
・特定非営利活動法人 小田原まちづくり応援団
・小田原市
編集:相模アーカイブス委員会
写真・文:林 久雄
発行:小田原市
問い合わせ:小田原市広報広聴課 事務局(0465-33-1261)
平成26年7月
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