循環器内科
昨年度の当科の診療実績としては、急性心筋梗塞67例の緊急治療と当センターに1年間で1,266人の患者様が入院しましたが、高齢化社会を反映し心不全の症例が最も多い傾向にあります。また、心房細動症例も増加の一途をたどっており、治療の一つとしてカテーテルアブレーションを近年積極的に導入しており成績も良好で、同治療には脳梗塞はもちろん心不全治療にも非常に有用であるエビデンスが構築されております。また、心臓疾患の患者さんは急性期に一定期間の安静が必要となり筋力の低下は避けられず、速やかに社会復帰と再発予防のため入院中はもちろんですが、退院後も外来で心臓リハビリテーションを充実させております。地域の診療機関とも定期的にカンファレンスを開催(現在はコロナ禍にて中断)させていただき、お互い紹介しやすい環境づくりに努めさせていただき、患者さんの長期的な管理を志しております。
循環器疾患は前述のごとく緊急を要する疾患群であり、患者さんやそのご家族にとって慣れ親しんだ小田原の地で医療を完結できるような体制づくりを目指しております。
認定施設
日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
日本不整脈学会・日本心電学認定不整脈専門医研修施設
主な対象疾患
スタッフ紹介
| 役職名 氏名 |
資格等 | 専門領域 |
|---|---|---|
| 病院事業管理者 川口 竹男 |
日本内科学会教育指定病院教育責任者、日本内科学会総合内科専門医・認定内科医・指導医、日本循環器学会専門医、日本超音波医学会専門医、産業医 | 虚血性心疾患、心臓超音波、運動負荷、循環器疾患一般 |
| 内科系診療部長・部長 弓削 大 |
日本内科学会総合内科専門医・認定内科医・指導医、日本循環器学会循環器専門医、日本不整脈学会ICD/CRT-D植込み認定医、日本不整脈心電学会認定不整脈専門医 | 不整脈、循環器疾患一般 |
| 担当部長 成毛 崇 |
医学博士、日本内科学会認定内科医・指導医・総合内科専門医、日本内科学会認定内科医、心臓リハビリテーション指導士、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、ICD/ペーシングによる心不全治療(CRT)研修終了 | 心不全、心筋症、血管生理、循環器疾患一般 |
| 担当部長 安藤 元素 |
日本内科学会認定内科医、日本循環器学会専門医、日本血管インターベンション学会専門医・認定医 | 循環器疾患一般 |
| 担当部長 根本 照世志 |
日本内科学会認定内科医・指導医 | 虚血性心疾患、循環器疾患一般 |
| 担当部長 堀口 愛 |
日本内科学会認定内科医・指導医 | 不整脈、循環器疾患一般 |
| 医師 松浦 寛祥 |
日本内科学会認定内科医 | 循環器疾患一般 |
| 医師 福澤 美穂 |
循環器疾患一般 | |
| 医師 平本 裕礎 |
循環器疾患一般 |
入院診療実績
| 年度 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|
| 急性冠症候群 | 74 | 89 | 115 | 109 | 77 |
| 狭心症 | 222 | 276 | 341 | 299 | 211 |
| 心不全 | 131 | 181 | 149 | 178 | 297 |
| 心臓弁膜症 | 24 | 29 | 26 | 17 | 17 |
| 大動脈疾患 | 15 | 17 | 16 | 14 | 21 |
| 不整脈 | 118 | 172 | 176 | 200 | 170 |
| 心臓カテーテル検査 | 556 | 662 | 748 | 723 | 642 |
| 冠動脈形成術(PCI) (うち緊急) |
144 (60) |
166 (80) |
198 (89) |
178 (85) |
157 (85) |
| アブレーション (うち心房細動) |
39 (32) |
52 (35) |
48 (39) |
66 (57) |
50 (39) |
| 末梢血管形成術 | 11 | 26 | 28 | 23 | 31 |
| ペースメーカー | 59 | 89 | 100 | 96 | 80 |
診療内容
急性冠症候群に対する救急診療
ステント治療前
ステント治療後
胸痛を訴える症例の診断・治療
心臓カテーテル室
心不全、心筋疾患の診断・治療
心不全治療に新時代が到来
心不全は心臓の収縮力の程度(駆出率)で駆出率の低下した心不全と低下せず保たれている心不全に大きくは分類されます。
前者の心不全においては標準的治療薬(ACE阻害剤またはARB、β遮断薬、アルドステロン拮抗薬(MRA))が治療の中心を長年になっていました。しかし、ここ数年のうちに1.サクビトリル・バルサルタン(ARNI)、2.SGLT2阻害薬、3.イバブラジンなど新たな薬物の登場により日本人を含む対象とした大規模臨床試験において予後改善効果を示しました。それにともない長らく活躍してきた標準的治療薬にこれらの新たな薬物が取って代わる可能性が高くなってきております(図)。
一方で、後者の心不全にも変化を認めます。これまで「肥大型心筋症」として見過ごされてきた心臓アミロイドーシスやファブリー病に対しても有用な治療法が発見され、とりわけその診断が重要になりました。これには心電図、心エコーのみならず心筋生検や心臓MRIといったツールの組み合わせが必要になります。
当科では、このように複雑性を増す心不全の各病態に対応して、経験のある医師が検査と治療を適切に行って参ります。また、心不全の認定看護師や心臓リハビリテーション指導士といった専門スタッフとともに多職種での介入を入院、外来を通じ広く展開していきます。
日本循環器学会/日本心不全学会.2021年 JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療.
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Tsutsui.pdf(21年4月閲覧)
徐脈・頻脈など不整脈の診断・治療
高周波アブレーション
冷凍バルーンアブレーション
ペースメーカー
慢性期には心臓リハビリテーションチームを形成し、リハビリ技師、看護師とタッグを組み、多様化する患者像に合わせ、入院中から退院後も日常生活などの指導を行っております。
トピックス リードレスペースメーカーの登場
そこで、主要合併症の半数を占めるポケット/リード関連の合併症を根絶すべく、リード線なしのペースメーカーが登場しました。容量1㏄、重さ1.75gの大きさのペースメーカーを大腿静脈からカテーテルを使用して右心室に留置するもので、手術痕などもなく翌日には退院も可能で認知症などで長期に入院できない患者さまにも対応可能となっております。
下図:新たなリードの無いペースメーカー
提供:日本メドトロニック株式会社