平成23年度決算

決算の概要

 平成23年度決算では、一般会計と10の特別会計はすべて黒字決算となっており、一般会計及び10特別会計の決算は、歳入総額122,855,062,401円、歳出総額118,752,337,648円となり、歳入歳出差引額は4,102,724,753円となりました。

 なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(93,488,622円)を除いた実質収支額は4,009,236,131円の黒字となりました。

一般会計

 一般会計の決算は、歳入総額61,835,436,140円、歳出総額58,759,247,338円で、前年度より歳入が1.8%、歳出が1.6%それぞれ増加し、歳入歳出差引額3,076,188,802円となりました。なお、歳入歳出差引額から翌年度へ繰り越すべき財源(継続費逓次繰越財源13,799,838円、明許繰越財源44,977,384円)を除いた実質収支額は3,017,411,580円の黒字となり、前年度の実質収支額を除いた単年度収支額は、185,215,952円の黒字となりました。

 歳入においては、市税収入額が、32,192,836,903円と前年度比で0.3%増加し、歳入総額に占める割合は52.1%(前年度52.9%)となりました。これは、個人市民税が個人所得の減少により前年度から0.9%の減少となり、また、法人市民税も東日本大震災の影響による企業業績の悪化のため7.0%減少となったものの、固定資産税において、新築・増築した建物が増加したため、前年度から1.0%増加したことや平成22年度の税制改正により市たばこ税が12.8%増加したことなどによるものです。また、地方交付税については、普通交付税の増加などにより、前年度より約2.2億円の増加となり、国庫支出金については、生活保護費などの扶助費等の増加により、前年度より約3.2億円の増加となりました。

 競輪事業収入については、前年度と同額の1億円、宿泊等施設事業特別会計からの繰入金は、前年度と同額の2.1億円となりました。市債については、臨時財政対策債が減少となった一方、公共事業等債が増加となったため、前年度より約1千4百万円の増加となりました。

 歳出においては、義務的経費が前年度比で0.4%の増加となりました。これは、団塊の世代の退職者数がピークを過ぎたことによる、退職手当の大幅な減少により、人件費が前年度比で5.3%の減少、公債費についても、市債借入額を元金償還金以内としてきた結果2.3%の減少となりましたが、生活保護費の増加などにより扶助費が6.5%の増加となったためです。なお、歳出に占める義務的経費の構成比は、55.5%(前年度56.2%)と0.7ポイントの減少となりました。

 また、投資的経費については、お城通り地区再開発事業や津波対策による小学校屋上フェンス整備事業などにより、前年度比で17.0%の増加となり、構成比は8.0%(前年度6.9%)と1.1ポイント増加しました。

競輪事業特別会計

 本年度の小田原競輪は、東日本大震災の影響を受け、4月に開催を予定していた第1回小田原市営(延6日)が中止となったため、小田原市営10回(延46日)、神奈川県競輪組合営2回(延7日)を開催しました。小田原市営競輪における車券発売総額は12,809,120,900円で、前年度と比較すると約6.5%の増となりました。記念競輪が日程と天候に恵まれ、7,947,657,800円(前年度比約11.8%増)の売上となったことが大きな要因です。一方で、通常開催の入場者数や1人当たり購買単価は依然として減少傾向にあります。
 競輪場使用料収入は、神奈川県競輪組合営2回(G3・F2)と、他場の特別競輪・記念競輪等の臨時場外車券発売を実施した際の競輪場使用料で、各場外開催における発売金額の減少等により、前年度比13.0%減の147,060,058円となりました。
 一方、歳出については、競輪開催費として払戻金9,579,756,610円、JKA交付金408,357,811円、日本自転車競技会委託金168,820,360円、小田原競輪運営協議会分担金106,707,231円等を支出しました。
 なお、本年度の歳入合計は13,509,868,431円で、歳出合計は一般会計への繰出金100,000,000円を含め13,157,839,280円となり、差引残額352,029,151円を翌年度へ繰り越しました。

小田原城天守閣事業特別会計

 本年度の天守閣事業については、特別展として例年開催している「小田原城紋章展」及び「新年の書といけばな展」に加え、「小田原城甲冑展~戦国からの近世の甲冑~」を開催し、観光客の誘致に努めました。
 東日本大震災直後は入場者数が大幅に減少しましたが、徐々に減少ペースは緩和し7月以降は前年以上の集客があり、天守閣入場者数は、411,240人(無料11,561人を含む)で前年度より17,245人(4.4%)の増となり、歴史見聞館入場者数は、89,619人(無料3,119人を含む)で前年度より4,840人(5.7%)の増となりました。
 また、今後の小田原城の施設整備に備え、50,000,000円を小田原城施設整備基金へ積み立てました。
 これらにより、本年度の歳入合計は、197,597,854円、歳出合計は166,986,474円となり、差引残額30,611,380円を翌年度へ繰り越しました。

下水道事業特別会計

 公共下水道は、家庭や工場などから排出される汚水を処理し、公共用水域の水質保全を図るとともに、大雨による浸水を防除する役割を果たすなど、清潔で快適な生活環境を築く上で欠かすことのできない重要な都市施設です。また、ライフラインの確保等の観点から、初期に整備した下水道施設の老朽化対策等の維持管理の必要性が増大しています。
 本市は、酒匂川左岸処理区、酒匂川右岸処理区の2処理区において、汚水管渠の整備を進めるとともに、河川流域対策として雨水渠の整備に努め、水洗化の普及や河川の浄化、浸水解消事業等の推進を図っており、平成23年度についても引き続き下水道施設整備事業の推進に努めました。
 汚水施設については、平成23年度に5.0kmの汚水管渠を布設し、19.4haの面整備を行った結果、同年度末の整備延長は558.1km、整備面積は2,443.5haとなりました。また、処理区域面積は19.5ha増加し、平成23年度末の処理区域面積2,443.0haにおける処理区域内人口は159,400人となり、同年度末の行政人口195,903人に対する人口普及率は81.4%、市街化区域2,797haに対する面積普及率は87.3%に達しました。(管渠の整備延長及び整備面積は、本市事業のほか、民間開発行為等によるものを含む数値です。)なお、寿町終末処理場の整備については、老朽化した処理施設の改修を実施しました。
 一方、雨水施設については、都市化の進展に伴う環境変化による浸水や滞水箇所の解消に努めた結果、平成23年度末の整備延長は209.3km、整備面積は856.3haとなりました。(整備延長及び整備面積は10年確率整備の数字です。)
 これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金2,250,000,000円を含め10,881,034,704円、歳出合計は10,736,989,917円となり、差引残額144,044,787円を翌年度へ繰り越しました。

国民健康保険事業特別会計

 本会計では、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い医療費が年々増加する中で、平成20年4月にスタートした後期高齢者医療制度を始めとした医療制度の改正により、前期高齢者の一部負担割合引上げの凍結、65歳以上の退職者医療制度の段階的廃止などが実施されており、国民健康保険の財政運営においては大変厳しい状況にあります。
 このような中、特定健康診査・特定保健指導事業を推進することにより、医療費の抑制や被保険者の健康維持・増進に取り組んでいます。
 歳入の1人当たり医療分保険料調定額は、前年度より0.8%減の68,298円、後期高齢者支援金分保険料調定額は、前年度より1.2%増の25,953円、(介護保険に係る)1人当たりの介護分保険料調定額は、前年度より5.4%増の30,027円となりました。
 保険料収納率は、徴収嘱託員による臨戸徴収のほか、委託による電話催告も継続的に実施するなど、徴収体制の強化を図るとともに、職員による夜間及び休日臨戸徴収を行うなどの収納率向上対策に積極的に取り組んだ結果、長引く経済情勢の低迷の影響を受けながらも、後期高齢者支援金分、介護分を含めた現年度分収納率は、前年度より0.04ポイント増の85.47%となりました。
  歳出の保険給付費につきましては、14,826,162,325円と前年度より4.9%増加しております。
 これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,500,000,000円を含め21,691,219,988円、歳出合計は21,314,671,198円となり、差引残額376,548,790円を翌年度へ繰り越しました。

国民健康保険診療施設事業特別会計

 国民健康保険診療施設片浦診療所は、片浦地区における唯一の医療機関として、地域住民の早期診療等疾病対策に努め、健康管理の推進を図っています。診療日は、原則として月曜日、水曜日及び金曜日の午前9時から午後3時30分までで、木曜日は准看護師による健康相談等を実施しています。本年度の診療件数は、2,013件で前年度より17件増、また、年間延患者数は、2,744人で前年度より102人減となっています。前年度に比べ年間診療件数は増加し、延患者数は減少していますが、片浦地区には、半径4キロ以内に他の医療機関がなく、高齢化が進み慢性疾患の患者が多い地域で、診療所がかかりつけ医として大きな役割を果たしています。
 診療収入につきましては、前年度より298,917円増の30,792,246円となりました。
 これらにより、本年度の歳入合計は37,734,727円、歳出合計は32,430,818円となり、差引残額5,303,909円を翌年度へ繰り越しました。

公設地方卸売市場事業特別会計

 [青果市場] 青果市場は、昭和47年11月開場以来、市民を始め近隣地域住民への新鮮な野菜、果実及びそれらの加工品等の安定供給に努めております。
 本年度の取扱量は、前年度より2.6%減の27,826t、取扱金額は、前年度より9.6%減の6,336,214,832円となりました。
  [水産市場] 水産市場は、昭和43年3月の開場以来、県西地域における拠点市場として、市民を始め近隣地域住民や箱根・熱海方面の観光客に対し水産物及びその加工品等の安定供給に努めています。
 本年度の取扱量は、前年度より0.1%増の14,634t、取扱金額は、前年度より0.7%減の9,074,970,413円となりました。
  これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金36,000,000円を含め164,265,726円、歳出合計は159,088,029円となり、差引残高5,177,697円を翌年度に繰り越しました。

介護保険事業特別会計

 介護保険制度は、平成12年度に施行されて以来サービスの利用者数は年々増加し、サービスの提供基盤の整備も進むなど、高齢期の生活を支える仕組みとして定着してきました。今後、高齢化がますます加速し、独居や認知症の高齢者も急増すると見込まれることから、介護予防の推進や制度の持続性の確保が大きな課題となっています。そこで、地域支援事業として高齢者筋力向上トレーニング事業をはじめとする様々な介護予防事業の実施や普及啓発活動、また地域包括支援センター事業の充実などを行い、要介護状態等になることを予防するとともに、可能な限り地域において高齢者が自立した日常生活を営むことができるよう支援しました。
 介護給付事業の財源は、被保険者からの保険料と国・県・市が負担する公費からなっており、その内訳は、第1号被保険者保険料が20%、第2号被保険者保険料が30%、国費が負担金20%(施設分は15%)・補助金5%、県費が12.5%(施設分は17.5%)、市費が12.5%となっています。第1号被保険者保険料は、保険者である市が策定した介護保険事業計画に基づいて算定し、個人の所得に応じて段階区分されます。介護保険事業計画は3年ごとに見直しますが、平成21年度から平成23年度までの第4期事業計画期間中の保険料基準額は、月額3,530円でした。平成23年度末の要介護(要支援)認定者数は、7,270人で介護(介護予防)給付に要した額は、前年度より6.1%増の10,088,343,516円となりました。
 地域支援事業のうち、介護予防事業の財源は、第1号被保険者保険料が20%、第2号被保険者保険料が30%、国25%、県12.5%、市12.5%、包括的支援事業及び任意事業は、第1号被保険者保険料が20%、国40%、県20%、市20%となっています。平成23年度の地域支援事業の事業費は、介護予防事業費が32,623,411円、包括的支援事業費及び任意事業費が155,964,354円であり、その合計額188,587,765円は、介護給付に要した額の1.9%に相当します。
 これらにより、平成23年度の歳入合計は、一般会計からの繰入金1,596,321,593円を含め10,608,025,544円、歳出合計は10,578,928,229円となり、差引残額29,097,315円を翌年度に繰り越しました。

宿泊等施設事業特別会計

 本会計は、特殊法人雇用・能力開発機構及び特殊法人労働福祉事業団の所有であった勤労者リフレッシュセンタースパウザ小田原を取得・管理していく上で、歳入歳出予算の計上と執行を明確化するため、平成15年度に設置されたものです。取得に係る経費については、ふるさと文化基金、社会福祉基金及びふるさとみどり基金からの繰替運用で対応いたしました。
 小田原ヒルトン株式会社及びヒルトン・インターナショナル社とは、賃貸借契約を平成15年12月25日に締結し、平成16年2月1日からヒルトン小田原リゾート&スパとして運営が開始されました。
 本年度は、東日本大震災の影響により、小田原ヒルトン株式会社の経営状況が急激に悪化したため、施設本体の3ヶ月分の貸付料112,875,000円を免除した結果、土地建物貸付により363,797,280円の収入を得る一方、施設所有者として建物火災保険料や施設管理工事請負費等を支出しました。また、繰替運用金の元金及び利子を償還するとともに、今後の大規模修繕等に備え宿泊等施設整備基金に積立てを行いました。
 これらにより、本年度の歳入合計は、420,061,113円、歳出合計は、一般会計への繰出金210,000,000円を含め365,953,364円となり、差引残額54,107,749円を翌年度へ繰り越しました。

後期高齢者医療事業特別会計

 後期高齢者医療制度は、国民皆保険を維持しつつ、将来にわたって医療保険制度を持続可能なものとしていくための抜本的な医療制度の見直しの一つとして、平成20年4月に施行されました。被保険者は、75歳以上の老人及び65歳以上75歳未満で一定の障害のある者とし、神奈川県内すべての市町村が加入する「神奈川県後期高齢者医療広域連合」という特別地方公共団体が主体となり、市町村と連携しながら制度を運営しています。医療費の財源は、被保険者からの保険料が1割、他医療保険からの支援金が4割、国・県・市町村の公費負担が5割となっています。また、保険料は、被保険者個人単位で算定し、被保険者全員が均等に負担する「均等割額」と被保険者の前年所得に応じて負担する「所得割額」を合計した額になります。この保険料率は、制度の安定した財政運営を図るため、2年単位で費用と収入を見込んで算定し、2年毎に見直す仕組みとなっており、平成22・23年度の均等割額は39,260円、所得割率は7.42%で、神奈川県内においては、均一の保険料率となります。なお、平成23年度末の被保険者数は、前年度当初より689人増えて22,392人となり、神奈川県全体では821,574人となっています。
 市町村では、後期高齢者医療制度の医療費の給付について、療養費実績の12分の1を市町村定率負担金として納付しているほか、後期高齢者医療広域連合納付金として、保険料の賦課額に予定収納率を掛けた保険料額(保険料納付金)、法律の定めにより所得の低い方に対する保険料減額分の補填分(保険基盤安定制度拠出金)、神奈川県後期高齢者医療広域連合の事務に係る費用を県内各市町村が均一に負担する均等割と、被保険者と人口の割合に応じた負担分(市町村負担金)を納付しています。保険料納付金は、現年度分の納付保険料から支出しており、保険基盤安定制度拠出金は、県負担金として4分の3が一般会計に歳入され、4分の1を市が負担し、市町村定率負担金、市町村負担金と併せた全額を一般会計から繰入れるものとなっています。
 これらにより、本年度の歳入合計は一般会計からの繰入金1,608,436,593円を含め3,295,145,336円、歳出合計は3,265,530,163円となり、差引残額29,615,173円を翌年度へ繰り越しました。

公共用地先行取得事業特別会計

 本会計は、公共施設等の整備を円滑に進める上で、整備事業に先立って用地を取得する必要があり、施設整備に係る事業債を起こすまでのつなぎ資金として地方債を起こす際に、その経理を明確化するために設けられる特別会計です。
 本年度は、市民の文化創造活動拠点として整備する市民ホールの建設用地を本会計において取得しており、本年度歳入合計は一般会計からの繰入金3,424,838円を含め214,672,838円、歳出合計は214,672,838円となりました。

決算についてより詳しく知りたい方へ

 決算についてより詳しく知りたい方は、「決算書」や「決算に係る主要な施策の成果に関する説明書」をご覧ください。

 

これらは行政情報センター(市役所4階)や図書館及び支所で閲覧することができるほか、

行政情報センター(市役所4階)で、有償でお配りしています。

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総務部:財政課 財政係

電話番号:0465-33-1313

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