水道料金の改定について
平成28年9月の市議会定例会において、「小田原市水道給水条例の一部を改正する条例」が可決されました。これに基づき、平成29年1月1日から水道料金を改定いたしました。
水道使用者の皆さんには、ご負担をおかけいたしますが、今後もより効率的な事業運営と健全経営に努めてまいりますので、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
1 改定の経緯
平成27年7月24日 | 水道料金審議会へ水道料金の改定について諮問 |
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平成28年5月27日 | 水道料金審議会から水道料金の改定について答申 |
平成28年6月17日 | 市議会6月定例会で答申について報告 |
平成28年7月~8月 | 答申の趣旨を踏まえ、市民・事業者の皆さんを対象に水道事業の経営状況や水道料金に関する説明会等を実施 |
平成28年9月1日 | 市議会9月定例会に水道料金改定案を上程 |
平成28年9月14日 | 市議会9月定例会で水道料金改定案が可決 |
関連情報リンク
2 改定の理由
水道施設の耐震化や更新に多額の費用を要する一方、人口減少などで水道料金収入が減少しており、必要な財源を確保することが困難となっています。財政基盤の強化を図るため、水道料金体系の見直しを含む料金改定を行うことといたしました。
3 説明会の開催
説明内容
1.水道施設の整備状況及び今後の整備計画について
2.水道事業の経営状況について
3.答申の概要について
当日配布資料
日程等
開催日 | 開催時間 | 会場 | 部屋 |
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平成28年7月16日(土) | 午後2時00分~3時30分 | 市役所 | 6階601会議室 |
平成28年7月21日(木) | 午後7時00分~8時10分 | 川東タウンセンターマロニエ | 集会室202 |
平成28年7月24日(日) | 午後2時00分~4時20分 | 川東タウンセンターマロニエ | 集会室202 |
平成28年7月26日(火) | 午後7時00分~8時10分 | おだわら市民交流センターUMECO | 会議室1・2・3 |
平成28年7月27日(水) | 午後7時00分~8時00分 | 城北タウンセンターいずみ | いずみホール |
平成28年7月29日(金) | 午後7時00分~8時40分 | 市役所 | 7F大会議室 |
4 水道事業の現状と課題
耐震化等の施設整備とその財源
東日本大震災の教訓を踏まえ、水道施設の耐震化や更新をこれまで以上に速度を上げて取り組む必要があります。「おだわら水道ビジョン」改定時に策定した事業化計画に基づき、高田浄水場や中河原配水池の耐震化など、基幹施設の整備を優先的に進めていきます。ビジョンの計画期間である平成27年度から平成36年度までの事業費として、約151億円を見込んでいます。
これらの事業の資金は、水道料金などの自己資金と企業債で賄うこととなります。人口減少などで水道料金収入が減少する状況下では、企業債による将来世代への負担が相対的に重くなることから、新規借入額を適正な水準に抑制し、企業債残高を徐々に縮小する必要があります。
一方、資金残高は、過去10年間の各年度末において20億円前後を確保してきましたが、平成26年度末には16億7千万円まで減少しています。今後、耐震化等の事業の実施により更に資金が減少することが見込まれています。
施設名 | 事業内容 |
---|---|
高田浄水場 | 浄水・排水施設の耐震化(一系列)、電気・機械設備等更新 |
中河原配水池 | 3号池増設、1号池耐震補強 |
久野配水池 | 4池耐震補強、自家発電設備の整備 |
小峰配水池 | 2池耐震補強、2池新設(更新)、1池廃止 |
第三水源地 | ポンプ井の築造(深井戸) |
管路(耐震化) | 久野送水管 口径500~600ミリメートル(久野地内、成田地内) 老朽管更新事業 口径75~600ミリメートル(残延長約32キロメートル) |
水道料金収入の減少
水道料金収入は、人口減少、生活様式の変化、節水機器の普及、節水意識の向上などによる使用水量の減少に伴い、減収傾向にあります。
現在の水道料金は、平成7年の改定以来、21年間据え置いています。この間、水道料金徴収業務を民間委託するなど経営効率化に努め、人件費などの経常経費を削減してきましたが、収益的収支の抜本的な改善を図ることは困難となっています。

使用水量と水道料金収入の推移
料金体系における課題
大口使用者の水利用の合理化等により大量使用が減少する一方、一世帯当たりの世帯人員の減少、節水型社会の進展などにより少量使用が増加しており、水需要の構造が変化しています。

水量区画別の使用水量の推移(家庭用及び事業用)
現行の料金体系は、基本料金と従量料金からなる二部料金制で、このうち基本料金は、使用水量に関係なく発生する固定的経費を回収する料金として位置づけられます。しかしながら、装置産業である水道事業では固定的経費の割合が費用全体の約9割を占めており、基本料金の低廉化を図るため、その相当部分を従量料金により回収しています。また、従量料金は、使用水量が増えると1立方メートル当たりの単価が高くなる逓増型です。
このような料金体系は、水需要構造の変化とあいまって、使用水量が減少する割合以上に料金収入が減少する結果を招き、供給単価(販売単価)も減少しています。その結果、原価割れの状態がより深刻化するなど、現行の料金体系は経営状況悪化の要因となっています。

給水原価と供給単価の推移
家庭用や小口使用者に比べて事業用や大口使用者に多くの負担を求める現行の料金体系は、負担の公平性の観点からも課題となっています。
また、基本水量について、基本水量内の小口使用者が増加しており、この水量内では料金が変わらないことに対する不公平感が生じています。
5 改定の内容
水道料金収入全体で20.84パーセントの増収となる値上げをいたします。
料金体系の見直し
- 費用のうち、約9割を占める固定的経費をできるだけ基本料金で賄えるよう、料金収入全体に占める基本料金の割合を高めます。
- 逓増型料金体系は維持しつつ、負担の公平化と経営の安定化を図るため、従量料金における逓増度を緩和します。
- 現行の用途別料金体系(※1)から口径別料金体系(※2)への移行を見据え、家庭用と事業用の単価差を縮小します。
- 基本水量を2か月20立方メートルから16立方メートルに引き下げます。
- ※1 水道の使用用途に応じて料金を設定する料金体系
- ※2 水道メーターの口径の大きさに応じて料金を設定する料金体系
現行と改定後の単価表の比較(2か月当たり、税抜き)

改定後の水道料金の計算方法
2.17~20立方メートルまでの従量料金…4立方メートル×15円=60円
3.21~30立方メートルまでの従量料金…10立方メートル×110円=1,100円
4.31~34立方メートルまでの従量料金…4立方メートル×130円=520円
計…(1+2+3+4)×1.10(消費税)=3,652円
- ※請求時の金額に1円未満の端数が生じたときは切り捨てます。
- ※下水道使用料は含まれません。
使用水量別の水道料金の比較(2か月当たり、税込み)
使用水量 | 現行料金 | 改定料金 | 差額 | 1か月当たり差額 |
---|---|---|---|---|
0~16立方メートル |
1,317円 |
1,771円 |
454円 |
227円 |
20立方メートル |
1,317円 |
1,836円 |
519円 |
260円 |
30立方メートル |
2,181円 |
3,024円 |
843円 |
422円 |
40立方メートル |
3,261円 |
4,428円 |
1,167円 |
584円 |
50立方メートル |
4,773円 |
6,264円 |
1,491円 |
746円 |
60立方メートル |
6,285円 |
8,100円 |
1,815円 |
908円 |
70立方メートル |
8,229円 |
10,260円 |
2,031円 |
1,016円 |
80立方メートル |
10,173円 |
12,420円 |
2,247円 |
1,124円 |
90立方メートル |
12,117円 |
14,580円 |
2,463円 |
1,232円 |
100立方メートル |
14,061円 |
16,740円 |
2,679円 |
1,340円 |
使用水量 | 現行料金 | 改定料金 | 差額 | 1か月当たり差額 |
---|---|---|---|---|
0~16立方メートル |
1,447円 |
1,857円 |
410円 |
205円 |
20立方メートル |
1,447円 |
1,922円 |
475円 |
238円 |
50立方メートル |
5,605円 |
6,890円 |
1,285円 |
643円 |
80立方メートル |
11,059円 |
13,154円 |
2,095円 |
1,048円 |
100立方メートル |
14,947円 |
17,582円 |
2,635円 |
1,318円 |
120立方メートル |
19,699円 |
22,658円 |
2,959円 |
1,480円 |
200立方メートル |
38,707円 |
42,962円 |
4,255円 |
2,128円 |
1,000立方メートル |
239,587円 |
252,482円 |
12,895円 |
6,448円 |
2,000立方メートル |
504,187円 |
522,482円 |
18,295円 |
9,148円 |
10,000立方メートル |
2,750,587円 |
2,768,882円 |
18,295円 |
9,148円 |
水道料金の改定年月日
- ※経過措置として、1月検針分(1)については旧料金、2月検針分(2)については旧料金と新料金を足して2で割る計算により算出します(ただし、水道の使用開始・中止の時期により異なる場合があります)。3月検針分(3)からは新料金を完全に適用します。

関連情報リンク
6 今後の取り組み
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7 料金改定についてのQ&A
Q1.水道料金を値上げしないとどうなるの?
Q2.なぜ今回の値上げ幅となったの?
Q3.節水などで使用水量が減少しているのに、どうして料金が高くなるの?
Q4.財源不足分を税金で補てんし、水道料金を低く抑えることはできないの?
この情報に関するお問い合わせ先
上下水道局:経営総務課(小田原市高田401)
電話番号:0465-41-1202